東方怪物録 〜4匹のモンスターが討伐されて転生した先は幻想郷〜【完結】   作:ブラキDIOス(超絶スランプ)

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#56〜未だ覚めぬ刃〜

前回のあらすじ・・・バル「レウスが帰って来たぞ!」ガロア「酒を寄越せ…」レウス「…………」

 

 

レウスが帰って来る一時間前……

 

 

〜永遠亭 縁側〜

 

ラティス「いてててて……」

 

全治三週間という大怪我でも、縁側に座ってゆっくりするだけの体力はあるのだから大した物である。

 

………一般人ならば、三週間どころでは済まないだろうが。

 

ラティス「レギオスの手術が始まって………二時間ぐらいか?」ナデナデ

 

膝に乗っている兎に話しかけるが……

 

兎「…ZZZ」

 

ラティス「……寝ちまったのか」

 

そもそも、兎に話しかける事自体が間違っている。ラティス「ほっとけ」

 

ラティス「いつになったら終わるんだか……」

 

そのような事を考えていたその時。

 

 

『レギオスーーー!!!』

『ちょ…魔理沙さん!落ち着いてください!!』『ギャウギャウ!!』

『離してくれ!!レギオスが……レギオスが!!』

『今は手術中だから!!落ち着いてってば!!』

『レギオスーーーーッ!!!!!』

 

ギャーギャー!!

 

 

庭から聞こえてくる騒ぎ。面会しに来た魔法使いを、狗竜と悪戯兎が必死で止めているのだろう。魔法使いは、今にも強行突破して来そうだ。

 

ラティス「こりゃ、相当愛されてるな……やれやれだぜ」

 

 

〜庭〜

 

 

魔理沙「は〜な〜せ〜……!!!」グググ…

 

ジャギ「駄目ですって!」グイグイ

 

てゐ「むぐぐぐ……」グイグイ

 

魔理沙「レギオスに会いたいだけだぜ!!だから離してくれ!!!」グググ…

 

ジャギ「もうすぐ終わりますから!!」

 

てゐ「だから、落ち着いてよ!」

 

魔理沙「うう……レギオス………」

 

格闘して十分ほど。ようやく、諦めてくれた。

 

「全く……レギオスに依存し過ぎよ…」スタスタ…

 

ジャギ「あ、こんちわ」

 

アリス「こんにちは。ラティスはどこに居るの?」

 

ジャギ「縁側に居ると思います」

 

アリス「ありがとう」

 

てゐ「あれはどうすればいい?」スッ

 

魔理沙「レギオスぅ……」イジイジ

 

大人しくなったは良いものの、うずくまっていじけてしまっている。

 

ジャギィ1・2「………ギャウ…」チラッ

 

ジャギ「俺も分かってるよ…………でもなぁ…こればっかりは…」チラッ

 

アリス「………ハァ……ちょっと待ってて」スタスタ…

 

魔理沙「…………」イジイジ

 

アリス「魔理沙」

 

魔理沙「……何だぜ…」

 

アリス「ヒソヒソ…」

 

魔理沙「…………うん…分かったぜ……」

 

ジャギ「……?」

 

ジャギィ1・2「……?」

 

てゐ「……?」

 

 

〜縁側〜

 

 

……ラ……さ………ティス…ん……ラティスさん………

 

ラティス「……んが…」

 

鈴仙「ラティスさん!起きてください!」

 

ラティス「うおっ!?」ビクッ

 

鈴仙「手術が終わりましたよ!」

 

ラティス「ほ、本当か!?」

 

この報告をどれだけ待ち侘びた事か。まぁ、待ち時間の殆どは寝ていたのだが。

 

鈴仙「あ、それとアリスさんが来てますよ」

 

ラティス「本当か!?」

 

鈴仙「今呼んで来ますね…」タタタ…

 

 

〜一分後〜

 

 

アリス「ラティス!!」タタタ…

 

ダキッ!!

 

ラティス「うおっ!!」

 

アリス「良かった………本当に良かった……」ギュ…

 

ラティス「……/////////////」ポリポリ…

 

彼は、『抱き付かれる』という事に慣れていなかった。赤面しても仕方が無いだろう。

 

アリス「心配したんだから……」

 

ラティス「…約束は守ったぞ」

 

アリス「じゃあ、お礼をしないとね。目を瞑って…」

 

ラティス「あ、ああ……」ギュッ「…何をする気だ?」

 

アリス「ん…」スッ…

 

ズキュゥゥゥン!!!

 

突然、唇に柔らかい感触が伝わった!!

 

ラティス「!?」バッ

 

驚いて顔を離したが…

 

アリス「……ダメ」スッ

 

ズキュゥゥゥゥゥゥン!!!!!!

 

ラティス(……もう、なるようになれ)

 

彼は身を任せる事にした。流石にベロチューでは無いが、それでもかなり濃厚な口づけである。

 

アリス「プハッ………どうだった?」

 

ラティス「…………」

 

アリス「………ラティス?」

 

ラティス「お返しだ…」

 

アリス「え……」

 

クイッ

 

ズキュゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!!!

 

アリス「!!!………んん…!!」

 

ラティス「…………プハッ………俺は根に持つタイプなんでな」ニヤ

 

アリス「………うん…//////////」

 

 

 

 

 

 

〜物陰〜

 

ジャギ「見てはいけない物を見てしまった………アバババババババ……」ガクガク

 

 

 

 

 

 

一方、魔理沙は…

 

 

〜病室前〜

 

魔理沙「レギオス!!」スッ…

 

彼の顔が一刻でも早く見たかった。そして障子に手を掛けようとしたその時。

 

永琳「はい、ストップ」ガシッ

 

魔理沙「わっ!?」

 

伸ばした手は途中で止められた。

 

永琳「気持ちは分かるわ。でも静かにしなさい」

 

ごもっともである。

 

魔理沙「……はい…」

 

永琳「でも、彼の姿を見ても絶対に叫んでは駄目よ」

 

急に真剣な表情に変わる。彼女のこのような顔は今までに見た事が無かった。

 

その表情が、彼の容態の深刻さを物語っている。

 

永琳「さぁ…中に入りなさい」

 

魔理沙「………ああ…」

 

 

〜病室〜

 

 

魔理沙「レ……レギオ…ス…?」

 

彼女が見た物。それは…

 

レギオス「…………」

 

体中に点滴やらチューブやらが繋がれた彼の姿だった。

 

永琳「彼の怪我は酷い物だったわ………鉤爪の様な物で腹部を貫通させられて、それに焼かれたかのような痕が残っていたわ」

 

魔理沙「そんな……でも、起きてくれるよな…?」

 

永琳「……残念だけど、いつ目覚めるかは私にも分からないわ………」

 

魔理沙「…レギオス……」

 

永琳「彼の側に居てあげて頂戴。私が出来る事は全てやったわ。後は彼の頑張り次第よ」

 

魔理沙「…………」

 

永琳「……冷たいようだけど、私に出来る事はもう何も無いわ………あなたが話しかけてあげれば容態は良くなる筈よ……」

 

魔理沙「レギオス……」ギュ…

 

彼の手には、僅かに温もりがあった。ほんの僅かだが。

 

レギオス「…………」

 

魔理沙「…………」

 

永琳「少し席を外すから用があったら呼んで頂戴」

 

魔理沙「…ああ……」

 

永琳「辛いかも知れないけれど…あなたが出来る事をしてあげて。あなたが頑張れば彼もきっと、それに応えてくれるわ」スタスタ…

 

魔理沙「…分かったぜ……」

 

レギオス「…………」

 

魔理沙「レギオス……私と約束したじゃないか……すぐに戻って来るって……」ギュ…

 

レギオス「…………」

 

彼は答えなかった。

 

魔理沙「目を覚ましてよ……レギオス……」

 

 

彼女の想いは彼に届くのだろうか。

 

 

〜続く〜

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