Fallout3 Another person of him 作:L1mp
娘と息子が喋りながら歩いてくる。
とくに、フランシスの学習能力は凄い、カレンは一歳と半年で歩けたが、フランシスは一歳で歩けるとは、運動神経が良いのと、思考する能力が高いのだろう。
「凄いな、フランシス。歩きは大人顔負けだな!」
カレンは柵の中のカーペットでぐっすりと眠っている。
「ダ〜ディ〜」
まだ発音が難しいのだろう。カレンの名前ならハッキリと言ってくれるのだが、これは父としては悲しい。
「フランシス。父さんはオフィスに行ってくるから姉さんと留守番頼んだよ」
柵のゲートを閉じて、オフィスに向かうために部屋の扉を開けた。柵のゲートが開く様な音がした気がするが、まさか……。
書類の簡単な整理が終わって部屋に戻るとやはり、ゲートが開いて、フランシスは本を読んでいた。
カレンは変わらず眠っている。
「まったく、子供は冒険好きだ。カレンと同じ様に抜け出すなんて」
〈S.P.E.C.I.A.L〉という絵本を読み終えたのか、玩具で遊ぼうとする。この本、半年前にカレンも読んでたな……。
「フランシス。おいで、私が好きな節を読もう」
「ヨハネの黙示録21章第6節。『私はアルファでありオメガである。最初であり最後である。私は、渇く者には、いのちの水の泉から、価なしに飲ませる』」
「さぁ!姉さんを起こして、アマタの所に遊びに行こう」
フランシスを抱っこして、カレンを起こす。多少グズったカレンだが、アマタと聞くと自分で歩いて行った。
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部屋の灯りがパッと点いた。
「「「ハッピーバースデー!」」」
クラッカーがなり、色鮮やかなテープが僕目掛けて飛んできた。
「おめでとう、フランシス!」
ここまで手を引っ張って来た姉さんのカレンが祝福の言葉をくれた。
「ありがとう姉さん」
礼を言うと、姉さんは父さんと同じ所に行ってしまった。
「十歳おめでとう!フランシス!」
手を後ろにやって、祝いの言葉をくれたのは、友達のアマタ。
「プレゼントが何か分かる?」
後ろ手の持っているのは、箱か本のどちらかだろう。
「多分……『子供でも分かるアンカレッジの戦い』かな?」
「まったく、そんなのじゃないわよ」
出してきたのは箱で、綺麗にラッピングされている。
「何かな?開けても大丈夫?」
「いいわよ!」
箱を受け取って開けてみると、金髪少年がサムズアップしてるボブルヘッドだった。
「本に書いたあった設計図で作ったのよ。誕生日の記念に、っていうことで」
「中々、良い出来だね。ありがとう」
「どういたしまして、あら、パパが、貴方に話があるみたい」
それまでソファに座っていた、少し白髪が目立つアマタの父親、監督官が誕生日を祝福してくれた。
「十歳の誕生日おめでとう。君のお姉さんと同じ歳になったね。つまり、このVaultの中での仕事があるっていうことさ。そこで、便利な道具を与えよう」
「さぁ、pip-boy 3000だ。それとグローブ。着けてみて。大丈夫、少し痛いだけさ」
監督官から渡されたpip-boyを左腕に着ける。チクリとした痛みが走る。
「痛っ!」
「さぁ、もう大丈夫。しっかりと使い方を覚えるんだぞ?明日、最初の仕事をしてもうからね?」
そう言い、また、ソファに戻っていった。
「皆様、ケーキカットで御座います。カレン様の時みたく失敗しない様に注意してカットしていきます」
ロボットのアンディのアームに付いている回転ノコギリが回転して、ケーキを切っていく。
「どうです!上手く切れましたよ!」
一人でに喜んでいるアンディからケーキを二人分受け取り、姉さんと一緒に食べる。
「美味しそうだね?このケーキ」
白いホイップの下に小麦色のスポンジのケーキにフォークを入れる。
「そうだね、パルマーおばぁちゃんが作ったケーキよ」
作ったのはVault101の中で一番の料理上手のパルマーおばぁちゃんらしい。
「パルマーおばぁちゃんが作ったケーキなら必ず美味しいよ」
姉さんと一緒に、フォークでケーキを小さく切って口に運ぶ。
今回のバースデーパーティーの子供は、僕、姉さん、アマタの三人だけ。
前回のバースデーパーティーは姉さんが主役だったのだけど、ブッチが、姉さんが貰ったパルマーおばぁちゃんのカップケーキを横取りし、姉さんを泣かせ、僕がキレて、ブッチを殴り泣かせたからだ。
鼻血を出して、泣いているブッチを見下してる僕は、アマタから見て、相当、怖かったらしい。
その後、オフィサー・ゴメスに止められ、パーティーは解散となった。
「その、姉さん。ゴメン、姉さんのバースデーパーティー台無しにしちゃって……」
俯きながら、謝る。
「大丈夫だよ。前にも謝ってくれたじゃん。それに、ブッチを泣かせてくれて私もスッキリしたから問題ないよ」
「それなら……良いんだけど……」
空気が重く感じる。
「暗くならない。せっかくの誕生パーティーなんだから楽しまなくちゃ。ほら、インターコムにジョナスが出てるよ!」
壁に付いているインターコムが電子音を鳴らす。そして、応答したのは父さんだった。
「分かった。それじゃ、カレンが連れてくよ」
ケーキを丁度良く食べ終わると、姉さんが手を取ってくれた。
「さぁ、ジョナスの所に行こう!」
パーティー会場の部屋を飛び出して、原子炉階層へと姉さんが引っ張って来る。
「姉さん?ここは来ちゃいけない場所じゃないの?」
「いいから、いいから」
すると、白衣を着たジョナスが原子炉階層に居た。
「ジョナス?なんで原子炉階層に?管轄が違うよね?」
「細かい事は気にしない。もう直ぐ、君達の父さんが来るから待ってて」
父さんが原子炉階層へと降りる階段を降りてきた。アマタと同様、後ろ手にして。
「驚く準備は出来てるかな?」
「そうだった。父さんからプレゼントを貰ってないや」
「そうだよな?さぁ!プレゼントだ。BBガンだよ」
出したのは、レバーアクション式のBBガン。
「本物?弱くないやつ!?」
「あぁ、そうさ!もうこれを持ってもいい頃だと思ってさ!」
「ありがとう!父さん!」
早速、BBガンを構える。
BBガンの弾を装填して、背中に携える。
「で、どこで撃てばいいの?ここ?」
「ここは、危険だ。ジョナス、開けてくれ」
「はい、ドクター」
ジョナスが原子炉階層の一角の扉を開ける。
そこは照明が薄暗く点いてる、射撃場だった。
ジョナスがお辞儀をしながらの手招きをする。
「わぁ、スゴい!ここで撃っていいんだね!」
「もちろんさ!」
ロッカーで作られたレンジに向かう。
「そういえば、姉さんは何貰ったけ?」
「私は、簡単お料理セット。朝食は私が作ってるの忘れたの?」
「そうだった!」
レンジの前に立って、BBガンを構える。
灰皿で出来た的に狙いを定めて、撃つ。
「いいぞ!」
ジョナスが歓声を上げる。
姉さんが小さな悲鳴を上げた。
「キャッ!ラッドローチ!」
瞬間、pip-boyの機能、V.A.T.Sを起動する。
狙うは頭。集中を高めて、V.A.T.Sのアシストに従う。
引き金を引くと、弾が発射され、ラッドローチの頭を潰した。
「いいぞ!お陰でラッドローチが一匹いなくなったな」
背中にBBガンを携える。
「それじゃ、家族写真を撮ろう!」
ジョナスがカメラを構える。
僕をセンターに、左に父さん、右に姉さんが立ち、カメラのフラッシュが焚かれた。