転校して来て数日がたった。いまだに友達はできていないが、特に気にしない。
ここ最近は、暗殺はせずに人間観察を行っている。
人間観察は、今後の暗殺で一人一人の行動や個性が重要になってくるので、それぞれの行動を細かくメモしている。
メモを取るのは、友達を作ろうとして周りの人の好きなものなどをまとめたものが最後だ。そして、それを周りの人に見られたのが黒歴史だ。なので、絶対に見られないようにする。
HR前に杉野が野球で殺せんせーを狙うが失敗し、今ではすっかり元気が無くなっている。得意の野球でこてんぱんにされたのがよほど悔しいのだろう。
しかし、あんなに落ちこむ事はないだろう。初めて殺せんせーに俺が触手を打てたのも、タイミングがよかっただけで、それ以外でダメージを与えられた生徒はいないのだから。
翌日、杉野は新しい変化球を練習しだし、前にもまして殺る気が出ているようだ。昨日の放課後に何があったかは知らないが、たぶん殺せんせーがアドバイスか何かをしたのだろう。
殺せんせーは、地球を滅ぼそうとしているくせに、生徒達と真剣に向き合っているから、生徒達からの信頼は強くなりつつある。
俺も殺せんせーは信頼しているが、これ以上は、踏み込まないようにしている。俺達がしている暗殺は、いつか殺せんせーを殺して、殺せんせーとの関係を自分達で切ることだ。信頼は、これをするさいに邪魔になってしまう。他の生徒はその事にわかっていないのだろう。なので俺だけは、これ以上は踏み込む訳にはいかない。
今日は、上位カーストグループがナイフで暗殺をしようとしている。しかし、あの笑顔ではわざとらしいだろう。
ナイフを振りかぶる間に全員のナイフがチューリップに替わった。だがあのチューリップはクラスで育てだものらしく、殺せんせーは片岡さんと岡野さんに怒られながら球根を植えている。
そして殺せんせーは、花壇を荒らしたお詫びでハンディキャップ暗殺大会を開催しだした。これは、俺らを完全にナメていると考えて良いだろう。俺も参加したいが、メモを書かなければいけないので、様子をうかがっている。
殺せんせーは、木にぶら下がってヌルヌル動いているが、木は殺せんせーの重さに耐えきれず折れて、生徒達に追い詰められた。殺せんせーはテンパるのが早く、縄と触手が絡まっている。縄から抜けたと思ったら生徒を小バカにし、明日の宿題を二倍にした。器が小さいようだ。そんなことを遠くから見ていると、茅野さんが違和感のある笑顔を作った。
そんなことメモに下記ながら下校をすることにする。