もう一人の超能力者   作:Minormina

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 アレにせよなんにせよ・・・わたしはどうやらサブキャラに気がひられるみたいなんです(知らんがな笑)。そういうわけで今回はレールガン・佐天さんが主人公のSSを書いてみました。・・・需要があるかはわかりませんが。

一応、R-15タグをつけていますが、どうするかはまだ未定です。


第1話 一般市民というのは平和なものだ

 超能力者(レベル5)。学園都市230万人の頂点に君臨する7人。あるものはベクトルを自由に操り、あるものは本来なら存在しえないものを生み出したりする……。その個々の戦闘力の高さにより、超能力者一人が1個大隊、いやそれ以上の軍隊と渡り合えるという。俗に一方通行(アクセラレータ)と呼ばれる第1位は、

 

「核を撃っても大丈夫」

 

などと喧伝されるほど。よく低能力者や無能力者達は彼らを夢見るが、それは大きな誤りである。学園都市における最大の幸せというのは、

 

「ノーリスクで20-30年進んだ技術を享受できること」

 

なのだ。この学園都市を統治する統括理事会の連中のアタマの中なんざ腐ってやがる。……さしずめこの学園都市を「実験都市」と勘違いしてるようなやつらが高度な自治性ーというよりも堅牢な監獄、といったほうが正しいかーを利用して好き勝手に実験を繰り返しているに過ぎない。

 

 ……あの「窓のないビル」という名の玉座に君臨する学園都市統括理事長・アレイスター・クロウリーはもともとは「こちら側」の人間じゃなかったらしいが……やつに関して謎が多すぎてさっぱりわからない。実体性が伴った人間なのかもわからないほどだ。……ただ奴が存在しているというには確かである。

 

 ……どうやら少し言葉が過ぎたようだ。かくいう私もその学園都市統括理事会の他ならぬ「犬」なのだから。ただ、他の理事のブレーンらと違うのは、この任務の特殊性だろうか。それは素養格付(パラメータリスト)の管理。こいつが明るみになれば、おそらく数日でこの監獄は瓦解するに違いない。それほどこいつは厄介なシロモノだ。だから、今こいつを書いてる私は地下350mの特殊な施設にいる。バンカーバスターや、水爆にも耐えられる設計で、おそらく「窓のないビル」の次ぐらいに頑丈だろう。……むしろこっちが監獄といったほうがいいのかもしれんな。「書庫(バンク)」からの通常アクセスもできない、原始的な紙媒体によって保存されているこいつらは本当に面白いものだ。ここに230万人分のデータがあるのだから。孤児であろうが、金持ちであろうが、素養のある人間には惜しみなく金をつぎ込む。それがこの街のやり方だ。……さて、そろそろ眠気が襲ってきたようだ。あとは無人の傭兵に任せて少し寝るとするか。

 

__________

 

風紀委員第177支部

 

「もう、『書庫』のバグの駆除とバックアップ、そしてアクセスの迅速化……もういろいろいっぺんに持ち込みすぎですよー」

 

うがーっとパソコンの画面の前で初春が唸り声を上げる。一方で、白井さんはその隣で優雅に紅茶を淹れている。

 

「……まぁまぁ、初春。そう熱くならないのですの。これでも飲んで落ち着きなさいまし」

 

「あ、ありがとうございます」

 

 白井さんから受け取った紅茶を飲んで「ほわぁ〜」なんて気の抜けた声を出す初春。ってよく考えたら今日は御坂さんもこないし、結構ヒマなのよね……。あたしはカバンからタブレットを取り出してときどき初春と一緒に見てる都市伝説のサイトを開く。

 

(……学園都市の生徒に対して事前かつ内密に行われている、各々の能力者としての素質調査結果をまとめたリスト、素養格付が存在する?)

 

 身体検査などのデータからその被検者のデータを分析し、その者が将来どこまでのレベルに達するか、が随時リアルタイムで把握できる、だって?

 

(まぁ……こんなのあれば苦労なんてしないけどね…)

 

 乾いた笑いが出てくる。……でもその下を読んでいると、これがあながち都市伝説の域で収まっていない、という感じがした。

 

(第3位(超電磁砲)は素養格付によって見出され、筋ジストロフィーの改善方法のの研究と称して採取した、DNAマップでより超能力者の素質があることを発見?)

 

 つまり、御坂さんって素養格付で超能力者の素質がもとからあった、ってこと?……よく聞く御坂さんの低能力者からのサクセスストーリーってのは、たまたまってことだった、ってことか……。

 

 どこか身体から力が抜けてタブレットが机の上にがたりと音を立てる。そんなあたしの様子に気付いたのか、白井さんと初春がこっちを向いて、

 

「どうかしましたか?」

 

「何かありましたの?」

 

と言ってくれるけど、そのときのあたしはどこか虚ろに返事をすることしかできなかった。

 

 

__________

 

 

「……今日の佐天さん、いつもよりもおかしかったですよ?」

 

 寮に帰って後は寝るだけ、というときにふと初春がそんなことを言う。

 

「……いつもより、ってどういうことかな〜初春くん」

 

 あたしは平静を装って、ニュースをチェックしてるらしい初春の背中にガバッと抱きつく。

 

「……ちょっ!?佐天さん!?……重いですよ〜」

 

 身をよじりながら振り解こうとする初春。ちょっとムッとしたので、

 

「……あたしってそんな重いかなぁ?」

 

 そういってあたしは初春をそのまま後ろに引っ張ってばさっと2人揃って倒れこむ。少し窮屈だけども心地いい重さが伝わってくる。

 

「もぅ……佐天さんはしょうがないですね……」

 

 そういって苦笑いを浮かべる初春の姿に、あたしはどこか救われつつも、やっぱ気になってるし…。

 

「ねぇ、初春ってさ、やっぱ誰にも言えない秘密ってある……?」

 

「……わたしですか?……そうですね…やっぱりありますよ」

 

 少し考えたあとにそう初春が告げる。……超能力者として、やっぱ御坂さんもどこか苦悩を抱えながら日々を送ってるのかな……。

 

「……それがどうかしたんですか、佐天さん?」

 

 後ろからあたしに抱きつかれたままの初春が少し首をかしげてたずねる。

 

「いや・・・なんでもないよ、初春」

 

 なんだか狐に包まれたような顔をする初春。まぁ無理はないだろうけど・・・。誰しも心のどこかに必ず「闇」を抱えてるんだし。おそらく御坂さんだってそう。超能力者だからこそ、誰にもいえないような暗い側面を持っているのかも知れない。

 

 それから軽く20分ぐらい初春を抱きしめてたと思う。・・・気づいたら初春はすぅすぅ寝息を立ててあたしの腕の中で寝ていた。

 

(・・・ホントこの街って知らないほうがいいことだらけなのかも)

 

 寝息を立てている初春をベッドに運びながらそんなことを思うあたしだった。

 

 




 前半の長ったらしい一人語りは今作の伏線となるとある人物のものです。・・・ていうかまだコイツの名前考えてなかったんだった。・・・またそいつはおいおい。

 ちなみに原作の禁書は新約の途中でドロップアウトしちゃいました笑。キャラが増えてくわ話はややこしくなるわ・・・。まぁ時間ができたら再挑戦する予定ですが。現在平行してもう一作別の作品を書いてますが、そいつとの兼ね合いで更新は少し遅れるかもしれません。

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