今回もオリジナル設定が結構入っているのでお気をつけください。
一夏ルート
「妹?そんな馬鹿な!俺の両親は俺と千冬姉を捨てて行方を暗ましたんじゃないのか!?」
一夏はルーチェモンの言葉に驚く。ルーチェモンはそんな一夏の反応を面白がっているのか笑みを浮かべている。
「それは彼女本人に聞くのが一番じゃないのですか?」
「何!?」
「今にわかりますよ。あなた方織斑家の秘密・・・・・」
一夏は千冬の姿を見つめる。
千冬・ジャスティモンルート
「マドカ・・・・・・そんなはずは・・・・」
千冬は唖然とした顔で言う。そんな千冬をメルキューレモンは笑いながら見る。
「驚くのも無理ないでしょうね。何せエム・・・・いえ、織斑マドカは両親と共にあなたたち姉弟の元を去った姉弟の裏切り者なんですから。」
「そ、それは違う!!マドカにそんな罪はない!」
千冬は否定する。
「それは本当なんでしょうかね?だってあなたは思ったのではないんですか?『どうして自分と弟だけは捨てられたのか』と。」
「違う!違う!」
「あ、姐さん・・・・・落ち着いて・・・・・」
15年前
確かに私は一夏以外の家族、父さんと母さん、そしてまだ生まれていなかったマドカがいた。マドカは一夏が生まれた翌年に生まれる予定で母さんは生まれてくる子が女の子だと分かったから名前をマドカにすると言っていた。しかし、新しい家族になるはずのマドカがまさか両親と共に私と一夏の前からいなくなるなんて思いもしなかった。
あれは私が学校から帰って来た時だった。家の中はいつもと違って暗く、ただいまと言っても何も返事がなかった。流石に不審に思い私はリビングの方へと行った。そこには両親の書置きがあった。
『しばらく帰れなくなるかもしれない。悪いと思うが一夏を頼む。』
母さんの出産予定日が近かったこともあったからおそらく病院に行ったのだろうと考えた。だがその後ベッドで寝かされていた一夏を見て病院に行くならおいていくはずがないと思い、不安になった。病院にも連絡してみたが来ていないという連絡だけだった。私は両親がいなくなったことで泣いている一夏をあやしながら両親の帰りを待った。
ずっと、ずっと・・・・・・・・
「結局、両親は帰ってくることもなかった。幼かった一夏は当然二人のこともマドカことも知らない。私はこのことを伝える勇気がないばかりに一夏には真実を伝えられなかった。」
千冬はメルキューレモンを睨む。
「だが、今になって行方すらわからなくなっていたマドカがなぜここにいる!それも貴様たちのところに!!」
千冬の反応を見るやメルキューレモンは笑いながらあるものを見せる。
「これが何かわかりますか?」
「デジヴァイス?しかし、あの形は・・・・・」
それは紛れもなくデジヴァイスだったが形状は配色が黒だということを除けば一夏のディースキャナーとほぼ同じだった。
「フフフフフ、あなた方はデジヴァイスはだれが作ったと思いますか?」
「それはどういうことだ?」
「確かにデジヴァイスはあなたの生徒たちの所持しているもののほとんどがパートナーと共にありました。しかし、それらの経緯とは違って人工的に作られた物も存在しています。あなたの持っているものと同じように・・・・・」
「まさか!」
「そう、このデジヴァイスと織斑一夏の持つものはあなたのご両親が製作した物なんです。」
一夏ルート
「俺の父さんと母さんが作っただと!?」
一夏は驚いた表情で言う。ルーチェモンは笑いながら言う。
「ホッホッホッ、今まで知らなかったことを知ってさぞ驚きのようですね。」
「・・・・・・だがおかしいぞ?あのマドカがデジヴァイスと共に貴様らのところにあるということはまさか・・・・・」
「フッフフ、この際ですからここで全てを話して差し上げましょう。あなたのご両親があなたたち姉弟を置いていった理由・・・・・・それはあなたですよ。織斑一夏。」
「何!?」
一夏は混乱していた。
「あなたのご両親はあなたのお友達同様、まだ少年少女の時代デジモンと接触し、デジタルワールドのことも知っていました。あのドゥフトモンのパートナーたち同様に。しかし、彼らはデジタルワールドのある遺跡で偶然にもある物を発見しました。それは古代十闘士が残した石板、彼らはそこから推測を重ねしらべた結果、十闘士の遺志を継ぐ者があなただということを知り、それを回避するためにあなたたち姉弟の元を離れてあることをしていました。」
「あること?」
「それは自分たちの持つデジヴァイスをベースに作り上げたデジヴァイスと共に伝説の聖騎士型デジモンを因子を引き継いだデジタマをあなたの元へ送り、あなたを現在の姿にするのを回避させることでした。伝説の聖騎士型デジモンを操ることができればあなたが遺志を引き継ぐことはなくなり、人間からデジモンとして生まれ変わる必要もありませんからね。」
「そして、メルキューレモンの持っていたあれが俺のデジヴァイスのプロトタイプ・・・・」
「しかし、私たちはその動きを事前に発覚していましてね。当然消すためにあなたの両親たちの潜伏先を襲いました。あなたの両親は死の寸前、あなたのデジヴァイスととあるデジタマをゲートを経由してあなたのところへ送ろうとしましたが不運にもゲートが別々の場所へと開きデジヴァイスとデジタマはバラバラにデジタルワールドに送られました。流石の私たちもあなた自身が両親と離れたために事の真相を知らないことから心配がないと思って手を出さなかったのも不注意でしたよ。そしてデジヴァイスはイグドラシルの元へ、デジタマは生まれたデジモンはあなたと出会いました。すでに遺志を継ぐ準備が整いつつあったあなたの元にね。」
「それがチビだったのか・・・・・・・そして、お前らはマドカの精神を壊し、ただの人形へと仕立て上げたということか!!俺の両親を殺すのに止まらずマドカまで!!!」
一夏は怒りでメテオバスターを発砲する。命中はしなかったものの弾丸はルーチェモンのティーカップを壊した。
「フフフフ、怒りが頂点に達するその表情。いいですね、しかしこのティーカップは私のお気に入り。壊すのはひどいですよ。」
ルーチェモンは残念そうな顔で言う。しかし、一夏の怒りは収まらない。
「ここですぐに決着をつけてやる!勝負だ!」
「言った筈です。私とあなたの対戦はこのゲームのメインイベントであると。」
「そんなこと関係・・・・・」
「それにまだあちらの戦いは終わっていませんよ。」
「むっ・・・・」
一夏は拳を握り締めながらも千冬たちの様子を見る。
千冬・ジャスティモンルート
ジャスティモンたちが勝手にデーモンと対戦戦を始めているにもかかわらず千冬は遠くにいるマドカを見続けていた。その様子をメルキューレモンは面白そうに見る。一夏とルーチェモンの会話はこちらでも聞けるようにわざと細工をしていたため話は千冬にも聞こえていた。
「・・・・・・・つまり貴様らが父と母を殺したのか。それだけでなくマドカまで・・・・・」
「フッフッフ・・・・・・・やはり怒るでしょうね。しかし、皮肉にもあなたと戦うのは彼女ですよ?」
「何?そんなに傷だらけのマドカを戦わせるというのか!」
「確かに戦うのは彼女の体です。ですがその体を動かすのは私の意思です。」
「いったいどういう・・・・・」
「エム、ハイパースピリットエヴォリューション。」
メルキューレモンはマドカにデジヴァイスを渡す。マドカは力のない声でデジヴァイスを翳す。
「ハイパ・・・・・・・・スピリッ・・・・・ト・・・・・」
「やめろマドカ!」
「エヴォ・・・・・・・・リュ・・・・・・・ション。」
マドカが言うと同時にデジヴァイスから一夏が所持していなかったスピリットが出現し彼女の周りを囲んだ。メルキューレモンも二つのスピリットに姿を変え彼女を包み込んでいく。
「・・・・・・・・・ちゃん・・・・」
「?」
「お姉・・・・・・・・・ちゃ・・・・・・ん。」
「マドカ・・・・・」
千冬はわずかだがマドカが自分のことを読んでいると気が付いた。やがてマドカは黒い渦に包みこまれそこから黒い金属ボディに戦闘機のような翼、両腕は重火器になっており、頭部はラウラのメタルガルルモンに近いデジモンが現れた。
「これが・・・・・あのスピリットが合体したデジモン。」
「調整に所々時間がかかりましたがね。これでこの体は私の物同然です。ちなみに名前は黒いボディということですからブラックマグナガルルモンと名乗りましょう。」
声はマドカではなくメルキューレモンの物だった。千冬は黙って白蓮を展開し、雪片参型を手に持つ。その姿をジエスモンは心配そうに見る。
「千冬・・・・・・」
「大丈夫だ、少し気が立っているだけだ。」
そう言いながらも千冬はブラックマグナガルルモンを睨みつける。
(待っていろマドカ。私がすぐにそいつから引き離してやるからな。)
一方のジャスティモンはデーモンに苦戦していた。
「くそ!なぜ俺の動きが分かるんだ!」
ジャスティモンは血を吐き捨てながら言う。デーモンは不気味に笑いながら言う。
「貴様の動きなど手に取るようにわかるわ、あのころから貴様の戦い方は何も変わってはおらん。何にもな。」
「まるで俺と昔どこかで戦ったような言い方じゃねえか!」
「戦ったことがあるさ。かなり昔にな・・・・・・・・ん?」
「ホーリーアロー!」
エンジェウーモンがデーモンの真横から光の矢を放つ。デーモンはそれに見向きもせず長い左腕で受け止めた。
「嘘!?」
「貴様も相変わらず未熟だなエンジェウーモン。」
そう言うと送り返すかのように矢を彼女に向かって放つ。彼女は唖然としていたため翼の一翼に命中してしまった。
「うっ!」
エンジェウーモンは思わず墜落する。ジャスティモンはデーモンなどそっちのけで急いで墜落したところまで走っていく。
「エンジェウーモン!大丈夫か!?」
ジャスティモンは彼女を抱き上げると慌てて言う。
「だ、大丈夫・・・・」
「てめえ!絶対に許さねえ!」
「許さないだと?ではお前は自分が倒してきたデジモンたちも今のお前のようにそう思ったのではないのか?」
「何が言いたい?」
デーモンの言葉にジャスティモンは何かを違和感を感じ始めた。七大魔王の「憤怒」を使わすデジモンが自分のことを知っているように話すなんておかしい。まるでどこかで会ったような話し方だった。
「この街とて同じだ。貴様の手により破壊され、そこに住んでいた多くのデジモンも貴様の一部として取り込まれた。そのとき彼らも思った筈だ。『貴様を許さん』とな。」
「まるで知ったような口で言うんじゃねえ!」
「その中に貴様の手によって葬られたあるデジモンがいた。そのデジモンは正義感が強く、己のことよりも人を大切にしようとする心優しい者だった。だが、そのデジモンは無念にも貴様と戦い散って逝った。」
「あ、あなたはまさか!」
エンジェウーモンは何かを察したようだった。
「ジャスティスキック!」
ジャスティモンはデーモンの頭部に蹴り技を決める。するとデーモンの顔にひびが入り、そこから体全身がバラバラになった。中からは所々にひびが入った白銀の鎧、背中に十枚の翼を持っていた。
「オーバーボディだと!?お前は・・・・・・」
「貴様によって散ったデジモン・・・・・・・それはこの私、セラフィモンだ。」
「セラフィモン様・・・・・」
エンジェウーモンは思わずその名を呼んだ。
セラフィモン。
それはかつてエンジェウーモンの上司にあたる存在でジャスティモンが進化前、つまりサイバードラモン時代に光のスピリット強奪時にオファニモンと共に倒してすでにいなくなったはずのデジモンだった。
オリジナル設定
織斑両親
連載当初は考えていませんでしたが一夏が転生する以前のかなり昔にデジタルワールドに来ていたことがあると言う設定。言わばアドベンチャーで言う選ばれし子供たち的存在。成人後もデジタルワールドと交流を持っていた。パートナーはいたらしいが一夏が生まれる以前に死亡したらしい。
伝説の騎士型デジモン
誰でもわかるあのデジモン。
ブラックマグナガルルモン(ハイブリッド体・サイボーグ型・ヴァリアブル種)
元々マグナガルルモンだったデジモン。メルキューレモンの意思で動いているため、色も黒くなっている。
セラフィモン
ウィルスバスターズで名前のみ登場していたデジモン。
次回もゴタゴタ展開の予定。