見ていられない方は戻りましょう。
デュノア社 地下
「デジタルウェイブ発生装置、出力安定。ゲート展開。」
デュノア社の地下でデュナスモンはデジタルウェイブ発生装置を稼働させ、世界各地にデジタルシフトを起こし、ロイヤルナイツの率いる精鋭デジモンたちを送り込もうとしていた。そんなデュナスモンの所へ一人の女性がやって来る。
「やめてデュナスモン!こんなことをしてなんになるの?」
「エリザ・・・・ここには来るなと言ったはずだ。」
デュナスモンは女性エリザ・デュノアの方を見て言う。
「私はもう君のパートナーではない。イグドラシルに仕えるロイヤルナイツのデジモンなんだ!ノエルをこの手で殺めてしまったときからそう覚悟を決めたんだ。」
「だからって・・・・・だからと言ってこの世界を滅ぼすなんておかしいわ!あなたは言っていたじゃない。人間は滅ぼすべきではないって。」
「ああ、この世界で君に再会するときまではそう思っていた。だが、この現実はどうだ!この世界は何もしなくてもいずれは滅びる。君たち人間の手で!私は・・・・君たち人間がそこまで汚い考えをする生き物だとは思わなかった!」
デュナスモンは怒りの目でエリザを睨み付ける。彼にとって人間は誰もが平和を望むような生き物だと信じていた。だが実際見て見れば人間は己の欲のために時には騙し、時には脅した上に屈服させ最終的に殺し合う。更にこの女尊男卑の世界を見て彼は更に人間に対して失望した。
「現にドゥフトモンのパートナーであったマークもこの腐った世界のために疲弊し倒れた。デジモンと人間の共存を考えていた彼がだ!君はそれでも滅ぼすべきではないと言えるのか?」
「そ、それは・・・・・」
エリザは何も言えなくなってしまった。それを言い終えるとデュナスモンは装置の制御に戻る。
「大人しく部屋に戻るんだ。今度勝手に出てきたら君と言えど容赦しない。」
彼女はわかり合うことができない元パートナーに涙を流しながら去って行った。デュナスモンは気づいていなかったが自分自身の手が震えていた。
IS学園
「ついに開かれたか・・・・人間世界の滅亡への扉が・・・」
ドゥフトモンは通常の形態に戻り空に現れた時空の穴を見る。
「ヴリトラモン、よく見るがいい!あの扉から我らロイヤルナイツが率いる精鋭たちが世界各地に出現し、人間共を滅ぼすのだ!」
「何!?」
一夏は時空の穴を見る。そこからは騎士型・マシーン型・サイボーグ型などを中心に成熟期・完全体のデジモンたちが降りてきていた。
「何故だ・・・・なぜこうまでして!」
一夏はドゥフトモン、そして先ほどリリモンの拘束を解いたロードナイトモンに向かって言う。
「全てはこの世界でISと言ういうものができたのが原因だ。本来なら製作者の篠ノ之束を先に殺したかったが我らの手でも見つからなかったのでな。優先順位を変えたのだ。」
「確かにISのせいでこの世界はおかしくなった。だが、それとデジタルワールドの異変がどう関係しているというんだ!」
一夏にはわからなかった。どうしてそこまで人間を滅ぼさなくてはいけないのか。ドゥフトモンはリリモンの方を見ながら言う。
「貴様は元々人間だったのだから言うのも無理ないな。だが現にその異変のせいでコイツの友も無残に消されたのだぞ?」
「な、何?」
一夏は驚いた顔をしていたが一番ショックを受けていたのはエアロブイドラモンだった。
「・・・・死んだ?ライラ姉ちゃんが?」
エアロブイドラモンはリリモンの方に来る。
「嘘だろ?姉ちゃん?嘘だろ?ライラ姉ちゃんが死んだなんて?」
リリモンは首を縦に振らなかった。
「そんな・・・・・・・・・ライラ姉ちゃんが死んだなんて・・・・」
エアロブイドラモンはブイモンにまで退化して跪いた。
「ブイモン!」
「嘘だそんなことおおおおお!うわああああああああ!」
ブイモンは拳を握り締めながら泣き始めた。
「見ろ、ヴリトラモン。これが現実だ。貴様が人間を庇っている間にもデジタルワールドでは更に犠牲者が増え続けているのだ。それでも貴様は人間の味方をするのか?」
一夏は知らぬ間に自分の腕は震えていることに気づいた。自分は元は人間だった。しかし、今はデジモンだ。そんな自分がこのまま戦い続けたらデジタルワールドでは更に犠牲者が出るのではないか?そう言う恐怖が彼の体を震えさせていた。
「一夏!しっかりしろ!」
箒が必死に揺さぶるが一夏は何も反応しない。
「貴様ら!」
箒はドゥフトモンたちを睨む。
「ほう、我らを憎むか?篠ノ之箒?いいだろう、憎め。ドンドン憎め!それは憎しみに満ちた顔が故郷を失った我々への最大の喜びよ!」
箒は突っ込もうとするがリリモンに押さえられる。
「ダメよ!あんな奴の策に乗せられちゃ!」
「離せ!私はアイツらを許せない!」
「箒、落ち着くんだ!今の俺たちじゃアイツらに勝ち目はない。」
ビクトリーグレイモンにも言われ箒は抵抗するのをやめる。しかし、その直後ゲートは急に閉じてしまった。
「何!?ゲートが閉じた。どういうことだ!?」
驚いているロードナイトモンの横でドゥフトモンは通信を行う。
「デュナスモン、一体どういうことだ。ゲートが閉じたぞ?」
『すまない、やはりまだパワーが安定していないからゲートを維持することができなかったようだ。』
「・・・・・こうなるのならもう少し万全な状態で行うんだったな。」
ドゥフトモンは軽く舌打ちをしながら一夏たちの方を見る。
「ヴリトラモン、貴様は運がいい。貴様に最後のチャンスをくれてやる。我々の元に来い。そうすれば貴様に今は亡きオメガモンの席を与え、我らロイヤルナイツのメンバーとして迎え入れてやる。それとそこにパートナーデジモンたち、貴様らも候補者として考えてやってもいい。」
ドゥフトモンは笑いながら言う。そんなドゥフトモンをビクトリーグレイモンは睨み返す。
「そんな話なんかに乗ると思っているのか!俺は箒のパートナーだ!」
「明日にでも世界に重大ニュースを流す。それを聞いても考えが変わらないのならいつでもデュノア社に来るがいい。そこが貴様らの墓になる。」
そう言うとドゥフトモンはゲートを開いてロードナイトモンと共に去って行く。その場にはリリモン、箒、ビクトリーグレイモン、そして、硬直状態になった一夏ことカイゼルグレイモンと泣いているブイモンだけが残された。
セシリア&シャルロット
「・・・・・・ふん、時間か。」
デュークモンに似たデジモンは戦闘中にもかかわらずゲートを開けた。
「貴様!逃げる気か!」
アルファモンは構えを取りながら言う。その隣ではセシリア、シャルロットたちがいる。
「作戦は一様成功したのだ。これ以上やり続けるつもりはない。」
彼はゲートの入ろうとする。
「そう言えば名を名乗っていなかったな。俺の名はメディーバルデュークモン。別に覚えなくてもいいけど・・・」
「メディーバルデュークモン・・・・・」
シャルロットたちは既にシールドエネルギーがほとんど残っていなかったために追うことはできなかった。
千冬VSクレニアムモン
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
両者は沈黙する。
「・・・・・うっ!」
千冬の肩が切れそこから血が噴き出す。
「千冬!」
一方のクレニアムモンは
「・・・・・・・見事なり。」
上半身下半身が泣き別れになって倒れた。千冬はジエスモンに抱きかかえられながらクレニアムモンの方を見る。
「一瞬の出来事だった・・・・・後一歩、もしあと少し深く踏み込んでいなかったら私は確実に腕に一本は余裕でなくなっていた・・・・・」
「・・・・・満足だ・・・・・見事だ織斑千冬。貴様の勝ちだ。我は確かに貴様ら人間の目には見えぬ可能性を見た・・・・その覚悟さえあれば我が同胞たちも打ち破れよう・・・・」
クレニアムモンの体が崩壊をし始める。
「貴様・・・・体が・・・・」
「ふっ、これが我らデジタルモンスターの末路よ・・・・もう我は助からん・・・・・・だが後悔はしていない。貴様と言う素晴らしき戦士に出会えたのだからな。」
クレニアムモンは嬉しそうに言う。ジエスモンと千冬は何とも言えない顔になる。
「千冬・・・・・もし、我がもっと早く貴様と出会えたのであれば我らは良き友になれたのかもしれんな・・・・実に惜しい。」
クレニアムモンの体は既に上半身のみとなっていた。
「だんだん眠くなってきた・・・・・・そこの若造。」
「はい。」
「貴様もロイヤルナイツなのならよく見ておくがいい。これが敗者の最後だ・・・・・」
「ん!?またデジヴァイスが!」
クレニアムモンが最後の言葉言いかけた瞬間千冬のデジヴァイスが光りだし、クレニアムモンを包み込み、デジヴァイスの中へと戻ってしまった。デジヴァイスの映像を見ると体が元通りになって気を失っているクレニアムモンの姿が写っていた。
「ち、千冬・・・・・これは一体?」
「私にも分からん。束め・・・・一体コイツにどういう機能を付けたというのだ?」
そのとき二人は気づかなかったが破壊活動を行っていたはずのカオスドラモンの姿はすでになかった。
楯無チーム&デュークモン
「引き上げろか・・・・・惜しいのう。やっと面白くなってきたと思っておったのに。」
エグザモンもゲートを開いて引き上げようとする。
「小童共!今回の勝負はしばらくお預けだ!今度会う時までに腕を磨いておけよ!ハハハハハ!」
エグザモンは大笑いをしながら消えていった。楯無たちはただ黙っていることしかできなかった。
「終わったか・・・・・どうにか・・・・」
デュークモンは気を失ってグラニの上で倒れた。鈴たちは近くによって調べる。
「気を失っただけ見たい。」
「でもこのデジモン、一体どうして私達のことを・・・」
『そこの方々、聞こえますか?』
突然の通信に一同は驚く。
『あっ、失礼しました。え~私たちは敵ではないので敷地内に着陸許可をして欲しいのですが・・・・』
気がつくと目の前には某宇宙戦艦のような「新生 吾輩は猫である(まだ名がない)」があった。
「え、えっと・・・・・・」
楯無が考えている所に千冬からの連絡が来た。
『着陸OKだと言っておけ。少なくとも敵ではない。』
「はっ、はい。着陸許可します。」
「吾輩は猫である」はゆっくりとIS学園のグラウンドに着陸した。
次回、精神的にダメージを受けた一夏とブイモンのお話。