アークスとオーバーロード   作:鹿島鹿

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これでファイブサイトってことか…(ドヤァ

 

 

 完璧に決まったな。

 どう見ても旅のかっこいいレンジャーを演出してしまった。

 森の水辺で自分の顔を見た時は見た目だけでなく体付きや顔までルフタになっていて流石に驚いたが、美形はステータスだ。

 もはやかっこ良すぎる第一印象に彼ら…フォーサイトと言ったか。

 そうフォーサイトの面々の第一印象は見事に好印象以外の何物でもないだろうと、ルフタは確信した。

 

 

 だが、どうしたことか。

 フォーサイトは皆して苦笑いを浮かべながら俺のことを…いや、正確には俺の背後へと視線を外せないようだ。

 疑問に思った俺が首だけを背後に向けると樽の中で回転するラッピー(黄色い鳥)と目があった。

 

 

 「……リテイクってありか?」

 

 

 「その『りていく』ってのが何のことかは分からないが、たぶん無理だろうな」

 

 

 リーダーであるヘッケランの言葉にウンウンと頷く俺を除く皆さん。

 現実は非情である。

 

 

 ◆

 

 

 俺の素性について、遠くの国から転移魔法で飛ばされてしまった的な言い訳によりなんとか納得してもらった。

 なので、無一文かつこの辺の常識に疎いので助けて欲しいと取引を持ちかけたらフォーサイトの面々は快く引き受けてくれて、今は近場の国かつフォーサイトの拠点、バハルス帝国の帝都アーウィンタールなる場所への帰路に同行させてもらっていた。

 

 

 

 「しかし、森の調査はしておきたかったな」

 

 

 

 道中の中、ヘッケランがもったいなかった、という感じにボヤいた。

 

 

 

 「仕方ないでしょ。ルフタさんの事だってあるし、森の方に向かったらあのアンデットの群れに会ったんだし、危険のほうが多いわ」

 

 

 「同意。こうなったら依頼主に事情を說明して少しでも多く依頼料を上乗せして貰うくらいしか、やれることはない」

 

 

 叱るようにイミーナが、続けてやや肩を落としてアルシェが言う。

 

 

 「あ~…森の調査ってのは?」

 

 

 「あぁ、ルフタは知らない?数日前から森でバタバタ木が倒れたり、変な光が上がったりしてたの」

 

 

 「ナンノコトダカサッパリワカラナイ。アブナイコトモアルモンダナァ」

 

 

 「何故カタコト?でも依頼の帰りに欲を掻いて森の調査に乗り出したのは失敗だった。次からは嫌な雰囲気やきな臭い話には気をつけるべき…」

 

 

 …俺じゃん!?

 まさか森での実験が彼らの生死に関わるような事になっていたとは…PSO2のサブキャラの嫁には負けるが美女美少女の二人が自分の不手際で亡くなるのは流石に目覚めが悪い。今度から色々気にかけて実験しよう。

 

 

 「ここら辺で野営にするか。おーい、二人共。ルフタがあんまり美形だからってがっついてないで準備してくれ!」

 

 

 「もう…ヤキモチかしらね」

 

 

 「これだけの美形は帝国でもめったに見ない。ヘッケランはイミーナが取られるかもと不安なのかも」

 

 

 「うるせー!さっさと準備しろや!」

 

 

 「ですね。こういうのはテキパキやりませんと」

 

 

 4人の会話は、いい雰囲気だなと思える内容だった。

 信頼の厚いパーティ、フォーサイトに出会えたのは幸運だったのかもしれない。

 

 

 「なにか手伝えることってあるか?野営の経験はないが雑用くらいならやるぜ?」

 

 

 「あ~こういうのは慣れてないとな。まあ、どうしてもって言うなら夕食の時にルフタの故郷の話でも聞かせてくれよ」

 

 

 「そういうもんか。解った。上手く話せるか解らんけど頭のなかをまとめとくよ」

 

 

 ◆

 

 

 今日は幸運だったのか不幸だったのか。

 両方が起きたからといって普通の日には成り得ない。

 私アルシェ・イーブ・リイル・フルトは無事に終わろうとした今日に安堵した。

 私がいなくなっては二人の妹達は不甲斐ない両親により酷い目に会ってしまうだろう。

 過去の暗い記憶に沈みかけた時、不意に意識を取り戻したのは。

 よく通る、爽やかな声で話し始めたマレビト、ルフタによる故郷の話だった。

 

 

 「で、その復活したダークファルスによって緑の星…いや国、ナベリウスは破壊されてしまったんだなコレが」

 

 

 「ほぉ…なんともスケールが大きい話ですね」

 

 

 ロバーデイクの言う通り、彼の話は神話の神々のおとぎ話のようで、妙に現実味はなかった。

 彼本人の話じゃないというが、それにしては話の中の会話の内容とかが具体的だし、まるで当事者のようである。

 しかし、そんな大活躍をしているなら私達よりもっと強いはずである。既にあのへんてこな武器による火力という意味では私達より凄いけれど、英雄的といえるほど強大ではない。

 深い青の瞳、ブルーの髪。とんでもない美形。凄腕、いい声。

 最後のはともかくこれだけの要素と謎を含んだ彼に、私は何となく目が離せないのであった。

 

 

 ◆

 

 

 当然だが、俺の話は故郷の神話か何かだと思われたようだ。

 まあアークスの話は宇宙規模だからな。

 宇宙進出してる文明がなさそうな世界では現実味がないだろうし、所々アレンジして語らせてもらった。

 そうして夜も更けてくると、唐突に真面目な顔をしたへッケランが切り出した。

 

 

 「なあルフタ。この辺りの常識を学ぶついでに俺たちの仕事を手伝ってみないか?」

 

 

 「ん?俺としては願ってもないことだけど…」

 

 

 聞いたところによるとワーカーとは非公式の冒険者のようで多少汚いこともやるヤクザな仕事らしい。

 周りの面々もじっと俺とヘッケランの方を見守っている。

 

 

 「もちろん気が乗らない仕事なら断ってくれて構わない。単純にこういう討伐だけでも良いから手を貸してくれないか」

 

 

 「…水臭いなヘッケラン。背中を預けた仲だ。フォーサイトの皆にはこれから世話になるんだし好きに使ってくれ」

 

 

 それを聞いて感極まった顔になるヘッケラン。大げさなやつだなあ。

 リアルの俺ならきっと断っていただろう。

 だが今の俺はアークスだ。

 

 

 

 夢の中くらいそう在っても悪くはないだろう。

 

 

 




オーバーロード出てこないじゃん詐欺かよ!
実はナザリックが来る前に来ているルフタ。
読者はこののんびりとした物語についてきてくれるのか…!

次回「作者。暁に死す!」(* ゚・*:.。.:*・゜+ d(*´∀`)b うそです +.:*・゜゚・*:. *)
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