がっこうぐらし +α   作:ラビ@その他大勢

20 / 29
はい、久し振りの投稿です。…もう忘れられてるかな?



こうない

割れたドアの穴を一人ずつ潜り抜ける。向かうのは技術室だ。目的は、バリケードを作るための有刺鉄線や材料である木材の入手。

 

「大丈夫。《アイツら》はいない」

 

技術室の中を見渡してくるみが言う。めぐねぇ、ゆき…と続く。最後尾である私が入り、ドアを閉めると、事態を理解していないゆきを除く全員がホッと安堵の息をはいた。

 

「じゃあ、後はさっき話したとおりに行きましょう」

 

悠里さんの言葉に私達は頷くと、それぞれの準備を始めた。私はシャベルを肩に担ぐ。

 

 

くるみを先頭に、技術室を出た。物資はまとめて悠里さんと美紀くんに持ってもらっている。雨とはいえ、流石に夜ともなると《奴ら》の数はかなり減るようで戦闘が特にないまま、順調に進んでいくことができた。

 

――と、二階に向かう階段に差し掛かったところで、くるみの足が止まった。後ろにいる悠里さんに待つように言うと、階段の方へと消える。

ガシャンという金属音とグチャリと何かが潰れる音がして、暫く後にくるみが頭を出す。

 

「もう大丈夫だ」

 

 

私たちはそうやって、階段を進んでいく。戦闘、というほどのものもなく、大体が単体でいる《奴ら》を先頭のくるみが処理するだけに済んでいた。たまに、後ろから寄ってきたのを私が処理したりもしたが。

 

そして、三階に着いたときだった。

 

くるみの足が止まる。彼女が見ているのは、バリケードだった。行く前にはワイヤーでしっかりと固定されていたそれが、今は崩れている。くるみのシャベルを握る手に、心なしか力が入った気がした。

 

「…行くぞ」

 

皆が頷くのが分かった。

 

 

 

「ア゙ア゙ア゙」

 

職員室に《奴ら》の姿が見えた。見つからないように姿勢を低くする。後で『掃除』をしなきゃな、等と考え、私は小さくため息をついた。――いや。

 

「…めぐねぇ、ちょっと」

 

小声で囁くと、めぐねぇがこちらを振り向いた。

 

「何かしら?」

 

「5人で職員更衣室に隠れといてくれない?」

 

早くに排除しておくべきだろう。…何にせよ、職員室を通らなければ部室へ行くことはできない。隠れてやり過ごすより、そちらの方が賢明だ。

 

めぐねぇはそれが分かったようで、美紀くん達と更衣室に隠れた。更衣室には何もいないことをくるみが確認していたので、大丈夫だろう。

 

「中には何体いるんだ?」

 

「見たところ3体…」

 

「意外と多いな…」

 

「元国語教師と、元英語教師と…あとあれは誰だろう?」

 

「そんな情報はいらねーよ」

 

くるみが少し顔をひきつらせた。

 

「じゃあ、行きますか」

 

「おう」

 

どちらからともなく頷くと、私たちは職員室へと突入した。

 

*******

 

職員室で愛莉ちゃん達が戦っている間、私たちは美紀さんや圭さんと話していた。二人とも、こんな状況ですっかり緊張してしまっている。それを解すためだ。

 

「へぇー、みーくんとけーちゃんって幼馴染みなんだー」

 

「そのみーくんっていうのなんですか」

 

「美紀だからみーくん。分かりやすいでしょ?」

 

「や、やめてくださいゆき先輩。みーくんじゃないです」

 

「はうぅぅぅーん!」

 

由紀先輩、と呼ばれた由紀ちゃんが感動したように胸を抑え、それを見た美紀さんが顔をしかめた。

 

「気持ち悪いです」

 

「ほら、先輩っていい響きだなって」

 

「由紀さんはずっと先輩って呼ばれたがってたものね」

 

「えへへー」と頭を掻く由紀ちゃんを見て、思わず笑みが零れる。美紀さんの空気も、先程までのように緊張していた時より弛緩していた。

 

 

――そんな風に話していると、更衣室のドアが開いた。顔を覗かせたのはくるみさん。

 

「もういいぞー。急ごう」

 

 

*******

 

 

職員室にいた《奴ら》を全員処理し終わって再び部室へ向かって歩く。と言っても、職員室と部室はかなり近い。だから、《奴ら》と遭遇することはなく。

 

くるみが最初に部室へ入り、皆が後へ続いていく。

そして、殿である私が入ろうとしたとき。

 

 

 

――…やはり、何処かで油断してしまったのだろう。…近づいてきていた、《それ》に気付くことが出来なかったのだ。

 

部室へと入るために扉へと手をかけた途端に、足に衝撃。ほんの少し遅れて、鋭い痛みが走る。

 

嫌な予感に足元を見ると。

 

 

 

 

私の足に、犬が噛みついていた。――首には、噛み傷。




…改めて言っておく。これは原作の方を重視している、と。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。