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これで有宇はもう安心だ。
それが分かった途端、俺は自分の瞼が落ちるのが分かった。
あの時と同じだ。
死ぬ直前の感覚と。
でも、あの時と同じで後悔は無い。
自分の親友を守れたんだからな。
俺は満足だ……………
「…………ここは………どこだ?」
目を覚ました見知らぬ学校に居た。
「星ノ海学園…………じゃないよな」
辺りを見渡し、そう確認しながら自分の服装を確認する。
制服は、星ノ海学園のと似ている。
「確か俺は死んだはずだ」
あの廃工場で奈緒と熊耳さんを庇って……………そして、有宇を救おうとして………
「目が覚めたかしら?」
その声に反応し、振り返るとそこにはライフル銃を構えた少女が居た。
年齢は俺と同じぐらいか?
「ようこそ、死んだ戦線へ」
「死んだ世界戦線?」
「突然だけど、あなた入隊してくれない?」
「入隊って何にだ?」
「死んだ世界戦線によ。それにしても、やっぱこれって死んだって認めてるわよね。また名前変えるか」
ぶつぶつとそんなこと言う少女に、俺は頭を掻きながら言う。
「なぁ、ここは死後の世界なのか?」
「まぁ似たようなもんね」
「えっと、俺は一之瀬響。一応18なのかな?死んだ時は16だけど」
「あら?年齢なら死んだ時の年齢で固定よ」
「いや、何というか複雑な事情があると言うか、とにかくそう言う事だ」
「まぁ、いいわ。私は仲村ゆりよ。呼ぶときはゆりで良いわ」
ゆりはライフルのスコープを覗きながら言う。
「で、ゆりはさっきから何をしてるんだ?」
「天使の狙撃準備よ」
「天使?」
俺は身体機能強化を使い、視力を上げグラウンドの方を見る。
そこには、綺麗な白髪のロングヘアーに、金色の瞳をした小柄な少女が居た。
「何処にいるんだよ?」
「グラウンドにいるでしょ。アレが天使よ」
こいつ、頭悪いのか?
そう思いながらもう一度少女を見る。
「あれが天使?」
どうも信じられない。
一先ずあの子に話でも聞いてみるか。
そう考え、俺はゆりの横を通り過ぎようと歩き出す。
「ちょ、ちょっと!貴方何処に行くきよ!」
「あの子の所。この世界の詳しいことと、ついでに本当の天使かどうなのか聞いて来る」
「アンタ馬鹿なの!死にたいの!」
「死後の世界なら死なないだろ」
「おーい!」
そう思って歩こうとすると背後から能天気な声が聞こえた。
てか、聞き覚えのある声だな。
「ゆりっぺ!新入りは見つかったか!」
青い髪の奴は大声でそう言う。
「今は人手不足なんだ!どんな汚い手を使ってでも引き込まねぇと!」
それを新入りの前で言うか?
「…………あれ?」
青髪は俺が居ることに気付き、そう言う。
「じゃ、達者でな」
「折角の新人がああああああ!このアホ日向!」
「イッテエエエ!!叩かなくてもいだろ!」
そんな声をBGMに俺は少女の元まで近づく。
階段を降り、グラウンドに入ると少女は俺に気付き、こちらを向く。
「よ、こんばんは」
「……こんばんは」
「えっと、尋ねたいんだが……お前は天使なのか?」
「いいえ、違うわ。私は生徒会長」
生徒会長なのか。
なんか奈緒を思い出すな……………
「じゃあ、もう一つ。ここは死後の世界なのか?」
「ええ、そうよ」
「なるほどな………それにしても、どうも信じられねぇよ。実際こうして今は立って話せてるんだしな」
「………そう」
そう言うと少女は、何かを呟くと袖から剣を出す。
出すと言うよりは何もない所から現れたって感じだな。
そして、少女はその剣で俺の心臓を突き刺そうとして来る。
俺は咄嗟にそれを躱し、少女を見る。
「ちょ、ちょっと待てって!」
声を掛けるも、少女はお構いなしに剣で攻撃してくる。
剣を躱しながら下がるが、それに合わせて少女も近づいて来る。
すると、もう片方の手から同じ剣を出し、俺の死角から攻撃をしてくる。
気付いたときにはもう躱せなかった。
だが、剣は俺の体を貫くことは無かった。
少女は驚いてはいない物の、その瞳からは驚愕の色が見える。
能力発動の三分が終わり、俺は腕を強化して剣を受け止めたからだ。
「危ない。危ない。これでも、それなりに修羅場は潜り抜けてるんでな。悪いがそう簡単にはやられないぞ」