預言者を焼かれて消滅した。
 その記憶を持ち合わせたマンモスマン。
 それは転生か、憑依か、逆行か…?
 理由も過程もどうでもいい…
 ヤツらをぶちのめす。
 ――ただ、それだけだ。

 にゃもし。【短編】No.26


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 預言者を焼かれて消滅した。
 その記憶を持ち合わせたマンモスマン。
 それは転生か、憑依か、逆行か…?
 理由も過程もどうでもいい、
 ヤツらをぶちのめす。
 ――ただ、それだけだ。



マンモスマン リベンジ

 

 

 気がつけば俺は氷河、凍った氷の下で横たわっていた。

 

 俺の名は「マンモスマン」

 マンモスの化身だ… たぶん。

 

 どういうわけか俺には記憶がある。

 知性の神とかいう野郎にフェニックスのチームメイトとして誘われた記憶が…

 ロビンマスクとかいう好敵手との戦闘。

 そして用済みと切り捨てられ、俺の名が書かれた予言書を燃やされ消滅した

 ――その忌々しい記憶が…

 

 

 「……気に入らねぇなぁ」

 

 

 過去か現在か、それとも未来か… 確かめる必要がある。

 氷を砕いて破壊し起き上がる。

 

 

 「まずは人間たちがいるところまで行って()()()()なのか調べるか…」

 

 

 俺が寝ていたアラスカの凍土から南に向かうこと数日。

 人間たちの街でテレビに映るキン肉マンを見つけることができた。

 

 

 「こいつはスゴいやつだよ、完璧超人を倒しちまうんだからな」

 「ああ、ダメ超人が化けやがった」

 

 

 人間どもの会話からして王位争奪戦前といったところか… 日本へ行くか… 

 知性の神がもぬけの殻とかした俺の寝床をどんな顔で見ているのか興味があったが、

 

 

 

 

 キン肉マンが王位を継承しようとしたとき、邪悪の神々が現れた。

 案の定キン肉マンの継承を認めず、さらに五人の王子が現れる。

 フェニックスのところにはチームメイトとしてマントを羽織った四人もいた。

 どうやら俺の代わりが見つかったらしい、ポーラ・ベアーとかいう熊の超人。

 

 知性の神が消え去る際に俺を見つけ、訝しげるように顔を歪めたが

 俺はそれを鼻で笑って返してやった。

 

 フェニックスチームは死んでも御免。

 マリポーサ、ゼブラのチームメイトではフェニックスのチームメイトには荷が重い。

 キン肉アタル率いるソルジャーチームなら問題ないのだが、

 今は入れ替わっていない… となると――

 

 

 

 

 『マリポーサチーム五名に対してキン肉マンチームは――』

 

 

 先鋒 マンモスマン

 次鋒 ミート

 大将 キン肉マン

 

 

 『――以上の三名です』

 

 

 俺はキン肉マンチームに入ることにした。

 永いこと氷河で眠っていた体をほぐす必要もある。

 そして、キン肉マンのチームでなければ最後まで勝ち残らないだろう。

 俺は強引にヤツのチームに入った。

 ヤツはいい顔をしなかったが、ミートの説得で渋々承諾した。

 

 

 俺の相手はザ・ホークマン、ミスターVTR、ミキサー大帝、キング・ザ・100トン

 本来ならテリーマン、ロビンマスクの仕事だが…

 なぁに俺がその分ぶちのめせばいい。

 

 

 試合開始のゴングが鳴り、ザ・ホークマンは自慢のスピードで仕掛けてくる。

 寝起き直後、思った以上に体が動けないことをいいことに

 一方的に攻撃、こちらを木偶の坊呼ばわりする始末。

 

 一気に勝負を着けるのか、翼を身体を包み込みように流線形にたたんで――

 

 

 『 スパイラル・ブレット !! 』

 

 

 先端の尖った部分をこちらに向けて高速回転。

 螺旋を描きながら俺に向かって飛来する。

 

 

 刃物で刺したような鈍い音が響く。

 

 

 観客席から悲鳴が、両サイドの選手控えの席からは驚愕が、

 普通の超人なら体をくり貫かれて絶命するのだろうが――

 

 俺の胸板の筋肉でヤツの攻撃は止まっている。

 逃げようとするヤツの足を掴み…

 

 

 「ようやっと、捕まえたぜ…」

 

 

 引き寄せ――片手で首を掴み――もう片手は自慢の翼、その根元に手をかけて、

 

 

 千切る。

 

 

 「………… !?」

 

 

 声にならない悲鳴を上げたが、首を掴まれちゃ声も出ない。

 ペットの鷹が助けるために頭上からくちばしでつついてくるが、

 そんなものを気にせずに長い鼻で胴体を掴んで高く持ち上げて――

 

 

 『 パワフル・ノーズ・ブリーカー! 』

 

 

 曲げた膝の上に、背中から落とす!

 背骨がへし折れる感触が直に伝わる。

 そのままマットの上に放り込む。

 

 辛うじて息はあるもののザ・ホークマンがもはや戦えないのは誰の目にも明らかである。

 

 

 

 

 「次鋒、ミスターVTR行け!」

 

 

 マリポーサの一声でリングの周囲のカメラが合体。一体のロボ超人が現れる。

 

 

 「ズーム…」

 

 『 ノーズ・フェイシング! 』

 

 

 リングに上がると同時に能力で小さくするつもりだったのだろう…

 それよりも速く先を尖らせた鼻を――頭部のカメラ部分に突き刺す! 

 

 

 「お前の能力は厄介そうだからなァ、早めに潰させてもらうぜ?」

 

 「な、なんで俺の能力を…?」

 

 「カメラの超人がカメラを使わないと思う方がおかしい」

 

 

 ノーズ・フェイシングで突き刺したままミスターVTRを逆さに持ち上げて、跳躍――

 コーナーポストの一つに頭から叩きつける!

 

 頭を潰れた状態でリングの外にマリポーサチームが控える席に落ちる。

 ミスターVTRの有り様に大将を除くチームメイトが恐れおののく。

 俺はそいつらに向かって――

 

 

 「時間が惜しい、次のヤツを出しな…」

 

 

 そう言い放った。

 

 

 

 

 『中堅、ミキサー大帝』こいつの分離機能のせいでキン肉マンは力を失い、

 以降の戦いを「火事場のくそ力」無しで戦う羽目になった。

 こいつは徹底的に潰す必要がある。

 

 もっとも、それしか芸がない超人ともいえるが…

 

 

 「ぎゃぁぁぁぁぁっ !!!!!?」

 

 

 そんな超人が俺の敵になるハズもなく、

 開始早々『ベアハッグ』――両腕で胴体を締め上げられ叫び声を上げる。

 両手両足をばたつかせて脱出を試みるも… それも叶わず――

 腰にヒビが入り、一回り小さくなり、さらに全身に亀裂が入る。

 

 己の姿の未来に恐怖し、俺の笑った顔を見てさらに恐怖する。

 

 そこに一枚のタオルが投げ込まれた…

 投げたのはマリポーサ、見かねたヤツが投げ込んだのだ。

 

 

 「ちぃっ… 命拾いしたな」

 

 

 反則負けはさすがに不味い、力を緩めて解放させる。

 すぐさまリング下の控え席に移動してミキサー大帝がマリポーサに頭を下げる。

 その光景を視界の端に置いといて…

 

 

 「マンモスマンよ、お前のおかげでここまで勝ち進んだ。

  それに関しては大いに感謝しているが… いささか、やり過ぎではないのか?」

 

 

 キン肉マンが俺に対して(たしな)めてくる。

 大将の小言を軽く聞き流して副将、キング・ザ・100トンがリングに上ってきた。

 

 

 「少しはマシなヤツが出てきたか…」

 

 

 

 

 ――ヤツの体は硬く、重く、それに加え身体を変幻自在に変えられ、苦戦を強いられた。

 それでも頭部にダメージを与えて変形機能を停止させ、

 背後から両手で頭部を掴み、後ろに膝を当てながらマットに叩きつけて砕いた。

 

 

 「さすがに副将となると楽勝とはいかねぇなァ…」

 

 

 トゲつきの腕で殴られたり、100トンによる体当たりでダメージを受けて

 四連戦ということもあり疲れが見え始めてきた。

 

 

 「マリポーサの軍団の副将として、犬死だけは許さんぞ!」

 

 

 バラバラになった100トンにマリポーサが激を入れて――

 

 

 「キング・ザ・100トン… たとえこの身は滅ぶとも、

  この最後の命はマリポーサ様のお役に立てるのが使命… !!!!」

 

 

 両腕を遠隔操作――二つの腕が俺の頭頂部とアゴに当たり… 倒れた。

 視界が歪む中、100トンとマリポーサの会話が聞こえる。

 

 

 「よくやったぞ、100トン」

 

 「マリポーサ様にお褒めいただき… 光栄です…」

 

 

 こっちは仕事を果たした… あとはキン肉マンの仕事だ。

 カウントを数える声を聞きながら、俺の意識は途絶えた…

 

 

 後日、試合の結果を超人病院で聞かされた。

 48の殺人技の一つ『風林火山』で破ったらしい。

 まぁ、詳しいことはあとで録画された物で見ればいい。

 

 これでフェニックスどもに一歩近づいた。

 

 




 
 (´・ω・)にゃもし。

 連載作品の合間に【短編】No.26
 キン肉マンのマンモスマンでした。
 気のせいか「キン肉マン」関連作品少ないよね。
 ――ってことで執筆しました。
 プロレス技の表現、難しいわ…
 超人だから書きやすいのかもですね。
 短編なのでご都合主義な部分が多々ありましたが、

 ちなみに私の好きな超人No.1は、キン肉アタルこと、ソルジャーだ。

 ここまで読んでくれてありがとうです。
 コメントと評価があると、ありがたいです。

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