がっこうぐらし +α   作:ラビ@その他大勢

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会話が増えると内容が薄くなる気がしてならない今日この頃。


まもる

「ぁふ…」

 

今日もよく眠れた。もしかしたら近くに生きている人がいる、ということはとても大きいのかも知れない。

 

昨日は話終わったあと、私の新たな武器探しに二時間ほど費やした。

 

火炎放射器は物足りな…もとい、燃費が悪く、複数の《彼ら》相手には何も出来ないためだ。

 

その結果として、今私が持っているのは――シャベルだった。シャベルが良かった、と言うより、シャベルしか無かったという方が適切だ。まぁ、学校に武器などが置いてある訳もない。それに、くるみがかなりシャベルを推してきたのもある。

 

武器はどこかで強いのを入手しよう、そう心のなかで決めながら生徒会室に向かって歩く。

基本的に睡眠以外の行為は生徒会室で取ることになっていた。

 

「あふ――」

 

またあくびが溢れた。私は何故か朝に弱い。まぁ、めぐねぇよりマシではあるが――

 

そんな事をボーッと考えながら生徒会室――いや、学園生活部室のドアを開ける。

 

「愛莉か。おはようー」

 

くるみがシャベルの手入れをしていた。

本当に彼女のシャベル愛には呆れを通り越して尊敬すら感じてしまう。

 

「悠里さんは?」

「ん?屋上農園だと思う」

 

確か悠里さんは園芸部だ、と聞いた覚えがあった。なるほど、と頷く。

 

ゆきとめぐねぇはまだ寝ている。どうやらゆきも朝は私より弱いようだ。

 

「悠里さんの手伝いしてくるよ」

 

悠里さんがいないと朝御飯も食べれない。

――いや、食べれないことはないが、私が作るより悠里さんが作った方が美味しい。と言うわけで、手持ちぶさたになった私は屋上に出た。

 

流石に10月ともなると少し肌寒い。

私は、上着を着てくるべきだったかな…と、少し後悔してしまった。

 

植物に水をあげていた悠里さんだったが、どうやらドアが開く音で気づいたらしい。こちらに振り向く。

 

「あら?愛莉さんじゃない。どうしたの――あ。もう朝御飯かしら?」

 

私は苦笑を浮かべながら首を振る。

 

「手伝いに来たんだけど…何かすることある?」

 

私が言うと悠里さんは少し驚いた顔をした。だが、すぐに弛緩させ、

 

「じゃあ、水やりをお願い出来るかしら」

「任せてー」

 

――にしても、私ってそんなに食欲が旺盛だと思われてたのかな…少しショック。

確かに昨日のカレーは沢山おかわりしたけど…二日間何も食べていなかったんだから仕方ないじゃない!

 

 

「これくらいでいいわね。じゃあ愛莉さん、戻りましょうか」

 

一通り終わると、悠里さんが言った。

確かに、そろそろめぐねぇ達が起きてくる頃だろう。終わるには丁度いい時間かもしれない。

 

「今日はありがとう。おかげで助かったわ」

 

悠里さんがこちらに微笑む。何となく照れ臭くなり、顔を背ける。

 

「――どういたしまして」

 

私はそう呟いた。

 

 

今日のご飯は――サバ缶とビタミン剤、そして乾パンだ。

昨日のご飯と比べるとかなり質素ではあったが、物資が限られている状態ではそれも仕方ないことだろう。

無理矢理自分を納得させる。

 

「めぐねぇー味気ないよー」

「ゆきちゃん、我慢して?そんなに食べ物があるわけじゃないの」

 

ゆきは納得できないのか、めぐねぇに文句を言っていた。

外から、ポツポツと音が聞こえた。だんだんと強くなっていく。

 

「…ん?雨?」

 

どうやら雨が降り始めたらしい。悠里さんが憂鬱そうにため息をつく。

この学校の発電元は太陽光なので、雨は不味いのだ。

 

「洗濯物入れてくるわね」

「私も手伝うー」

 

めぐねぇが席をたち、ゆきが着いていく。私もシャベルを手に取り立ち上がった。先日、私が戦えることが分かったため移動するときは私かくるみが着いていくことに決まったのだ。

 

(それに――何だか嫌な予感がする)

 

ここで着いていかなかったらとても不吉なことが起こる気がして。

屋上にある洗濯物は既にびしょ濡れだった。

 

「あーあ。折角洗濯したのに」

 

ゆきがボヤく。――と、その時だった。

 

ガシャン。大きな音が響き、何かが崩れる音が私に危機を告げる。

 

「――今のは…?」

 

めぐねぇが呟く。そして少し後に。

 

「ア゙ア゙ア゙ア゙」

 

ドアを思いきり叩く音。そして《奴ら》の声。

 

「――っ‼」

 

思わず息を飲んだ。めぐねぇも気付いたようで、顔が強張っている。

もしかしたら先程の音はバリケードが壊れる音だったのかもしれない。

 

(囲まれた…)

 

今戦えるのは私だけ――その事実が重く圧し掛かってくる。

一人では薄かった危機感が、自分以外の人間がいることで大きく増えた。

 

「いや――いや――」

 

ゆきが耳を押さえてうずくまる。

 

(どうする――?)

 

一度落ち着くために深呼吸を繰り返すと、思考が少しクリアになった。

状況を整理する。

手にはシャベル。そしてここにあるのは――農園と、太陽光電池。

めぐねぇ達に持たせているライター等もこの雨では使えない。

一見して、完全に詰んでいる状況。

だが何とかして切り抜けなければ――全員死ぬ。

 

(考えろ考えろ考えろ考えろ――)

 

鋼鉄製のドアが軋む。蝶番が今にも壊れそうだった。時間はない。

 

「ア゙ア゙ア゙」

 

《奴ら》の声がノイズとなって私の思考を遮る。

 

 

 

(――――あぁ、うるさい)

 

私の中で何かがプツン、と切れる音がした。

 

「めぐねぇとゆきは太陽光の所に隠れといて」

 

どうせまともに考えたところでどうしようもない。――ならば。

 

「…精々足掻いてやろうじゃない」

 

獰猛な笑みがこぼれる。私が屋上の入口にいる限り、逆方向にある太陽光電池のところに《奴ら》が行くことはないだろう。あとは私が《奴ら》を全員殺れば完了だ。

 

「うん、完璧」

 

色々と問題があるのは分かっている。

まず――殆ど確実に私は死ぬだろう。

一人で、噛まれずに《奴ら》全員を倒すことは多分私には無理だ。

――だが、そんなことはどうでもいい。

 

私が《奴ら》になりそうなら、私が自分を殺せばいいだけだ。

 

「愛莉ちゃん、まさか――」

 

めぐねぇがこちらを向く。心配と不安が表情に表れていた。

 

私はめぐねぇを向いて――笑った。

 

「大丈夫。死なないよ」

 

そうでも言わないと、彼女は引かない。

――むしろ、体を張って自分を庇うだろう。だが、そんなのではダメだ。

 

「私に――守らせて」

 

めぐねぇがハッとしたようにこちらを見つめた。もう一度笑う。

 

もし、ここでめぐねぇを失えば、私は壊れる。それに、恐らくゆきはもっと酷いことになる。

その確信があった。

 

蝶番が片方壊れ、ガキリ、と嫌な音がする。そろそろ危ない。

 

「行って」

 

めぐねぇはそれでも少し迷っていたが何かを決心するように頷くと、ゆきの方向に走っていった。

 

――丁度その時。もう1つの蝶番が壊れ、ドアが倒れた。《奴ら》が雪崩れ込むように入り込んでくる。

 

私はシャベルを握りしめ、《奴ら》を睨んだ。




愛莉 は シャベル を 装備した !!

愛莉ちゃん武器変更。
新しい武器もゲットしたしなるべくハードモードで行くよ!
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