ヴリトラモン・ストラトス   作:赤バンブル

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そろそろ新編に入ろうと思うのでなんか本編に関係なさそうなエピソードを三本公開します。

気に入らない方は早めに戻りましょう。

お気に入り300件、UA80,000突破記念。


番外的な短編集

『真耶とケラモン』

 

 

真耶自宅

 

「ケラちゃん、ただいま~。」

 

「オカエリ!マヤ!オカエリ!」

 

真耶が買い物袋を持って玄関に入ってくるとケラモンがはしゃぎながら抱き付いてきた。臨海学校を終えた後ケラモンは真耶の家で生活している。最初は自分に驚かなかった真耶に恐怖を感じていたケラモンだったが真耶と生活していくうちに次第に自分のことをまっすぐ見てくれる真耶に懐くようになった。ケラモンは真耶を引っ張りながら部屋の中へと行く。

 

「ハヤクアソボ!アソボ!」

 

「あ~ちょっと待ってて。織斑先生に頼まれて仕事増えちゃったからそれ終わったら遊んであげるから。ね。」

 

真耶はそう言うとケラモンに抱き付かれたまま夕飯の準備をする。

 

 

 

 

夕食を終えた後真耶は早速仕事にとりかかっていた。隣ではケラモンがその様子を見ていた。

 

「マヤッテ、ドウシテシゴトシテイルノ?」

 

「それは生活するためには大事だからですよ。」

 

「ニンゲンノオンナハイバルノニドウシテマヤハイバラナイノ?」

 

「女の人がいばるのは女尊男卑の社会だからと思うけどそう長く続かないかもしれないかな?」

 

「ドウシテ?」

 

「だって織斑君がISを動かしたことによって今までの常識を覆しちゃったから・・・・・それにこれから先も同じ人が出てきたらもっと変わるだろうし。」

 

「マヤッテ、オリムラセンセイスキナノカ?」

 

「尊敬しているんですよ!だってISの競技大会ではV2を飾って、たくさんの人から『ブリュンヒルデ』と呼ばれて尊敬されているんですよ!それに比べて私と言ったら・・・・・」

 

真耶は少し悲しそうな顔をする。

 

「マヤハヤサシイノニソンケイサレナイノカ?」

 

「ケラちゃんが考えているほど世の中優しくないんですよ。私も頑張ったけど代表にまではなれなかったし・・・・」

 

「マヤハケラモンニヤサシクシテクレルシ、ケラモンノコトヲカワイイッテイッテクレタ。ダカラマヤハケラモンニトッテハイチバンスゴイヒト!」

 

「ケラちゃん・・・・」

 

真耶は思わずケラモンを抱きしめる。

 

「そうですね・・・・丁度一区切りもついたし一緒にお風呂でも入りましょうか?」

 

「ハイルハイル!ケラモンコンドコソナガブロデカツ!」

 

「ふふふ、私だって負けませんよ!」

 

この数十分後、真耶とケラモンはゆでだこの状態で倒れた。でもその顔は何か満足しているような顔だった。

 

「ケラモンハマヤノコトガダイスキ。ダカラコレカラモズットイッショ。」

 

ケラモンはそう言いながらその日の夜も真耶の胸の中で眠るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『箒&アグモンストーリー』

 

私がアグモンに出会ったのは父さんと母さんと別れてからすぐだった。その日も学校で同級生に『男女』と馬鹿にされ、制裁をくわえたら先生とそいつらの両親に怒られた。アイツらは笑って私だけは落ち込みながら家に帰ってくる。当然ながら私の家には誰もいない。いるのは私だけだった。

 

「う、うう・・・・」

 

私はしゃがみこんで泣いた。私の味方は誰もいない。いるとしたら引っ越し前に一度助けてくれた一夏ぐらいだった。でも、その一夏にも会えない。故に私は孤独だった。そんな時、家のチャイムが鳴った。私が玄関に行くとそこにはサングラスで目を隠し帽子を深く被った人が大きな段ボール箱を持っていた。

 

「宅急便です。」

 

「私は何も頼んでいないのだが・・・・」

 

「まあまあ、宛先はここなので。」

 

そう言うと配達人は荷物を置いてすたこらさっさと行ってしまった。私が箱を開けてみるとそこには見たこともない大きな卵が入っていた。

 

「な、なんだこれは!?」

 

私は他に何か入っていないか調べて見た。すると一通の手紙が入っていた。

 

『箒ちゃんへ

 

元気?お姉ちゃんのせいで寂しい思いをしている箒ちゃんにプレゼントを贈りま~す!この卵を大事に温めてね。そうすれば箒ちゃんのお友達が生まれるよ。どんな子かはわからないけどきっと力になってくれる。だから頑張ってね。

 

P.S.女の子らしくならないといっくんにまた会えたとき嫌われちゃうぞ!

 

                                 箒ちゃんのお姉ちゃん 束さんより。』

 

 

 

「・・・・・・・・姉さん?」

 

どうやら姉さんからの贈り物だったらしい。私は半信半疑で取り敢えず卵を自分の布団で温めることにした。

 

 

 

そして、一週間ぐらいが過ぎた頃、学校から帰ってきたら布団の中で黒い生き物が生まれた。それがボタモン、今のアグモンだ。私は一瞬毛皮で手足が隠れている黒猫に見えてしまった。最初は震えて物陰に隠れていたが私が声を掛けるとピョンピョン跳ねながら近寄ってきた。なんか弟ができたのかのように嬉しかった。

 

更に三日経つと私が予想もしなかった出来事が起きた。ボタモンの進化だ。朝私が寝ていると

 

「箒・・・・箒!」

 

「う・・・・・誰だ?」

 

私が目を開けると目の前には進化したボタモンことコロモンが目の前にいた。突然のことだから私は流石に悲鳴を上げた。

 

「きゃああああああああああ!!!!」

 

「箒、起きた起きた~!よかった~よかった~!」

 

「私のことを知っている?」

 

「箒起きたよかった~!」

 

まだパジャマ姿で驚いている私の周りをコロモンが跳ねまわりながら言う。コロモンは笑顔で私の目の前に来る。

 

「お、お前は何なんだ!?」

 

「僕、コロモン!箒の友達!」

 

「友達?」

 

「箒昨日言ってた!コロモン友達だって!」

 

「お、お前もしかして・・・」

 

「僕、昨日までボタモンだったんだよ!」

 

コロモンは笑いながら私に話した。

 

 

その日を境に私には楽しみができた。コロモンと言う友達ができたから。

 

コロモンは私の学校の出来事を聞いて一緒に行きたいなということもあれば私が悪いことは悪いと言って私のことを指摘した。流石の私もそれを受け入れるしかなく何とか直そうと努力した。特に料理に関してはかなり言われたもんだな。コロモンがコンビニ弁当の味は変とか言って手作りに切り替えたときに。

 

私が中学に入るころにコロモンはアグモンに進化した。アグモンに進化すると私と一緒に剣道の練習をしてみたりといろいろ楽しい時間が過ぎた。その頃になると小学生時代の頃の私が恥ずかしいと思えるほど自己中心だったなと考えるようになる。

 

「・・・・・っと言って私が一夏を鍛えようとしたんだがアグモンはどう思う?」

 

「それ絶対箒が悪いよ。友達の都合を聞かないでやるんだから。」

 

「やっぱりそうか?」

 

「うん。箒が悪いよ。」

 

「・・・・・・うう、もし一夏に再会したときに会わせる顔がない・・・・」

 

そんな事を話しながらあっという間に三年が過ぎ私はIS学園に入学した。本当はまだいろんな話があるんだけど今回はここまで。続きは・・・・・

 

「箒~!早くしないと一夏が怒るよ!」

 

おっと、アグモンの声だ。早くしないと一夏の機嫌を悪くしてしまうな。私は急いで巫女服に着替える。

 

今日は私の叔母、雪子おばさんが管理している篠ノ之神社の夏祭り。もう既に一夏が鈴たちとこの間会った五反田たちと一緒に来ているはずだ。

 

今日は私の巫女服姿を披露するんだ。一夏、似合うって言ってくれるかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『黒い花』

 

デジタルワールドのある荒野。数日前、私はそこの光景を見つめていた。ここはかつて彼と私、そしてライラモンとチビちゃんが旅した場所の一つでもあった。あの頃はここは緑の草原が広がり、遠くには大きな湖があった。

 

でも、今は何もなく、黒い荒野となっていた。

 

 

全てはイチカが人間界に旅立って二年ぐらい後だった。

 

それまで平和だったデジタルワールドは突如出現したデジモンと異なるある生命体によって崩壊の一途を辿った。その生命体はデジモンを捕食し、周りの環境までも破壊すると言う恐ろしい奴だった。その生命体の手によってライラモンが死んだ。成長したチビちゃんを見るのが楽しみだって言っていたのに・・・。ライラモンだけじゃない。他の多くのデジモンたちもその生命体によって捕食された。デジタルワールドの大半がこの生命体によって変わり果てた姿になった。彼と共に旅した地のほとんども。私は変わり果ててしまった大地を目の前にイチカのお守りを見つめる。

 

「どうして・・・・どうしてこうなったの・・・・」

 

私はライラモンが亡くなってから強くなろうとその頃まだ無事だったヴァイクモンの雪山で修行をすることにした。本来なら出てくるはずのロイヤルナイツが動いていない以上私達一般のデジモンで対応するしかない。そのために私は厳しい修行をした。その修行の中で私はかつて敵対したサイバードラモンたちと再会した。彼らも今のデジタルワールドを救うために修行をして力を身に付けるのだと言っていた。

 

私達は必死に修行した。滅びゆく故郷を守るために。その長い修行の末、私たちはそれぞれ究極体へと姿を変えた。その中で私はバンチョーの名を引き継いだ。私たちは修行を終えた後にそれぞれの故郷へと戻り防衛に就いた。そんな中私の故郷の街に意外な人物が訪れた。オメガモンである。私たち二人は街から離れた見晴台で話をした。

 

「すまないな。こんな時に。」

 

「一体何しに来たのよ!デジタルワールドがこんな風になるまで放っておくなんて!アンタ達ロイヤルナイツは今まで何をしていたのよ!」

 

「実はと言うと我々の方でも問題が発生しているんだ。」

 

「問題?」

 

「イグドラシルが現在生き残っている全てのデジモンを人間界に一時避難させることを決定した。」

 

「え?」

 

オメガモンの一言に私は驚いた。そこへ慌ただしくマグナモンが現れる。彼は物凄い重傷を負っていた。

 

「マグナモン!これは一体・・・・・」

 

「予想外のことがわかった・・・・今回の計画・・・・・・それは人間界の破滅だ。」

 

「何!?」

 

「今回の事件でイグドラシルはあの生命体をイーターと命名し、奴がデジタルワールドの全てのデータを捕食・破壊する恐ろしい生物だと判断し、現在生き残っている全てのデジモンを人間界に避難させるため、人間界に進出し人間を滅ぼすと決定を下した。」

 

「どういうことよ!人間を滅ぼすって!」

 

「今回のイーターの出現は人間がISというもので世界を一気に狂わせたことでその影響から誕生したと推測されている・・・・・・よって、イーターを完全に滅ぼすには人間を滅ぼすしかないと言っておられた・・・・うう・・・。」

 

マグナモンは苦しそうに言う。もはや彼の体は崩壊寸前にだった。

 

「だが・・・・・私はイグドラシルの判断が少しおかしいと感じていた・・・・そのために私はイーターが最初に現れたというダークエリア近辺を調査してみた・・・・・それで分かった・・・・今回の事件の犯人はル・・・・・・」

 

言いかけた瞬間マグナモンは奇跡のデジメンタルを残して消滅してしまった。ライラモンの時と同じだ。私は思わず恐怖した。

 

私はその後オメガモンと一緒にイグドラシルの所へ向かった。でも、すでにそこではデュークモンと残りのメンバーが対立している所でその争いの末、オメガモンは私を庇って死んだ。彼は最後に私にこう言った。

 

「私の・・・・・力を・・・・ヴリトラモンに・・・・」

 

彼の体は剣に変わり私はこの剣をイチカに渡すために人間界に向かうことになった。

 

 

今、私は人間界へのゲートを進んでいる。イチカは私の事を覚えているのだろうか・・・。

 

 

後ろから誰かが迫っている・・・急がなくちゃ。

 

私はもうあの頃みたいに美しい花じゃない。黒く汚れてしまった。それでも私は死ねない。

 

ライラモンやみんなのために、そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イチカ、貴方に会うために・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 




新章では一気に学園祭編まで飛ぶ予定。
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