◇2 リリカルなのはにお気楽転生者が転生《完結》   作:こいし

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闇の書事件
日常


 それから数日。ジュエルシード事件も一段落付き、転生者達やなのは達原作組は共に大人しくなった。まぁ、神崎君が高町士郎の治癒について少し話をして来たが、それもちゃんと話を付けた。とりあえずは俺は高町士郎を治癒したのはお前で良いと言った。神崎君はそれで安心したのか、ならいいと帰って行った。

 

 ああ、あとアリシア・テスタロッサが目を覚ました。当時の年齢で止まってしまった身体は、俺との擬似契約の影響か身体の成長が無くなってしまった。いやまぁ、成長自体は出来るんだよ? でもそれは俺かアリシアの意識しだいであって、簡単に言えば何歳の身体になりたいと思えばなれるし、逆に何歳の身体に戻りたいと思えば例え赤ん坊の頃であっても戻る事が出来る。とはいえ、意識はそのままなんだけどね。

 

「おにーさん! 見て見て! おにーさんの似顔絵を描いたの!」

 

「お~……どれどr……上手ぇ…!」

 

 今日は休日であり、目覚めたアリシアと遊んでいた。そして、彼女の描いた俺の似顔絵を見たのだが……クソ上手い。お前はどこぞの芸術家かと思うほどの上手い絵だな……というかイラストだな、うん。

 

「それにしても……アリシア、お前家族の所に戻らなくていいのか?」

 

「もう、前にも言ったでしょ! お母さんには少し反省貰うの!」

 

「……はいはい」

 

 どうやら、アリシアには死んだ後の記憶が多少残っていたらしい。死体の厳重な保存のおかげか、はたまたジュエルシードの影響か、この子はジュエルシードが海鳴市に落ちた時期に幽霊の様な存在になり、展開を見守ってたらしい。

 その時のプレシアのフェイトに対する扱いはそれはもう酷かった様で、大事な妹になにしてんだコラ……という感じで怒り心頭の様だ。この分じゃしばらくはこのままだろうな。

 後、精神的にはもうフェイトと同レベルに成長している様だ、身体を実年齢まで成長させれば現在の子供っぽい喋り方も幾分マシになると思うのだが、彼女としてはそんな成長邪道だ、との事。

 

 ああ、ちなみに彼女の五感は俺の五感をコピーしてペーストした様な物なので、生前よりかなり鋭くなっている。具体的に言えば俺の異常な感覚を手に入れちゃった訳だ。

 それはつまり、彼女の肉体で再現出来るレベルの事で俺と同様の行動が取れるという事だ。その異常な視覚は、千里眼とも言えるほどでその気になれば数km先を見る事も出来、その異常な聴覚は極些細な音ですら聞き逃さない。まぁ、ギャグ補正と言う物は多少あるけどね。小説だもの。

 

「二人ともーご飯出来たで~」

 

「あいよー」

 

「は、はーい」

 

 そうそう、アリシアは何故かはやてを若干避けている。理由を探って見た所、はやてから何か嫌な物を感じるとの事。多分、あの不気味な本とはやてがある種の魔力ラインで繋がっているからそのせいだろう。

 アリシアは元々魔力感知にかなり長けていたようで、俺の感覚をコピーした時にその発達した魔力感知は俺の魔力感知感覚を飲みこんで取りこんだらしい。そのせいで彼女の魔力感知は俺のそれより上回っている。だから余計に不気味な本の雰囲気を感じ取ってしまうんだと思う。多分、彼女に不意打ちや死角からの魔力攻撃は全く効かないんじゃないかな。

 

 まぁ、繋がっている魔力で補われている感覚だから俺が彼女との魔力ラインから魔力を供給しなければ彼女は簡単に五感全てをまた失う事になるのだが。

 

「今日のご飯はもうすぐ夏やし、少し早いけどそうめんや」

 

「おー」

 

「おいしそー!」

 

 アリシア、そういうコメントは俺の背後に隠れながら言うもんじゃないよ。

 ああ、そういえばなのはちゃんの小さい頃に一度そうめん作ってやったっけ……懐かしい思い出である。とはいえ、はやての料理スキルは上達も早い物でかなりの物になっている。まぁ、俺には及ばないのだけどな。神様特典は伊達では無い。

 

「それじゃ、いただきます」

 

「いただきます」

 

「いただきまーす!」

 

 はやてはアリシアの自分に対する態度に関しては許容している。あの本の事は言ってないが、目覚めたら急に現れた人物だから怯えているのだろうと考えているらしい。アリシアの成長させていない容姿も相まって、これから仲良くなって行けば良いと考えているようだ。

 というかあの本消し飛ばせば解決する気がするけどね。俺の魔法知識的に魔導所の破壊を可能にする魔法はあるし。あの本に関する知識は一応ある。なんなら作成も出来る。アレも魔法の産物だからね。

 

 あれ? それならはやての足も治せるんじゃね? やっべ、なんで思い付かなかったんだろう。ホント馬鹿だなー俺は。まぁいいや、後々やればいいさ。

 

「おいしー!」

 

「そか。ほんなら良かったわ」

 

「う、うん!」

 

 見れば見るほど微笑ましい光景だな。片方が片方に怯えてなければの話だけど。アリシアもはやての事を良い人と認識しているが、やはりあの本の存在がネックになっているようだ。無意識に遠ざけているのだろう。

 

「本当に上手くなったなぁ、はやて。この分だとプロの料理人になれるんじゃない?」

 

「ほんま? あはは、でもまだまだ兄ちゃんには敵わへんやん」

 

「そりゃあそうだろ。年季の差だ」

 

「むむむ、道は険しいなぁ」

 

 そんな会話をしながらそうめんを啜る。

 

 ―――この時、俺は先程浮かんだあの本の対処法が俺の頭の中にあるという発想を忘れていた。それが結果的に、原作と同じ展開を招いてしまうとは気付かずに………

 

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