「マスター、何か手がかりは見つかった?」
「う~ん、海賊ってだけじゃ手記を見ても分からないよ」
今、わたし達は図書室にいる。理由は自分の対戦相手、間桐慎二のサーヴァントの情報を得るためだ。と言っても、自分で手に入れた訳ではない。
さっき、マイルームから出た時、近くにいたマスター達に聞いたからだ。内容は食堂での出来事だった。
間桐慎二がレオナルド・ビスタリオ・ハーウェイに喧嘩腰で挑発したけど、まるで眼中にないといった感じの対応に腹を立て、サーヴァントでの戦闘をしたそうだ。だが、レオは自分のサーヴァントの真名をあっさりと周りに言ったそうだ。レオのサーヴァントの真名は、ガウェイン。アーサー王伝説の円卓の騎士としてあまりにも有名な人物だ。
彼の実力は君主であるアーサー王を凌ぐと言われ、手にした聖剣は王が持つ聖剣と同格の威力を持っているとされている。クラスはセイバー確定である。そして、彼には特別な体質があるらしいが、これは後回しでも良いかもしれない。今は間桐慎二のサーヴァントを調べよう。聞いた話の中で、彼は怒りのあまり、クラス名を言ったらしい。彼のサーヴァントのクラスはライダーだそうだ。そして、そのサーヴァントの女性が海賊と自分で言っていたらしい。これらの情報で真名を調べようと図書室に行ったのだ。
「とりあえず、目ぼしい物を何冊か借りて、マイルームで調べた方が良いと思う。ここだと対戦相手に見つかって、面倒な事が起きそうだしね」
そうセイヴァ-が言ってくれたので、適当に数冊を借り、マイルームで調べようと出口に立った時、壁越しに誰かの話し声が聞こえた。
「マスター、盗み聞きかもしれないけど、何か情報が得られるかもしれない。これは聞いておいた方が良いかもしれないよ」
そう小声で耳打ちをしたので、壁に耳を当て、その会話を聞く事にした。
「君はもう、アリーナには入ったのかい?なかなか面白いとこだったよ?ファンタジックなものかと思ったけど、わりとプリミティブなアプローチだったね。さっき、アームストロングをサーヴァントにしているマスターも見かけたしねぇ。このゲーム、結構よくできていてシャレているよ」
何か一々難しそうな言葉を交えて話す男の声が聞こえた。何でだろう、ちょっとイライラしてしまう。いかにも、自分が凄いんだぞというナルシスト精神が見え見えである。多分友達とか少なそうなタイプの人だろうと思った。[自分も友達があまり居ないのは置いといて]
「あら。その分じゃ良いサーヴァントを引いたみたいね、アジア圏有数のクラッカー、マトウシンジ君?」
優雅さを含んだその声は、遠坂凛の声という事は聴いてすぐ分かった。そしてその話し相手?が自分の対戦相手らしい。・・・・・また楽して情報が得られそうだ。
「ああ、君には何度も煮え湯を飲まされたけど、今回は僕の圧勝だよ?何せこの僕と、彼女の艦隊はまさに無敵!!幾ら君が強くても今回は手も足も出ないよ?」
「へぇ、サーヴァントの情報を敵にあっさりと明かすなんて、マトウ君って随分とおしゃべりなのね?」
凛は慎二の自慢と挑発をまるで保護者の様な余裕で流していた。
(無敵艦隊・・・・・確かそんな事が書かれてた本がさっき在ったような……)
そんな事を思って聞いていると、間桐慎二は自分の失態に気付き、
「う・・・・・そ、そうさ!あんまり一方的だとつまらないから、ハンデってヤツさ!!で、でも大したハンデにはならないか、な?ほら、僕が嘘の情報を言ってるかもしれないし、参考にする価値はないよ・・・」
(いやいや、此処までしどろもどろな対応だと、さっきのは本当で、今言った事は嘘だとバレルと思うけど・・・・。多分凛もそう思ってるだろうし。という事は、艦隊での一斉射撃とか突撃等の物理攻撃の宝具なんだろうな)
「そうね。さっきの迂闊な発言からじゃ宝具や真名は想像の域止まりだし。でも、艦隊を操るクラスならどうせ宝具も艦だろうしね?艦砲射撃とか突撃といった物理系だろうし。ま、今のわたしに出来るのは物理防壁を大量に用意しておく事かしら」
その答えに、間桐慎二は言葉も出なかった。それは当然な事だった。宝具はサーヴァントの必殺であり、それを完全に封じられたらその戦いの結果は火を見るよりも明らかだ。
「あ、一つ忠告させてもらうけど、私の
もう凛は真名が分かったらしい。彼女の一言で間桐慎二のサーヴァントの情報の殆どは分かったようだ。わたしもある程度の絞れてきている。そう考えていると、
「それと、いつまで盗み聞きをしているのかしら?」
その一言で、ギクッと寒気がした。
「ぬ、盗み聞き?誰だ!そんな事をするのは!!」
「結構初めから聞かれてたけど、もしかしてマトウ君、気付かなかったの?」
「へ?い、いや気付いてたよ!?早く言わないかなってずっと思ってたしね!!」
いやいや、それはない。 近くにいたマスター、NPC全員がそう思った。
さて、気付かれたからには出ないとまずいんだけど、どうしよう?
(出た方は良いと思うよ。大丈夫、マスターは俺が守るから)
セイヴァーがそう念話で送ってくれてので、恐る恐る扉を開け、顔を出すと
「あら、綾香じゃない!!」
そう言って、凛は嬉しそうに話しかけてくれた。彼女とは今、一緒に行動していて、わたしが家を出て途方に暮れている時、声を掛けてくれて今は一緒に仕事をしている友達であり、仲間である。そしてわたし達がこの聖杯戦争に参加したのには訳がある。それは、
「へぇ、君が沙条綾香って言うんだ。なんだ、大したことなさそうだね。これは僕の勝ちは確定かな・・・・!?」
目の前の若布の様な髪型をした青年、間桐慎二は余裕そうにこちらに悪態を付こうとしたが、突然固まってしまった。視線の先には、わたしがさっき借りてマイルームで調べようととした手記だった。
「おい、それを僕に寄越せ」
突然そんな事を言われた。
「いや、これは今借りたばかりだから渡せない。少し調べたら返すからその時に借りたら?」
そう正論を言ったのだが、
「うるさい!!今すぐその本を寄越すんだ!!!」
そう言って無理やり奪おうと近付くのを、横に避けて何とか回避した。
「チッ、ライダー!!!」
避けたことがそんなに気に食わないのか、彼はサーヴァントを呼んだのだ。彼のサーヴァント、ライダーは綺麗な顔立ちをしているが、その顔には刀傷があるスタイルの良い女性だった。
「シンジィ~また予定外の仕事かい?これも高くつくよ?」
「金ならいくらでも払う!あの女から本を奪え!!」
その命令を受け、ライダーはこちらを見、
「悪いね嬢ちゃん、うちの
そう言って此方に手を伸ばしてきた。取られない様ギュッと本を抱きしめ、抵抗の意志を示したが、怖くて目を閉じた。
・
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来ない?ついさっきまで此方から本を奪おうと手を伸ばして来た筈なのにと思い、目を開けると、
「・・・・・・」
セイヴァーがわたしの前に立っていて、銃をライダーの眉間に押し付けていた。しかも、
セイヴァーの持っている銃は、ハンマー式のタイプなのだが、普通の銃なら六発撃てる筈なのに、見た感じ一発ずつ撃つタイプの銃だった。ライダーもクラシックな二丁拳銃を構えているが、もし引き金を引こうとしたら、その瞬間セイヴァーが引き金を引くだろう。それをライダーは分かっているのか、引くそぶりを見せなかった。
「手を引けライダー。聞いた話ではさっきも何かトラブルを起こしたらしいんだろう?これ以上問題を起こして不利なのはそっちじゃないのか?」
そうノイズに塗れた声でセイヴァーはライダーに諭した。
「あんた、いつの間に現れたんだい?もしかして
「答える義務はない。わざわざ敵に情報を明かすのは愚行だからな」
そう話して少し経つと、ライダーの方が先に銃を下し、両手から拳銃を消した。セイヴァーもそれを確認して銃を下したが、警戒の為か、銃は消さなかった。
「さぁ、行こうマスター。このままだと変に目立ってしまう」
「う、うん。じゃあね、凛。また後でね」
そう言って走ってマイルームに向かった。セイヴァーはわたしが階段をある程度降りると、霊体化してその場を後にした。
どうも、作者です。
ついこの間新しく思いついて書いた作品の感想で質問があったので、こちらで回答させていただきます。
まず、何故この作品で回答するのか?
それはあの作品はこの作品の後の出来事だからです。
つぎに、何故救世者と復讐者のクラスなのか?
それは原作をプレイした人は多分分かると思いますが、まず救世者は月の戦いを治め、そして人間を滅ぼそうとした神を倒したからです。復讐者は、アンリマユに飲まれた名残という設定です。
つぎに、4次鯖(ギル以外)と会った事ないよね?
それはぶっちゃけた話、白野がサーヴァントになって修行するとき、他のサーヴァントとの戦闘とかがあるので、そこで会っています。
そして、多分聞かれると思いますが、綾香と美沙夜の話で白野が使う武器は全部彼が出会ったサーヴァント達の武器です。細かい事は後々書きますが、無名とは似て非なる技術を使っています。(FGOのサーヴァントの武器もたくさん出ます) 以上が質問への解答です。
話は変わりますが、エクステラが十一月に発売されますね。一エクストラファンとしてとても嬉しいです。box版を予約したかったんですが、某通販サイトでは終わっていて、ソフトと特典の方しか予約出来ませんでしたので悔しいです。エリザやジャンヌ等と登場していますが、作者としてはスカサハ、ノッブ、セミラミス、メルト、ジャンヌオルタも入れて欲しいです。
連載作品もゆっくりとですが書いていますが、他にも書きたい作品のネタが浮かんで中々進みません。機会があればその作品も投稿しますので読んでいただけると嬉しいです。