東方怪物録 〜4匹のモンスターが討伐されて転生した先は幻想郷〜【完結】   作:ブラキDIOス(超絶スランプ)

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#55〜ダークネスロード 覚醒した黒炎王〜

前回のあらすじ・・・レウス「ここで死ぬわけにはいかないのだ」

 

『黒炎に身を捧げる覚悟はあるか?』

 

レウス(!?な…何だ……どこから声が……)

 

スペカが完成し突如、耳に入ってきた声。自らの声に良く似ていた。

 

『黒炎に身を捧げる覚悟はあるか?』

 

レウス(……どういう事だ…)

 

わけが分からなかった。『黒炎』は恐らく、黒い炎の事だろうが、『身を捧げる』とは一体何の事か。

 

レウス(身を捧げれば、私はどうなるのだ……)

 

『黒炎の力を手に入れる』

 

レウス(………黒炎……)

 

黒炎の力……わけが分からない。紅魔館にある魔道書の大体は読み終わったが、そんな魔法は聞いた事が無かったし、パチュリーも知らないだろう。

 

だが、彼は既に覚悟は出来ていた。

 

『もう一度問う。そなたは黒炎に身を捧げる覚悟はあるか?』

 

レウス(当たり前だ。覚悟など、とうの昔に出来ている)

 

博麗神社を飛び立つ前に交わした約束。それを守るため、覚悟して勝負に挑んだ。

 

天空の王者の覚悟は並大抵のものではなかった。

 

レウス(私がここに来たのは、愛する者との約束を果たすため。半端な覚悟で来ていると思っているのか?)

 

『………よろしい』

 

『そなたには、素質があるようだ。では、最後に一つ。そなたは荒ぶる黒炎を扱う事が出来るか?』

 

レウス(たとえ、どんな炎であろうとも扱ってみせる。これが私の覚悟だ!!)

 

『大変よろしい。』

 

『では、そなたに黒炎の力を授けよう……』

 

レウス(一つ聞きたい。お前は何者なのだ?)

 

『名など無い。私は『黒炎王の魂』………素質のある者に力を与える存在……』

 

その偉大で、威厳のある声はだんだんと遠ざかって行った。

 

レウス(待ってくれ!何故私のスペカに現れたのだ!?)

 

『理由など無い………』

 

レウス(………黒炎の力か……)

 

 

『そなたに天の恵みがあらんことを………』

 

 

最後にその言葉が聞こえ、その声は聞こえなくなった。

 

 

レウス(黒炎王………)

 

 

レウス「………うぐ…ゲホ…」グググ…

 

ルナ「!?な………ば、馬鹿な………」

 

死ぬと確信した筈。だが、彼はまたもや立ち上がった。

 

レウス「……まだだ………まだ……勝負は終わっていない……!!!」キッ

 

ルナ「」ビクッ

 

天空の王者の鋭い眼光。その空色の瞳からは、彼の強い意志が見て取れる。

 

ルナ「そんな体で何が出来るって言うのよ………」プルプル…

 

ルナ「何が出来るのよ!!!」

 

レウス「フッ………スペカを唱える事が出来るさ……」スッ…

 

一匹の竜の絵が描かれたカード。それを天に掲げ……

 

ルナ「な……何…?」

 

 

 

レウス「火竜符《黒炎王の魂》!!!」

 

 

 

カッ!!!ボッ!!!!

 

 

 

スペカを唱えると、彼は激しい炎に包まれたッ!!!

 

ルナ「くっ!?」サッ

 

ルナ(何!?何なの!?)

 

 

レウス(ぐあっ……くっ………熱い……これが黒炎の力か…………)

 

まるで心まで焼き尽くされるような感覚を覚えた。

 

レウス(……だが!!この位………)グググ…

 

翼に力を溜め…

 

レウス「どうって事は無いッ!!!」バサッ!!

 

一気に炎を吹き飛ばす!!

 

カッ!!!

 

再び閃光が辺りを包む!!

 

ルナ「きゃっ!?」

 

 

ザッ……

 

 

ルナ「!?」ビクッ

 

彼女は自分の目を疑った。

 

先ほどまで毒で苦しんでいた筈の彼が。倒したと思っていた彼が!!

 

 

レウス「フン……これが黒炎の力か……」バサァッ…

 

 

何事も無かったかのように立っていたからだッ!!!

 

 

紅かった翼は、黒ずんでおり、威厳に満ち溢れていた。

 

ルナ「そ…そんな………」

 

レウス「どうした?動揺しているのか?」

 

ルナ「……いい気に……」グググ…

 

レウス「…………」グッ…

 

ルナ「なってんじゃないわよぉッ!!!」ダンッ!!グルッ!!!

 

サマーソルトキックが繰り出されるが…

 

レウス「その技は見切った」スッ…

 

ルナ「!?」スカッ

 

彼はなんと、ほんの少し動いただけでキックを躱した!!

 

ルナ「な……」

 

レウス「無駄という言葉を知っているか?」

 

ルナ「何ですって…?」

 

レウス「君が私に向かって言った言葉だ。もう忘れたのか?」

 

彼は意外と、根に持つタイプであった。

 

ルナ「………言ってくれるわね…」プルプル…

 

女王としてのプライドが傷付けられた。

 

ルナ「だったら、あたしに勝ってみなさいよ!!」ダッ!!

 

構えを取らずに突っ込んで行く。だが、それが間違いであった。

 

レウス「王符《黒炎の風》」バサッ!!ビュオッ!!!!

 

新たなスペカ。それは、王者の絶対的な力。

 

その翼から発せられた風は、王の邪魔をする者全てを焼き尽くす!!

 

ルナ「きゃあっ!?」ドサッ!

 

ルナ(今…何が起こったの……?)

 

あまりにも呆気なく弾き飛ばされた為、頭が追いつかなかった。

 

ルナ(か、勝てない……)ガクガク

 

圧倒的な力の差。それを思い知らされた。その所為で体が震えてしまっている。

 

ルナ「くっ……」バサッ…

 

レウス「ん?」

 

ルナ「この勝負はお預けよ。またいつか、戦ってあげるわ!」バサッ!!

 

翼を広げて飛び立つ。すぐにでも立ち去りたかった。だが、

 

 

レウス「まだ、勝負は終わっていないと言った筈だが?」バサッ!!ギュンッ!!!

 

 

ルナ「なっ…!?」

 

なんと彼は一瞬で追いついて来た。黒炎王となった事で翼の力がかなり強靭になっているのだろう。

 

レウス「黒炎符《ダークネス・ファランクス》!!!」ボッ!!!

 

ズラァァッ!!!

 

着火するような音と共に、彼女の周りに無数の炎の槍が現れた!!

 

先ほどの炎の槍とは、桁違いの火力、そして出の早さ。全てが進化していた。

 

ルナ「ひっ……」

 

 

 

レウス「終わりだ」パチンッ…

 

 

次の瞬間!!無数の槍が彼女に襲いかかる!!!

 

ザシュッ!!!

 

ルナ「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」ヒューーー……

 

彼女の翼に槍が刺さり、力無く落下していく。だが、

 

レウス「フン…」バサッ…

 

 

ガシィッ!!

 

 

バサッ…バサッ…

 

ルナ「な…何で……」

 

レウス「女性はなるべく傷付けたくないからな」

 

ルナ「!!!」ドキッ

 

レウス「降ろすぞ…」バサッ…バサッ……スタッ

 

彼は戦闘以外では、紳士そのものであった。

 

レウス「ほら。立てるか?」

 

ルナ「……ええ…」スタッ…

 

シュウウウウウウ……

 

炎が消えるような音が彼の体から発せられた。

 

レウス「おっと、時間切れか…」

 

カッ!!

 

またもや、眩い光に包まれ…

 

レウス「……フゥ…………戻ったな……」

 

彼は元の姿に戻った。

 

レウス「おい」

 

ルナ「え…あ……な、何…?」

 

レウス「これからは静かに生きるんだ。いいか?」

 

ルナ「え、ええ……」

 

レウス「ではな…」バサッ…

 

彼はそう言うと飛び去って行った。

 

 

 

ルナ「…………」

 

ルナ(この気持ち……何なのかしら……)ドキドキ

 

 

 

〜博麗神社〜

 

紫「…五人中、内二人が重傷……」

 

霊夢「他の三人の内、二人はまだ戻ってきてないし……」

 

バル「すぐにでも戦えるのは俺だけか…」

 

霊夢「ガロアは?」

 

バル「ずっとあの調子だ」スッ

 

彼が指差した先には、酔い潰れたガロアの姿が……

 

ガロア「ガラガラ……龍属性エネルギー使い過ぎちまった………もっと、酒を寄越せ……」

 

シャガ「そろそろやめた方が良いのでは……」

 

ガロア「ガラガラ……」ゴクゴク

 

霊夢「何やってんのよ……」

 

バル「あーあ…誰か帰って来ねぇかな……」

 

と、その時。

 

バサッ……バサッ……バサッ……バサッ……

 

ガロア「あ?何だこの音……」

 

翼で羽ばたく音。

 

咲夜「もしかして……」

 

バル「お、戻って来たぞ」

 

バサッ……バサッ……スタッ…

 

レウス「……待たせたな」

 

天空の王者の帰還である。

 

咲夜「レウス!!」タッタッタッ……

 

レウス「済まないな……大分待たせてしまった」

 

咲夜「気にしないでいいわ。………でも、本当に良かった……」

 

彼女の目は、若干潤んでいた。

 

レウス「……済まない。私なら無事だ。だから、安心してくれ」ギュ…

 

咲夜「ええ…」ギュ…

 

抱きしめ合う二人。

 

ガロア「白昼堂々と……やれやれだな……ガラガラ……」

 

シャガ「僕は何も見てない僕は何も見てない僕は何も見てない…」ブツブツ…

 

バル「……俺達も抱きしめ合うか?」

 

妖夢「は、破廉恥ですっ!!///////////////」

 

輝夜「ルコラはまだかしら……」ボソ…

 

霊夢「そう言えば、アリスは?」

 

バル「ラティスの様子を見に行くって言ってたぞ」

 

霊夢「あ、そう」

 

バル(俺も後で眼帯もらってこよ…)

 

応急処置で傷は塞がったものの、違和感しかない。

 

バル(片目も中々大変だぜ……)

 

後悔先に立たず。

 

 

 

レウス(だが、あの時の声は何だったのだ…)

 

スペカが出来たと同時に、頭の中に響いてきた声。

 

あの声の主は何故か、身に覚えがあった。

 

レウス(いつも聴いていた声のような…………思い出せん……)

 

自分よりも歳を重ねているようだった。

 

レウス(まさか…………親父……?……いや、まさかな……)

 

自身の手で殺めた父の声に瓜二つであったが、真実を知るのはあの声の主のみ。

 

レウス(《黒炎王の魂》………自分を強化するスペカか……これから、有難く使わせて貰おう)

 

この思いは、あの声の主に届いているだろうか。彼はそんな事を考えていた。

 

 

〜続く〜

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