「思っていたよりも殺風景だね」
「アリーナに何を期待してるんだマスター?」
思った事を言ったらセイヴァーが突っ込んできた。そう言えばセイヴァーのステータスを見てなかったなと思い、端末を出してステータスの欄を開いたら、何と全ての項目がオールEなのだ。
「これ、結構大変なことだよね?」
そう言わざるを得なかった。戦いにおいてステータスはとても大切だ。高い方が有利なのは言わずもがな理解できる。そして目の前のわたしのサーヴァントはその全てが最低値なのだ。
「やっぱり三流のわたしじゃ本来の力を引き出せないのかな」
ため息と自分の暗い性格がずーんとした雰囲気を醸し出していた。それに対し、
「いや、これは呪いに似たものさ。多分他の人が俺を使役しても変わらないと思うよ。マスターが気にする事じゃない」
そうセイヴァーが慰めてくれた。何か複雑な気がしたけど、他に気になる事があるのでそれを聞く事にした。
「そういえば何でフードを被ってるの?それに声も変わってるし」
そう、アリーナに入ってから気になっていたのだ。アリーナに入った時にはもう被っていた。さっきまでは無かったはずなのに。
「まぁ、正体を隠すための物さ。こうした方が相手も勘違いしてくれるしこっちにデメリットは無いよ」
そう答えた。あまり詳しく言わなかったってことは宝具なのかもしれない。なので詳しく聞かないようにしよう。
「何か違和感しかないなぁ」
「そこは慣れてくれとしか言えないな。さて、じゃあトリガーを取りに行こうか」
そう言って先を歩き始めた。それにわたしは少し遅れてそれに付いて行った。
アリーナなので当然エネミーがいる。そしてサーヴァントのステータスが最低値なので結構不安だった。けど、それは杞憂でしかなかった。
「どうやらステータスは制限されても経験は消えないようだ。良かったなマスター、一つ朗報だぞ」
そうわたしに振り返って行った。わたしは驚きで何も言えなかった。というのも、ここまでエネミーを一撃で倒しまくっていたからだ。最低値なのにこんなことが出来るのかと不思議で仕方なかった。
「さて、これがトリガーが入っているボックスかな?開けてみたらどうだマスター」
そう言われたのでボックスを開けてみた。するとカードキーの様な物が出て来た。どうやらこれがトリガーなのだろう。
「これで一つは手に入ったね」
「そうだな、それにしても相手からの妨害が無かったな。何でだろう?」
セイヴァーが言ったので確かにと思った。すぐに入ったけど、もしかしたら先にトリガーの所で待ち伏せだったり罠を仕掛けていたりと警戒していたけど、何もなかったのでちょっと拍子抜けだ。
「もしかしてまだ対戦相手の発表の所で待ってたりして」
「それは無いと思うよマスター。それする意味無いと思うんだが」
セイヴァーの言い分に確かにと思った。別にそこで相手を見る必要は無い。どうせアリーナで会うのだから。
「けど、次の戦いのときは発表の所に行こう、その方が良い様な気がしてきた」
「そうだね。けど、まずはこの戦いに勝たないと」
そうだ。次の事を気にするよりもまずは目の前の事が大切だ。しかし、
「わたしの相手って結局誰なんだろう?」
そう思ったけど、そこまで深くは思わなかった。
「で、どうする?もう少しアリーナで鍛錬する?」
セイヴァーの提案に乗り、もう少しだけエネミーを倒すことにした。
一方その頃
「沙条綾香…いったいいつまでこの僕を待たせる気なんだ。あ!もしかして僕に恐れをなして逃げたのかな?それならしょうがないよね、何せ僕と僕のサーヴァントは最強なんだからさ」
そう青髪の青年が言っていると、
「君は何時までそこにいるのかね?君の対戦相手のマスターは先にアリーナに向かったよ」
神父服を着た男がその青年にそう言った瞬間、
「はぁ!?先にアリーナに行った!!?この僕に何の挨拶も無しに!!!?とんだ礼儀知らずなんだねそいつは」
「別にここでなくてもアリーナで会うだろう。それに君に挨拶をする義理は無いと思うが」
そうため息を付きながら神父服の男はそう言った。
「ふん!!!手のかかる相手だね。まぁ良いさ、アリーナでボコボコにしてやるよ」
そう言って青髪の青年はアリーナに向かった。だが、彼が行った時にはもう相手の二人はもういなかった。
こっちの話の久々の更新です。連載の方も進めますのでそっちも頑張ります。