短いですがどうぞ(*・∀・)つ
17攻略会議
ゲーム開始一ヶ月で約二千人が死んだ。
未だに第一層の迷宮の最上階への階段すらも見つかっていないのだ。
このデスゲームは攻略不可能なのではないかと絶望視する人も少なくはないだろう。
それでも、先の見えないこの世界を全力で攻略しながら生き続ける。それしか今はまだ方法を思い付かないから。
最前線の迷宮にはかなりの腕前のフェンサーがいる。直接話したことはないがすれ違うことは良くある。俺が迷宮から《トールバーナ》の町に戻るときや町から迷宮を上がるときにすれ違うのだ。基本的にはフェンサーが狩りをしているときに遭遇する。座り込んでいる時には周りに話しかけるなオーラをだしているので話しかけることも出来ない。迷宮区にいる人とはほとんど話すことが出きるのだが、未だに遭遇しない弟とそのフェンサーとは話せていない。会釈すると軽く会釈が返ってくるくらいだろうか。
そんなフェンサーが珍しく町のなかにいる。うちの弟と付き添って。
……何故?和人が生きていたのは純粋に嬉しい。しかし、驚きは隠せない。
俺が話しかけても無視か、睨み付けてきたあのフェンサーと、この間まで引きこもりに近いゲーマーだった和人。コミュニケーション不足だったのか、キリトの会話スキルが実は高かったのか。キリトになれば人との話が上達するなら何も言うつもりはない。
そんな考えをしている間に、状況が動いた。パン、パンと手を叩く音とともに、よく通る叫び声が広場に流れたのだ。
「はーい!それじゃ、五分遅れだけどそろそろ始めさせてもらいます!みんな、もうちょっと前に……そこ、あと三歩こっちに来ようか!」
青い髪のイケメンの片手剣使い。鎧を着けたまま助走もなしに噴水の縁に飛び乗る。結構な筋力と敏捷力があるだろう。詳しいレベルはわからないが、名前なら知っている。《ディアベル》。パーティーに誘われたことがあり、フレンドに登録はしている人物だ。今回の会議を開くことを教えてくれた人物でもある。
ふと気になり、周りを見回す。俺に色々と教えてくれた彼女はここに来ているのだろうか。フレンド枠から消えていないので死んではいないとわかるが、現在の居場所はわからない。一緒にパーティーを組もうという連絡がきたからすぐ近くにいるのかも知れない。
「さて、こうして最前線で活動している、いわばトッププレイヤーのみんなに集まってもらった理由は、もう言わずもがなだと思うけど……」
ディアベルは演説を開始し右手を振り上げ、街並みの彼方にうっすらとそびえる巨塔――第一層迷宮区を指し示しながら続けた。
「……今日、オレたちのパーティが、あの塔の最上階に続く階段を発見した。つまり、明日か、遅くとも明後日には、ついに辿り着くってことだ。第一層の……ボス部屋に!」
どよどよ、とプレイヤーがざわめく。しかし、俺は知っていた。会議を開くことを聞いた時に彼のパーティーメンバーから自慢されたからだ。
「一ヶ月。ここまで、一ヶ月かかったけど……それでも、オレたちは、示さなきゃならない。ボスを倒し、第二層に到達して、このデスゲームそのものもいつかきっとクリア出来るんだってことを、はじまりの街で待っているみんなに伝えなきゃならない。それが、今この場にいるオレたちトッププレイヤーの義務なんだ!そうだろ、みんな!」
再びの喝采もあり、ここで終わればいい会議と言えた。しかし
「ちょお待ってんか、ナイトはん」
そんな声が低く流れ、歓声がピタリと止んだ。そして会議が荒れる。
最後のセリフ、いったいどこの誰さんなんや。(笑)
次は……そこまで荒れるかなー?
そして本当に不定期更新なのかな~と最近思い始めてきました。
しかし残念ながらこれからしばらくは投稿できないです。兄アートはこれから本格的に不定期になります。
楽しみにしている方々には本当に申し訳ないです。