地獄から私は生まれた
空が焼けている
家が溶けている
人は潰れている
これが戦いの源泉
これが再起の原風景
ここで「私」は、ただ一人生き延びた
命は消える。思いのほかあっさりと
肉親も、友人も、名前を知らない隣人も他愛なく
最後まで醜くも逞しく足掻き、
臨終の間際、穏やかな面持ちで呼吸をとめた
---それが、どうしても承伏出来なかった
紛争と天災の違いはあれ、何故このような悲劇が起きるのか
何故誰をも救う事が出来ないのか
いや、そもそも・・・・・何故世界は、この地獄を許すのか
天を仰ぐ
もし、もう一度命を与えられるのなら
今度は、今度こそ、決して―――
だが、二度目はない
忘れるな
地獄から「私」は生まれた
その意味を・・どうか・・・
忘れないでくれ
欠けた夢を見ていた様な気がする。
でも、その夢は
目を開けると、そこは保健室と呼ばれている場所だと分かった。
さっきまで血だらけで倒れていたのに、いつの間に此処まで運ばれたのだろう?そんな事を考えていると、
「目を覚ましたみたいだね。何処か痛む所はある?
目の前に赤い外套を纏った青年が現れた。その声を聞いて思い出した。ドールを倒し、私に問いかけた人物だった。
「・・・・問題ないわ。私はどの位寝てたのかしら?」
「予選最終日までだね。ざっと2~3日かな?それで主、何か思い出せない事とかある?」
そんな事を聞いて来たので少し考えると、
「いえ、記憶の方は問題ないわ」
「そうか、それは良かった。じゃあ、聖杯戦争の事やサーヴァントの事も分かるよね?」
「愚問ね。それ位分かっているわ」
そんなやり取りをしていると、保健室に白衣を着た女の子が入ってきて、私を見て
「あ、玲瓏館さん、目が覚めましたか?今日が予選最終日ですのでギリギリセーフだったんですよ?良かったです」
そう言って私に近付くと
「保険医の間桐 桜です。参加者に間桐って方がいますが、全くの無関係ですので宜しくお願いします。では、これをお渡ししますね」
彼女は私に何かを差し出した。
「端末・・・これに色々と連絡が来るのね?」
「その通りです。後、言峰神父に会ってくださいね?他の色々な事はそちらに聞いてください」
そう言って私に渡すと、彼女は椅子に座った。・・・成程、さすがはAI、そういう風に設定されているということね。
「そういえば、私は貴方のクラスを聞いていなかったわね?教えてもらっても良いかしら?」
「構わないけど、それは言峰神父って人に会ってからでも遅くはないと思うよ?先にそっちを終わらせた方が良いと思うけどなぁ~」
そう言って青年は手を差し出した。一瞬分からなかったが答えが分かると、自然とその手を握った。そうすると優しくベットから起こし、立たせてくれた。まるで長年私に仕えてる執事の様だった。
「ありがとう。手馴れてるわね」
「まぁ色々あるんで」
そんなやり取りをして、保健室を後にした。
言峰神父に会い、マイルームの鍵と諸連絡を聞いてマイルームに向かった。ちなみに階は三階だった。鍵を入り口にかざすとロックが解除された音がしたので入ると、そこは教室だった。
「・・・はぁ、改造は自分でやれってことね。いいわ、私好みにさせてもらうわ」
ため息をつきながら改造の為キーボードを出し、地上で生活していた部屋に改造した。
「ざっとこんなもんかしら?さて、さっきの質問に答えて貰おうかしら?」
改造した部屋は、奥の方に電灯とソファー、そしてその手前にテーブルと椅子・・・地上で生活していた自室に変えたのだ。そして自分のサーヴァントに目を向けた。
「了解した。俺のクラスは
サーヴァントはそう答えた。その答えに私は驚いた。何せその二つのクラスは自分が知っている七つのクラス以外の物だったからだ。
「・・・そんなクラスは初めて聞いたわ。じゃあ真名も教えてもらおうかしら」
「う~ん・・・真名はもう少し待って貰っても良いかな?別に主を信用してないって訳じゃないんだ。けど・・・ね?」
「情報が漏れる事を恐れているのかしら?・・・・まぁ良いわ。その内キチンと話しなさい。それと宝具のことだけど・・」
「宝具は一回戦じゃ使わないよ。絶対に」
「・・・いいえ、今の言葉で安心したわ。簡単に切り札を出しては優雅さに欠けるってことで、禁止しようと思ってたのだけど、分かっているのなら良いわ。宝具はもっと先の試合で見せて頂戴」
「ちなみに主、もし使っても良い?って聞いてたらどうしてたの?」
「令呪を使って禁止してたわ。使うタイミングも私が決めるって」
「・・・恐いな!!」
一通り話すと、先程貰った端末から着信音が響いた。確認すると、
「
そんな事務的なメールが届いてた。対戦者の事は如何でも良いが、鍵は取らないと不戦敗になると聞いた。そんなの笑い話にもならないわ。
「じゃあ行くわよセイヴァー。準備は良いかしら?」
「問題ない。いつでも行けるよ」
そう言ったのを確認すると、アリーナに向かうためにマイルームを後にした。
二階に降りると対戦者を確認すために大勢の参加者が居た。それを一瞥してアリーナに向かおうとすると、
「あれ、玲瓏館美沙夜じゃないか?」
「何!?本当か!!?」
「ハーウェイやレジスタンス等が参加するとは聞いていたが、彼女まで参加しているとはな・・・この聖杯戦争は一筋縄には行かないって事か」
等々と他の参加者達が話していた。
(主、結構有名人みたいだね?)
(如何でも良いわ、他人が私の事をどう思っていても興味無いですし)
さっさとアリーナに向かおうとしていると、
「へぇ~、君が玲瓏館って言うんだぁ?まぁ、僕の敵じゃないけどね」
そう言って声を掛けて来た。振り返るとそこには青髪の青年が立っていた。
「僕は間桐慎二。君の対戦相手だ、ま、せいぜい頑張ってくれよ?どうせ僕の勝ちは決まっている様なもんだし?」
「・・・驚いたわね。喋るワカメが存在してるなんて知らなかったわ」
わかめ
若布
味噌汁とかに入っている具材の一つだ。それを聞いて周囲は笑いを堪えようとする声が広がった。
「ぼ、僕の髪型はワカメじゃない!!お前、このゲームチャンプの僕を馬鹿にしているのか!!?」
「ワカメにワカメって言って何がいけないのかしら?別に貴方が何者だろうと興味ないけど」
そう言って階段の方へ歩もうとしていた。すると、
「何だ、怖いのか?口ではそう言ってても実際は怖がってんだろ?ま、それも仕方ないよね。何せこの僕が対戦相手なんだからさ、このゲームの優勝者候補相手には仕方ないよね」
そんな安い挑発を放つと、
「ク、ククク、アハハハハハ!!」
突然、笑い始めたのだ。これには周囲も驚きを隠せなかった。そして振り向いて間桐慎二を見た。その目は相手を見下し、馬鹿にしたような目だった。
「アハハハ、笑わせて貰ったわ。貴方、道化師の方が向いてるんじゃないかしら」
「何だと!!?」
「それと勘違いされたくないから言うけど、私が今笑った理由を勘違いしてるのではなくて?人を殺す覚悟も、自身が戦場で死ぬ覚悟も出来ていない輩がこの聖杯戦争の優勝者?随分とふざけてるんじゃないかしら?どうせ勝ちの決まったくだらない勝負しかしていなかったからだと思うけど、ここはそんな生易しい所じゃない。三流の道化師で屑の貴方には到底聖杯を掴む事は出来ないわ。仮に私に勝ってもどうせ二回戦で負けるのだからせいぜいほざいてるといいわ。私はアリーナに用があるので、ここで失礼させてもらうわ」
そう言って階段を降りようとすると、
「この・・・ナメやがって・・・・来い、ライダー!!」
間桐慎二が自身のサーヴァントを召喚したのだ。彼は怒りのあまり気付いていないのだろうが、今ので自分の手の内を明かしてしまったのだ。それを他の参加者は見逃す筈が無かった。
「今、あいつライダーって言ってなかったか?」
「ああ、俺も聞こえた。慎二も馬鹿だよな。わざわざサーヴァントを見せるなんて、だからさっき玲瓏館の言ってた通り三流って呼ばれるんだよな」
そんな事がひそひそと話されていた。
「シンジ、アタシは雇われ海賊だからねぇ、予定外の仕事は高くつくよ?」
「金は幾らでも払ってやる!決戦まで待ってやろうと思ったけど、今ここで消してやれ!!」
その指示を受け、ライダーは玲瓏館の頭に銃口を向け、引き金を引こうとした。だが、それは叶わなかった。
「「「「「!!!?」」」」」
「ひぃ!!?」
「へぇ、こいつは驚いた」
突如、この二階全体に殺気が放たれた。しかもそれは濃密で絶対的強者が放つものだった。ある者はその殺気にあてられて気を失い、ある者が立つこともままならない程のものだった。間桐慎二はその恐怖のあまり尻餅を付き、身体全体を恐怖で支配され、震えが止まらなかった。ライダーも表情は変わらないが、若干の冷や汗をかいていた。そして、階段を降りようとしている玲瓏館とその頭に銃口を向けているライダーの間に一人の人が立っていた。
「・・・・・・・」
その人物はパッと見、十代後半で茶色い髪、茶色い瞳のどこにでも居そうな青年だった。特徴的と言えば、赤い外套と幼さが残る顔と言った所だ。一言で言うなら、人畜無害、がぴったりだ。だが、その青年がこの場を支配している殺気を放っている。優しそうな顔をしているが、その瞳は刃の様に鋭く、氷の様に冷たかった。
「手を引けライダー。ここでの戦闘は禁止されている。わざわざ自分で自分の首を絞める事をする必要は無いと思うが?」
「本当に驚いたよ。優男の顔なのにこれだけの殺意を放てるんだからね。こいつは楽しみだ」
「それはどうも。しかし、貴女の主は自分から情報を出すとは随分自信家だな。その慢心が身を滅ぼさなければいいが。それと金は普段の倍請求した方が良いんじゃないか?それだけの事を此奴はしたんだからな」
「そうさせて貰うよ。こいつはホント決戦が楽しみだ」
そう言ってライダーは銃を下げた。するとさっきまでこの場を支配していた殺気は嘘みたいに消えた。
「話は終わりかしら?では、ごきげんよう」
そして彼女は階段を下りて行った。そのサーヴァントと思われる青年もそれに続いた。
128人の
今、この場、セラフにそれは揃った。
月に招かれし電子の世界の魔術師たちよ、汝、自らを以て最強を証明せよ。
そして、存分に・・・・
殺し合え
白野のマスター候補の一人を書かせてもらいました。キャラはイメージでしかないので、そこはご了承ください。
連載しているのより、こっちの作品の方がUAが高いことに喜んでいいのか分からない作者であった。そしてこれは思いつきですので宜しくお願いします。
FGOも楽しんでいますが、早くEXTRAの新作の新しい情報が欲しいです。特に発売日が気になります。(今年中って書いてたけど、来年になるとか無いよね?)