性転換篇より元に戻っていない元男の現女たち。
無論この連中もそうである。
「冗談じゃねぇ!俺はいったいいつになったら元に戻れんだよ!」
誰よりもキレているのは土方十四郎。それもその筈、他の連中とは違い美人にはならずX子になっているのだから。
「まぁまぁX子、落ち着きなさいよ」
そう言ったのは元ゴリラで現宝塚風美人の近藤勲。通称ゴリ子。
「これが落ち着いてられるかぁ!お前らはそんな容姿だから俺の気持ちが分かんねぇんだよ!なんで俺だけこんなテイストなんだ!」
「だから言ったでしょうX子、マヨネーズでカロリー摂りすぎなんですよ」
そう言ったのは当然美人の沖田総悟。通称総子。
「そんなわけねぇだろ!」
「じゃあ聞きやすけど、X子は美人になったら女であることを受け入れられるんですかい?」
「そういうわけではねぇけどよ……今よりは格段にマシだろ」
X子はタバコに火をつけながらそう言った。
「なら手がねぇわけでもありやせんよ」
「お前の提案は嫌な予感しかしねぇんだが…」
「ここに通いやしょう」
そう言いながら総子が見せた広告はライザップだった。
「あら良い考えじゃない?X子、行って来なさいよ」
誰よりも女になりきっているゴリ子。
「絶対お前ら俺をバカにしてんな」
さすがはX子。即座に感じ取った。
「そんなわけないじゃない。わたしだってX子が痩せてくれないと真選組としての立場がないのよ」
「俺のせいなの、女だからじゃないのか」
「あーX子さん、今の発言は男女差別ととりやすよ。BPOが黙っちゃいやせんぜ」
「真選組が女だけだったらどうすんだよ!舐められるのがオチだろうがぁ!だいたいお前らはなんで女の立ち位置で話してんだ!」
イラついたX子はツッコミながらタバコを投げ捨てた。
「X子知らないの?今のご時世はむしろ男貧女豪の時代なのよ。女でいた方がいろいろと得ってものなんだから。例えばレディースデーとか奢ってもらえるとか」
「金の話ばっかじゃねぇかっ!」
「まぁとりあえず男だ女だ言う前にX子さんには痩せてもらいやすよ。飛べない豚はただの豚だみたいなイジリは性転換篇で散々やったんでみんな飽きてんですよ。そろそろシャキッとしてくだせぇ」
「そんな紅の豚みたいなイジリされた覚えねぇわ!シンプルに豚イジリだっただろうが!」
必死にツッコむX子だったが総子はもちろんゴリ子までもが敵だった。
「痩せたらもうX子なんて呼ばないし声優も女性に変えてあげるから」
男の誘惑するような妙にエロい声でいうゴリ子。
「声優も変えるのか?」
「当たり前でしょう。X子さんの声優が中井和哉さんのままで面白かったのは美人にならず豚だったからで、もし土方さんが美人になってたら俺たちと一緒で女性声優が使われてやしたよ」
「なるほど…ところで誰なんだ」
「誰が良いですかねぇ…」
なんでお前らが決めるんだというツッコミを抑えるX子の前でゴリ子と総子がこそこそと相談を始めた。
「誰が良いですかねゴリ子さん」
「わたしのコンセプトはアダルトだからたかはし智秋さん。総子のコンセプトはドS美女だから伊藤静さん。万事屋のコンセプトは可愛いだから戸松遥さん。だとしたらトシのコンセプトはクール美女だと思うの」
「そんなにバンバン声優の名前出して良いのか」
X子のツッコミなんかスルーして話を続ける二人。
「クール美人が似合う声優さんですかい……でもクールにもツータイプありやすよ。男勝りなカッコイイクールと物静かなクールと」
「でもトシの性格だから女に寄せないだろうからカッコイイクールじゃない?」
割と真剣に会議するゴリ子と総子。X子はもうツッコむ気にもならず黙って見ていた。
「じゃあ小清水亜美さんとかどうですかい?」
「良い事言うじゃない総子!もはや男だものねっ!喋り方がチンピラみたいでもはや男のトシにはぴったりかもしれないわ」
「見た目は女でもマヨ中ニコ中のチンピラでさぁ」
「いい加減にしろよてめぇらぁぁ!」
会議は無視していたX子だったが後半の悪口には我慢出来ずにツッコんだ。
「なに怒ってんですかX子さん。マヨ子さんになりたくねぇんですか?」
「痩せたら名前マヨ子になんのか!つーかお前らこの場に乗じて俺への悪口になってんじゃねぇかぁ!」
「悪口じゃないわよX子。あなたの男勝りな女にぴったり合うイメージを探してんじゃないの。まぁわたしたちの会議では小清水亜美さんなりの候補は一様上がったんだからとりあえずX子、あなたが結果にコミットしないと始まらないのよ」
「結局俺がライザップすることになってんのか?」
X子にもはや拒否権などは存在しなかった。
「ライザップは結果にコミットするのに2、3か月かかってしまう上にTKO木本さんみたいに筋肉悠々になれることもあればナイナイ岡村さんみたいにちっと痩せて終わりになるかもしれやせん。だからコレを持ってきやした」
総子が持ってきた広告には[ライザップZZZ]と書かれていた。
「怪し過ぎるだろ……」
第二訓完。
またお会いしましょう