Fallout3 Another person of him   作:L1mp

4 / 6
毎日更新を続ければ終わるはずです……


G.O.A.T.テスト

「健康的な16歳の男子だな。この意味が分かるな?G.O.A.Tテストを受けなきゃいけないんだ」

 

父はVault101の中で二人しか居ない医者だ。

 

つまり、その結果に差異は無い。本当の事なのだ。

 

「G.O.A.Tテスト。受ける意味ある?」

 

「大丈夫、ちょっとした筆記試験さ。いってらっしゃい」

 

「息子よ、ちょっとテストが終わった後に話があるんだ。テストが終わったらオフィスに戻ってきてくれないか?」

 

「どんな話?」

 

「大事な話なんだ。ショックな話かもしれない」

 

「んー、わかった。戻ってくるよ」

 

「良し。いってらっしゃい」

 

父のオフィスを抜けて、診察室を通る。ジョナスが丁度来た様だ。

 

「おはよう!フランシス!お父さんに会いに来てたのかな?」

 

「悪名高いG.O.A.Tテストの身体検査の為にね」

 

声のトーンが下がりながら言った。

 

「はっはっは!そうだよな!だけど、受けなきゃいけないテストだ。がんばれよ!」

 

診察室を抜けて、テスト会場の部屋に向かう。

 

テスト会場の前で、ブッチ、ポール、フレディの三人組がたむろっている。

 

「また、面倒な所に。さっさと会場に入っておけよ……」

 

そこに、姉さんとアマタの二人組が通りかかった。姉さん達もテストを受けるのだ。

 

「よぉ〜、お二人さん」

 

ブッチが姉さん達に声掛けた。

それに伴い、ポール、フレディも。

 

「ちょっと付き合ってくれないかな〜?」

 

ブッチが姉さんの腕を強引に引っ張った。

 

「ブッチ!やめて!」

 

アマタの高い声。

姉さんはVault101の中の男子の中で一番の人気だ。

 

典型的な不良で横暴なブッチはそれはそれは物にしたいだろう。だが、俺というのを忘れているな?

 

短い廊下だが、助走をつけるのには充分。

右手で握り拳を作り、走って、勢いをつける。

 

「その手を離せ!」

 

声と共に出された拳は、ブッチの頬をクリティカルにヒットする。

 

「ギャァ!」

 

顔に大きな衝撃と痛みを味わったブッチは、手を離し、吹っ飛ぶ。

 

「こいつ!」

 

フレディが俺に目掛けて、パンチを繰り出す。

 

それをガードして、足払いをして転ばす。

フレディはポールの革ジャンを引っ張り、ポールはフレディと共に転んだ。

 

「姉さん達、早く離れて!」

 

ブッチは殴られた衝撃で気絶してるが、フレディとポールは転ばせただけ。

 

姉さんとアマタは急いでテスト会場に入った。

 

「この野郎!」

 

立ち上がったポールの頭目掛けての蹴りが飛んでくる。

 

それを両方の手で防いで、無防備の股間に強烈なキックをお見舞いさせる。

 

「ピャッ!」

 

余りの痛さにそんな声しか出ないのだろう。顔を蒼白にして倒れた。

 

「殺す!」

 

フレディが取り出したのは、飛び出し式のスイッチブレード。

 

フレディお気に入りの武器だ。

実際は使う機会が無く、持っているだけだが、激昂して、取り出したのだろう。

 

ブレードが柄から飛び出し、横に斬り払う様に降ってきた。

 

後ろに半歩、ステップで躱して、スイッチブレードを持っている右手の手首をなんとか掴む。

 

そして、肘の部分を思いっきり蹴り上げる。バギッと骨が折れる音がして、フレディの腕が変な方向に曲がった。

 

「ギャァぁ!腕が!腕が!」

 

たまらず、フレディはスイッチブレードを落として、左手で右肘を抑えた。

 

落としたスイッチブレードを拾って、ポケットに入れる。

 

「さっさと医者に診てもらったら?そこの二人を連れてさ?」

 

痛みで涙を溢しているフレディに言った。

 

「ちくしょう!覚えてろ!」

 

フレディは、急いで、右肘を支えながら医務室へと走って行った。

 

「さて、会場に行こう」

 

ブッチ、ポールにフレディが医務室に言ったことを書いたメモを残して、テスト会場へと入った。

 

そこには、心配そうな姉さん達と呆れた顔をしたMr.ブロッチが頭を抱えながら立っていた。

 

「おはようごさいます。Mr.ブロッチ」

 

「おはよう、フランシス君。君はまたやってくれたね……」

 

更に、頭を抱えながら、俺の後ろを見た。

 

「君はやり過ぎなんじゃないかな?」

 

「いえ?別に。姉さんがブッチに強引に引っ張られたので手を出しただけです。後は、正当防衛です」

 

「あの様子は、過剰防衛と言うんだよ?フレディ君は兎も角、ポール君のは酷いね。見てたコッチが痛くなった」

 

「取り敢えず、この後、監督官の所に行きなさい。必ず」

 

「分かりました。Mr.ブロッチ」

 

Mr.ブロッチが会話を止め、機材の準備に入った。

 

そして、俺の元に姉さん達が来た。

心配なのは怪我してないか。

 

「大丈夫?姉さん達?怪我は?」

 

するとアマタが涙目で話した。

 

「それはコッチの台詞よ!本当に怪我してない!?」

 

アマタが身体を隅々まで見る。

 

「大丈夫だって!無傷!ほら!」

 

腕を広げ、一回転する。

痛っ!脇の下から血が出ていた。避けた時に掠ったのか。

 

「怪我してるじゃない!手当しなきゃ!」

 

姉さんがpip-boyのストレージから消毒液とガーゼにスティムパックを取り出す。

 

「ほら、傷を見せて」

 

ジャンプスーツを上だけ脱ぐと、下着ごと斬られていた。

 

「掠っただけだから浅い。スティムパックを打てば直ぐ治る」

 

姉さんが慣れた手つきでガーゼに消毒液を含ませ、傷口を拭いていく。

 

「痛たっ!優しくできない?」

 

「直ぐ終わるから、我慢して」

 

次にスティムパックの針のカバーを外して、傷口の近くに打つ。

 

すると、スティムパックの成分の効能でジワジワと傷口が塞がれていった。

「これで大丈夫。ジャンプスーツ切れちゃったから新しいのにしなきゃね」

 

またストレージから取り出したのは、薄いジャケット。

 

「取り敢えず、これを羽織っておいて。家に帰ったら新しいの受け取るから、それまでの繋ぎ」

 

「うん、わかった。ありがとう。」

 

姉さんからジャケットを受け取り、それを切れたジャンプスーツの上に羽織る。

 

「ピッタシだ。流石姉さん」

 

姉さんとアマタは、席に座る。

そろそろテストが始まる。俺も席に座らなくては。

 

右列の一番前に座った。

スチールの輝きを放つプロジェクターからスクリーンへと映像の光を放つ。スクリーンには金髪少年が羊に跨る画像が映し出されている。

 

そして、Mr.ブロッチがテストを受ける全員に回答用紙を配り、スクリーンの右側に問題を持って立つ。

 

「さて!それじゃ回答用紙は全員に回ったかな?欠席もいるようだが時間は待ってくれない。はじめよう」

 

「それじゃ問題1……」

 

Mr.ブロッチが問題を読み上げ、その回答を用紙に書いて行く。科学知識を問う問題、倫理的な問い、果ては、洗脳じみた問題などを書いていき、遂に、悪名高きG.O.T.O.テストは終わりを迎えた。

 

回答用紙をMr.ブロッチに提出すると、Mr.ブロッチが書類に書き込んでいき、その書類が渡される。

 

「何々……、精神科医育成コース?まぁいいんじゃないかな?」

 

書類を折りたたみ、姉さんの結果を見に行って見る。

 

「姉さん。テストの結果はどうだった?」

 

目には涙が浮かぶ。まさか、メンテナンス科か?

 

「フラン……これみて……」

 

出された書類には、外科医育成コース。父と同じ結果の様だった。姉さんは父を医者として尊敬している。

 

「良かったね、姉さん!」

 

余りの嬉しさに、泣き出してしまった。

宥める為に頭を撫でる。

 

「子供じゃないんだから、ワンワン泣かない。笑顔で喜ぶでしょ?!今日はパーティーだね!」

 

「ありがとう……フラン……」

 

声を震わせながら姉さんは言った。




誤字指摘ありがとうございます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。