モンスターハンター 二刀を持つハンター   作:ひかみんとかカズトとか色んな名前

10 / 18
最近は忙しいですね(遅刻の言い訳
提督業はイベントが始まり、花騎士団長もイベントや復刻任務。
アークスも近いうちに忙しくなるでしょうなぁ…

今回の狩りは前後に分けてみました。
後半もしっかり書きたいです…


第八章・盾蟹ダイミョウザザミ

「ゲッゲッ…」

 

砂の中から奇襲を仕掛けてきた今回のターゲット、ダイミョウザザミ。

今は両方のハサミを高く上げこちらを向き、警戒をしているようだ。その様子に姉妹も警戒の姿勢を見せている。

だがカイルは、ダイミョウザザミがこちらを発見するのに僅かだが遅れたことに気づいていた。恐らくダイミョウザザミからは初めから奇襲のつもりではなく、ただ単なるエリア移動だった可能性もある。

 

「…つくづく生態系とは面倒なものだな。」

「…?カイルん?」

「何でもない…来るぞ、警戒を怠るな。」

 

カイルの呟きにエリカは首を傾げたが、彼の言葉にすぐに警戒体制に戻る。

ダイミョウザザミは威嚇し終え、カイル達が逃げないとわかるとゆっくりと動き出し、右側のハサミを振り上げたままてくてくと横歩きでカイル達に接近してきた。

 

「散開、迂闊に踏み込みすぎるなよ。」

「はいっ!」

「らじゃー!」

 

だが、如何せん動きが緩慢なために三人は攻撃範囲内にくる前に散開し、それぞれのポジションに移動する。

マリアは正面付近から弓を構え、エリカは大きく回り込みダイミョウザザミの左側に。カイルは片手剣ゴールドマロウを抜き構えていた。

接近したダイミョウザザミはそのままカイルに向けてハサミを振るうが、動きが鈍すぎるためにカイルはあっさりとかわし、隙だらけの足にゴールドマロウを振るう。反対側では駆け込んだエリカがガンランスを組み立て足を突いていた。

 

「くっ…!」

 

だがやはり甲殻種に分類されるだけあり、エリカの武器の切れ味ではダメージどころか表面に傷を付けることすら難しかった。

ならば、と足に力を入れようとした時。

 

「下がれエリカ!!」

「ッ!!」

 

反対側からカイルの声が響き、エリカははっと視線を足からダイミョウザザミの全身に向けると、既にダイミョウザザミは次のモーションに入っていた。それを見たエリカは反射的に、踏ん張るために力を込めた足で無理矢理バックステップし、彼女に向けられたハサミを間一髪で回避した。

だが、無理矢理避けたせいで体制が崩れたエリカにダイミョウザザミは更に追撃しようと迫る。

 

「ゲッゲッ…!?」

 

だが、横から胴体に何本もの矢が飛び、更に右足を立て続けに斬り続けられたために無視出来なくなったのか、ダイミョウザザミは攻撃を加えていたマリアとカイルに狙いを変えた。

向きを変えた時に既にダイミョウザザミの視界から逃げていたカイルはすぐさまエリカの様子を確認する。

 

「エリカ、無事か?」

「うん、それよりマリア姉を…!」

 

エリカは起き上がり、体制を整えていた。

マリアは武器をしまい、迫るダイミョウザザミを視野に入れつつ上手く逃げ回っていた。

一足早くカイルが駆け出し、エリカも続く。カイルがダッシュの勢いをそのまま生かすように太刀を抜刀、ダイミョウザザミの右足へと叩き込む。

 

「ギョエェェ…!」

 

その一撃にダイミョウザザミは怯み、俯くように動きが止まる。

その隙にカイルは追撃、マリアは胴体へと矢を放ち、エリカは左足へと駆け込み武器を組み立てて振るう。だがやはり表面に傷を作る程度で大ダメージとはいかない。

 

「なら、こっちだぁっ!!」

 

その僅かな傷口に重ねるように砲口を向け、エリカは砲撃を三回ぶち込んだ。

左足の表面は焦げ、ダメージもそれなりに行ったとみるやエリカは一時的に距離を置いた。

まだダイミョウザザミに数撃入れられる隙はあったのにである。

 

「(…なるほどな。)」

 

反対側の足のエリカによる攻撃が止んだのを確認し、何故止めたのかをカイルは察した。

もうじき動き出すであろうダイミョウザザミから彼も距離をおく。

 

「ギョエェェェェ!!」

 

ダウンから復帰したダイミョウザザミは、両手を振り上げつつ泡を口から漏らしていた。

 

「怒り状態だ!気を引き締めろ!!」

 

カイルの言葉に二人はより真剣な表情になる。ダイミョウザザミは狙いをエリカにつける。

 

「いぃっ!?」

 

だが、ダイミョウザザミの動きは先ほどまでとは比べものにならない機敏さであり、その早さで接近してきたのである。

思わぬ早さにエリカは一瞬硬直するも、すぐさま攻撃範囲から逃げようと走る。

 

「ギョエェェッ」

 

ダイミョウザザミは両手を振り上げ、抱きしめるように大きく振るう。エリカは体を投げ出すようにして何とかかわしていた。

少しの距離を走り接近したカイルはダイミョウザザミの足をゴールドマロウで再び切りつける。だが怒り状態のことも考慮してか数回切りつけただけで距離をとった。

彼が距離をとったと同時にダイミョウザザミは硬直が解け、ねらいをカイルに定めた。

そのダイミョウザザミの口の少し下に、カイルはペイントボールを投げつける。そしてそれは当たるとべちゃっとへばり付き、強烈な匂いを辺りに撒き散らす。

変なものをぶつけられダイミョウザザミはますます苛立ったのか、姉妹二人を無視しカイルに迫っていた。

カイルはちらりと二人をみると、エリカがマリアの手を借りて起き上がっているところだった。

 

「…もう少し必要か。」

 

ダイミョウザザミのハサミをかわしつつそう呟くと、カイルはゴールドマロウを抜き右足に切りかかった。

飛びかかるようなジャンプ切りから振り上げ、もう一度振り下ろしてから横に切り裂き、ぐるりと体を回し遠心力と体重を乗せた回転切りを放ちすぐさま転がるように離脱する。

その直後に、ダイミョウザザミのハサミがカイルのいた場所を通っていく。

 

「鈍い。」

 

その攻撃の隙を付くように再び右足に切りかかり、先ほどと同じコンボを叩き込む。

 

「ギョエェェ!?」

 

すると、右足に蓄積したダメージに耐えられなくなったのか、ダイミョウザザミが右足を払われたかのように転んだのである。

 

「チャンスだ!」

「あいさー!」

「はい!」

 

体制を立て直した二人もそれぞれ有効範囲まで接近する。マリアは横から胴を狙い、エリカは左ハサミに走り寄る。

もがくダイミョウザザミの、全く動かない左ハサミへ砲口を向け、どっしりと腰を入れ構える。

砲口に熱がみるみるうちに溜まっていき…

 

「……くっらえぇっ!!」

 

エリカがそう叫んだ瞬間、構えた砲口から爆発音と大量の熱、衝撃がダイミョウザザミの左ハサミへと叩き込まれた。

ガンランス最大の攻撃、竜撃砲。

攻撃の直前直後が隙だらけになる欠点があるものの、モンスターの肉質を無視して大ダメージを与えられるものだった。

しかし、放った後は長時間の冷却を必要とする。今もノックバックで滑るように下がったエリカが持つガンランスは、搭載された冷却装置が稼働していた。

ちらりとエリカがカイルの方をみると、彼は武器を太刀に切り替え、赤い光を薄く帯びた状態で右のハサミへと猛攻を繰り出していた。

 

気刃状態。

赤い光を帯びた太刀の状態をそう呼び、力がみなぎり武器の切れ味がよくなる他、この気を消費し放つ“気刃斬り”という奥の手もある。

だが、この状態になるためには絶えず斬り続ける必要があり、保つためにもまた斬らなければならない。つまり、攻めに特化した太刀ならではの性能である。

 

ゆっくりと起きあがるダイミョウザザミを見て、カイルとエリカは距離をおいた。

 

「ゲッゲッ…!」

「あっ!?」

 

起き上がったダイミョウザザミは二人が離れたとみるや足元の砂をハサミでかき分けつつ潜っていく。

それを阻止すべく駆け寄ろうとするエリカ。

 

「エリカ!逆だ!離れろ!!」

「ふぇ?!」

「マリアもだ!走れ!」

 

そうカイルからの指示が飛び、近寄ろうとしたエリカはもちろん、マリアも驚いた表情のまま急いで武器をしまい、走り出す。

すると、エリカがいた場所にダイミョウザザミの背負ったモノブロスの頭骨だけが飛び出してきたのである。

頭骨だけ飛び出した状態で外したと見たのか、すぐにまた砂の中へ潜り込む。

 

「チッ…」

 

潜っているダイミョウザザミの動きを把握出来ない二人をとにかく走らせてはいるが、それも長くは保たない。

カイルは中々出て来ないダイミョウザザミにイラついた様子で舌打ちした。

と、不意にカイルの足元が揺れる。

 

「くっ。」

 

カイルは反射的に大きくバックステップすると、地面からモノブロスの頭骨が現れ、また潜ろうとする。

その頭骨との距離が武器を振るうには微妙なものと判断したカイルは、アイテムポーチからペイントボールを取り出し投げつける。モノブロスの頭骨で弾けたそれは砂の中でも強烈な匂いを放った。それを確認したカイルはすぐさま走り出す。

ダイミョウザザミによる足元の振動ではなるく、ペイントボールによる匂いで判断出来れば二人も多少は楽になるはず。と彼は思いついたのである。

その意図が二人に何となく伝わったのか、二人は無我夢中で走るのではなく様子をみつつ移動し始めた。

匂いが近づけば走り出し、離れればスピードを緩める。ダイミョウザザミが出てくるまでそれの繰り返し。

そして5回ほど頭骨による突き上げを繰り返し、悉く外したダイミョウザザミは漸く砂から這い出てきた。

その動作も比較的緩慢だったため、カイルとエリカはそれぞれ左右から回り込み、マリアは距離をおいて牽制を主体に攻撃を再開した。

 

「はぁぁぁぁぁ!!!」

 

しばらく斬らなかったために気は途切れ、ただの一振りの太刀に戻っていた。だがカイルはお構いなしにダイミョウザザミの足へと斬りかかる。

反対側ではエリカが足に向けて砲撃を行い、マリアはひたすらに気を引こうと様々な方向から矢を撃った。

 

「キシャア!!」

 

不意にダイミョウザザミが両手を上げ声を上げた。何だ、と見上げたカイルは反射的に体制を低めに落とした。その直後、真上をハサミが通過し、反対側にいるエリカへと向かった。

 

「うわぁ!?」

 

金属が何かとぶつかり合う音と共にエリカの驚く声が上がる。

ダイミョウザザミは状況を無理矢理打開するためにハサミを体ごどグルリと回し振るったのである。

カイルはチラリと視線を向けると、エリカは盾で防いだが、勢いまでは殺せず転がっていた。

 

「キシャアァァァ!!」

 

ダイミョウザザミは再び両手を上げ、声を上げた。カイルはまたハサミかと一瞬警戒したが、その場の位置関係ですぐに理解する。

カイルとエリカは足を攻撃し、マリアは正面からダイミョウザザミへ矢を撃っていた。そこでダイミョウザザミは180°回転するハサミの攻撃を行った。

つまり、今のマリアの位置はダイミョウザザミの真後ろ…そして今の行動。

 

「逃げろマリアァッ!!」

 

ダイミョウザザミの行動を読んだカイルが怒鳴る。マリアはその意図が読めず一瞬固まってしまう。

 

狩り場では、その一瞬すらも命取りとなる。

 

体制の崩れたカイル、転がされ倒れているエリカ、硬直するマリア。それらを全く構うことなくダイミョウザザミは真っ直ぐにマリアへと後ろ向きで突進し始めた。

漸くカイルの意図がわかったマリアは急いで弓をたたみ走る。だが当然ダイミョウザザミの方が何よりも早い。

 

死が迫る。

 

死を呼ぶ角が迫る。

 

死の恐怖に呑まれかけている体を無理矢理動かし、逃げるマリア。だが、最早完全に避けることは出来ない。

 

無理矢理体を投げ出す形で避けようと飛ぶマリア。だが、頭骨の端の部分が体に掠めるようにぶつかる。

 

一番力が乗ってない位置、それも掠めるようなものではあった。

だがガンナー防具は動きやすさを重視しているため、剣士防具と比べて脆い。つまり、掠ったとしても致命傷になりうる。

 

「かはっ…」

 

全身に痛みが駆け巡り、体の中の空気が押し出されたような感覚。

僅かな浮遊感と共に、砂の地面へと叩きつけられた。

 

「うぐ…っ…!」

「マリア姉!!」

「だ…大丈夫…よ…」

 

起き上がったエリカがすぐにマリアへと駆け寄る。意識を失っている訳でも、大怪我をした訳ではない様子にエリカは安堵する。

チラリとダイミョウザザミの方を見れば、体制を整えたカイルが時間を稼ごうと片手剣を振るい、ダイミョウザザミを翻弄していた。

 

「マリア姉、一回退くよ!」

「ん、うん…っ!」

 

マリアはアイテムポーチから回復薬を取り出し、飲み干す。

若干マシになったのかゆっくりと起き上がり、エリカに支えられながらもエリア2に一時退避した。

 

動きがゆっくりだったためにダイミョウザザミに気づかれることもあったが、追撃はカイルが許さなかった。

少しでも気が逸れれば太刀を振るい、自分に集中していれば片手剣で動き回り翻弄する。

そして姉妹二人が離脱したとみるや、カイルはダイミョウザザミの目の前にアイテムを叩きつけた。

叩きつけられたそれはもくもくと煙を立ち上らせ、辺りをあっという間に煙で満たした。

けむり玉と呼ばれるアイテムでダイミョウザザミの視界を奪ったカイルはそれまま二人が逃げたエリア2へ離脱。

視界を遮られたダイミョウザザミは警戒していたのか、その場から動くことはなく威嚇を繰り返していた。

 

 

 

 

 




ゲームの方にも、予想だにしない不意打ちの行動を起こすモンスターがいたら面白そう…とは思ったけどそれはそれで面倒ですね()

つぎもなるべく早くがんばります…
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。