ヴリトラモン・ストラトス   作:赤バンブル

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今回も気に入らない方は戻りましょう。


再会と元凶の正体

IS学園

 

「ぐうう・・・」

 

「大丈夫?シャル?」

 

「セシリア!」

 

「大丈夫ですわ、ガルダモン。」

 

一夏と箒がドゥフトモンたちと戦っている頃、セシリアとシャルロットは突然現れた騎士型デジモンに苦戦していた。外見はデュークモンに酷似しているが武装はランスと盾ではなく魔槍のみで慈悲もない冷徹な目で彼女らを見ていた。

 

「究極体サクヤモンと完全体のガルダモン・・・・所詮はこの程度か。」

 

デュークモンに似たデジモンは呆れた口調で言う。セシリアたちは悔しそうに見る。

 

「いきなり現れて襲っておいてなんですのその態度は!失礼にもほどがありますわ!」

 

「一体君たちの目的は何なんだ!どうしてこんなことを。一夏の話だとロイヤルナイツはデジタルワールドの秩序を守るのが使命じゃ・・・・」

 

「その秩序を守るためにやっているのだ。」

 

彼は見下すような目つきのままシャルロットたちを見る。

 

「そもそも俺はロイヤルナイツではない。緊急招集で呼ばれたに過ぎん。わざわざ義兄弟と誓った者が離反をして散るとは思ってもみなかったからな。」

 

「え?つまり、ロイヤルナイツ同士で殺し合ったとでもいうの?」

 

シャルロットはデュークモン似のデジモンに聞く。彼は全く答えることなく自分の話を続ける。

 

「デジタルワールドは貴様ら人間のISの登場による影響によって壊滅的打撃を受けている。イグドラシルはそのために生き残ったデジモンをこの人間世界に避難させることを決めたのだ。だが、それにはこの世界をゴミのように張っている人間が邪魔だとは思わんか?」

 

「そ、そんな・・・・ゴミだなんて・・」

 

「貴様らが思うのも尤もだが人間たちとて我々を単なる害虫だと思うだろう?道理は同じだ。」

 

「そんなことはないよ!デジモンも人間も共存して行ける!人間との間だって話し合えば・・・・」

 

「俺は貴様らの話を聞く気はない。作戦に支障をきたすのなら貴様らも排除する。」

 

デュークモン似のデジモンはそう言うと魔槍を光らせ、セシリアたちに向かって放つ。

 

「ファイナル・クレスト。」

 

光線は徐々にシャルロットたちに向かって迫る。

 

「シャル!」

 

サクヤモンはパートナーを守ろうと金剛界曼荼羅を展開する。ファイナル・クレストは結界に大きな衝撃を与える。

 

「無駄なことを・・・・・レイジ・オブ・ワイバーン。」

 

デュークモン似のデジモンは技を使用している最中にも関わらず、槍から更に巨大な竜の形をした炎を形成する。炎を結界に突っ込ませると結界は一瞬にして消滅し、シャルロットたちは吹き飛ばされた。煙が晴れるとそこにはボロボロになった彼女たちが倒れていた。

 

「シャ・・・・・ル・・・・」

 

「セシリア・・・・・」

 

サクヤモンとガルダモンはパートナーの名を呼ぶがダメージの影響で動くことができない。セシリアたちもダメージを受けすぎて動けなくなっていた。

 

「そこまでのようだな。心配することない、すぐに楽にしてやる。」

 

デュークモン似のデジモンは魔槍を振り上げ、まず手始めにシャルロットの首から斬り落とそうとする。

 

「ゴメン・・・・・母さん・・・・・」

 

シャルロットは目を閉じて覚悟を決めた。

 

 

ガキン!

 

 

そのとき金属同士がぶつかり合う音がした。目を開けてみると巨大な剣を持った黒いデジモンが彼の魔槍を防いでいた。

 

「・・・・・何者だ?貴様。」

 

「ノエルの子供に指一本触れさせない!」

 

彼はそう言うとその場から離れる。シャルロットは何が起こっているのか分からなかったが次に自分の顔を見た人物に唖然とした。

 

「シャルロット!大丈夫?シャルロット!」

 

「母・・・・さん?」

 

シャルロットは目の前に死んだはずの母親の顔を見て言葉を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏&箒

 

「ぐうううう!」

 

「どうした?息が上がっているぞ?」

 

ドラモンブレイカーを息も切らさずに受け止めるドゥフトモンにビクトリーグレイモンは驚かされていた。

 

「Vウィングブレード!」

 

エアロブイドラモンは空中からV字状のエネルギー体を形成しながら突っ込むがドゥフトモンは受け流すかのように避けてしまう。

 

「エルンストウェル。」

 

ドゥフトモンは剣から爆発的なエネルギー波を放つ。二人は急いで回避をするがこれはドゥフトモンの策だった。

 

「レオパルドモード。」

 

ドゥフトモンは瞬時に騎士から獣の姿へと変わる。そして、地上を高速で移動し飛翔する。

 

「ブロッカーデ。」

 

「ぐう!」

 

「うわあああ!?」

 

二人はガードするがどんどん傷ついていく。一方の箒はダメージを受けている一夏をサポートしながら戦っていた。

 

「人間にしてはいい腕だ。だが私を相手にするにはまだ未熟なようだな。」

 

「それでも私は、一夏を守って見せる!」

 

箒は雨月と空裂を巧みに使いながら応戦する。一夏はダメージの影響で動きづらくなった体に鞭を打って戦っていた。

 

「炎龍撃!」

 

「アージェントフィアー!」

 

二人の攻撃が同時にぶつかる。どちらの攻撃も五分五分の威力であったが相殺した瞬間をロードナイトモンは見逃さなかった。

 

「スパイラルマスカレード!」

 

ロードナイトモンは接近して来た箒に向かって攻撃をする。

 

「しまった!」

 

「箒!」

 

一夏は咄嗟に箒を庇う。ロードナイトモンの鎧から伸びる四本の帯刃が一夏の体を切り刻んでいく。

 

「ぐうう・・・・・」

 

「一夏!」

 

傷ついた一夏を箒は押さえる。

 

「今が好機!止めを刺させてもらう!」

 

ロードナイトモンは一旦距離を置くと一気に畳み掛けようとするがそのとき少し離れた場所から声がした。

 

「トゥインペダル!」

 

ヨーヨーのような物がロードナイトモンの腕に巻き付いて動きを封じる。箒は向こうを見るとそこには妖精型デジモンがいた。

 

「あ、あれは・・・・・」

 

それはドゥフトモンの攻撃を受けて動けずにいるエアロブイドラモンも驚くものだった。

 

「リリモン姉ちゃん?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セシリア&シャルロット

 

「ど、どういうことですの!?デュ、デュノアさんのお母様は死んだはずじゃ・・・・・」

 

ボロボロの体でありながらセシリアは立ち上がりシャルロットの方へと歩いて行く。シャルロットは唖然としながらも母の顔を見つめていた。

 

「母さん・・・・・・本当に母さんなの?」

 

「そうよ、シャル。元気だった?」

 

シャルロットはなんとか起き上がり母の顔を見直す。何度見ても母の顔だ。

 

「母さあああああん!!!」

 

シャルロットは号泣しながらノエルに抱き付く。ノエルも久しぶりに娘の顔を見て嬉しかったのか嬉し涙を流していた。

 

「母さん、どうして?あの時事故で死んだはずじゃ・・・・・」

 

「確かに私はあの時事故に遭ったわ。でも、ぶつかる直前あの子がゲートを開いて私を守ってくれたの。」

 

ノエルはデュークモン似のデジモンと戦っているアルファモンを見ながら言う。

 

「あのデジモンは母さんのパートナーなの?」

 

「ええ、とは言ってもあなたが生まれる何年も昔に別れてそれっきりだったんだけどね。」

 

「じゃあ・・・・どうして、どうして早く戻ってきてくれなかったの?僕も・・・・レナモンも悲しかったんだよ。」

 

「ごめんなさいね。それにはどうしても調べなくてはならないことがあったのよ。」

 

ノエルはシャルロットの顔を見ながら言う。

 

「二年前の時、エリザ・・・・・今のあなたのお義母さんだった彼女から連絡が来てね。お父さんの様子がおかしいから来てほしいと言われたのよ。」

 

「え!?母さんはお義母さんと仲が悪かったんじゃないの!?」

 

シャルロットは驚いた顔でノエルに聞く。ノエルも意外な反応に驚いていたがすぐに首を横に振る。

 

「私とエリザ、そしてお父さんのマークは元々学生時代からの親友同士だったの。私とマークは元々恋仲だったけど家の事情で別れざる負えなかったのよ。それが私があなたを身籠った時だったんだけど、エリザはそのことについては責めるようなことはしなかったわ。むしろ赤ん坊の頃のあなたの顔を見にこっそり遊びに来たほどだし。」

 

「じゃ、じゃあどうして僕が来た時何も・・・・・」

 

「おそらく誰かに脅されたと言う方が合ってはいると思うけど・・・・話がそれたから戻すわ。私はその連絡を受けて車で行ったんだけど例の事故に遭った。その原因を調べたらあることがわかったの。」

 

「あること?」

 

シャルロットは不思議そうな顔をしながら聞く。

 

「あの事故は仕組んであったの。私を殺すためにね。」

 

「こ、殺す!?ということは・・・・」

 

「でもエリザが仕込んだことじゃない。仕込んだのはマーク・・・・いや、体を乗っ取って彼を演じていたデジモン、ロイヤルナイツのドゥフトモンだったの。」

 

「ロイヤルナイツが父さんを?でもどうして?」

 

シャルロットの質問にノエルは少し言いづらそうだった。

 

「母さん?」

 

「・・・・ドゥフトモンは・・・・マークのパートナーだったの。私とエルザの三人でデジタルワールドを旅していた頃の。」

 

「え?」

 

ノエルの答えにシャルロットは言葉を失った。他に何か聞きたかったが苦戦しているアルファモンを見ると今はそれどころではないと判断した。

 

「サクヤモン、立てる?」

 

「大丈夫、いつでも行ける。」

 

サクヤモンは金剛錫杖を構えながら言う。ガルダモンの方も体力がある程度回復した。

 

「デュノアさん。」

 

「大丈夫だよ、セシリア。母さん、詳しいことは後で聞いてもいい?」

 

「勿論よ。」

 

二人はデュークモン似のデジモンに向かって行く。その後ろにはサクヤモン、ガルダモンがついて行っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回の技

ファイナル・クレスト=メディーバルデュークモン
金剛界曼荼羅=サクヤモン
レイジ・オブ・ワイバーン=メディーバルデュークモン
Vウィングブレード=エアロブイドラモン
エルンストウェル=ドゥフトモン
ブロッカーデ=ドゥフトモンレオパルドモード


今回のキャラ

メディーバルデュークモン(究極体・戦士型・データ種)

デュークモンに似たデジモン。今回はロイヤルナイツの補充員として招集された。人間界にあまり興味がなく、ただ雇われてやっているという感じ。


エリザ・デュノア

今回初めて名前が出たシャルロットの義母。ノエルとは学生時代の友人で愛人扱いされた後でも密かに交流をしていた。ネタバレではあるがかつてのパートナーはロイヤルナイツのデュナスモン。実はかなり明るい性格の女性。

マーク・デュノア

シャルロットの実父。元はノエルと恋仲だったらしいが家の事情で別れた。現在は既に死亡扱いになっており、シャルロットが対面していたのは彼を演じていたドゥフトモン。


次回もゴタゴタ展開。


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