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IS学園 会議室
ドゥフトモンたちロイヤルナイツの襲撃の後、千冬、クロエ、ベルスターモン、パイルドラモン、デュークモン、更識姉妹、シャル母娘、鈴たちデジモン組が集められた(おまけに真耶とケラモン)。箒とアグモンは、精神が不安定になっている一夏とブイモン、負傷しているリリモンを介抱するため参加していなかった。そして、彼女らの目の前にはなんと用務員であるはずの轡木十蔵が座っていた。実は彼こそがこの学園の学園長だったのだ。彼の肩には白い細長い生き物がいる。
「集まってくれてありがとうございます。一年の君たちには初めて顔を見せるね。私がこの学園長の轡木十蔵です。以後お見知りおきを。」
「え?轡木さんって用務員じゃなかったの!?」
鈴は思わず言う。鈴だけではない、ここにいる一年メンバー全員が思ったことだ。轡木は苦笑いしながら答える。
「女性が扱うISの技術を学ばせる場所の学園長が男と言われると周りから反感を招いてしまいますからね。だから表上では本来教頭である妻に学園長になってもらっているんですよ。」
「は、初めて知りましたわ・・・・」
「よ、世の中ってわからないこともあるものなのだな・・・・」
一年組はもはや唖然としていた。
「学園長、今回の事件に関してですが・・・・」
「ええ、分かっています。襲撃犯はデジタルワールドの神・イグドラシルに仕えているロイヤルナイツですね。」
「え!?が、学園長がどうしてそのことを!」
楯無は思わず驚くと今までしゃべりもしなかった彼の肩にいた生き物が彼女らの方を見てしゃべった。
「それは私がいるからだ。」
「「「「「しゃ、しゃべった!!」」」」」
「この声!もしや貴様は!」
「久しいなデュークモン、我が同胞よ。」
肩に乗っていたデジモン、クダモンは轡木の肩から降りると赤い六本の脚を持ったデジモンへと姿を変える。
「貴様はスレイプモン!確か貴様は行方不明になっていたのでは!?」
「スレイプモンだって!」
デュークモンの言葉にジエスモンは驚きの声をあげる。
「知っているのか?ジエスモン。」
「師匠から聞いたことがある。でも確か途中で姿を見せなくなり周りからは死んだという噂も流れていたんだ。でも本人が生きていたなんて・・・・」
「スレイプモンと私は旧知の知り合いでしてね。この世界にISが発表された頃、この人間界に来たんです。人間界の監視役として。」
「待て!それはイグドラシルの命令か!?そのような話は我々の元には来ておらぬぞ!」
デュークモンは驚きながらも言う。スレイプモンは轡木の隣で答える。
「それは飽くまでイグドラシルが私に与えた極秘任務だったからだ。ISが本当にデジタルワールドに悪影響を与えるのかを調べるために。」
「そのことについてはクレニアムモンからも聞いた。しかし、まさかロイヤルナイツがすでに学園内にいたとは・・・・」
「デジモンと私達は住む世界が違うとはいえ奇妙なつながりを持っています。例えば、人間が科学を発達させればデジモンも進化し、こちらの世界の環境が悪化すれば僅かながらデジタルワールドにも影響します。言ってしまえばデジタルワールドと私達の世界は表裏一体の存在なんです。」
「つまり・・・・・人間側の世界で悪い考えを持つ人間が多くなればデジタルワールドでもそう言うデジモンが増えていくということ?」
シャルロットは考えながら言う。
「大体の考えではおそらくそうなるでしょう。しかし、彼らは飽くまでもイグドラシルに仕えるデジモンたちです。彼らに限ってそのようなことはないでしょう。」
「でも、おかしくないですか?もし、そうだとしたらパタモンたちの故郷でもあるデジタルワールドはどうして・・・・・」
『その話し合い、私も混ぜてもらえないかしら?』
「!?」
「だ、誰の声ですの!?」
「ま、まさかロイヤルナイツのスパイ!?」
鈴たちは周りを見回しながら声の主を探す。すると一同の目の前にドゥフトモンたちが作ったゲートほどではないが丁度人間一人が入れそうな穴が現れる。そこから左右に天使と悪魔の翼を持った女性型デジモンと一人の不思議な雰囲気を感じさせる女性が現れた。
「何者だ貴様!どうやってここに・・・・・」
「お待ちしていました、御神楽様。」
「「「「「「え?」」」」」」(一年組一同)
「えっと、自己紹介からしたほうがいいかしら?私は御神楽ミレイ。篠ノ之束のちょっとした知り合いよ。」
「た、束の知り合いだと!?」
千冬たちが騒ぐ間も会議室での話し合いは続く。
IS学園 寮 夜
「・・・・・・・」
一夏はカイゼルグレイモンの姿のまま寮の屋根の上に座っていた。彼は両手を見ながら昼間のドゥフトモンの言っていたことを思い出していた。
自分は何者だ?
人間か?それともデジモンか?心が人間でも体はデジモンだ。
同胞を皆殺しにするつもりか?
人間に味方するつもりか?
自分はどっちの味方なんだ?
自分は何のためにいるんだ?
「分からない・・・・・俺はどっちなんだ・・・・。」
一夏は頭を抱えながら考えていた。人間とデジモン・・・・どっちを選ぶか、かつて人間世界に来る前の自分なら必ずデジモンを選んでいただろう。しかし、今は千冬、箒たちがいる。それでもデジモンを選べるのだろうか。そう考えるだけで一夏は胸が張り裂けそうになる。
「・・・・・一夏。」
そこへ箒が屋根の下から声を掛けてきた。一夏は体を降ろしながら彼女を見る。
「箒か。リリモンは?」
「今死んだように寝ている。さっきは普通に見えたがやはりかなり疲れていたようだ。」
「・・・・チビは?」
「今、気分転換させるためにアグモン達と大浴場に行った。学園長の許可で入れるようになったんだ。」
「そうか、何もなければいいんだが・・・・・」
大浴場
「うわあ~!これが箒が言っていた大浴場か!」
アグモンは喜びながら風呂を泳ぐ。
「お風呂はプールじゃないよ。」
耳を浮き輪代わりにして浮かぶテリアモン。
「ガブモンは入らないの?」
「お、俺はちょっと・・・・・」
「わ~い!お風呂だ!」
「オフロ!オフロ!」
デジモンたちははしゃぎながら浸かっていた。
「でも・・・・」
ピヨモンが周りを見ると昼間のことでデジモンに警戒している女子生徒たち。
「しょうがないよ、僕たちが無害だって言う証拠どこにもないんだもん。」
「それは違うと思うが・・・・・」
アグモンの感覚がずれていることを言うレナモン。隣では顔をあげないままブイモンが風呂に浸かっていた。ちなみにジエスモンたちはあまりにも危険に見えるため入らなかった。浴場にいる女子たちは警戒しながらアグモン達の事を見ていた。ただ一人は例外で。
「うう~テリアン可愛い~。」
本音は気持ちよさそうにテリアモンを捕まえていた。テリアモンは苦しそうに本音の手から逃れようとする。
「いいな~おりむ-たちはこんなかわいい生き物と一緒にいたなんて~。私も欲しいな~デジモン~。」
「・・・・・みんな・・・・あの人はなんかすごく馴染んでない?」
ピヨモンは不思議そうにその光景を見る。
「本音は元々頭のネジが一本か二本抜けている感じだから・・・・」
「ひどいな~パタパタは~。」
「パ、パタパタ!?」
「だってパタモンだからパタパタ~他に何かいいあだ名あったかな~?」
本音は次のターゲットをガブモンに切り替える。のほほ~んとした顔でもガブモンにとっては一瞬どこかの巨人が人間をニタっと笑っているような光景に見えた。
「君の毛皮の下の素顔は何なのかな~?私一番気になるな~。」
「う、うわああああ!!」
ガブモンは風呂から逃げようとする。それを追いかける本音。その光景を見て女子たちはこの日を境に警戒していた自分たちが馬鹿馬鹿しくなってきたと感じて普通にアグモン達に近寄るようになってきた。
一夏&箒ルーム
「・・・・・・俺にはわからない。」
一夏は姿を人間に戻って机に座りながら言う。箒はそんな一夏の姿を見ていた。
「俺はかつて人間だった。だからこの世界の人間の狂った考えもわかる。・・・・でも、その中にも箒や千冬姉のようないい輩もいる。だから俺はどうしても人間を裏切ることはできない・・・・。」
「・・・・一夏。」
「すまないな、こんな弱気になって・・・・チビの方が辛いはずなのによ。」
一夏は頭を抱える。自分はどうしたらいいのか。それがどうしてもわからなかった。そんな一夏と箒の所にブイモンがドアを開けて入ってきた。
「・・・・・兄貴。」
「・・・・チビ?」
「俺・・・・・どうしたらいいんだろ?」
「・・・・さあな、俺もそれについて話していたところだ。」
「俺、悔しいよ。ライラ姉ちゃんが死んだのに何もできないなんて・・・・」
「チビ・・・俺もな・・・」
「俺!ドゥフトモンが言っていたことがどうしても信じられないんだ!確かにこの世界の人間は傲慢だったり、我儘だったり、色々いるけど・・・・でも箒や千冬姉ちゃんみたいないい人もいる!なのに、どうして人間が悪いなんて言いきれるんだよ!」
ブイモンは泣きながら言った。それは一夏とて同じ考えだった。
「イーター・・・・よ・・・」
「ん!?」
「リリモン姉ちゃん!?」
二人の会話で目が覚めたのかさっきまで死んだようにぐっすり眠っていたリリモンがベッドから起き上がる。
「そいつが突然デジタルワールドに出現して浸食していったの。多くのデジモンがそいつに取り込まれて・・・・デジタルワールドの大半が汚染されてしまったの・・・・・イグドラシルはその元凶がこの世界の人間だと結論を出したのよ・・・・。」
「ほ、本当なのか!?それは!?」
箒はリリモンを見ながら言う。でも、リリモンは言葉を続ける。
「それは飽くまでも表上のことで私にもよく分からないの。でも、マグナモンはそれを不審に思ってイーターが最初に確認されたダークエリア近辺を調査していたそうよ。そして、何かを突き止めた直後の何かに襲われ、消された。」
「では、ISの登場によって起こったこの女尊男卑の社会の影響でデジタルワールドがおかしくなったとは言い切れないんだな?」
「ええ、でも決定的な証拠がないから断定できないわ。」
「・・・・・・だったらやるべきことは一つだな。」
箒は一夏とブイモンを見る。一夏も話を聞いて考えをまとめたようだ。
「・・・・・・なら俺は人間を守る。いくらイグドラシルの命令だからと言って滅ぼそうと考えているのは間違っている。例えそれが神に逆らうことでも俺は戦う!ヴリトラモンとしてではなく、人間・織斑一夏として!」
「兄貴・・・」
「チビ!お前はどっちに付くかは自由だ。リリモン、お前もだ!」
一夏に言われてリリモンは即答、ブイモンは遅れながらも決断する。
「私は最後までイチカと一緒について行くわ!」
「お、俺も一緒に戦う!ライラ姉ちゃんが死んだのは悔しいけどこんなことで人間を滅ぼそうというのはいくらライラ姉ちゃんでも許さないはずだ!」
「よし!こうなったら明日にでもデュノア社に殴り込みだ!」
「「おお!!」」
「よし!こうなったら私も行くぞ!」
「みんな一緒になに騒いでいるの?」
一同が意気投合している真っ最中にアグモンがブイモンよりも遅く部屋に戻ってきた。
「アグモン!明日は早いから今のうちに休むぞ!」
「え!?」
「よし!見ていろよドゥフトモン!」
「打倒!ロイヤルナイツ!」
「「「「えいえい、おー!!」」」」
叫び声をあげる一夏たちにアグモンは唖然としてしまっていた。
「あっ!そうだ!これをイチカに・・・・」
リリモンはベッドの脇に置いてあった白い聖剣を渡す。
「これは何だリリモン?」
「オメガモンが最後にこれをイチカにって。」
「・・・・・オメガモンが・・・・」
一夏は聖剣を持ってみる。すると確証はなかったが何か力が沸き上がったような気がした。
今回の登場キャラ
轡木十蔵
原作同様学園の運営者。ロイヤルナイツのスレイプモンとは昔コンビを組んでいた。現在はコンビを解消しているがその信頼は厚い。
スレイプモン/クダモン(究極体/成長期・聖騎士型/聖獣型・ワクチン種)
かつての轡木のパートナーだったデジモン。現在はコンビを解消しているがイグドラシルの極秘任務で白騎士事件後に人間界に調査しに来ていた。そのせいでロイヤルナイツ内では死亡説まで浮いたとか・・・。轡木とはロイヤルナイツに加入する前に別れた。
御神楽ミレイ
デジモンゲームでは馴染みのキャラ。どういう経緯で知り合ったかはわからないが束の知り合い。束の依頼でIS側の世界に来た。
マスティモン(究極体・天使型・ワクチン種)
「サイバースルゥース」で登場したミレイのエンジェウーモンとレディーデビモンのジョグレス進化した姿。普段は二匹の猫の姿でいる。
次回は突っ込みどころが多い内容の予定。
ではでは。