とりあえず人里へ、と思い立って3日ほどの時間が過ぎた。
その間の空腹はナウラのケーキ屋と言うPSO2内のショップで売ってるケーキを食べることで腹を満たした。
画面上ではただのデータでしか無かったソレは、食べてみるとかなりの美味しさではあるのだが、30分に一回しか食えないと言うゲーム的仕様により、満腹とかそういうのとはかなり違う感じになっている。
「たく、自動車と同じ位のスピードで走ってるってのにまだ森の外に出ない」
恐らく、ひたすら東に向かいながら毒づく。
本当にこっちが人里であっているのだろうか?
何本かソニックアロウでここ数日木をぶった切ったりしながら進んだりと大分無茶している気がする。
まあ、おっちょこちょいで定評の超時空エネミーが「あっちの方に文明の臭いがするニャウ!」という曖昧極まりない言葉を信じた俺も大概なんだが。
走りながら確認したがこの世界だと速度など細かいステータスは技量値に依存するらしい。
最初はどうしたものかと思ったが、現状つけている防具は特殊能力にアビリティⅢとスティグマと言う技量値も上がる装備であったためか軽快に動けている。
「お、あれ森の出口じゃないか?」
漸く見つけられた木が開いた場所。しかし視界の端でエネミーソナーがピコピコ自己主張を行っている。
どうやらでかい何かが戦闘しているようだ。
「さて、どうしたもんかねえ」
なんて、言いながら3日も森を彷徨って人恋しかった俺はクラスチェンジし、介入する気満々なのであった。
◆
いつも通りと行かないのがワーカーなんてあまり真っ当でない職業にはありがちなことである。
最近大きな音ともにトブの大森林の巨木が倒れまくるという事で依頼のついでにカッツェ平野のアンデット退治の帰りにマゴついた結果がこれだ。
周りにはアンデットの群れ。
更に、スケリトル・ドラゴンなんてものに出会ってしまうとは。
しかも…通常の倍以上の体格である。
「なんて大きさだよ!こいつは!?」
「ヘッケラン!男がグダグダ言ってないで早く指示でも送りなさい!」
「わぁーってるよ!アルシェ、ロバーデイクは支援に徹してくれ!こいつに魔法は効かない!」
「了解」
「わかりました!」
言ってから、4人組のワーカー『フォーサイト』のリーダー、ヘッケラン・ターマイトは苦虫を噛み潰した様に表情を歪める。
戦況は良くない。
周りは雑魚ばかりとはとはいえアンデットだらけ。突破してる暇に後ろからスケリトル・ドラゴンに攻撃されたら一網打尽である。
つまり、目の前のドラゴンを攻略する以外他に生きてここを離れる手段は無い。
「万事休すかもな…これは」
思わず洩れる弱音。自分の二刀流の剣とイミーナの弓では火力が足りなさ過ぎる。
今まで上手く立ちまわってきたが、結果としてはこれだ。冒険者を志して、金払いの関係でいつの間にかワーカーになっていた自分の過去が走馬灯の様に脳裏を駆ける。
しかし、けれども諦めるわけにも行かない。少しでも勝機があるのなら自分を信じてくれる仲間たちに道を示さなければならないのが、半端者だがリーダーたる自分の努めだ。
自らに今一度気合を入れようと踏ん張ろうとすると…
「ディバインランチャー!た~ま~や~!」
俺達の背後、アンデットの群れが爆散した。そう、文字通り爆散したのだ。
「あ~やっぱ気持ちいいよなぁ!ランチャーは!」
まるで役者か何かのようによく通る爽やかな声。
現れたのは手に持った巨大な樽が不釣り合いな、人間離れした美形の男だった。
ラッピー武器シリーズって生物兵器じゃないですか!
キャーコワイー