無事にトリガーを拾得し、後は第二のトリガーが出来るまでアリーナでセイヴァーのステータスを戻すため鍛錬をするのと、あのライダーの真名を知るために図書室で情報収集をする事しか無かった。とりあえず先に図書室に向かおうと二階に降りている途中、声が聞こえた。片方は聞いた事がある男の声だが、もう一人の少女の声は聞いたことが無かった。
「あの道化師、何か余計な事をしようとしているのかしら。けど、情報を得られるかもしれないわね。このまま聞くとしましょうか」
そう言って音を消して階段を降り、声を聞く事にした。
「君はもうアリーナに入ったのかい?中々面白いとこだったよ?ファンタジックなものかと思ってたけど、わりとプリミティブなアプローチだったね。神話再現的な静かの海ってところかな。いや、海ってのはホントいいテーマだ。このゲーム、結構良くできてるじゃないか」
そう間桐慎二は話していた。その声を聞いている側の人間は
(また余計な事をしてるよあいつ。対戦相手以外にわざわざ声を掛ける必要はないんじゃないか)
と、考えが一致していた。それは話しかけられた少女も思っているのだろう。
「あら、その分じゃ良いサーヴァントを引いたみたいね。アジア圏有数のクラッカー、マトウシンジ君?」
「ああ。君には何度か煮え湯を飲まされたけど、今回は僕の勝ちだぜ?僕と、彼女の艦隊はまさに無敵。幾ら君が逆立ちをしても、今回ばかりは届かない存在さ」
「へぇ~、サーヴァントの情報を敵に喋っちゃうなんて、マトウくんったら随分と余裕なんだ?」
間桐慎二の自慢を保護者さながらの余裕で流していた。
(無敵艦隊ってことかしら?またも楽して情報は取れたわ。ほんと三流よね)
こう思っていると、間桐慎二は自分の失態にようやく気付いたのだろうか少し慌てた感じが取れた。
「う……そ、そうさ!あんまり一方的だと張り合いがないからさ、ハンデってやつだよ!!で、でも大したハンデじゃないか、な?ほら、僕のブラフかもしれないし、参考にする価値は無いかもだよ……?」
その慌て方で言われても、聞いている側から言わせてもらえば答えを得たも同然だ。
(あのライダーの宝具は艦砲射撃か突撃っていう物理攻撃ね。・・・・ほんと馬鹿としか言えないわ)
「ま、わたしに出来るのは物理防壁を大量に用意しておくぐらいかしら。それと忠告よ。私の
「ふ、ふん・・・・まあいいさ。知識だけあっても実戦できなちゃ意味ないし、君と僕が必ず戦うとも限らないしね」
そんな捨て台詞を吐いて立ち去ろうとした時、
「それと、聞いたわよ。貴方の相手、玲瓏館美沙夜だってね」
「そうだけど、それがどうかしたのかい?あのいけ好かない女なんて僕の敵じゃないさ」
この僕を三流だの道化師だのと言っていたが、話しかけた少女は
「本当に運が無いわね。相手が悪すぎるわ」
「君も思うかい?一回戦でこの僕と当たるなんて運が無いよね。ま、誰であれ僕には勝てないさ」
そう言ってキザに髪をあげると、少女は
「は?何勘違いしてるの?
自分は予想していた答えと違い、一瞬呆けた顔をした。
「はぁ?何を言ってるんだい?あんな女より僕の方が強いに決まってるだろ」
そう言うと少女はため息を付き、
「貴方、何も知らないのね。良いわ、一つ忠告してあげる。彼女は貴方よりも実力者だし、正直な話私が最も戦いたくない相手よ」
「ふ、ふ~ん随分と高く買っているんだね」
「それはそうでしょ」
少し間を空けてその少女の声の主はこう言った。
「だって、彼女はハーウェイの誘いを断り、暗殺しようと出した暗殺者を全員始末してるんだから」
そう言うと、周りの空気が冷えていった。
「へ、へぇ~そうなんだ。でも、別にそれだけならどうってことも無いでしょ?それ位なら僕にも出来るしね」
そう強がりを言っていたが、
「そうね、ただ始末するだけなら私でも可能だわ。でも、彼女はそれだけじゃない。とんでもない程の加虐体質なのよ。自分に敵対する相手は徹底的にいたぶり殺すのが彼女のやり方よ。だからこそハーゥエイだけじゃなくレジスタンスも恐れている相手ね。ホントご愁傷様としか言えないわ」
そう言われて相手、間桐慎二は震えていた。そこに
「あら、随分と酷い言われようね。そこまで言われる筋合いは無いと思うのだけど」
そう言って噂の人物が出て来た。
「あら玲瓏館美沙夜さん。ごきげんよう」
「ごきげんよう。さて、こっちの名前を知っているのなら名前を名乗らない訳ないわよね?」
「それもそうね。私の名前は遠坂凛よ。初めまして」
「遠坂凛・・・聞いた事あるわね、確か凄腕のハッカーでレジスタンスに所属している・・・・だったかしら?」
「あら、私の名前を知ってるなんて光栄ね」
「知らない方が可笑しいと思うのだけど」
そう言い合っていた。ちなみに間桐慎二は空気になっている。
「貴女が出てるなんて以外ね。興味が無いと思っていたんだけど」
「好きで出てるわけじゃないわ」
そう切り捨てた。その時、着信音が聞こえた。メールを確認すると教会が使用可能になったという業務連絡だった。
「ではこきげんよう。
そう言って玲瓏館美沙夜は去っていった。
連続投稿です。連載がもう少し進んだら師匠編も書き始めようと思ってます。