ちなみに本作では未登場だったオタマモンも登場。
「パクリじゃん。」と思う方は引き返すことを勧めます。やっぱ作りは雑です。
「はあ、はあ・・・」
俺は基本的に挑んでくる者は容赦なく消す。
「もう、終わりか?」
「バーニングフィスト!」
俺の相手メラモンは得意の火炎で俺を包む。
「はあ、はあ。これでもう動けないだろ!」
俺との戦闘でメラモンはすでに体力を使い切っていた。まあ、これで終わらせてやるか。成熟期との戦いももう飽きた。
「アイシーシャワー。」
俺は以前倒したアイスデビモンの技を使い、炎を一瞬で凍らせた。生憎水で戦った奴は今のところいないからこれが妥当な方法だった。自慢の炎を消されてメラモンはその場を動けなくなった。
「じゃあな、フロストクロー!」
俺は奴に向かって腕を突き刺した。奴の体はたちまち凍り始め、砕けた。砕けた欠片はいつものように俺の体に取りこまれていく。
「・・・・・・・。」
俺はマントを付け直してその場に座った。
これまでどれだけのデジモンを倒してきたのだろうか?
最初の内は数えてきたが三十を超えた時点で数えるのをやめた。最初の相手はクワガーモンだった。この世界に生まれてまだ能力のほとんどを使いこなせなかった俺にとってはあれほど過酷な戦いはなかった。あの時はギリギリ「フレイムストーム」を出せたから何とか倒せた。それからしばらくは自分の能力が使いこなせるまで地獄のような日々だった。
どれもがギリギリの戦い。
しかし、いつの間にかそれは強くなるという欲望に変化していた。今ではだいぶ能力の使い方も覚えたから相手が悪くなければ負けることはない。
負けることは許されない。
それがこの世界では死につながるのだから。
とあるゲコモンの村
「ゲコ・・・・・ゲコ・・・・」
暗い顔をしたゲコモンとオタマモンたちが酒樽を荷車に乗せていた。
「タマ・・・・・これで何とか間に合いそうだタマ・・・・。」
そう言いながらもゲコモンたちは荷車を動かし始める。その村に丁度一夏が通りかかった。
「なんだこの村は?やけに活気がないんだな。」
辺りを見回しても暗い顔をしているゲコモンとオタマモンばっかり。誰もが疲れ切った顔をしている。気になった一夏は近くにいたオタマモンに声をかけた。
「おい、一体どうなっているんだ?この村は?」
「タマ・・・・旅の人かタマ。悪いことは言わないタマ、早くこの村から出て行くタマ。」
オタマモンの言っていることが一夏には理解できなかった。
「どういうことだ?」
「それは私から説明するゲコ。」
後ろを振り向くと松葉杖をついたゲコモンがいた。どうやらこの村の村長らしい。
「詳しく聞かせてくれ。」
「ゲコ・・・・この村は一昔前までは本当に明るい村で私達ゲコモンはみんな愉快に歌を歌って暮らしていたもんだゲコ。ところがほんの数年前に近くの沼にオロチモンが住み着いてから村の毎日が地獄になったんだゲコ。近くに住んでいたデジモンはみんな殺され、オロチモンは私達の村にも襲ってきたんだゲコ。奴は村の安全を保障する代わりに毎日酒を自分の住む沼に持ってくるようにと条件を出したんだゲコ。それで今は誰もがオロチモンのことを恐れて毎日酒を納めに行くんだゲコ・・・・・・。」
話の途中でゲコモンは泣き出した。余程つらかったんだろうなと一夏は思った。
しかし、同情以上に別の感情が浮き始めた。戦いたいという狂った感情が。
「・・・・・・そのオロチモンという奴は強いのか?」
「え?それはもう私達が全員でいっても敵わないぐらい強いゲコ。」
「そうか。」
一夏は沼の方を目指して歩き始める。
「どこ行くんだゲコ!?」
「オロチモンと戦ってくる。」
『ええ!?』
その言葉に村中のゲコモンとオタマモンが驚いた。
「無理なこと言うなゲコ!」
「命を粗末にするのは良くないタマ!」
「考え直せゲコ!」
村中一同が説得をし始める。しかし、一夏は引き下がる気はなかった。
「心配することはない、死ぬ前にアンタらは関係ないことは言っておいてやるから。それに俺が死んでも誰も悲しんだりはしないからな。」
一夏はそう言い残すとオロチモンがいると言っていた沼に向かって行った。ゲコモンたちは心配そうに一夏の背中を見つめていた。
何故見つめる?俺よりも自分たちのことを心配するべきなのに・・・。
オロチモンの沼
この沼は一年中霧が濃く、晴れる日がほとんどない。そんな霧に包まれている沼にオロチモンは住んでいた。そして、今日もオロチモンはゲコモンたちから酒を受け取っていた。完全体であるオロチモンにはゲコモンたちも敵うはずもなくただ従うしかなかった。
「ふむ・・・・確かに揃っているな。よし、帰っていいぞ。」
「ゲ・・・・・ゲゴ・・・。」
ゲコモンたちは恐る恐るオロチモンから離れて行った。オロチモンは届いたばかりの酒を早速飲み始める。
「ぐふふふ・・・・・奴らから取った酒は実にうまい。しかし、ここにいるのももう飽きたし、そろそろ場所変えでも考えておくか。ここで俺の力はさらに強くなったしな。」
オロチモンは笑いながら酒を飲み続ける。そこへ足音が聞こえてきた。
「ん?」
オロチモンは酒を飲むのをやめ、足音のした方を見る。霧の向こうからマントで全身を隠した一夏の姿が見えてくる。
「貴様、ここをどこだと思っている!」
楽しんでいたところを邪魔されたオロチモンは不機嫌になっていたが一夏にとってはどうでもよかった。
「お前がオロチモンか?」
「ほう、俺のことを知っていながらここに来たと言うのか?だとしたらわざわざ犬死に来たのか?」
「犬死かどうかは知らないがな。」
一夏の一言にオロチモンは更に腹が立つ。
「貴様本当に死にたいようだな!」
オロチモンは尾の先にある「アメノムラクモ」で一夏の首を斬りつける。一夏は避けた後マントを脱ぎ棄て、一つの首に向かってバーニングフィストを放ち破壊する。更にそこからフレイムストームとメテオウィングを同時に放って二本の首を破壊した。
「フフフフ・・・・。」
「・・・・・偽物なのか。」
一夏は何となく言った。それに応えるかのようにオロチモンの首は一瞬で再生した。
「だったら本体は!」
一夏はオロチモンの黒い首を思いっきり殴りつける。しかし、オロチモンはビクともしない。
「馬鹿め、そんな攻撃では俺はビクともせんわ!」
オロチモンはアメノムラクモで一夏を突き飛ばす。
「ぐっ!」
「酒ブレス!」
オロチモンが口から放ったブレスにより一夏は思わず跪く。
(頭が眩む・・・・・・)
「は~はっはっはっはっは!どうだ!所詮貴様などこの俺の敵ではないのだ!」
オロチモンは笑いながらアメノムラクモで一夏を叩き付ける。一夏は何とか立ち上がろうとするが酔いで思うように体が動かない。
「ははははは!所詮貴様ら下級デジモンは出来損ないに過ぎんのだ!あのカエル共のようにしておればいいのもを・・・・・」
「出来損ないだと!?」
その一言で一夏の態度は一変した。
「出来損ない」
それは一夏の嫌いな言葉だった。人間の時から周りに言われ続けた最も嫌な言葉。それを言われることは彼の闘争本能に火をつけるようなものだった。
一夏は酔っていたことが嘘のように立ち上がる。そしてアメノムラクモに顔を撃たせたのかと思いきや歯で受け止めていた。
「き、貴様!さっさと離・・・・・!ぐわああ!」
一夏はオロチモンの尾を咬み砕いた。今までやられたことがなかったオロチモンは初めての痛みに思わずのたうち回った。しかし、隙を与えないのか一夏はオロチモンの本体の首を両腕で絞めつける。その目は明らかに殺気に満ちていた。
「ぐ、ぐうう・・・・・」
オロチモンは思わず恐怖した。
コイツは自分が想像していた以上の化け物だった。
そして、自分はコイツの触れてはいけないことを言ってしまった。
「とどめだ。」
一夏は右腕をオロチモンの頭に放つ。
「絶対冷凍パンチ。」
オロチモンはたちまち凍りつき、粉々に砕け散った。そしてその破片を残らず吸収した後、一夏はその場で倒れてしまった。
「・・・・・うう・・・。」
「大丈夫かゲコ!?」
一夏が気がついたときは周りにはゲコモンたちが来ていた。どうやらあの後心配で来たらしい。
「俺は一体・・・・」
「私達はうっかりオロチモンにやられたと思っていたゲコ。でもよかったゲコ。貴方のおかげでオロチモンはいなくなっていたし。」
「オロチモン・・・・・そうか。」
一夏はあの後オロチモンを吸収した後倒れたことを思い出した。
「これでまた昔のように毎日歌を歌いながら楽しく暮らせるゲコ!本当にありがとうゲコ!」
「旅人さん、ありがとうタマ!」
「・・・・・・」
一夏は何も言わずそのままマントを拾うとどこかへと去って行った。その姿をゲコモンの村長が何かを思い出すかのように見ていた。
「村長、何を見ているんだゲコ?」
「いや、あの竜の姿をどこかで見たような気がして・・・・」
そんなことを言いながらもゲコモンたちは感謝をするかのように彼の後ろ姿を見続けるのであった。
俺は人に感謝されたことがない。
人間であった時から。
だからどこでも同じだと思った。
でも、何だったんだ?あのゲコモンたちは?
俺が勝手にしたことなのになぜ感謝する?なぜ礼を言う?
俺はただ強い奴を求めてきただけなのに。感謝する価値もないはずなのに。
なぜ・・・・・・
このときの俺にはそれがどうしてもわからなかった。
「出来損ない」は死亡フラグ。
ちなみに今回使用した技。
フレイムストーム=ヴリトラモン
メテオウィング=バードラモン
バーニングフィスト=メラモン
アイシーシャワー=アイスデビモン
フロストクロー=アイスデビモン
絶対冷凍パンチ=ユキダルモン
以外に出し過ぎたな(汗)。
今更ですがオリジナル要素が含まれているのでご注意ください。
次回はどんなデジモンが出るのやら。