「よく来たな、比企谷」
「まあ…仕事なんで」
「君に仕事という言葉は似合わないな」
クスッと笑い、コーヒーを一杯飲む彼の別の意味の恩師。
「俺だって働きたくて働いてるんじゃないんですよ、クエストってやつですよ、モンハンかよったく」
「であるならばこれから狩りに行くのはジンオウガレベルかな?」
いやあんたモンハン知ってるのかよ!!!!
何だよ、モンハン一人でやっているなら言っくれれば良いのに、俺もソロプレイヤーなんで。一緒に楽しくプレイできたのに…
早く誰かもらってあげてこの人。
「冗談はともかく、だ。本題に入ろうか比企谷」
本題、とはクエストの内容についてだ。
蘭豹が平塚静に詳しくは聞いてくれと言われたから八幡はまだ何も知らない。
「なにがあったんすか、俺じゃなくても出来る仕事ですよね」
「いや人気も無く、友達もいなかったお前にだからこそ出来る仕事がある」
先生、それをハッキリ言うのは酷ってやつですよ。間違ってないんだけどね。
「はぁ…それで?内容は?」
「イ・ウーを知っているか?」
「はい?なんですかそれ?」
八幡が聞き直すが静はあまり進んで答えようとはしない。
「まあ知る余地もないよな。私の手に入れた情報だと武偵殺し等、何かを企んでる巨大な勢力らしい。詳しい事はまだなにもわかってないからな」
「いやというか先生が何で知ってるかの方が俺としては気になるんですけどねえ…」
細かい疑問は華麗にスルーされ、概要について説明され、八幡はそれを耳にした時驚いていた。
「つまり…総武高校にその勢力の幹部がいるかもしれない…と?」
「そうだ。だから君を呼んだんだよ比企谷。誰にも認識されず、誰も知り合いがいない君だからこそここに潜入し、詮索ができるだろ?」
笑顔で肩を叩き、優しい眼差しで見てくる静。
いや先生、言ってる事とやってる事の差が激しすぎるんですがそれは…
お、俺だって友達くらいいるし!!
トモちゃんとか!!
「……。つまり拒否権は?」
「ないな。あるわけないであろうが。というわけで比企谷、呉々も慎重に頼むぞ」
さっきの和んだ雰囲気とは一転、殺伐とした雰囲気が彼らを包む。
俺にやれるのか…いややれるはずがないんだよな。人と関わるの面倒臭いし。
クエストだから仕方なくやるけど、多分無理、働きたくない、助けて小町。
「でも先生、探すって言ったってどうやって?」
「君はここの奉仕部として加入してもらい、詮索をしてくれたまえ」
は?奉仕部…?なんだそれ、人の奉仕なんて俺が出来るわけないだろ。自分をご奉仕するだけで精一杯だ、全く。
「いやでも高校が違いますし、他校の部活に参加するというのはですね…責任問題というかそれ以前に無理なんじゃ」
「いやできる。奉仕部と言っても正式な部活でもなければ他校と競い合ってるわけでもないからな。校長には話を通してある、何そうでなくとも私は黙認しよう。ほれっ」
そういい静が渡した物は総武高校の制服だった。
「久しぶりだろう?これを着て毎日とは言わんが、平日だけでいいから来てくれ。放課後でいいぞ」
彼女は彼を信頼している。だからこそこの依頼を彼に頼んだのだ。
躊躇している彼を見て静は微笑んでその姿を見ていた。
「若いと言うものは色々な葛藤があって見てるだけで微笑ましいな」
「…。わかりましたよ。その仲間を見つけて平塚先生に報告、随時蘭豹先生にも報告すればいいんですね、そしてそいつと司法取引を行い、武偵校に入学させる」
「流石私の教え子だ、よくわかっている。じゃあ頼んだぞ」
えぇ…面倒くさいよぉぉぉ
なんでこんなクエスト受けたの俺…
そんな事を思い総武高校を後にした。
「ヒッキー…???」
か細い声で彼の名前を呼ぶ女子生徒がいた。
勿論、彼にはその声が全く聞こえていなかった。
その帰り道、彼は顔覚えのある男性と遭遇した。
「比企谷、おい」
八幡は話しかけられてから反応するか迷ったが普通に対応した。
「なんだよ、遠山か」
「いや絶対気づいてただろ」
遠山金次は何やら制服や髪の毛がボサボサのボロボロであった。
?なんかこいつ顔が窶れてる?いやまあ知らんが。
「お前なんか…声が疲れてるぞ」
「いやまあ今日中学生くらいのチビな女の子と色々あって追いかけられてな…」
金次はとても落胆した感じで話す。
話の内容を聞くとSランク武偵の女の子から後を付けられクエストにまでついてこられたとかなんとかで大変だったらしい。
まあ俺には縁のない主人公体質ですね、わかります。
「まあ俺には関係ないからなんとも言えんが頑張れ」
「そういうお前はどうなんだ?今クエストの帰りなんだろ?」
一瞬クエストの事を話そうが躊躇ったが彼になら話しても別に広まらないと思い軽く説明した。
「その組織の幹部がお前の元いた学校に潜入してるっていうのか??」
「まあざっくり言うとそうだな、じゃ俺はこれで。帰って1人でモンハンやらなきゃだからな」
「お、おう。まあなんかあったら連絡くらいしろよ、同じ探偵科なんだから」
彼はその言葉を聞くと何も言わずに背後を向いたまま手を挙げていた。
…人を信用するという事は騙されたがっているという事だ、ってどっかの小説読んだな。
彼はこの時まだ知らなかった。
このクエストがどれだけ苦労がかかるか、人との関わりが嫌いな彼が人という生き物と関係を持たなければいけない辛さを。
帰り道彼はマックスコーヒーを買って夕日を見ながら帰って行った。
すいません!とても久しぶりの更新となってしまいました!
八幡と金次の絡みをこれからもっと増やしていこうと思いますw
両作品のヒロインを入れるって結構難しいですね。
でも読みやすいよう配慮して書いていきますのでよろしくお願いします。
また誤字脱字、助言など頂けたら嬉しいです!
ではでは〜!