ヴリトラモン・ストラトス   作:赤バンブル

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タッグトーナメント開幕・・・・・のはずなんですが。

今回は大変気分を悪くするないようなので気に入らない方は急いで引き上げましょう。

VTシステム・・・・・正直言うとほとんど出番ないです。はい。


漆黒の機械龍

アリーナ ???

 

「おい、テリアモン。一体どこまで行くんだよ?」

 

狭い通路を潜りながらブイモンは言う。

 

「もうすぐだよ。」

 

先頭を歩いているテリアモンは走りながら言う。

 

「あ!なんか明るくなってきた!」

 

トコモンが前を見ながら言う。

 

「ここが僕たちでも見れるところだよ。」

 

テリアモンは自慢そうに言う。

 

「これって・・・・・」

 

アグモンは顔を下に向けて覗く。

 

「アリーナの排気口の通路だったのか!!」

 

「しかもよりによってアリーナの客席の入り口の真上!」

 

「ここなら鈴たちにもバレないで済むでしょ?」

 

テリアモンは笑みを浮かべながら言う。

 

「あ!箒と一夏だ!」

 

「いきなり兄貴と対決なんだ。」

 

「頑張れ箒!」

 

人間にしては窮屈な空間でもデジモンたちにとっては十分なスペースだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリーナ

 

「いきなり箒たちとぶつかるとはな・・・・」

 

一夏は腕を組みながら言う。

 

「でも、相方のボーデヴィッヒさんとなると苦戦は免れないね。」

 

「ああ。」

 

ラウラの方は妙に大人しく待機していた。

 

(・・・・このトーナメントが終わったらガブモンに謝ろう。いくら弱いからと言っても落ちこぼれていた私と同じ境遇だし、長い付き合いだからな・・・)

 

「おい、ボーデヴィッヒ。そろそろ試合が始まるが大丈夫か?」

 

「ん?あ、ああ大丈夫だ。」

 

箒に声を掛けられラウラは現実に引き戻される。目の前では炎龍を身に纏った一夏たちがいる。

 

「作戦は私は一夏と・・・・」

 

「篠ノ之、すまないが奴は私にやらせてくれないか?」

 

「なっ!何を突然!?」

 

「私には今迷いがある。それを振り払うためにどうしても奴とやり合いたいんだ。」

 

ラウラはいつもの威勢がない顔で言う。

 

「・・・・・・ガブモンのことでか?」

 

「き、貴様!何故それを!」

 

「数日前、私の部屋の近くにいたのを保護した。後で会えばいい。」

 

「・・・・すまないな。」

 

ラウラは箒に礼を言う。

 

「それじゃあ、この間の続きをやろうじゃねえか?」

 

「私は負けない。負けるわけにはいかないんだ!」

 

ラウラは一夏を睨み付けながら言う。その瞳は何か決意を感じさせるものだった。

 

「コイツは思っていたよりも面白い試合になりそうだ。」

 

言うと同時に試合開始のブザーが鳴る。

 

「行くぞ!」

 

「うん!」

 

二人は互いに相手に向かう。

 

「彼じゃなくてごめんね!」

 

「一夏と試合できる機会は授業以外でも模擬戦でいつでもある。お前は一夏とやる前にウォーミングアップだ!専用機だからと言って私を舐めると痛い目に遭うぞ!」

 

箒は打鉄の近接ブレード「葵」を展開し、シャルルは対抗すべく射撃・近接の両方を扱うことができる「ミラージュ・デ・デザート」で応戦する。一夏はラウラに向かって腕のレーザーバルカンで威嚇を始める。対するラウラはプラズマ手刀で薙ぎ払う。

 

「その手には乗らん!」

 

ラウラはレールカノンで砲撃を開始する。

 

「コロナブラスター!」

 

一夏は両手を合わせ火球を作り出し、レールカノンの光弾を掻き消した。

 

「ちい!(やはり一筋縄ではいかんか・・・・)」

 

「もう一発!」

 

一夏はコロナブラスターをもう一段放つがラウラはAICを発動させ、停止させた後プラズマ手刀で掻き消す。しかし、その直後一夏は彼女の目の前から姿を消した。

 

「や、奴はどこに!?」

 

「上だ!ボーデヴィッヒ!」

 

シャルルと攻防を繰り広げている箒は自分も余裕がないにもかかわらずラウラに言う。

 

「何!?」

 

「遅い!」

 

一夏はラウラに向かって電撃砲を数弾発射する。

 

「これしき!」

 

ラウラはレールカノンとワイヤーブレードで電撃砲を全弾相殺させようと試みるがそのうちの数段は軌道を変え、ラウラに着弾した。

 

「な、まさか、偏向射撃か!?」

 

「ちょっとした手品さ。」

 

一夏はラウラの一瞬の隙を逃さず、一気に彼女の目の前まで接近し、タックルをする。彼女は勢いよく壁に激突する。

 

「く!私はこのまま負けるわけにはいかないんだ!!」

 

ラウラは、脇腹を押さえながら立ち上がり、ワイヤーブレードを向かわせるが一夏はワザと腕に巻き付かせラウラを振り回し、床に叩き付ける。

 

「・・・私は・・・また同じ屈辱を味わうのか?あの時のように・・・・・」

 

ラウラは拳を握り締めながら起き上がる。シュヴァルツェア・レーゲンは既にボロボロでシールドエネルギーはほとんど削れてしまい勝負は目に見えている。

 

(嫌だ・・・・・またあの時のように落ちぶれるなんて・・・・・そんなの・・・・)

 

「嫌だあああああああああ!!!!」

 

ラウラが叫ぶと同時にシュヴァルツェア・レーゲンから紫電を放ち始め、本機は黒いどろどろとした泥のようになり、ラウラを包んで紫の鎧を纏った人型の何かに変わっていた。

 

「あ、あれは確か・・・・・」

 

それは一夏にとっても見覚えのある姿だった。

 

「暮桜・・・・だと?」

 

一夏は思わず口にする。

 

 

暮桜。

 

それは第一世代ISにして千冬が現役時代に使用していた物である。一夏が納得したと同時にアリーナの壁を何者かが突き破ってきた。

 

「な、なんだ今のは!?」

 

試合に集中していた箒とシャルルは思わず破壊された壁の方を見る。煙が晴れるとそこには以前襲ってきたゴーレムよりも一回り大きい竜の形をしたロボットが立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

客席入り口上の排気口

 

「あれ?下にいた人たちがみんないなくなっちゃたよ?」

 

トコモンは下を覗きながら言う。下では一般生徒たちが前回のトラウマもあってかさっさと避難していなくなっていた。

 

「と言うよりもなんか変じゃないか?煙で見えないし。」

 

「箒たち大丈夫かな?」

 

「行ってみよう。」

 

四匹は生徒が全員いなくなったのを確認すると排気口のふたを取り外し客席の方からアリーナの方を見た。

 

「あ、あれは!」

 

「確か・・・・・ムゲンドラモンだ!」

 

四匹は急いで客席から移動する。

 

「俺とアグモンは兄貴たちの所へ行ってくる!」

 

「じゃあ僕たちは織斑先生所に行ってくるね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリーナ

 

「なんでムゲンドラモンが・・・・・」

 

一夏は唖然としながら見る。一夏だけではない、箒もシャルルも驚いていた。

 

「な、何なんだあれは!?」

 

「どう見てもISじゃないよね?」

 

「ムッフッフッフッフ!ここまでうまくいくとは予想以上です!」

 

「!この声は!」

 

一夏はムゲンドラモンたちの真上を見る。そこには以前自分たちを嵌めたメルキューレモンが笑いながら浮いていた。

 

「メルキューレモン!」

 

「お久しぶりですね、ヴリトラモン。いや、ここでは織斑一夏でしたね。」

 

メルキューレモンは平然と言う。

 

「一夏、アイツは?」

 

「奴はメルキューレモン、よく分からない奴だが悪者だって言うのは確かだ。」

 

「フフフフ、まあそれは否定しませんよ?」

 

メルキューレモンがヘラヘラする中ムゲンドラモンは苦しそうな頭を押さえていた。

 

「う、うううう・・・・助け・・・・」

 

「この声・・・・・もしかしてガブモン?」

 

「ご名答、確かに彼はガブモンです。」

 

「貴様、ガブモンに何をした!」

 

「なあに、ちょっとお手伝いをしてあげただけですよ?強くなるためのお手伝いを。」

 

「それってどういうことかな?」

 

「私の仕えているあるお方の生みだした特殊な究極体進化プログラムを彼に与えただけです。それ以外は何もしていませんよ?」

 

「貴様!」

 

箒はアサルトライフル「焔備」を放つがメルキューレモンが腕の鏡を翳すと跳ね返されてしまった。

 

「無駄ですよ。」

 

「くそう・・・・・ガブモン!私のことがわかるか!」

 

箒はムゲンドラモンに向かって言う。

 

「うう・・・・・ほうき?」

 

「そうだ!」

 

「ラウラ・・・・は?」

 

「お前の隣にいる。」

 

ムゲンドラモンは隣にいる暮桜モドキを見る。

 

「そ、そんな・・・・俺のせいで・・・・・」

 

「おおっと、お楽しみはこれからですよ。」

 

メルキューレモンは光る球体をムゲンドラモンに投げつける。

 

「ぐ、ぐおおおおおお!!!!」

 

ムゲンドラモンは咆哮をあげて暮桜モドキを取り押さえる。すると同化が始まり、ムゲンドラモンの体色が漆黒に染まっていき、胸部には気を失い、IS解除状態になったラウラが拘束されていた。

 

「これでダークムゲンドラモンの完成です。」

 

「ぐわああああああ!!!」

 

「同化!?」

 

「さあて、後は存分に楽しんでくださいね。私はこれで失礼しますから。」

 

「待て!貴様、逃げるつもりか!」

 

「逃げる?私はこれでも忙しい身なのです。あなたたちに付き合っている暇はないんですよ。」

 

そう言うとメルキューレモンは姿を消してしまう。

 

「どうする一夏?」

 

「どうするも何もこのままほっといたらこの間の無人機事件のようにすまないぞ?」

 

「でも、僕たちが攻撃したらボーデヴィッヒさんに・・・・」

 

「兄貴~!」

 

「箒~!」

 

そこへアグモンとブイモンが走ってくる。

 

「チビ!アグモン!お前たち寮にいたんじゃないのか?」

 

「話は後だよ!」

 

「アグモン、テリアモンたちはどうした?一緒にいたんじゃないのか?」

 

「今、鈴たちと合流して織斑先生に知らせている。」

 

「生徒たちは既に避難を終えている。」

 

そこへ更にレナモンが現れて言う。

 

「な、なんだ!?お前は?」

 

「あ、レナモンは僕のパートナーなんだ。」

 

「まあ、誰もいないんなら問題はなさそうだ。」

 

一夏は炎龍を解除し、ヴリトラモンの姿に戻る。

 

「チビ!進化だ!」

 

「分かった!」

 

「アグモン、行くぞ!」

 

「OK!」

 

「レナモン、僕たちも。」

 

「わかっている。」

 

三人は同時にデジヴァイスを翳す。

 

「ブイモン進化!」

 

「アグモン進化!」

 

「レナモン進化!」

 

三体は同時に光り、徐々にその姿を変えていく。

 

「エクスブイモン!」

 

「ライズグレイモン!」

 

「キュウビモン!」

 

「箒とシャルルは後方で援護してくれ。行くぞ、お前たち!」

 

一夏はオメガソードを展開すると三匹を従えてダークムゲンドラモンへと向かって行く。

 




今回の技

コロナブラスター=ヴリトラモン



今回のデジモン

ダークムゲンドラモン(究極体・マシーン型・ウィルス種)

ラウラのガブモンがメルキューレモンの特殊プログラムを取り込んで進化した暗黒デジモン。最初は通常のムゲンドラモンであったがVTシステムで暴走したラウラごと取り込んだため体色が黒に変わっている。能力も通常個体よりも上昇している。胸部にはラウラを拘束している。

このデジモン、最初の名前は「ブラックムゲンドラモン」にする予定でしたがなんか外見があまり変わらないのでネームを変更しました。

次回はラウラとガブモンにまつわる過去話を含めての作ろうと思います。

それではまた次回。
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