◇2 リリカルなのはにお気楽転生者が転生《完結》   作:こいし

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接触

???side

 

 

「さてさて、例の素体は見つかったかしら? ディエチちゃん」

 

「……うん、誰かは知らないけど、男性におぶわれて移動中だよ」

 

「……うんうん、確かドクターが気にかけていた人物ね。なら、コレの出番でしょ♪」

 

 そこにいるのは、謎の女性二人。一人は白衣を着てテンションが高く、一人は物静かだが何やら布に包まれた大きな何かを持っている。

 そして、今白衣の女が取り出したのは黒いビー玉の様な物。どうやらかなり柔らかい物の様で、力を込めたらプチっと潰れそうだ。

 

「ドクターが彼の対策に作りあげた新型武装。これが有ればどんなに素早く動けようが関係ありまっせ~ん!」

 

「やるなら早くしよう。レリックも多分あの人が持ってる」

 

「そうねぇ、ガジェットもうっとおしい管理局の連中が次々破壊しているみたいだしぃ~……さっさと回収して帰りましょうか」

 

 そう言うと、大きな荷物を抱えた少女は布を取っ払う。中からは大きな大砲が出てきた。そしてそれを構える。向けた先にいるのは、珱嗄と背負われたヴィヴィオだ。

 

「さてさて、それじゃあ早速使わせて貰いましょう!」

 

 そして、白衣の女はそのビー玉を握りつぶした。潰した中から黒い液体の様な物が出て、白衣の女の足元にびちゃびちゃと落ちる。すると、その液体は動きだし、女の足元に黒い魔法陣を作りあげた。

 

「さぁ~て………潰れちゃってね、被検体さん♪」

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

「むおっ!?」

 

 移動中にいきなり体が重くなった。どういう事だコレは? 動きづらい、というより動けねぇ……少しづつなら前に進めるんだけど、まるで重力が重くなった様な……そんな感じだ。

 

「! なるほど、【超重力効果の珠玉(グラビティボール)】か……そういえばジェイル・スカリエッティの発明って頭の中にあったな……クソ……!」

 

 超重力効果の珠玉。これは、重力を重くするロストロギアに近いマジックアイテムだ。対象のDNAと高魔力を練り合わせ、魔法陣を刻むことで作れるある意味対象を限られるアイテムだ。

 多分、今回の対象は俺だ。ヴィヴィオに何の反応もない所を見ると、俺だけその効果を受けている。このアイテムの効果は対象が動けなく程の重圧を与える事。効果時間は2分間。DNAの方はきっとリニアレールとかアグスタの時に回収されたんだろう。血を噴き出したり、髪が落ちたりとかそんな物を集めたんだろう。

 

 となると、この2分間は俺は動けない――――

 

「訳ないだろう」

 

 俺はすくっと立って、軽くジャンプする。普段通り動けるようだ。

 

 このアイテムは欠陥品だ。何故なら、魔法を使えなくする訳じゃないからだ。だったら話は簡単、効果を打ち消す魔法を使えばいいのだ。

 そして俺は魔法を全て習得している。それ位訳は無い。

 

「!」

 

 そこへ迫りくる恐らく推定Sランク程の砲撃。動けなくなった所で始末しようとかそういう魂胆だったのだろう。

 

「ひっ……!」

 

「大丈夫だヴィヴィオ。お前の父親は最強だぞ」

 

 手をすっと下に向け、やってきた砲撃をさながらドラゴンボールの悟空の様に

 

「おらっ!!」

 

 真上に弾き飛ばす。

 

 簡単な事だろう? 既に魔力を纏わせ防御、そのまま砲撃の通る道を無理矢理変えてやればいいだけの事。それ位訳は無い。

 そして、砲撃が終わった後、その方向を見ればそこには二人の人影が有った。おそらく、ナンバーズのクアットロとディエチだろう。

 

「来いよ小娘共。今ならサービスで手加減位はしてやれるぜ?」

 

 俺はそう言って、人影に向かって地面を蹴った。

 

 

 

 ◇

 

 

 

「まずいまずいまずいまずいまずい! 何よアレ、規格外にも程がある! 早く逃げるわよディエチちゃん!」

 

「うん」

 

 クアットロとディエチは逃げ出す。珱嗄はヴィヴィオを背負ってるおかげかそこまで速い速度を出せていない。全力を出せばヴィヴィオを傷つける結果になるからだ。それに、ヴィヴィオに防護魔法を掛けた所で物凄い勢いで過ぎ去っていく景色にヴィヴィオが耐えられるとは思えない。

 

「こうなったらあの素体だけでも回収するわよ! セインちゃん!」

 

『あいさー』

 

「とりあえず背後から攻撃して隙を作って素体だけでも回収して」

 

『了解です!』

 

 クアットロは焦る。追いかけてくる珱嗄は、間違い無く最強だ。ナンバーズが束になって掛かってもまず勝ち目はない。

 

「くぅ~……どうすればいいのよ」

 

 クアットロは逃げながら悔しそうに唇をかんだのだった。

 

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