◇◇鎮守府、お昼前ーー
執務室ーー
球磨達を迎えてから数日が過ぎた。
そして今日は艦隊全体に休暇を与えた。
それでもみんなは訓練場に行ってしまった。
まぁ、自主的に訓練をするのは良いことだが、休めるときは休んで欲しいものだ。
一方、あたしと陽炎は日頃の書類や資料のまとめをしていた。
当初はあたしだけでやろうと思っていたが『今日の秘書艦は私なんだから、私も手伝うわ!』と、半ば強引に手伝いを申し出てきたのだ。
そもそも休みなのだから秘書艦も何も無いんだがな……。
陽炎「司令、言われたファイリング終わったわよ!」
女督「ご苦労。さて……では今日の作業は終了だ。陽炎、休暇なのにありがとう」ナデナデ
陽炎「えへへ~♪ 私達だけお休みでも司令はきっと何かやるって思ってたからね。読み通りだったわ!」フフン
女督「お陰で予定よりかなり早く終わったよ。あたしも今日はこれで休むとしよう」
陽炎「それが良いわ。司令は働きすぎなんだもの」
女督「そんなに働いてはいないんだがな……」
陽炎「司令の『そんなに』と私達の『そんなに』はベクトルが大違いなの!」ズイ
女督「そ、そうか。なら今日はゆるりと過ごすことにするよ」
陽炎「えぇ、そうしてちょうだい♪」ニコ
女督「……なら、久し振りに手の込んだ料理でもするか。みんな訓練で腹を空かせて食堂に来るだろうからな」
陽炎「私も手伝うわ~!」ピョンピョン
女督「あぁ、分かった分かった」アハハ
そしてあたしは陽炎と共に食堂の厨へ向かった。
食堂ーー
陽炎「ねぇ司令、初日から気になってたんだけどさ……」
女督(エプロン姿)「ん? 何だ?」グツグツ
陽炎「あれよあれ。どうして食堂に置いてあるの?」
陽炎が指を指した方を見ると、そこにはコンパクトサイズのグランドピアノがあった。
女督「あぁ、あれはあたしの親友のピアノだ。あいつとは幼馴染みでな、ピアニストになるのが夢だった……でも修学旅行の時の事故で亡くなってしまってな。それからあいつのご両親が一番仲が良かったあたしに譲ってくれたんだよ」
陽炎「……そうなんだ」
(まずいこと訊いちゃった……でも親友さんの話をする司令の瞳、とても優しい……)
女督「ずっと実家のあたしの部屋に置いてあったんだが、あいつは賑やかな場所が好きでな。あたしも提督になったことである程度の融通が利くようになった……だから部屋に置いておくよりはみんなが集まるここに置いた方が良いと思って、実家から送ってもらったんだ」
陽炎「なら、きっと親友さんも喜んでるわね♪ いろんな人がここに来るものね」ニコ
女督「あぁ、そうだな」ニコ
それからあたしと陽炎はみんなの昼食作りを再開し、昼食時には全員が食堂に集まっていた。
不知火「不知火は、いつもこうして司令の美味しい手料理を食べられて嬉しいです!」
黒潮「こんなん毎日食べられるうちらは幸せ者やな~♪」
女督「そう言ってもらえると作った甲斐があるな。おかわりもあるからどんどん食べると良い」ニコ
球磨「この鮭のムニエルは絶品クマー!」ガツガツ
初春「この肉じゃがは実に美味であるぞ♪」モグモグ
初霜「こちらのコロッケもとても美味しいです♪」ハフハフ
綾波「今度は綾波もお手伝いしますね」ニコ
女督「口に合って良かった。みんなの笑顔が見れてあたしは嬉しいよ」ニコニコ
那智「私も料理が出来れば少しは戦力になれるんだがな……」クッ
妙高「貴女のは隠し味が隠れていないのがいけないと思うわ。食べられないことはないけどね……」ニガワライ
足柄「なら今度、提督に教わったら? 私や妙高姉さんが教えるより上手だと思うわ」
羽黒「わ、私も教わろうかな……」オズオズ
女督「あたしで良いなら教えてやるよ。優しく……な?」キラッ
全員『っ////』ズキューン
あたし達は楽しく昼食を終え、特にやることもなくみんなでそのまま食堂でまったりと過ごしていた。
妖精あ「皆さんお茶です」
妖精い「洗い物はお任せあれです」
妖精ろ「何かあったらお呼びくださいです」
女督「あぁ、ありがとう」ナデナデ
妖精達『やったるぜ~!』キラキラ
陽・不・黒『…………』ジトー
女督「さて……久し振りにこうしてゆっくり過ごすが、みんなはここに居て良いのか? 街に買い物とかしに行っても良いんだぞ? 前みたいにはぐれ深海棲艦が出ないように対策してあるからな」
不知火「街へ行くのであればみんなと行きたいです」
黒潮「うちもうちも!」
陽炎「私もみんなで一緒に行きたいな~」
羽黒「わ、私も行くならみんなとが良い、です……」ウツムキ
初春「……だそうじゃ、貴様はどうするのじゃ?」ニッ
女督「……なら仕方ない、みんなで行くか。各自仕度してもう一度ここへ集合だ」
(妖精達に鎮守府の防衛システムの作動を頼んで来なくてはな……)
全員『了解♪』
そして急遽決まった街に行く予定にみんなは大喜びで仕度しに向かった。
鎮守府側にあるバス停から約三十分、あたしとみんなは街へやって来た。
鎮守府近くの街ーー
女督「さて……ではここからは自由行動にするか。一七○○にはこのバス停に集合だ。何かあったらあたしに連絡をするように。では、解散!」
全員『了解!』
\アソコニイクワヨー ホラネエサンコッチ ワラワラ/
みんな思い思いの場所へと散らばって行く。前に連れてきたことがあるから目当ての場所があるのだろう。
そんな中、あたしから離れようとしない四人に声をかける。
女督「お前達はどこにも行かないのか?」
球磨「行きたいけど、何があるか分からないクマー」
初春「わらわは扇子が見たい故、案内をしてはくれぬか?」
初霜「わ、私もまだよく分からないので……」ウワメヅカイ
綾波「迷ったら怖いですし……」ウワメヅカイ
女督「そうだったか……配慮が足りなくてすまない。ではあたしと一緒に行こうか」ニコ
四人『はい(うむ)(クマー)♪』
……。
…………。
………………。
◆反物屋◆
初霜「沢山の扇子やかんざしがあります~!」キラキラ
球磨「反物で出来た小物も一杯あるクマー」キョロキョロ
綾波「この着物の柄、素敵です……」ウットリ
初春「なかなか良い店じゃの♪」ルンルン
女督「良かったな」ニコニコ
(やはり女の子だな、みんな目がキラキラしている)
初春「むう……この柄も良いが、こちらも捨てがたいのぅ」ウデクミ
女督「初春なら、こちらの桜柄が良いんじゃないか?」
初春「お、おう、貴様がそう申すならこちらを貰おうかの////」ドキドキ
女督「あぁ、そうすると良い。では、初春が迷っていたこちらの菊柄はあたしが買おう。プレゼントだ……みんなには内緒でな」ウインク
初春「そ、そうか、貴様も気が利くのう////」ニコニコ
◆大型スーパー◆
球磨「おぉ~! この試食のハチミツ、とても美味しいクマー!」
初春(お主、本当は熊なのではないか?)
綾波「いい味ですね~♪」
初霜「~♪」ペロペロ
女督「なら買って行こう。これで今度何かお菓子でも作ってやろう」ニッ
球磨「クマー! 球磨は一生提督に付いていくクマー!」キラキラ
女督「大袈裟なヤツめ」ナデナデ
球磨「クマ~♪////」ニコニコ
◆展望台◆
球磨「高いクマー♪」キラキラ
初春「あまりはしゃぐでない、みっともないぞ?」
綾波「うわぁ、とても綺麗な景色です♪」
初霜「人があんなに小さく見えます~♪」
女督「この綺麗な街をみんなで守っていこうな」ニッ
綾波「は、はい////」ドキッ
初霜「はい////」キュン
女督「勿論、お前達はあたしが守るぞ」ナデナデ
二人『はぅ////』ズキューン
それからも四人と街を回っていると、集合時間が迫って来ていた。
あたしは四人を連れてバス停へ向かった。
バス停までの帰り道ーー
女督「結構買い物してしまったなぁ」アハハ
球磨「おやつに食べたあの喫茶店のケーキは最高だったクマー♪」
綾波「結構回ったのに、まだ見てないお店も沢山ありまますね」ニコニコ
初霜「次のお楽しみですね」ルンルン
初春「実に良い買い物であったな」フフン
女督「次に来る時はまた新人も居るだろうから、今度はお前達が案内してやると良い」
四人『勿論です(じゃ)(クマー)!』
すると帰り道にゲームセンターの前を通った。
来る時は気づかなかったが、プリクラと言う写真のプリントシールを作る機械が目に入った。
四人もそれも気がついたのか、あたし達は顔を見合せた後、笑顔で頷いてそのプリクラ機へ入った。
プリクラ撮影中ーー
女督「たまにはこういうのも一興だな」
球磨「みんなに自慢するクマー♪」
綾波「宝物が増えました」フフ
初霜「自分の手帳に貼ります♪」
初春「わらわは鏡の端に貼ろうかの」ニコ
それからバス停に着くと、あたし達は見事に一番最後だった。
バス停ーー
陽炎「お帰り~♪」
不知火「? 皆さん、何やら凄い笑顔ですね」クビカシゲ
黒潮「何か良いことでもあったんか?」ノゾイコミ
球磨「ふっふっふ~……これを見るクマー!」ババーン
陽炎「司令とのプリクラ? 良かったじゃない」ニコ
不知火「なん……」チーン
黒潮「だと……」ガーン
綾波「宝物です♪」キャハ
初霜「ね~♪」ニパー
初春「ふふん」ドヤァ
不知火「陽炎について行くんじゃなかった……」
黒潮「司令はんに付いとるべきやった……悔やまれるわ……」
陽炎「ねぇ、流石に傷つくんだけど……」ウルッ
\スミマセン! ナカンデヤー!/
女督「何をやってるんだあいつ等は……。そう言えば、妙高達はどこに行って来たんだ?」
妙高「あぁ、私達は那智と羽黒のぬいぐるみを見nーー」
羽黒「妙高姉さんっ////」
那智「もう少し私達の気持ちを汲んでくれ!////」
足柄「でも、その抱えたままのラッコ(羽黒)とイルカ(那智)の大きなぬいぐるみを隠さない時点でバレバレだと思うわ」ニヤニヤ
羽黒「~~~~////」モジモジ
那智「お、お前なんか、良いと思って手にしたスカートが入らなくて涙目だったじゃないか!////」ハンゲキ
足柄「う、うぅ、うるさいわね! 何も今そんなこと言わなくても良いでしょ!?」カオマッカ
那智「お前が先に言ったんだろうが!」
妙高「ケ ン カ は よ し な さ い っ !」ボスオーラ
那・足『アッハイ』
女督「はっはっはっ」
みんなそれぞれ楽しめたようで良い休日になって良かった。
そしてあたし達はみんなでバスに乗りまた鎮守府へと帰ったーー。
読んでいただきます真にありがとうございました!
次回もよろしくお願い致します!