ロイヤルナイツの方々も久しぶりに登場。
「な、なんて戦いをしているんだ・・・・・」
箒は目の前で繰り広げられているルーチェモンとスサノオモンの戦いに唖然としていた。
「ロイヤルナイツ、七大魔王、これまで多くの強敵と戦って来たがもはやこの二人の戦いはその次元すら超えている・・・もはやどちらが勝つのかさえ見当がつかない。」
千冬の言う通りだった。
現に二人の神を名乗るデジモンは、千冬でさえもやっとのことで視認できるぐらいの高速戦闘を繰り広げていた。形勢は一様スサノオモンが優勢に見えている。
「はっはっはははは!どうしたルーチェモン!体が巨大になりすぎたせいで動きが鈍くなったか?」
『ぬう・・・・・』
スサノオモンはルーチェモンに一発一発と攻撃を命中させていく。ルーチェモンはすぐに反撃に移ろうとするがスサノオモンのスピードに翻弄され、迂闊に動きが取れず防戦一方だった。
「今は微妙に互角に見えるがこの調子ではスサノオモンの勝ちに・・・・・」
「それはないね。」
「ん?どうことなんだ姉さん?」
「よお~く、見てごらん。スサノオモンの方は確かに早いけど徐々に息が上がってきている。それに比べてルーチェモンの方はやられている様には見えるけど実際はそこまでダメージを受けているわけじゃないんだよ。つまり、実際はスサノオモンの方が押されているんだよ。」
「え?」
箒と千冬はもう一度二体の戦闘を見る。確かにスサノオモンの呼吸音は最初の頃に比べて明らかに荒くなってきていた。
「はあ、はあ!・・・・」
『・・・・・・・』
戦闘が一時的に終わり、スサノオモンは息を荒くして動きを止める。
(馬鹿な・・・・・・なんなんだこの体の重みは。重い・・・・最初の時は気づかなかったがまるで体が鉛のように重くなってきている・・・・・・何故だ?)
『・・・・・もう、気は済みましたか?』
「何!?」
『ホッホッホッホッ、気は済んだのかと聞いているのです。』
ルーチェモンは、面白がりながら聞く。
「どういうことだ!?」
『いやあ、ずいぶん自信満々でしたのでしばらくやられた振りをしながら様子を見ていましたが・・・・・この程度、少し期待しすぎてしまったようですね。」
「ふ、振りだと!?わ、私の攻撃が通じていなかったというのか!?そんな馬鹿な!?」
スサノオモンは唖然とする。
「ほらね、やっぱり言わんこっちゃない。」
「束、一体どういう事なんだ?」
結果を納得している束に対して千冬は微妙に納得できない様子で聞く。
「それはね・・・・」
「私が説明します。」
千冬に背負われているマドカが言う。
「マドカ。」
「スサノオモンは本来、合体する二人の同調が重要なんですがその強大な力を引き出すと同時にダメージや疲労の負担を二人で受けることになるんです。カオスデュークモンの場合はお兄ちゃんが弱っている上に意識がはっきりしない状態で無理やり合体しました。ですから、本来二人で負担するはずのダメージや疲労の蓄積を一人で受けなくちゃいけなくなっているんです。」
「つまり、今のスサノオモンは完全に力を発揮できていないってわけ。簡単に言えば半分の力を引き出しているかどうかさえも怪しいというわけなんだよ。」
「そ、そういう事なのか・・・・」
「しかし、えっと・・・・・」
箒はマドカを見ながら戸惑う。
「マドカでいいです。」
「じゃあ、マドカ。どうしてお前はそんなことを知っているんだ?姉さんならわかるが今まで奴らに捕まっていたお前がなぜ・・・・」
「・・・・・・お父さんとお母さんが言ったことなんです。」
「父さんと母さんが?」
マドカの言葉に千冬は反応する。
「お父さんとお母さんは、お兄ちゃんがあのような事態になった時に備えて通常のデジヴァイスをベースにあのデジヴァイスを製作したんです。そのときに全ての力を結束させて進化するスサノオモンの存在を見つけ、その力を完全に引き出す方法を探していたんです。」
「その途中でルーチェモンたちに襲われたのか。」
「・・・・はい。」
マドカは何とも言えない顔で答える。スサノオモンの方は、息を荒くしながらもゼロアームズ:オロチを展開する。
「手を抜いていただと?ふざけたことを!」
スサノオモンはゼロアームズ:オロチをルーチェモンに向ける。ルーチェモンは結晶と再び合体し直す。
『神がこんな些細なことで怒るとは・・・・・・さぞかし器が狭いのでしょうね。』
ルーチェモンはわざとらしく言う。
「黙れ!こうなったらこの技で貴様をインペリアルドラモンと同じようにしてくれる。いくぞ!天羽々斬!!」
スサノオモンはゼロアームズ:オロチから再び大出力のレーザーサーベルを繰り出す。
『その程度の剣で私を滅ぼそうなど・・・・・・笑止!』
ルーチェモンはルーチェモンは腕から真紅の大型剣をを作り出し、スサノオモンの攻撃を受け止める。
「なっ!?そんなはずは!」
『さあて、今度はこちらから行きますよ!』
ルーチェモンは剣を振るいながらスサノオモンの攻撃を押し返していく。
「こ、攻撃が・・・・・・・なんなんだ・・・・この衝撃は・・・・・・」
スサノオモンは一撃一撃の重みに押されて行く。
『ほらほら!どうしました?私はまだまだ本気ではありませんよ!』
「くそ!腕が引き千切られそうだ・・・」
スサノオモンはルーチェモンの攻撃を防ぐもが精一杯だった。ルーチェモンはそれを察すると思い一撃を放ち、スサノオモンの手からゼロアームズを吹き飛ばす。
「しまった!」
『はあぁ!!』
ルーチェモンの一撃がスサノオモンの胸を抉り、吹き飛ばす。
「ぐうわあぁぁぁぁぁ!!!」
スサノオモンは勢いよく地面に叩きつけられ、同時にカオスデュークモンが分離してしまう。
「なっ!?しまった!さっきの攻撃でデジヴァイスが!」
『おやおや、これではもう神でもありませんね?』
「くっ!」
戦況不利と判断したカオスデュークモンはゲートを開き、一時撤退しようとする。しかし、ゲートを開いた直後、ゲートから複数のイーターがカオスデュークモンに取り付いた。
「うわあぁぁぁぁ!?何だこのイーターたちは!?どうして私が開いたゲートの中から!?」
イーターに捕食されようとしているカオスデュークモンを見ながらルーチェモンは、やっと来たかと言うような顔をする。
『やっと来ましたか。』
「ど、どういう事だ!」
カオスデュークモンは捕食されながらもイーターを引き離そうとする。
『お忘れですか?イーターは元々私の一部から誕生した物。つまり私が復活した以上戻ってくるのは当然ではありませんか?』
ルーチェモンの言葉に千冬と箒は恐ろしく感じた。
「つ、つまり、デジタルワールドを破壊していたイーターのすべてがここに集まるという事か?」
「・・・・・まあぁ・・・・・そういう事になるね。」
千冬の言葉に束は正直に答える。
ルーチェモンは自分の前に次々とゲートを開き、集まってきたイーターを自分の所へと来させる。イーターは次々とルーチェモンの体に取り込まれていく。
『いやあ・・・・・あなたとの暇つぶしはいい準備運動になりましたよ。消すには名残惜しいですがせめて私の一部となって新世界を築くための礎となってください。』
「ふざけるなぁぁ!!!誰が貴様の一部なんかにいぃぃぃ!!」
カオスデュークモンはイーターに次々と取り付かれながらも叫ぶ。
「くそぁ!私が・・・・・・この私があぁ!!こんなところで消えるなんて・・・・・・・消えるなんてえぇぇ!!!ちくしょうおぉぉぉ!!!」
「カオスデュークモンがどんどん食われている・・・・・・」
「嫌だあぁぁ!!!こんなところで死ぬなんてえぇぇ!!嫌だあぁぁぁぁぁぁ!!!!」
カオスデュークモンは完全に跡形もなく捕食され、イーターは全てルーチェモンに取り込まれていった。
『はあぁぁぁ・・・・・・・・ようやく一つになりましたか。』
ルーチェモンはそう言うと自分の真上に巨大なゲートを開く。
『では、そろそろこのゲートを通って人間界を滅ぼしに行こうとしますか。ここにいる方々はもうすでに抵抗する力も残っていないでしょうし、後でゆっくりとお相手をして差し上げます。生まれ故郷を滅ぼした後にね。』
ルーチェモンはゆっくりとゲートの中へと入り、ゲートを閉じて行った。その場には、箒、千冬、束、マドカ、アーマゲモンたちを撃破した鈴たち、そして、動かなくなったスサノオモンだけが残された。
IS学園 デジラボ
「・・・・・・」
ルーチェモンがゲートにはいった頃、デジラボで待機していたロイヤルナイツ一同は一斉に顔を上げる。
「どうしたのデュナスモン?」
エリザは心配そうにデュナスモンを見る。
「・・・・・・織斑一夏が敗れた。」
「えっ?」
「じゃあ、シャルたちもみんな・・・・」
デュナスモンの一声にノエルは不安な表情になった。その不安を少しでも和らげようとマークが彼女の手を握りながら言う。
「大丈夫だノエル。シャルはまだ無事だ。どうやら奴らは、あの子たちには手を付けていない様だ。」
「・・・・・・・だが、人間界に向かってとてつもない巨大で何か身震いのするような恐ろしい気配が迫っている。」
デュークモンたちは、デジラボから出る準備を始める。
「私も一緒に行かせてくれ。」
マークは車椅子から立ち上がる。ノエルは驚いた顔で止める。
「マーク!無茶よ!そんな状態で!」
「娘やその仲間たちが必死に戦っている中、黙って見ているわけにもいかない!」
「でも、もしものことがあったら・・・・」
「だが・・・・・」
「奥さんの言う通りにした方が賢明だと思うわ。今のあなたが出向いたとしてもおそらく負けるのが目に見えているし、悲しませるだけよ。」
「うっ・・・・」
無理にでも行こうとする彼をミレイが敢えて忠告する。アルファモンとデュナスモンはノエルとエリザの方を見る。
「ノエルは、マークと一緒にここにいてくれ。私たちは外でこの世界を守る。」
「エリザ、私は必ず帰ってくる。だから君もここで二人を守ってくれ。」
「デュナスモン・・・・・」
エリザはデュナスモンを抱きしめながら泣く。
「今度は絶対にいなくならない。だから、今回は行かせてくれ。」
「・・・・・・絶対よ。」
エリザはデュナスモンにキスをすると離れる。
「・・・・・では、我等も急いで得体の知れぬ者を迎え撃つ準備をせねばな。」
クレニアムモンはデジラボから出ようとするとシャイングレイモンが入り口に来た。
「よかった!まだ行っていなかったか。」
「どうした?そんなに慌ただしくして。」
スレイプモンは不思議そうに聞く。
「なんかやばそうな奴が来るんだろ?だったら、俺たちも一緒に戦うぜ!」
「俺たち?」
「みんな、入ってくれ。」
シャイングレイモンが言うと彼の後ろから同じ究極体にあたるタイガーヴェスパモン、ボルトモン、クズハモンなどが入ってきた。
「シャイングレイモン、彼らは?」
「このデジラボにいたデジモンたちだ。俺が訳を話して一緒に戦ってくれるように頼んだ。」
「貴様、正気か?いくら究極体とは言え、志が元々バラバラの者が共に戦うと思っているのか?」
クレニアムモンは真面目に言う。
「で、でもよ!少しでも戦える奴がいたほうがいいだろう?どの道、奴がこっちに向かっている以上どこに隠れていても無駄になるんだし!」
「だが、所詮は烏合の衆。後でバラバラになるのがオチだわ。」
「それは、聞捨てなりませんな。」
「ぬっ?」
クレニアムモンは口を開いたタイガーヴェスパモンを見る。
「この私、タイガーヴェスパモンは元はと言えば昆虫型デジモンの森をイーターによって追われた身。仕えるべき主を失い、故郷を失った我々が悲しんでいる中、あなた方ロイヤルナイツは何をしたというのですか?内輪もめをして、崩壊の一途を辿ろうとしていたではありませんか。」
「あ、あれは・・・・・」
「それに故郷を失ったのは私だけではありませぬ。このデジラボにいる多くのデジモンたちがイーターの魔の手から命からがら逃れてきたのです!故に我々は故郷をあのような姿にした元凶と戦おうとしているのです!それでも志がバラバラだと言いたいのですか!」
「小童が!言えば言いたいほどいいおって!我らが無能だといいたいのか!」
流石のクレニアムモンもタイガーヴェスパモンの言葉に怒りを感じた。それをガンクゥモンが制する。
「やめるのだ!今ここでもめている場合ではない!」
「ガ、ガンクゥモン・・・・」
「今迫りつつある気配は恐らく我等ロイヤルナイツだけではおそらく敵わんだろう。ならば、共に戦う意思を持つ者を迎え入れるのは必然ではないか?」
「だが・・・・」
「このデュークモンも同意見だ。今戦える者なら少しでも多い方がいい。シャイングレイモン、学園のグラウンドにできるだけ戦えるデジモンを集めてくれ。但し、今回の戦いは死ぬかもしれん。覚悟のある者だけにと伝えておけ。」
「わ、分かった!」
「ミレイ、君はできるだけ千冬たちと連絡が取れるかどうかコンタクトを取り続けてくれ。」
「分かったわ、今回だけはどこまでやれるかわからないけど最善は尽くすわ。」
「よし、では我々ロイヤルナイツが先行して迎え撃つ。全員急ぐぞ!」
デュークモンたちは急いでデジラボから出て行く。ブイブイも出て行こうとしたとき、同時にデジラボの入り口からリナがあくびをしながら入ってきた。
「ほえ?みんなどーしたの?そんなに慌てて?」
「リナってば!こんな大事な時に何やっているのさ!」
「何って、アリーナでアイエスーってやつの練習。こ~んな、めんどくさがりーのあたしがやるって言うのも珍しいもんでしょう?」
「はあ・・・・・・もうすぐとんでもないものが来るというのに・・・・・」
ブイブイは一人頭を抱える。
リナの喋り方「サイバースルゥース」と「NextOrder」で聞いていたけどなんかうまく書けないな・・・・。
当初はスサノオモンとルーチェモンの戦闘を長くする予定でしたが発想力の限界で短めになってしまいました(誠に申し訳ございません)。
次回は・・・・・一夏復活なるか?