ストライクウィッチーズ 大怪獣空中決戦   作:サイレント・レイ

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第10話 騒動の後に…

――― ロンドン ―――

 

 

 “怪獣、サーソーに一時上陸し、空母『赤城』を襲撃!!!”

 

 5日前に起きた出来事の一報はネウロイとの大戦真っ只中で連合軍の功績以外には基本的に反応しなくなっていたロンドンやブリタニア処か、世界中に瞬く間に広まっていた。

 此の為、リネットと芳佳の2人は買い出しに来ていたロンドンの至る所で怪獣関連の号外新聞が売られているのを多数見付けていた。

 

「…“怪獣はネウロイの生物兵器”だって。

だから軍拡を主張しているよ」

 

「こっちは“怪獣は思い上がる人類への警告、故に人類は悔い改めよ”、完全な宗教勧誘になってる…」

 

 尤もリネットはその号外の幾つかを確認したら、殆どの内容が出任せ(フェイク)だったので、芳佳と共に呆れながら苦笑するしかなかった。

 

「…怪獣か………なんか来たら面白そうだ!」

 

「え~…ちょっと怖いよ」

 

「まぁ、君みたいな娘は真っ先に襲われるだろうな」

 

 更に号外片手に町行く人々は怪獣の話題で盛り上がっていて、怪獣だけでなくネウロイに狙われているのに妙に呑気なロンドン市民にリネットと芳佳は目線を合わせて溜息を吐いてもいた。

 只、怪獣の所為で逃げてブリタニア本土に潜伏した鳥3頭に誰も感心がない事をリネットが自分でも解らずに危惧していた。

 まぁ各々に怪獣や鳥に思う事は有っても、今のリネットと芳佳には現時点ではあまり関係がない事であり、2人はさっさと目的地である食品市場へ入っていった。

 

「…ねぇ、此の魚、高すぎない?」

 

「ああ、それはね、例の怪獣が北海に潜伏したって聞いてるでしょう。

その所為で北海の魚が全く入ってこないのよ」

 

「あ~…アレね。

今、議会で関連案が最優先で審議されているらしいけど、さっさと決めてほしいわね」

 

 市場に入って早速、鮮魚店の1つで子連れの主婦が店長へ文句を言ってそのまま雑談に入っていた。

 芳佳は思わず鮮魚店を覗いてみると、確かに此の手はほぼ素人の芳佳から見ても若干質が悪そうな魚に異様な高値が付けられていた。

 

「ギャオ~!!!」

 

「こら!!!」

 

 主婦(母親)と店長の長話に飽きたのか、何故か近くの柱を引っ掻いていた子供が怪獣の真似をして近くの木箱を叩いたら、直ぐに主婦に木箱から引き剥がされながら怒られていて、芳佳にはその光景が微笑ましく感じられた。

 

「芳佳ちゃん!!!

ちょっと頼まれた野菜を買ってきて!」

 

「あ、御免!!!」

 

 芳佳が鮮魚店を見ている間に、目的の精肉店でやり取りをしていたリネットが芳佳を呼び、芳佳も慌てて言われてた店に向かった。

 尚、リネットと芳佳が各々に大量買いした肉類と野菜類は怪獣の影響をもろに受けた魚類とは違って、まぁ戦時下故に多少は高かったものの、適正な値段で売られていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――― 501JFW基地 ―――

 

 

 夕方を迎えた此の日、『サラトガ』が『インディアナポリス』と直轄の駆逐戦隊と共に接舷(他の艦艇は哨戒や船団護衛等でいない)している501JFW基地の滑走路では、香しい焼き肉の匂いが大量発生していた。

 何故こんな事が起きているかと言うと、環礁捜索任務への助力の感謝とお互いの勤労を祝った、リベリオン艦隊主催のバーベキューが合同で行われようとしていて、昼間のリネットと芳佳の買い物は此れの為の準備であった。

 尚、501JFWは本来なら此の時間帯は哨戒飛行が行われるのだが、その任務は数日前に復帰した『タイコンデロガ』が随伴艦艇を引き連れて代わりとして行っていて、流石にネウロイ襲撃による緊急時は501JFWが即刻駆け付ける手筈なのだが、501JFWの皆さんは普段滅多にお目にかかれない肉祭り故にそれが無い事を祈っていた。

 

「「「…(ニーク)そ~れ、肉ほ~れ、肉ドッコイ♪…(繰り返し)…」」」

 

 まぁ、バーベキュー開始秒読み段階に至ってはそんな事は雲散霧消していて、現にエイラとハルトマンにルッキーニが3人揃っての入り込み状態で皿片手にお肉コールを歌い続けて周囲に引かれていた。

 

「こらこら、食べるにはまだまだ!!」

 

 意外な事に、こう言う事に先陣をきりそうなシャーリーは入り込み状態にはならずに、フライングしかけたルッキーニを抱き上げて止める等をして3人を抑えていた。

 

「……もう少し焼いた方がいいな…」

 

「…シャーリーって肉奉行?」

 

「アレを見たら確実ですね」

 

 いやむしろ、矢鱈と細かく焼き加減を確認したので、どうやらバーベキューには口煩い事が判明して、サーニャとペリーヌが呆れていた。

 

「おい、上手に焼けてるのか?」

 

「俺の親父(オヤジ)はニューヨークで名を知られたステーキ店をやってます。

下手な仕事をしたのがバレたら、俺が親父に火炙り刑(ステーキ)にされちまいますよ!」

 

 更にジム監督の下にバーベキューが物足りない人向けのステーキも焼かれていて、更に更に成年への付け合わせのビールやウィスキー等のアルコール類も大量に用意されていた。

 尤も、502JFW(ブレイブウィッチーズ)(厳密に言えば無類の酒好きの似非(エセ)伯爵ことヴァルトルート・クルピンスキー空軍中尉、生真面目だったハルトマンを怠惰人間に変えた淳楽主義の楽天家)なら兎も角、飲酒を嗜む者がいない501JFWには需要が殆ど無いかもしれないが、今回はウィッチの面々だけでなく整備兵等の基地要員達だけでなく基地周辺の近隣住民にも交流も兼ねて提供する予定なのであった。(実際は禁酒法の名残でアルコール類が艦内持ち込みが厳禁のリベリオン艦隊の自分自身への物だと思うが…)

 

「良ぉ~し!!!

上手に焼けましたぁ~♪」

 

「こっちもOKだ。

客入れろ!!!」

 

 近隣住民達がそれなりにやって来たのとほぼ同時に、シャーリー監修(?)のバーベキューとジム達によるステーキが必要分量に出来あがって誰もが待ちわびたバーベキュー(肉祭り)が開始、各々の形で歓声を上げながらバーベキューかステーキへ突撃していった。

 

「押さないで押さないで!

料理はまだまだ有りますから!」

 

「コラ!!!

野菜も食べなさい!」

 

 直ぐ様無礼講の(サマ)と化し、501JFWの面々も各々にバーベキューやステーキを取っている中で、リネットは性分的に自分は食せずにウェイトレス代りに物を取れないで騒ごうとする者達を取り付くっていえ、同時期にペリーヌは肉食のみで野菜を残す子供達を見つけて注意して当人達に睨まれて彼女も睨み返していた。

 

「ジム中佐、ウィスキーのロックです」

 

「ああ、御免ね!」

 

 少し間をおいて、部下達と共に調理に勤しんでいたジム、暑くなった上に汗だくになった為に上半身タンクトップのみになっていた所に芳佳がやってきて、彼に頼まれたウィスキー入りグラスを差し出した。

 ジムは後を任せた部下達の睨みを尻目に、芳佳からウィスキーを受け取ると一口飲んで幸せな溜息を吐いた。

 

「…あの中佐、私達楽しんでいて良いのですか?」

 

「何で?

此れは君達への頑張りに相応しいと思うぞ」

 

「いえ、私達じゃなくて、他のリベリオンの船の人達は出ていますから…」

 

「あ~…アイツ等なら気にするな。

アイツ等にも任務完了後に上陸休養が言い渡されるよ」

 

「でも…」

 

「それにアイツ等、バーベキュー以上の楽しいぃ~大人だけの楽しみを夜のロンドンでやる気だろうよ」

 

「大人の?」

 

「芳佳ぁ、まだまだピュアな君は知らなくていい事だよ~」

 

「あ、シャーリー!!

お前、未成年のクセに酒飲んだな!?」

 

「へっへーん!!

こんな場で進められた酒を無視すんのが無礼ってもんだ!」

 

 ジムが芳佳の憂いを解くも、最後の部分をあやふやにした為に芳佳が首を傾げた直後、明らかに酔いで顔が赤いシャーリーが芳佳の背後から彼女の首に右腕を巻き付けて自分の胸元に寄せた。

 シャーリーはジムの呆れながら注意に完全に悪びれていなかったが、此の間中に芳佳は自分の状況に託つけてシャーリーの胸に頬ずりをしながら高揚とした表情でいた。

 

 

「此れは私のだ!!!」

 

「ヴェアアァァー!!!」

 

「エイラ…」

 

 因みに他の501JFWの衆はと言うと、ルッキーニは子供達とバーベキューの争奪戦を繰り広げていて、進められた酒を飲んだエイラは泣き上戸を起こしてサーニャにあやされていた。

 

「うあぁーはっはっはあぁー!!!

ラッシャアァーイ!!!」

 

……下戸の美緒、進められたワイン(度数は低い)一口飲んだ事で、時折奇声を上げての高笑いをしながら滑走路を走り回っていたが、誰も彼女を止めようせず………いや、寧ろ関わらないように無視されていた。

 なにせ美緒信者のペリーヌでさえ彼女の奇行に呆れ、暴走中の美緒と目線を合わせる直前に慌てて顔を背けていた。

 

「あ、でも、気にするとしたら君達501JFWの方だろ?」

 

「バルクホルンさんですよね?」

 

「え~…あんな堅物いないから楽しめるんだよ。

やっぱりお前、アイツ狙ってんじゃん!」

 

「シャーリー!!!

誰か此の酔っぱらいにぶっかけるバケツ一杯の水持って来い!」

 

 実はジムの指摘通り、此の場には501JFWの面々で唯一バルクホルンがいなかった。

 と言うのも、バルクホルンは先日の騒動で風邪っぴきの体調で無茶な長距離飛行を行った上、その直後から数度も変な興奮した為に風邪が悪化して発熱が40度越えして肺炎の併発が疑われので、検査入院として妹クリスと同じ病院へ強制連行をされたのだった。

 しかもバルクホルンは入院中にバーベキューが行われるのを知って、強制連行時に基地残留を激しく主張しながら大暴れをした所為で負傷者が複数人出ていた。

 

「あ~…あ~あ~…、絶対トゥルーデ、後で面倒臭い事をするだろうから悩みが尽きないよ」

 

「まったく、こう言うウィッチとの交流は断固拒否なのに、何でこうなったのかしら!」

 

「それに入院してるトゥルーデに申し訳ないから、私達だけでも、控えるべきだよね」

 

「…ふぅ~、トゥルーデじゃないけど、此れだからリベリオンの性質に不快感を感じるわよ!!」

 

 群衆から離れたテーブル席にて、ハルトマンがバルクホルンを憂い、ミーナが断固反対だったバーベキューに対して文句を言っていた。

 

「……アレって、冗談で言っているんですよね?」

 

「いや、酔ってるだけだろ」

 

 だがそんな2人を芳佳とジムを遠方から怪訝に見詰めていた。

 

「あ、ビールもう1杯とバーベキュー10本持ってきて!!」

 

「次のステーキはまだ?

持ってくるのなら、ライスとワインも付けてきて」

 

 何故なら机上のハルトマンの右腕の近くの空き皿には大量の串が置かれて空のビールジョッキが複数、ミーナの右脇には山積みになったステーキ用鉄板の近くにワインの空瓶が大量に捨てられていたからだ。

 要約すると、此の2人は何だかんだ言いながらバーベキューを1番堪能していた。

 

 斯くして、1名を欠いた501JFWによるブリタニア防衛戦時の休養を兼ねた最大級イベントは大団円に向かって順調に驀進していた。




芳佳
「作者に代わって、感想や御意見等を宜しくお願いします」

シャーリー
「いやあぁ~…今回の話は実に良かった!!
ストウィの二次創作小説でもこんなのはないだろう!」

芳佳
「ガメラファンなら分かってくれると思いますが、今回のはガメラ原作での草薙邸での焼き肉の場面に該当するのです」

シャーリー
「て事は、いよいよ石板の翻訳からの勾玉の覚醒をやるんだな?」

芳佳
「ええ、次回にそれをやるつもりらしいです」





























































芳佳
「…処で作者は何所ですか?」

シャーリー
「作者なら向こうにいるよ」






























…ぎぃやあぁぁー!!!

バルクホルン
「待てゴラアァァー!!!」

…話をさせてえぇぇー!!!

バルクホルン
「問答無用ぉぉー!!!」











シャーリー
「バルクホルンが乗ったA-10の攻撃から逃げ回ってるだろ?」

芳佳
「大原部長オチの亜種だ…」
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