「さてさて、どんな感じかな?」
現場付近に辿り着いて、様子を見てみると骨とかゾンビの群れに囲まれたパーティを発見。
しかも巨大な骨のドラゴンまで。
中々デザイン凝ってていいなあれ。
「どっちに味方するか…まあ話が出来そうな方だよな!」
人恋しさ以前に見た目的にそうであろう。
いや、友好的なゾンビとかいたら話は別かもしれんが…
多勢に無勢な感じもするしね。
「えーと、スケリトル・ドラゴンって言うのか。レベルは35か…何のクラスで行こっかな」
クラスチェンジクラスチェンジと。
無双しすぎてもつまらんしレンジャー/ハンターで行くかね。
レンジャーはレベル25だし丁度いいだろ。
森を彷徨ってる時色々なクラスを試したが、この世界のエネミー…どうにも脆いみたいだし。
攻撃も一番レベルの低いクラスにしても1とかしか通らないんだよなあ。
まあ防具+10まで強化してあるしPSO2的には当然なのか?
「武器どれにしようかな~…うげ、考え事してたらあの人達やられちまいそうだ。」
とっさに装備できる適当な武器を手にとり颯爽とその場を跳躍して、アンデットにランチャーをぶっ放すのであった。
◆
まるで救い主の様に現れた…しつこいようだが美形の青年にヘッケランはもちろん。フォーサイトの面々は呆気にとられていた。
アンデットを一気に吹き飛ばしたその実力にもだが、彼の持っている樽から無数の黄色い鳥が発射されては爆散するのである。
「彼は一体…というよりあの樽と鳥は何なんだ?爆発してるぞ!?」
「恐らく何らかの魔法生物兵器を射出して爆発さしている……のかも、魔力はまるで感じられないけど」
リーダーのへッケランの至極当然な疑問に答えたのはパーティのマジックキャスターであるアルシェだった。
普段冗談を言わないアルシェだったからこそメンバーにとってその言葉は真実味を増すことになる。
…実際は本人もかなり混乱しているだけのようなのだが。
「ヒャッハー!汚物は消毒だー!」
世紀末と言う謎の単語が浮かび上がりそうな奇声を発した男の樽から火炎が飛び出して、アンデットを焼却処分している所でフォーサイトのメンバー全員は深く考えるのをやめた。今は目の前にある障害の方が大事である。
「と言っても、彼が周りのアンデットを倒したら逃げたほうがいいかもな…あのスケリトル・ドラゴンは厄介だ」
「何で?勝てないの?レベル差そこまでない感じだけど」
「急所の頭は身体がでかくて剣じゃとどかねえしな」
「なるほど。下ろしゃーいいわけだ」
「って、アンタ!?周りのアンデットは!?」
いつの間にか隣りに立っていた事に驚愕するヘッケラン。彼がもうアンデットは全て倒したと言う旨を適当な頷きで返そうとした瞬間。
前足を振りかぶったスケリトル・ドラゴンの文字通り魔の手が5人に降りかかっていた。
「まずい!全員散開!」
ヘッケランの言葉に一斉にその場を飛び退くフォーサイトの面々。伊達に修羅場を潜ってないのか、逃げ遅れたものは、ある意味予想外の助太刀に来た青年だけだった。
しかしヘッケランは飛び退く前に見た。彼がスケリトル・ドラゴンの爪に向かって前進するのを。
正気か。と思う反面納得もした。
現れた時から彼は常識外だったのだ。
そしてそこまでの思いが思考へと形が変わるほんの数瞬。
ヘッケランは彼の言葉を聞いた。
「ゼロディスタンス…!」
叫びは詠唱か何かなのか。
ギリギリまで接近した彼は至近距離であの樽から鳥を発射したのだ。
先ほどまでのが普通の攻撃だったとしたら、それよりも一際大きな爆発が爆発地点から巻き起こったのがわかる。
たまらず体制を崩すスケリトル・ドラゴン。
「仕上げに…!クラスターバレット!」
砂埃から声が聞こえれば、煙の中から黄色い鳥が回転しながらスケリトル・ドラゴンの頭部めがけて進んでく。
「ッ…外れた!?…いや」
黄色い鳥の軌道はスケルトル・ドラゴンの頭部の更に上だ。
しかし、彼は仕上げといったのだ。どういう人物かは未だに疑問点が残るが。
周りのアンデットを手際よく処理したことといい、この状況で外すとはどうしても思えない。
となれば……
こちらを向いた彼の青い瞳と目が合う。作られた様な美しい顔の造形を悪戯ごとを成功させたかのように軽い笑みで浮かべて、こう言った。
「後は任したぜ?」
「!…応!」
信頼を寄せられることなど何一つしちゃいないが俺にできるというそれだけの理由で彼はトドメを託したのだ。
確信を得たと同時に空中で破裂する鳥。雨のように光の玉が周囲にバラ撒かれては落ちていく。
ソレもまた爆発物であり、たまらずスケリトル・ドラゴンは頭を垂れた。
「うぉぉぉぉ!限界突破!肉体向上!…双剣斬撃!」
立て続けに武技で己を強化しスケリトル・ドラゴンの頭部にトドメの一撃を放った。
ドラゴンの頭部は砕かれ、やがて身体も崩れ落ちていく。
「やった…!」
ワッと仲間たちからも喝采が上がり近づいてくる。
無理もない。先程まで死を覚悟するほどの事態だったのだ。
互いの健闘を讃え合い、無事だったことを確認しあうと、さわやかな笑顔で今回の功労者がこちらを見ていた。
「まずはありがとう。浮かれてしまってすまない。俺たちはワーカーをやっていて、俺はリーダのヘッケランだ。重ねて礼を言うよ」
「道に迷ったついでだ。気にすんな。俺はルフタ。アークスをやっている。クラスはレンジャーだ」
と言って握手のためか手を差し出してくれる自称レンジャーのルフタ。
自分の知っているレンジャーと余りにも見た目や武器、挙動に差異があるのと、彼の背中の樽の中で回っているヤケに目のでかい黄色い鳥がシュールで俺たちフォーサイトはなんと言ったら良いのかつい苦笑いを浮かべるのだった。
アインズ・ウール・ゴウン?
ナザリック?
急げ作者!お前の筆は、やや遅い!