東方怪物録 〜4匹のモンスターが討伐されて転生した先は幻想郷〜【完結】   作:ブラキDIOス(超絶スランプ)

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#54〜ゴールドルナ・クイーン〜

前回のあらすじ・・・ダラ「かゆうま」シャガ「それ違うウイルスです」

 

 

時はほんの少し遡る。

 

レギオスが敗北し、永遠亭に運びこまれる頃。

 

 

 

〜湖のほとり〜

 

 

バサッ…バサッ…スタッ

 

レウス「…どうやらこの場所のようだな……」

 

ここに来たのは、天空の王者である。そして、呟きながら地面に降り立つ。

 

その時!!

 

ゴォッ!!!

 

レウス「!?」

 

何処からか、火球が彼に向かって一直線に飛んできた!

 

レウス「くっ…」サッ

 

間一髪で避ける。当たれば良くて重傷、悪くて即死だっただろう。

 

???「あたしの火球を避けるなんて………只者ではないわね…」ザッザッザッ…

 

レウス「誰だ!?」

 

???「あなたと同じ存在よ」ザッ…

 

出てきたのは、金髪の美しい女性であった。引き締まったグンバツの脚…じゃなかった、高貴な雰囲気が漂っている。そして、背中には金色の翼が生えている。

 

レウス「……『雌火竜』………ではないな……何者だ」

 

火竜リオレウスの対となる雌火竜リオレイア。彼女からは、確かにリオレイアの覇気を感じるのだが……

 

???「あたしは『金火竜』。人間はそう呼んでたわ」

 

レウス「『金火竜』………希少種か……」

 

 

彼女の正体は『金火竜 リオレイア希少種』。

『黄金の月輪』とも称される美しい金色の甲殻を持つ。何故、金色となっているのかは良く分かっていない。

 

 

ルナ「この世界に来たと思ったら変な動物に襲われるし、人間の姿になってるし…………あ〜……イライラするわ…」

 

レウス「…それは大変だったな」

 

ルナ「それで今度は火竜ですって?冗談じゃ無いわ。また殺されるのはゴメンよ」

 

レウス「そうか」

 

ルナ「でも、あなたはあたしを退治しに来たんでしょう?」

 

レウス「……お見通しというわけか」

 

中々鋭い奴である。伊達に希少種と呼ばれているわけでは無いようだ。

 

ルナ「あたしに勝てるかしら?」サッ

 

レウス(相手が女性とは………やりにくいな……)サッ

 

以前、咲夜と戦った時はルールに従って最低限の攻撃しかしなかった。

だが、今回の相手は竜である。さらに言えば、『陸の女王』の異名を持つリオレイアの希少種が相手である。ルールなど無用。相手は一切の手加減も無しに襲いかかってくるだろう。

 

レウス(やれやれ…………幻想郷の為とは言え…気は進まないな…)

 

女性と本気で殺し合うなど考えた事が無かった。ましてや、相手は同種の雌である。戦う事などあり得なかった。だが、それよりも大きな問題があった。

 

レウス(通常種である私が希少種に勝てるだろうか…)

 

本来は、希少種は一部の認められたハンターしか狩猟する事が出来ない。だが、その制度こそが通常種と希少種の実力の差を物語っている。相手は女性だが希少種である。他の生物を圧倒するほどの実力を持っている事は確かだろう。

 

ルナ「さぁ……本気で行くわよ…」グッ…

 

こちらに向かって、右足を主軸にしたファイティングポーズを取る。どうやら考える時間を与えてはくれなさそうだ。

 

レウス(…まずは様子見と行くか………彼女の実力が分からない以上は迂闊に動かない方が良さそうだな…)グッ…

 

静かに構えを取る。

 

ルナ「ハァァァァァ……」ググ…

 

レウス「…………」

 

ルナ「ハッ!!」ダッ!!

 

レウス(来るッ!!)グッ…

 

どんな攻撃が来ても良い様に防御の構えを取る。

 

だが、次の瞬間彼は自分の目を疑った。

 

ルナ「せいやぁぁッ!!!」ダンッ!!グルッ!!!

 

ドガァッ!!!

 

レウス「うおっ!?」ザザザ……

 

彼女が繰り出したのは、華麗なサマーソルトキックであった。防御はしっかりとしていたが、それでもかなりの衝撃が彼を襲った。

 

ルナ「女だからって、舐めないでよね」

 

レウス(なんという衝撃だ…!!まともに当たれば……想像したくは無いな…)

 

強靭な脚力を持つ彼女だからこそ出来る技であろう。

 

だが、恐ろしいのはそれだけでは無い。

 

レウス「うぐっ!?」ガクッ

 

突然、体に激痛が走った。

 

ルナ「フフフ………どうやら回り始めたようね」

 

レウス「何をした…!!」

 

ルナ「出血性の毒よ。人間の姿になってから、脚に毒が備えられるようになったの。忠告しておくべきだったかしら?」ニヤ

 

馬鹿にしているような笑み。だが、王者はそれ位の事では怯まない。

 

レウス「相手を良く観察しなかったのは私のミスだ………これはそんな私自身の罰として受け取っておこう……」グググ……

 

ルナ「…!!!」

 

レウス「だが……相手を観察しなかったのは君も同じだな」

 

ルナ「……何ですって…?」

 

レウス「気がつかなかったのか?周りを良く見てみろ!」

 

ルナ「ハッ!こ、これは…!!」

 

彼女の周りには、炎で出来たいつの間にか無数の槍が!!!

 

レウス「進化した私のスペカ……竜符《クリムゾン・ファランクス・セカンド》……これは避けられまい!!食らうがいい!!!」パチンッ!

 

指を鳴らすと、槍は彼女に向かって一斉に襲いかかるッ!!

 

ルナ「キャアアアアアアアアアア……」ドサッ

 

レウス「…………」

 

確かに槍は彼女に当たった。だが、妙な違和感があった。

 

ルナ「……なーんてね♪そいやぁぁぁぁ!!!」ダッ!!グルッ!!

 

なんと彼女は起き上がり、そのまま彼に向かってサマーソルトキックを繰り出した!!

 

レウス「何ッ!?『ドガァァッ!!』ぐあああああああ!?」

 

レウス(馬鹿な…!!何故………)ドサッ…

 

能力でも持っていない限り避ける事など不可能。完璧だと思っていた弾幕。それが破られた。

 

ルナ「ウフフフフフ…」

 

良く見ると、彼女の翼からは炎が出ていた。

 

レウス「うぐ……君も…炎が操れるのか…………」ムク…

 

ルナ「短い時間だけどね。どう?驚いた?」

 

レウス(何て事だ………完全な誤算だった…!!あの炎で自分の身を守ったというわけか……)

 

完璧だと思っていたスペカが破られた事で、彼の王者としてのプライドに亀裂が入った。

 

レウス「ぐ………」(不味い……毒が………)ガクッ…

 

かなり強力な毒である事は間違いない。すぐにでも解毒をしなければ、命に関わるほどだろう。だが、

 

レウス「ぐぐぐ……」(ここで死ぬわけにはいかない…!!私が諦めてどうするのだ…!!)グググ…

 

王者は立ち上がった。

 

レウス「ハァ………ハァ…………」フラフラ…

 

自分でも立っているのが不思議なくらいであった。目は霞み始めており、毒が体を蝕んでいる。

 

それでも彼は立ち上がった。王者の誇りをかけて。

 

レウス「ハァ……ハァ………私は………負けるわけには…………いかない…!!!」

 

ルナ「無駄っていう言葉を知っているかしら?」

 

レウス「何…?」

 

ルナ「あたしにその体で立ち向かう事ッ!!それが無駄だって言っているのよッ!!」

 

レウス「フン………そんな言葉は知らんな……」

 

ルナ「っ……」ギリ…

 

ルナ「良いわ……だったら、美しくッ!!そして残酷に散れッ!!!!」ボッ!!

 

脚に炎を纏い、そして……

 

ルナ「どりゃああああああ!!!!」ダンッ!!!グルッ!!!!

 

今までのサマーソルトキックとは段違いの出の早さ。さらに、纏った炎がそれを後押ししている。

 

 

 

ドゴァァァァッ!!!!

 

 

 

レウス「ぐおあああああああああああああああああ!!!!!」

 

 

蹴られた衝撃で彼の体は宙に浮かんだ。

 

あの蹴りをモロに食らってしまった。その体を炎が、焼きつくそうと言わんばかりに包み込む。

 

レウス「グハ………」

 

レウス(空が青い…………………美しい空だ……………………咲夜………………すまない………………)

 

ヒューー………ドガァ……

 

レウス「……………ガ……………グ…………」

 

ルナ「……呆気なかったわね………所詮は通常種ね…」

 

レウス(………意識が…………遠のいていく…………)

 

薄れゆく意識。彼はもうすぐ死ぬ。彼女はそう確信した。

 

レウス(咲夜……………何故か君の事が頭に浮かんでくる………………これが走馬灯という物か…………)

 

彼が見ていたのは愛する者の笑顔。

 

レウス(君の笑顔は美しかった………………レミリア達の元へ帰ると行ったが…………………不可能になってしまったようだ…………)

 

博麗神社で交わした約束。それを裏切る事になるとは自分でも思っていなかった。

 

レウス(諦めるしかないのか……………この死に方は悔いが残るな…………)

 

諦めて意識を手放そうとしたその時。

 

キラッ…

 

彼の懐で何かが光った。

 

レウス(これは…………スペルカード…か……………)

 

光ったのは、何も描かれていない真っ白なスペルカード。当然、このままでは使う事が出来ない。

 

レウス(幻を見たのか…?いや………今、確実に光った………!!)ググ…

 

最後の力を振り絞り、そのスペルカードに望みを託す。

 

 

 

レウス(頼む…私のスペカよ………私に……力を……!!約束を…果たすための……)

 

 

 

レウス(力をッ!!!)ギュ…

 

 

 

そう強く願った瞬間!!

 

 

ピカッ!!サラサラ……

 

 

光ったと思ったら、絵が記されていく。

 

幸いにも、この現象に彼女は気付いていなかった。

 

 

 

彼は生と死の境から抜け出す事が出来るだろうか。

 

〜次回へ続く〜

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