東方怪物録 〜4匹のモンスターが討伐されて転生した先は幻想郷〜【完結】 作:ブラキDIOス(超絶スランプ)
前回のあらすじ・・・ルコラ「いただきますと言っていないぞ」椛「違う、そうじゃないです」
大雷光虫達「」ブーン…
椛「な……ななななな何なんですか!あの虫はぁ!?」
遠くから見ると光の玉にしか見えないが、それは巨大な虫であった。
ルコラ「一旦、隠れるぞ!」ダッ!
椛「は、はい!」ダッ!
〜岩陰〜
椛「こんな岩まで飲み込んでるなんて…」
それは高さ約10m、横幅約5mほどの大岩であった。
この岩が、浮岳龍の吸引力がどれほど凄まじいかを物語っている。
ルコラ「…………」チラッ
大雷光虫達「」ブーン…
幸いにも此方側には気づいていないようだった。
ルコラ「……どうしたものか…」
椛「……私が斬って来ます」スッ…ガシッ!「!?」
立とうとした所を止められた。
だが、何か妙だった。
ルコラ「やめておけ。迂闊に近づくと麻痺するぞ」
椛「…分かりました」
彼の手からは温もりが感じられなかった。
椛「一つ良いですか…?」
ルコラ「何だ?」
椛「その手は…」
ルコラ「ああ、これは義手だ。気づかなかったのか?」
椛「…暗かったので……」
良く見ると、彼の左肩から指先までは機械で出来ていた。
ルコラ「前に左腕を食い千切られてしまってな……ちなみに左脚も義足だ」
椛「…申し訳ありません……」
ルコラ「いや、気にするな。今は脱出の仕方を考えるのが先だ」
椛「そうですね…」
ルコラ「何か良い手は無いか……………そうだ!私とした事がすっかり忘れていた!」
椛「?」
ルコラ「ちょっと待ってろ…」バチバチ…
椛「な、何してるんですか?」
ルコラ「義手に磁力を送っている…………よし、これでいい」
椛「?」
ガチャン!!フワフワ……
椛「!?」
なんと、彼の義手が一人でに外れてそのまま宙に浮いた。
椛「ええええええええええええええ!!??」
ルコラ「……そんなに驚かなくても良いだろう…」
椛「いや、誰でも驚きますよ!」
ブーン…
ルコラ「!!!気づかれたか!?」
椛「!!!」
先ほどの声でバレたのだろう。
椛「す、すみません!」
ルコラ「とにかく、剣を握れ!戦うぞ!」バチィッ!!ダッ!!
椛「はい!!」ダッ!!
大雷光虫達「」ブーン…
椛「てやぁっ!!」ズバッ!!
大雷光虫「」バラバラ…
椛「うわ…」
簡単に斬れるが、バラバラになるので気味が悪い。
ルコラ「私の奥の手を食らえッ!!」バチィッ!!
ギュンッ!!!
ボゴォン!!
大雷光虫「」バラバラ…
ルコラ「フン…」
椛「」
ルコラ「よそ見をするなよ!」
椛「は、はい!!」
ここでルコラの義手について解説しよう。
彼の義手、通称『マグネット・アーム』は、磁力を流す事で遠隔操作が可能となる。操作可能範囲は数百mほど。ルコラの体内で作られた磁力を使う為、外部からエネルギーを供給する必要が無い。だが、操っているのはあくまで磁力なので、分離した状態で『物を掴む』といった事は不可能。そして、操っている時は当然ながら左側はガラ空きとなる。あまりにも強い磁力で操っている為、義手一つにつき二回までしか使用できない。実は義足にもある機能が付いているが……それはまた今度。
大雷光虫達「」ブーン…
ルコラ(このまま戦っても『暖簾に腕押し』、『糠に釘』だな……)
圧倒的な数なので、全てを討伐するのは不可能に近いだろう。
ルコラ(どうすればいい…!?)
大雷光虫「」バチィッ!!
椛「きゃあっ!?」
大雷光虫の内の一匹が、彼女の側で突如爆発した!!
椛「あ…れ……?し…しび…れて……」バチバチ…
椛「ち……力が………はいらな…い……」ドサッ…
彼女は、爆発に直接当たってしまったため麻痺してしまった。
大雷光虫1・2・3「」ブーン…
ルコラ「フンッ!!」バチィッ!!
ボガァン!!ドゴォッ!!バキィッ!!
大雷光虫1・2・3「」バラバラ…
ルコラ「大丈夫か!?」スッ…
椛「は…はい……」
ルコラ「じきに治る。そのまま寝ていろ」
椛「え……でも……」
ルコラ「私を誰だと思っている?」ギロ…
椛「」ビクッ
彼は、先ほどまでの穏やかな顔から一変して、古龍のオーラ全開の顔に豹変した。
圧倒的なカリスマを感じる。そこらの妖怪など一睨みで気絶させる事が出来るだろう。
ルコラ(だが、どうやって脱出する…?)
彼も、多少の龍属性エネルギーを扱う事が出来るがガロアぐらいのエネルギーがなければ、腹部をブチ抜いての脱出は不可能だろう。歯を折って脱出するという方法もあるにはあるが、ラティス並みの腕力が無ければそれも不可能だろう。
だが、彼にはその二人には無い、『磁力を操る』という能力を持っている。そんな彼の異名は、誰が言ったか『磁界の覇者』。
ルコラ(……大雷光虫に磁力を流すか…)
フワフワ…
ルコラ(そっとだ…そっと…)
義手を慎重に操作し、大雷光虫に近づける。
ソーッ…
大雷光虫「!?」バチバチ!!
ルコラ(こんなものか……)
大雷光虫「?」ブーン…
ルコラ「貴様は私の手中に堕ちた…」クイッ
大雷光虫「!?」ギュンッ!!
磁力を操られた大雷光虫は、奥へと向かって飛んで行った。
ルコラ「…これでいい」バチバチ…
フワフワ……ガシャンッ…
義手は、持ち主の元へと一人でに戻って行った。
ルコラ「おい、動けるか?」
椛「はい…もう大丈夫です」
ルコラ「…もうすぐだな」
椛「…?」
その言葉の意味はすぐに理解できた。
ドゴォンッ!!
椛「!?」グラグラ…
ルコラ「上手くいったか……伏せていろ。怪我するぞ」サッ
椛「は、はい!」サッ
ルコラ「このまま口元に移動するぞ。絶対に立ち上がるなよ…」
椛「分かりました…」
〜外〜
ドボォッ!
ヤマツカミ「グオオオ!?」
ギュンッ!!ドゴォッ!!
ヤマツカミ「グオオオオオオオオオ!?」
どこからか、巨大な岩が次々と自分に向かって飛んで来ている。この不可解な現象に、浮岳龍も為す術が無かった。
それもその筈である。この現象を起こしている者は体内にいるのだから。
〜体内 奥〜
大雷光虫「?」キョロキョロ
〜口元〜
ドゴォンッ!!ドボォッ!!ズガンッ!!
ルコラ「激しくなってきたな…」
椛「…本当にこれで脱出出来るんですか?」
ルコラ「いくら古龍と言えども、飛んでくる岩を立て続けに食らえば、そのうち息絶える。それまで待つしかない…」
椛「…………」
ルコラ「私も出来れば、これだけは使いたくなかったがな…」ギリ…
同じ古龍として、やるせない気持ちになっているのだろうか。その顔は、悲しみに満ちていた。
〜約十分後〜
『グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!』
ルコラ「くっ……耳を塞げ!」サッ…
椛「うっ……」サッ…
口元で聞く咆哮は、桁違いの音量だった。
『グオオオオオオオオオオオオオオオオオ……オオオ………』
ズズゥゥン…
ルコラ「うおっ…」グラグラ…
椛「きゃっ…」グラグラ…
ルコラ「……終わったな…脱出しよう」
椛「…はい」
〜外〜
ルコラ「フゥ……もう夕暮れか……」
外は、夕陽により赤く染まっていた。
ヤマツカミ「…………」
椛「この怪物はどうしたら…」
ルコラ「このままにしておけ。そのうち、自然に帰る…」
椛「分かりました。その……」
ルコラ「服は返さなくていい。そのまま帰れ」
椛「は、はい。ありがとうございます」ペコ
ルコラ「では、さらばだ。食べられたくなければ、これからは気をつける事だな…」バチバチ!!ギュンッ!!!
椛「……一言余計です…」
〜空中〜
ルコラ(ここから、神社まで一時間程かかる……これは輝夜に怒られるな……)
ルコラ「ハァ……今日は災難続きだ……これは私のイメージではないな……」
〜博麗神社〜
辺りはすっかり暗くなっている。
ガロア「…ZZZ」
シャガ「…ZZZ」
霊夢「紫〜…まだ〜?」
紫「反応が消えて一時間……確かに遅いわね…」
霊夢「レウスやバル達は帰ったし……」
輝夜「…………」
霊夢「……ごめん」
輝夜「別に良いわ…」
輝夜(折角、夜空が綺麗なのに……)
と、その時。
……フワッ……
紫「!!」
霊夢「敷石が……浮いてる!?」
バチバチ……
聞き慣れた音が辺りに響く。
輝夜「……やっと……帰ってきてくれた……」
バチッ…バチッ……スタッ…
ルコラ「ただいま……で、合ってるよな?」
磁界の覇者は帰ってきた。月夜をスポットライト代わりにして。
輝夜「…………」
ルコラ「…いや……これには訳が合ってだな…」←上半身裸
輝夜「…………」ジワ…
ルコラ「え……」
輝夜「うう……」ポロポロ…
彼女は、泣き出してしまった。
紫「あららら…」
霊夢「やーい、泣かせた〜」
ルコラ「やめろ!ガキの様な事をするな!!」
輝夜「もう…戻ってこないのかと……ヒグッ…思ったから…」ポロポロ…
ルコラ「……すまん。とにかく帰ろう…帰って二人で酒を飲もう。な?」
輝夜「うん…」ギュ…
ルコラ「しっかり捕まっていろよ」
霊夢「もう行くの?」
ルコラ「ああ、すまんな」
紫「…あなた達のお陰でエネルギーが全て消えたわ」
ルコラ「そうか…あいつら……フッ…やるじゃないか…」
紫「本当にあr『待て』…?」
ルコラ「礼なら、全員が揃った時に言え。私一人がやった事ではないからな」
紫「…そうね。分かったわ」
ルコラ「では、これで…」
バチバチ……ギュンッ!!!
紫「あとは、『真紅の雷』だけね…」
紫(怪我をした二人は間に合うかしら…)
決戦の時は、静かに、そして確実に近づいていた。
〜永遠亭 輝夜の部屋〜
輝夜「…………」
ルコラ「いい加減に、機嫌を直してくれ…」
輝夜「……別に怒ってないわ」
ルコラ「怒ってるだろ…」
輝夜「怒ってない」
ルコラ「怒ってる」
輝夜「怒ってない!」
ルコラ「ほら、やっぱり怒ってるじゃないか」
輝夜「あ…」
ルコラ「やれやれ…」ゴクゴク…
輝夜「むぅ…」
ルコラ「折角、月が美しく輝いているんだ……そう言えば、お前は月の姫様だったらしいな」
輝夜「……それは過去の話よ…私はもうお姫様なんかじゃない……地に堕ちた鳥と同じ存在よ……」
ルコラ「…………」
輝夜「………ねぇ…そっちに行っていい?」
ルコラ「…勝手にしろ」
輝夜「じゃあ、そうさせてもらうわ」スッ…
ルコラ「フン……何が『地に堕ちた鳥』だ…」
輝夜「……え?」
ルコラ「私から見たお前は、今でも羽ばたいている。そんなに自分を酷評するんじゃない」
輝夜「ふふ……嬉しい事言ってくれるじゃない」
ルコラ「まぁな…」
輝夜「………ねぇ…」
ルコラ「……何だ?」
輝夜「肩に乗せていい?」
ルコラ「……好きにしろ」
輝夜「じゃ、遠慮無く…」ソッ…
ルコラ「…そっちは義手だぞ……」
輝夜「こっちでいいのよ…」
義手だが、彼の体温は確かに伝わってくる。
輝夜「……ねぇ…」
ルコラ「……今度は何だ?」
輝夜「不老不死でも、幸せになれると思う?」
ルコラ「……急にどうした?」
輝夜「いいから。あなたの意見を聞かせて…」
ルコラ「そうだな………なれるんじゃないか?」
輝夜「本当にそう思う?」
ルコラ「お前が今、幸せそうだからな」
輝夜「…………」
ルコラ「図星か…」
輝夜「ふふふ……どうかしら…」
ルコラ「………まだ、飲むつもりか?」
輝夜「当たり前じゃない。まだまだ付き合ってもらうわよ」
ルコラ「フン……夜は長いな……」
輝夜「………あなたの言う通りよ…」
ルコラ「……何がだ?」
輝夜「私は今、とっても幸せ………だって、あなたが居るから……」
ルコラ「………まさか、お前からそんな言葉が出るなんてな…」
輝夜「失礼ね……そう言うあなたはどうなのよ?」
ルコラ「さぁな………想像に任せる」
輝夜「何よそれ……ずるいわ」
ルコラ「お前も、まだまだだな……」
輝夜「…………本当にずるい………月夜をバックに帰ってきたり、幸せになれるって言ったり……」
ルコラ「……何が言いたいんだ?」
輝夜「あなたが『好き』……それだけよ…」
ルコラ「今日のお前は、正直だな……」
輝夜「そうかしらね…」
ルコラ「………私もお前が好きだ」
輝夜「………え?」
ルコラ「二度は言わん……」
輝夜「………ありがとう」
ルコラ「フン……」
長い月夜は、まだ続く……
〜続く〜
さぁ、読者の皆!!!ブラックコーヒーの準備は良いかい?
それを一気に飲み干したまえ!!!
ちなみに、ルコラの義手はMGSVのスネークが付けている物のイメージです。
さぁ、皆さんご一緒に!!
「ロケットパーンチ!!!」バシュゥゥ!!!