ヴリトラモン・ストラトス   作:赤バンブル

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モチベの低下で投稿が遅くなりました。

内容も微妙な感じです。

気に入らない方は引き上げましょう。


決戦前日

一夏の特訓はジャスティモンたちの参戦でより熾烈なものとなり、ついにルーチェモンの予告したゲームの前日へとなった。

 

 

 

IS学園 朝 デジラボ

 

「え?休み?」

 

千冬の言葉に一夏たちは動揺する。

 

「聞いての通りだ。お前たちは今まで死に物狂いで今日までの特訓を続けてきた。だから今日一日は奴らとの決戦に向けて休め。」

 

「でも、今そんなことをしている場合じゃ・・・・・」

 

している場合じゃないと言いかけた一夏の頭を千冬は出席簿でたたく。

 

「いってーな!」

 

「最後の一日だからこそ休むことが重要になる。今日まで全力で特訓して疲労を残したまま明日の奴らとの戦いで勝てると思うか?」

 

「確かに織斑先生の言う通りですわ。」

 

「でも、明日の戦い次第で世界の運命がかかるとなると安心して休めないわよ。」

 

「部屋で一日寝ているのもいいし、外出も構わん。但し、外出する際は門限を守って戻ってくるように。以上、解散!」

 

千冬はそう言うとさっさとデジラボから出て行ってしまった。その場に残った一夏たちはしばらく黙り込む。

 

「・・・・・・・・どうする?一夏?」

 

「・・・・そうだな、どっちにしても明日は来るからな。みんなは部屋で休むなり好きにしてくれ。俺はちょっと出かけるから。」

 

「何?それはどういうことだ!?」

 

ラウラは気になって聞くが一夏は答える前にブイモンと一緒に去ってしまった。

 

「じゃあ、僕はここに残って母さんと一緒に父さんのリハビリを手伝いに行くよ。行こう、レナモン。」

 

「わかった。」

 

シャルロットとレナモンも離れていく。

 

「あ~~~~どうしようかテリアモン?何かおいしいものでも食べに行く?戦う前のスタミナ付けに。」

 

「僕、たまには外で食べたいな~。」

 

「よし、決まり!今日は外で食事でもしようか!セシリアたちも行く?」

 

「ご一緒してよろしいんですか?」

 

「もちろんよ!テリアモンたちも息抜きさせた方がいいし。」

 

「私も一緒にいいかな?」

 

「私とガブモンも一緒に行っていいか?」

 

鈴たちが話し合っている中、箒は一人考え事をしていた。アグモンはそんな顔を伺いながら少し心配そうにしていた。

 

「箒はどうするの?私たちと一緒に行く?」

 

「・・・・・・」

 

「箒?」

 

「あっ、ああ!すまない、私は用事があるから遠慮しておく。」

 

そう言うと箒は逃げるように去って行く。

 

「箒、待ってよ~!」

 

アグモンも後を追っていく。

 

「変な箒。」

 

「じゃあ、私は一回お姉ちゃんも誘ってみるね。多分、虚さんに捕まると思うけど。」

 

「そんじゃ私たちも準備終わり次第寮で待ち合わせってわけで解散!」

 

一同はデジラボを後にしていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園 寮 一夏&箒ルーム

 

「はああ・・・・・・」

 

箒はベッドで寝っ転がりながら大の字になりため息をついていた。本当は用事などなかったのだ。そんな箒の上にアグモンは大の字になりながら心配そうに聞く。

 

「ねえ箒、どうしてみんなと行くの断ったの?」

 

「体がだるいんだ・・・・・」

 

「嘘だ。本当は一夏がいないから寂しいんでしょ?」

 

アグモンは起き上がって箒の顔を見る。どうやら図星だったようだ。箒は顔を赤くしていた。

 

「一夏とブイモン、どこへ行ったんだろうね?」

 

「そうだな・・・・」

 

二人は寂しそうに天井を見る。そのとき不意に声が聞こえた。

 

「イチカなら自分の家に行ったわよ。」

 

「はあっ!?」

 

箒が慌てて飛び起きるとそこにはリリモンが腕を組みながら立っていた。

 

「り、リリモン!いきなり声をかけないでくれ!」

 

「僕は一瞬心臓が止まるかと思った・・・・・」

 

「だってイチカが出かけたのに箒の姿がなかったもんだから部屋にいるんじゃないかなって。」

 

リリモンは意地悪そうに笑う。

 

「今だったら途中で会えるから行ってみたら?」

 

「で、でも一夏に迷惑なんじゃ・・・・・」

 

「何言ってんのよ。明日で全員お別れになるかもしれないんだし、一緒にいたいときにいなくてどうすんのよ!」

 

リリモンの一言に箒は思わず驚く。

 

「それもそうだがそのことを知っていながらなぜ一夏についていかずに私に知らせに来てくれたんだ?いつもは一夏の傍は私と言い張っていたお前が。」

 

「勘違いしないでちょうだい。もし私たちが勝手イグドラシルの機能が回復したら私たちは恐らくデジタルワールドに強制的に戻されるわ。私やチビちゃんは愚かアグモンやイチカもね。だから・・・・・その・・・・後悔しないように・・・・・と、とにかく思い出を作って来なさいよ!」

 

リリモンは恥ずかしそうな顔で箒に言い張った。箒は一瞬きょとんとしてしまったが彼女なりの気遣いと思いアグモンと一緒にさっさと部屋を後にして行った。リリモンはいなくなったのを確認すると一夏のベッドの上に座った。

 

「・・・・・・・やっぱり、私じゃ敵わないかもしれないわね。箒には。」

 

彼女はそう言いながら一夏からもらった首飾りを眺める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

織斑家

 

「懐かしいね、兄貴!」

 

ブイモンはそう言いながら家の中へと上がり込んでいく。一夏は家の中を見回しながら考え事をしていた。

 

「これで家を見るのも最後かもしれないな・・・・・。」

 

しばらくした後、彼は入れたコーヒーを飲みながらアルバムを見ていた。それは千冬と再会した後から続くこの世界での記録でもあり、自分が再び織斑一夏として生きてきた記憶でもあった。

 

「このとき、セシリアのサンドウィッチでパタモンが死にかけたことがあったよな・・・ハハハ。」

 

「俺あの時食わなくて本当によかったよ。あれ食っていたら俺今頃・・・・・なんか考えたら怖くなった。」

 

二人は笑いながらアルバムを捲っていく。

 

 

臨海学校と福音事件

 

 

夏休みとキャンプ

 

 

文化祭

 

 

ロイヤルナイツとの戦い

 

 

 

 

一夏は黙ってアルバムを閉じる。

 

「兄貴?」

 

「チビ、俺たちが明日の戦いで勝ったらどうなるんだろうな・・・」

 

「え?」

 

一夏の質問にブイモンは思わず驚く。

 

「俺たちは以前のような生活に戻るのか?それともデジタルワールドに帰るのか?どう思う?」

 

「それは・・・・」

 

「奴らを倒してイグドラシルの機能を取り戻せばデジタルワールドは救われる。だが同時にこの世界にいるデジモンたちは全てデジタルワールドへ戻る。無論、リリモンや俺も例外じゃない。」

 

「う~~ん~~俺には難しすぎるよ。」

 

「簡単に言えば俺がこの世界での任務も終わるということだ。つまり・・・・」

 

「俺たちも帰るの?デジタルワールドに?」

 

一夏は黙る。ブイモンは何をしに織斑家に来たのか何となく見当がついた。

 

「兄貴の本当の家に帰れるのが今日しかないと思ったからこっちに来たんだね。」

 

「デジタルワールドには俺の本当の家はないからな。だから、この家に少しでも居たいと思ったんだ。千冬姉と俺、そして、今までの思い出が詰まったこの家に。」

 

一夏は寂しそうに言う。ブイモンは何とも言えない表情になる。一夏はアルバムから一枚の写真を取り出す。千冬と箒、そして学園のみんなで写った集合写真を。

 

「守って見せるさ。こっちの世界もデジタルワールドも。そのためにも明日のゲームは勝たなきゃな。」

 

一夏は少し寂しそうな顔で言うがその瞳には強い決意が込められていた。そこへチャイムが鳴った。誰かと思い行ってみると箒とアグモンが来ていた。

 

「箒・・・・。」

 

「リリモンからここにいるって聞いたから・・・・・・・すまない。迷惑だったか?」

 

「いや、そんなことはないさ。コーヒーでも一緒に飲むか?ちょうど俺も飲んでいたところなんだ。」

 

「あ、ああ私も飲む。」

 

二人の姿を見てアグモンは何気にニヤッとしていた。

 

「・・・・やっぱり一夏のことが好きなんだね。箒。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園 屋上

 

「・・・・・・いよいよ明日か。」

 

デュークモンは屋上で腕を組みながら空を眺めていた。この短い期間自分の持てる全てを一夏たちに叩き込み、彼ができることは明日のゲームで全員が生きて戻ってこれることを祈るぐらいだった。それには理由がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三日前 デジラボ

 

「我等ロイヤルナイツをゲームに出さぬだと?」

 

「ええ、あなたたちには万が一に備えて人間界で待機してもらうわ。」

 

ミレイの一言にロイヤルナイツ一同(マークは除外)は態度には出さないが驚いていた。今までの彼らの方針ではゲームには全員ではないとはいえ参加する予定だった。

 

「何故だ!?私たちが参加しなければ奴らが断然に有利になるんだぞ!」

 

デュナスモンは思わず怒鳴った。それをスレイプモンが鎮める。

 

「ではなぜそう決めたのか聞かせてはくれないか?御神楽ミレイ。」

 

「状況からにしてこの事態は私がこれまで経験してきた事件の中でも今回のケースは何が起こるかわからないわ。一様、学園の生徒達でもデジモンを扱えるようにISにデジモンキャプチャーの簡易型をインストールしたけど、これも気休めにしかならないわ。」

 

「しかし、我等の主イグドラシルは既に魔王共の手中の中。ヴリトラモンたちだけでは・・・・・」

 

「そのためにあなたたちは彼らに手ほどきをしたんじゃないの?」

 

「ぬっ!」

 

ミレイの質問にクレニアムモンは思わず黙った。一本取られたと気づいたらしい。するとほとんどのメンバーが噴き出し、デュークモンでさえも笑ってしまった。

 

「ぬぬ・・・・・我としたことが逆に笑いものにされてしまうとは~~~~。御神楽ミレイ、貴様技と言わせたな!?」

 

「あら、私はそんなつもりはなかったわよ。」

 

「まさかあのクレニアムモンが一本取られるとは・・・・・ぷぷぷ・・・・」

 

「ええい!笑うでない!」

 

「「「「ぶ、ははははははは!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの時はああやって誤魔化してはいたがやはり心配だ。それにメディー・・・・・いや、ダークデュークモンの動きも気になる。」

 

デュークモンがそう考えている中、偶然千冬が屋上に来た。

 

「うん?」

 

「あ、まさか来ているとは思わなかったので。」

 

「気にする必要はない。」

 

そう言われると千冬は隣に立って景色を眺めていた。

 

「よかったのか?弟と共に行かなくて。」

 

「・・・・・・・私は教師として他の生徒を守る義務がありますから。」

 

千冬が少し寂しそうな顔をして答えるとデュークモンはため息をついて言う。

 

「このデュークモンにもかつてパートナーがいた。」

 

「あなたにもデュノア夫妻や学園長のような人間のパートナーが?」

 

「この世界とは少し違う世界の人間でな、私はそのパートナーの少年に命を吹き込まれ、一緒に学び、一緒に戦い、強い絆で結ばれていた。」

 

「ロイヤルナイツは神に仕える集団と聞いていたがやはりあなたも変わりないのだな・・・・・。それでそのパートナーは?」

 

「・・・・・もうこの世にいない。」

 

「・・・・・失礼した。」

 

「私が帰ってくる時が遅すぎたのだ。デジモンと人間の寿命は違う。それ故に別れが本当の別れになってしまうことがある。私と啓人と同じように。」

 

「啓人・・・・・それがあなたのパートナーの名前か。」

 

「他にもたくさんの仲間がいた。テリアモンとジェン、留姫とレナモン、樹莉、健太と博和、・・・・・そしてインプモン。みんな一時忘れることなくこのデュークモンの記憶に刻まれている。」

 

デュークモンは一枚の写真を千冬に見せる。それはゴーグルを付けた少年と赤い恐竜のようなデジモンなど仲間でそろった集合写真だった。

 

「この赤いデジモンがあなたか?」

 

「ギルモン・・・・・・・それが昔、啓人が私につけてくれた名前だ。」

 

「そして、このゴーグルの少年が啓人・・・・・・」

 

「このデュークモンが言いたいのはたった一つ、大切な者と過ごせる時間を大事にすることだ。ヴリトラモン・・・・・一夏とて、明日のゲームに敗北しても勝利しても恐らく別れを告げることを避けることはできない。戻ってこれたとしてもそれはお前がこの世を去った時かもしれん。それでも行かんのか?」

 

そう言われると千冬は思わず走り去ろうとしたがそこへ丁度真耶が来た。

 

「あっ!織斑先生。ここにいたんですか。」

 

「山田先生、丁度良かった。すまないが私も一日外に出る。生徒たちを頼めるか?」

 

「えっ!?」

 

「急な話なのは分かっている。だが、弟と一緒に過ごせる時間がもう今日しかないんだ。お願いします。」

 

千冬は頭を下げて真耶に頼んだ。真耶は動揺していたがすぐに落ち着いて了解する。

 

「わかりました。でも、織斑先生も時間を守ってくださいよ。」

 

「すまない。」

 

そういうと千冬は急いで走って行った。その様子を見届けた後、真耶はホッと息をした。

 

「演技にしてはうまいものだな。」

 

「すみません。ああでもしないと織斑先生きっと行こうとしませんから。」

 

実はこの真耶が千冬に一夏との時間を過ごしてもらうためにデュークモンに頼んで仕組んでいたことだったのだ。

 

「織斑先生には、家族との時間を大事にしてほしいんですよ。織斑君、いつまでこの世界にいられるかわかりませんし・・・・・」

 

「パートナーから聞いたのか?」

 

「最近ケラちゃんが寂しそうに言うんですよ。『モウスグバイバイ。』って。」

 

「恐らくほとんどのデジモンが同じ考えを持っているだろう。現にこのデュークモンもその別れの時は思いもしなかった時だからな。」

 

デュークモンは再び空を見上げた。

 

空は青く澄み渡っており、明日が世界の運命がかかったゲームになるとはとても思えない天気だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、運命の日が訪れる。

 

 

 




本当はもっと長くなる予定でしたが・・・・・・

取りあえず次回ついにゲーム開始。

最終章「受け継がれる伝説編(仮)」

開始予定。

その前にキャラ紹介の予定。
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