キャラ崩壊含みます。
深く冷たくーー
何一つ無いーー
真っ暗な闇の中ーー
浮き上がろうとしても沈んで行くーー
ふと足元を見るとーー
無数の何者かの手がーー
あたしを深海へと引きずり込むように引いていたーー。
ガバッーー
女督「夢か……」
時計を見ると○二三○。柔らかな月の光りがあたしの部屋を照らしていた。
あれからあたしの鎮守府は着々と海域を解放し、仲間もそれなりに増えた。
しかし、どんなに仲間が増えても、敵を倒しても、あたしの気持ちは晴れなかった。
あの深海棲艦の艤装から語られた事。
他の鎮守府の提督や大本営との多くの情報交換をしたが、結局解決策は無く、ただただあたし達は生き延びる為に奴等と戦争をするしかないのだ。
女督「まだまだ未熟ということか……」
それから寝付くことが出来なかったあたしは、おもむろにに食堂に置いてある親友のピアノの場所まで来てしまった。
食堂、ピアノの前ーー
海がこれまでの人間の業に耐えてきた代償……今の戦争は人間が招いた結果。
人が無差別に海にしてきた仕打ちと何ら代わり無い。
頭では理解しているが、心では理解出来ていない。
親友のピアノの椅子にソッと腰掛けて、ピアノの鍵盤をなぞる。
女督「そう言えば一時期、ベートーベンの月光に二人してハマってあいつに教わって一緒に弾いたっけな……」フフ
懐かしい気持ちになり、あたしは静かにその曲を弾いたーー。
女督(お前が亡くなったのはこれまでの人間のせい。過去の人間の罪がお前を奪った……)
女督(あたしはお前の分も生き抜き、必ず平和な海にするぞ……)
そう心に決めて、あたしは朝になるまでピアノを弾き、気が付いたらそこで眠ってしまっていたーー。
◇◇鎮守府、執務室ーー
陽炎(本日の秘書艦)「司令、他の駆逐艦の娘達から『昨晩、外から変な音が聞こえた』って報告があったんだけど、何か知らない?」
女督「やはり聞こえていたか……」ニガワライ
陽炎「ん?」クビカシゲ
女督「昨晩は嫌な夢を見てな、食堂にある親友のピアノで曲を弾いて気持ちを落ち着かせてたんだ」
陽炎「そう……なら工廠妖精さんが夜中に実験してたってことにしとくわ♪」
女督「いや、あたしが悪いんだ。そのままみんなに伝えてくれて構わん」
陽炎「そう? 司令がそれで良いならそうするわ」
女督「あぁ、そうしてくれ」
それからあたしと陽炎は書類を片付けた。
女督「うちも大分大所帯になってきたな。そろそろ大本営に鎮守府拡張の申請を出さなければ……」
陽炎「今、在籍艦が九二だからね。これからも増えるだろうし……」
女督「そうだな。……あぁ、後はこれも解決してないな」
陽炎「ん? どの書類?」
女督「これだ……『ケッコンカッコカリ』の」ピラ
陽炎「」ピクッ
女督「大層な名前を付けたものだ。仮とは言え結婚だぞ? 百歩譲って名前は良しとしても、あたしは女だからな……しかも大本営は『何の問題も無い』と来た。いつから我が国は同性でも結婚を認める国になったのか……」ヤレヤレ
陽炎「司令は私達の誰かとケッコンするのは嫌?」
女督「難しい質問だな……そもそもこれは艦娘とあたし達人間の絆を深める物だ。しかし結婚と言う言葉を使う以上、あたしも気を遣うんだ……女のあたしとお前達の誰かが結ばれるってことだからな」
陽炎「私は司令とケッコンしたい!」ズイ
女督「お前は……」ハァ
ガチャーー
不知火「司令が不知火とケッコンカッコカリと聞いて!」スチャ
バタンーー
黒潮「司令はんがうちとケッコンカッコカリと聞いて!」スチャ
女督「」コンワク
陽炎「あ、あんた達どっから出てくるのよ!」
不知火「掃除用具のロッカーからですが……不知火に何か落ち度でも?」
黒潮「うちは床下からや~♪」
女督「とりあえず正座しろ……」アタマカカエ
艦娘説教中ーー
女督「全く……反省しろよ?」ギロ
不・黒『イエス・マイ・ロード!////』ゾクゾク
女督「……それで? どうしてわざわざ隠れて聞いていたんだ?」
不知火「陽炎の抜け駆けを阻止する為です」
黒潮「うちら今日は休みやろ? したら、青葉はんが司令はんと陽炎がケッコンの話をしてるって連絡があったんや」
女督「青葉の仕業か……あいつはまたしごかれたいみだな」アタマカカエ
陽炎(青葉さんも不知火達と同じ種類なのよね……)
不知火(青葉さんにとってはご褒美ですね……)
黒潮(情報提供の報酬がこれなら上々やな……)
後日、青葉は提督からみっちりと絞られたが、その表現は恍惚な笑みだったとか……。
女督「お前達はそんなにあたしとケッコンカッコカリをしたいのか?」
三人『』コクコク
女督(みんな本気のなんだな……)
陽炎「とりあえず、司令的にはどうなの?」
女督「ん?」
不知火「ケッコンカッコカリのことです」
黒潮「する気はあるんやんな?」
女督「…………」ウデクミ
陽炎「それは練度の上限を更に上げて、燃費も格段に良くなるわ」
不知火「悔しいですが、順当に考えれば正規空母や戦艦の皆さんに差し上げるべきです」
黒潮「司令はんの夢は『海を平和にする』やからね。うちもそれが良いと思うわ」
女督「…………そうか」
三人「…………」
女督「お前達の気持ちは分かった。だが、このケッコンカッコカリというシステムは複数との艦娘と出来るシステムだ」
陽炎「なら正規空母のみんなと出来るわね……」ニコ
不知火「戦艦の方々とも出来ます」ムリナエミ
黒潮「これでまた一歩司令はんの夢に近づくな」ナミダグミ
居ても立っても居られず、あたしは三人の前に方膝を突いた。
女督「……だから、最初はお前達三人とケッコンカッコカリをする。あたしとケッコンしてくれるか?」
三人『え……?』
女督「あたしなりに考えたが、難しく考えるのは止めた。あたしはお前達三人とこの鎮守府を盛り上げてきたと思ってる……だから、最初にケッコンカッコカリの約束をするのはお前達とだ」
三人『』
女督「もう一度言うぞ……あたしとケッコンしてくれるな?」
三人『はい!』
そう言うと陽炎達はあたしの胸に泣きながらも笑顔で飛び込んできた。
まだまだ戦争を終えることはない。
だが、こうして守るものがあればあたしは負けることはない。
この娘達の笑顔があたしに力と勇気をくれるからーー。
なんか無理矢理な展開ですが、ご了承ください。
このシリーズは次でラストにする予定です。
色々と話を考えましたが、長くなるとぐだってしまいそうなので。
読んでくれて本当にありがとうございました!
ラストも頑張ってあげたいと思います!
よろしくお願い致します!