◇2 リリカルなのはにお気楽転生者が転生《完結》   作:こいし

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ヴィヴィオ

 さて、それからという物、なのはちゃんとティアナはめざましく仲良くなっていった。まぁフェイト以外誰にも見られなかったとはいえ、全裸に簀巻きはやりすぎたかな? と思っている。でも安価は絶対なんだよね。

 それに結果的には二人とも分かりあえたようだし、中々に良策だったのではないだろうか?

 

 あ、それとあの模擬戦の後夜中にガジェットが出現したりしたんだけど、なのはとティアナは一時再起不能、フェイトは忙しかったしで仕方なかったから俺(リミッター無し)と神崎、アリシアの遊撃部隊が出張って数秒の内に全滅、という結果に終わらせた。

 その間にティアナ達フォワードはなのはの過去を知ったらしいけど、それによって更になのはとティアナの気持ちの相違は解消したらしい。というか、そんな手が有ったのならもっと早くやって欲しい。

 

 とはいえ、最近面倒極まりなかった問題が解決したんだ。よかったよかった。

 

 まぁ、最近なのはから良く分からない視線をちらちらと感じるのだが、気のせいだろう。

 

「……」チラ

 

「!」ぷい

 

「……」

 

 こんな感じだよ。なんだよコレ。というか、なんでこの子は俺の後ろをさながらストーカーの様に付いてくるんだよ。怖いよ。言いたい事があるならはっきり言えや。

 

「おい、なんだよなのはちゃん」

 

「! え、えとあの……その……」

 

 もじもじとしながらその場で何か言おうとしている。傍から見れば告白シーンにも見えるだろうが、そんなわけは無い。全裸に簀巻きというおかしな事をした相手に好意を抱くなど、頭おかしいんじゃないかと思う。

 

「珱嗄さん、あのね」

 

「うん」

 

「ティアナとの事……ありがとうございます!」

 

「は?」

 

 何を言ってるのか分からなかった。彼女が何を言っているのか全く分からなかった。もう一度言おう、分からなかった。

 俺がなのはの立場なら、確実に会った瞬間ボコボコにするべく殴りかかっている。やっといてなんだが、俺が彼女達にした事は多分それくらいの事だ。

 

「あー……どういう事?」

 

「はい! だって―――――」

 

 

 

 ◇

 

 

 

「それじゃあまた訓練で!」

 

 なのははそう言って去って行った。俺はなんとなく手を振って、嬉しそうに去っていくなのはを見送った。

 

 俺がなのはに聞いたところによると、どうやらなのはとティアナはあの後何故俺がどういう事をしているのか考えたようで、考えついた結論が以下の様な物だった。

 

 まず、俺がどうしてなのはの胸を揉んだ所から簀巻き吊るしまでの奇行に及んだのか、自分達ならやった相手には確実に嫌われるからまずやらないだろう。というより、どのような組織でも、連携やチームワークが大事だ。機動六課もまた組織、その中で一人嫌われるというのは苦行そのものでしかない。だが俺はそれをやったのだ。

 さて、ここで俺がその奇行に出る原因となった状況に付いて考えてみたらしい。なのはとティアナは意見の相違に半ば対立し、そのせいで周囲に心配を掛けていた。この状況を解決するには何かしらのきっかけが必要だった。

 だから、俺は自身を嫌われ者に置く事でなのはとティアナが共通して敵意を持つ相手になる事にした。その結果、俺はなのはとティアナにあんな事をしたのだ。そしてその結果、なのはとティアナは仲直り出来、意見の相違も解消できた。

 

 と、これがなのはとティアナが考えた俺の奇行の原因。簡単に言えば、二人の仲を直す為に嫌われ者を演じたと思われているのだ。なんというかまぁおめでたい頭だ。

 

「……まぁ嫌われてないならそれでいいか。嫌われても良いけどさ」

 

 その時は黒幕側に回って機動六課と対立しよう。

 

「でもまぁ、こういう展開も――――面白い」

 

 俺はそう言って、ゆらりと笑った。

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 二週間後

 

 

 なんと、新人達に休暇が訪れた。まぁ毎日休暇という日々を過ごしている俺としては、あまり羨ましくは無い事だ。この日、ティアナとスバルは一緒に街へ遊びに、キャロとエリオは街で偽デートに向かった。どうやらフェイトとアリシアが一緒にデートプランを練ったらしい。なんというかまぁ親馬鹿にも程がある。

 そして俺はというと、4人と同様街へと繰り出していた。目的は、原作知識にあるヴィヴィオの確保。彼女はどうやら、レリックを2つ程引き摺って地下水道を歩いてらしいが、原作じゃ片方は敵側に取られている。ソレいただけない。レリックを回収することを仕事としている機動六課の一員である俺としては、どうでもいいロストロギアであっても、みすみす相手にやる必要はない。

 

「それは全部俺の物だ」

 

 そう、やる必要はないのだ。敵側には残念なことに、俺は主人公(こちら)側なのだ。やれるなら面倒じゃない限り徹底した邪魔をしてやろう。

 

「それにしても……地下水道って汚いなぁ」

 

 空間に響く俺の声。既に俺は地下水道に入り込んでいる。俺の気配察知能力には既に少女ヴィヴィオの気配が補足されていた。少し歩けば会えるだろう

 

「ほら、会えた」

 

「あ……?」

 

「こんにちは、俺の名前は泉ヶ仙珱嗄。お嬢ちゃんの名前は?」

 

「……ヴィヴィオ……」

 

 これが、ヴィヴィオと俺の出会い。そして、これが俺にとって変化の訪れる出会いだった。

 

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