転生したら狩人×狩人   作:楯樰

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私が過保護? ……良いお姉ちゃんだと言ってくれ。

『家に帰るといつの間にか家族増えてました事件』から一ヶ月。

家の中の道具も一般的な重さのモノに変わってから一ヶ月たったとも言う。

 

私は、現在進行形でまだ小さい兄妹のお姉ちゃんを頑張っていた。

 

……うん。赤ちゃんの世話って大変だね。

 

いや、私みたいに一歳の頃からペラペラと喋るわけでも無いから、意思疎通がホント難しい。私ってば親孝行者だね。

 

……と、私の事は置いといて肝心の二人はというと、

 

弟、二人のうちではお兄ちゃんになるラディスト、愛称ラディは男の子なだけあって元気が良い。

起きている時は手足を一生懸命に動かして運動している。昼間しっかり起きているだけあって、夜は夜泣きも少なく、お母さんの睡眠時間に貢献している。(おねぇちゃんに似て嬉しいよ!)

逆にビスケットはお昼寝の時間が長く、夜の寝つきも悪くて夜泣きも多い。(くっ…我侭娘め!)

 

……ただ、お父さんが甲斐甲斐しく世話をするのでお母さんの負担も軽くて済むんだけど。(ちなみにお母さんは双子を生んだというのに抜群のプロポーションは今だ健在。私の時もそうだった)

 

まぁ、あれだ。

 

「うぉーう?」

「むー……」

「あーもう! 可愛いなぁ私の姉弟♪」

…………可愛いは正義なのだよ。諸君。

 

 

……ところで、この私の可愛い妹ビスケット=クルーガー。

姓クルーガー、名ビスケットであるこの子は原作に出てくる、主人公達の第二の師匠である“ビスケット=クルーガー”である。

 

初め私がこの子の名前を聞いたとき、親の感性を少し疑ってしまった。

――だってあれだよ? アニメのキャラクターの名前を子供につけるのと同じことだよ?

 

 

そこで私は二人に『なんで原作キャラと同姓同名にする訳?!』と訊いた。

訊いてやったよ! 私は! ……そしたら二人は、

 

「「クルーガーの姓があるのは戸籍上私達だけなんだから、この年代に生まれたこの子はビスケット以外にありえない!」」

 

……って言いやがりました。

情報元、HUNTERサイト。

開いた口がふさがらないとは、まさにこの事。

…身内は主人公の師匠じゃないですかー、ヤダー。

 

 

と、苦い思い出を思い出しつつ。

 

私はラディをお父さんに預けてビスケとお話しする。

「ビ・ス・ケ」

「うーあーう?」

……二人が生まれてからは修行は御休み。

育児休暇らしきものをとった普通(・・)のサラリーマンお父さんは二人に付きっ切りで、主にお母さんのサポート。そして私と偶に組み手をやってくれる。

 

素晴らしいお父さんの家族孝行。

 

ただ、ご存知だろうか?

赤ちゃんの頃からきちんとした発音で言葉を覚えさせると、赤ちゃん語を直すことをしなくてもいいので大変教育にいいのだ。

 

だからお父さんみたいに、

「ほーらラディー…お父ちゃんでちゅよ~?」

「うおーう!」

……こんな風にやると後々きちんとした言葉遣いを赤ちゃん達は覚えなくちゃいけないため、彼らにとっても負担がかかる。

 

いや、気持ちは分かるんだよ?

二人、滅茶苦茶可愛いから。

 

ただ父よ…顔がニヤケ過ぎだ。

ほら、せっかくのイケメンが残念な事になってる。

 

だから、洗濯物を畳んでいるお母さんにいつもお父さんは、

「……お父さん! ちゃんとした言葉遣いで話しなさい!」

「うっ……はーぃ…」

「うーぅ? きゃっきゃ!」

可愛いがっている子供の前で恥をかかされてばかりいる。

 

はぁ……先が思いやられる。

 

――でもある意味始めての子育てのようなもんだからな……この二人にとっては。

 

目の前のビスケを見ながら思う。

……私のようなイレギュラーな存在がいるから仕方ないの……かな?

ちょっと悲しくなってきた。

 

 

「カトリア」

 

洗濯物を畳んでいたお母さんは手を止めて私の名前を呼ぶ。

 

「……うん? なに、お母さん」

「貴女も私達の娘よ。例え前世の記憶があったとしても。例え前世が碌でもない人間だったとしても……貴女は大切な私達の可愛い子よ?」

「そうだよ、カトリア。お前もこの子達と同じくらい愛してるからな?」

「…うん」

……お父さんもきゃっきゃと笑っているラディストから目を離して、いつの間にか私とビスケ……いや、私の方を見ながらお母さんと同じ気恥ずかしい事を言ってくれる。

 

「……ありがとう。二人とも…」

「うん? いや別に? 私はカトリアがビスケとラディに嫉妬してるのかと思っただけよ?」

「……カトリア。甘えたいなら僕の胸に飛び込んで来てもいいんだよ?」

「お父さんキモイ…」

「酷いっ!」

 

分からない振りして察しくれてるお母さん。

優しいけど親馬鹿なお父さん。

 

あぁ、やっぱり。

……私はこの二人が大好きだ。

 

-------------------------

 

弟と妹が生まれて早3年……つまり私9歳、ビスケ達は3歳。

お父さんの腕に収まる大きさだった二人も、私の腰の辺りまで大きくなった。

……初めて“カトリアおねえちゃん”と二人に言ってもらえたときはどんなに嬉しかったか。

死んでも良いとさえ思ったね……いや、死なないけど。

 

そして、今二人は両親二人に見守られながら、テレビでよく見るような『一人で出来るかな』的な感じで幼稚園に通うため服を一人で着る事に挑戦している。

 

「……はい、二人とも袖に手を通して?」

「「うん!」」

元気よく返事をする二人と、ちょっとづつ二人に指示を出すお母さん。

 

「おぉー! 上手に出来たなー!」

……で、その様子をビデオカメラを携えて見守るお父さん。

流石親父、抜かりない!

 

いや、でも気持ちは分かる。……二人可愛いから!

あの愛くるしい二人の姿といったr……

 

 

-しばらくお待ちください-

 

 

……あまりの可愛さに発狂してしまった。

録画した映像は後で見せてもらおう。

 

とりあえず今はまだ食パン食べきってないから急がないと!

 

「カトリア! 遅れるわよー!」

「ごめん、お母さん! 今行くー!」

 

玄関に居るお母さんに急かされてしまった。

 

えっ? 『何で』ってそりゃあ二人の護衛のために決まってるでしょ。

あの可愛い二人が攫われでもしたらどうすんの!

 

 

……過保護とか言うな。世の中には危険が沢山あるんだよ!

 

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