東方怪物録 〜4匹のモンスターが討伐されて転生した先は幻想郷〜【完結】   作:ブラキDIOス(超絶スランプ)

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#69〜絶望に終止符を 一 〜

前回のあらすじ・・・ミラルーツ『(コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス…)』

 

 

〜博麗神社〜

 

ラティス「…………」ダンダンダンダン…

 

バル「…………」ボーッ…

 

レウス「…………」ペラ…………ペラ………

 

三人が神社に来て、約三十分ほど経っている。爆砕の拳闘士はしびれを切らして貧乏ゆすりをしており、隻眼の侍は空を見つめたまま一言も発さず、天空の王者に至っては読書をしている始末である。

 

紫(………本当に大丈夫かしら……)

 

この様子を見ていたスキマ妖怪が、思わず不安になってしまうほど『竜の覇気』が感じられなかった。

 

すると、突然侍が口を開いた。

 

バル「………なぁ…」

 

その声からは、不安や恐れなどといった感情がある事が見て取れた。

 

レウス「…どうした?」

 

バル「…………俺達が勝てる相手なのか…?」

 

まさかこの状況で、誰もが言いたくても言えなかった事を、この男が言い出すとはその場に居た二人は全く思っていなかった。

 

ラティス「…………」

 

レウス「…………」

 

いつもなら誰かが答えてくれた。だが二人は、この場合は何と言えば良いのか分からず、戸惑っているようだった。

 

不安や恐怖といった感情は、簡単には消えない。だからこそ、恐怖を乗り越えた人は様々な意味で『強い』のだ。

 

ラティスは一度、心に深々と刻まれた心理的外傷(トラウマ)を乗り越えている。だが今回の相手は、トラウマを刻みつけた奴よりも遥かに強大で、絶対的な力を持った『祖龍』である。

 

その姿を見た事は一度も無く、御伽噺すら聞いた事の無い得体の知れない存在。そして、人類の敵と言われた『黒龍』の亜種。

 

バルの発言にも納得がいく。いくら生態系の頂点に立つ竜の力を持つと言えども、たった三人で祖龍を追い込む事が出来るのだろうか。

 

 

 

レウス「………何事も『やってみなくては分からない』と言うだろう」

 

 

 

バル「…………」

 

ラティス「…………」

 

天空の王者が、ついに重たい口を開いた。

 

レウス「これは、一種の精神論だがな……このまま祖龍を迎え討つよりはマシだろう」

 

それは、人間が良く口にする言葉。筋が通っていると捉えるか、通っていないと捉えるかは人によって違う。

 

だが、自らを奮い立たせるにはこれ以上の言葉は無いだろう。

 

ラティス「やってみなくては分からない…か…」

 

バル「精神論って……お前、人間かよ……」

 

レウス「………少しは元気が出たか?」

 

バル「……人間って都合いいよな。この一言で元気が出るんだもんな…」

 

レウス「…そうだな」

 

この言葉自体に特別な力は無い。いくら幻想郷で使ったとしても、言葉に能力が宿るわけがない。

 

この言葉を受け取った人がどのように感じるか、それが一番重要な事なのである。

 

バル「…………でもよ……何か…俺も元気が湧いて来た…」

 

ラティス「…俺もだ……不思議だよな」

 

バル「俺……人間に近くなっているのかもな」

 

レウス「私達は竜だ……人間にはなれん……だが、人間に似る事は出来るのかもしれんな…」

 

彼らは、知らない内に人間に憧れを抱いていたのかも知れない。その場に居た誰一人がレウスの意見に反対する事はなかった。

 

バル「さて…と…」スッ

 

一通り会話を終えると、彼は決意を胸に立ち上がった。

 

ラティス「どうしたんだ?」

 

バル「祖龍が来るまでの間、素振りでもやっとこうと思ってな」

 

レウス「…私もストレッチをしておくか…」

 

ラティス「じゃあ、俺は粘菌を循環させとこ…」

 

紫(……どうやら杞憂だったようね)

 

彼らの心にはもう、不安や恐怖は一切無かった。

 

ラティス「レギオスは、どうしてっかなぁ…」

 

バル「案外、とっくに治ってたりしてな」

 

レウス「彼ならあり得そうだな」

 

 

 

〜永遠亭〜

 

 

 

『ブフェックシッ!!!』

 

 

 

レギオス「あ〜……風邪引いたか…?」

 

永琳「そろそろ、心の準備は良いかしら?」

 

レギオス「……は?」

 

永琳「少し手荒になるけど良いわよね♪」ガシッ

 

反対側に曲がってしまった彼の左腕をがっしりと掴むと…

 

レギオス「え…いや、ちょ…え?」

 

永琳「せ〜…のっ!!!」

 

 

 

ゴキィッ!!!!

 

 

 

『アアアアアアァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァ!!!!!!!』

 

 

 

 

〜博麗神社〜

 

レウス「…紫」

 

紫「何かしら?」

 

上半身だけを覗かせて受け答えをする。

 

ラティス(いつ見ても不気味だ…)

 

バル(あの空間、どうなってんだ?)

 

それは、彼女だけが知っている。……教えてもらうつもりは無いが。

 

レウス「封印する準備は完了しているのか?」

 

紫「バッチリよ♪もしかして疑っているのかしら?」

 

レウス「私達が出来るのは、精々体力を削る位だ。後は、封印するしかない…」

 

 

彼らの目的。それは、祖龍を討伐するのではなく、あくまで体力を削る事。暴走した祖龍を討伐出来るのは、同等の力を持った龍にしか出来ない。

 

だが、祖龍と同等の力を持つ龍は非常に限られている。今の所は、その力を持った転生者がいるという情報は無い。その為、『封印する事』に決定したのであった。

 

 

紫「いくら私と霊夢で封印するからって、祖龍が相手だと簡単な話ではないわ」

 

レウス「分かっている。どれ位体力を削れば良いのだ?」

 

紫「最低でも…そうね………『体内のエネルギーが漏れ出す』位ね」

 

レウス「了解した」

 

バル「終わったら、宴会だぞ?忘れんなよ!!」

 

紫「了解〜☆」

 

ラティス「また宴会か…やれやれだぜ…」

 

紫「じゃ、頼んだわよ!」

 

「「「任せろ!!」」」

 

紫「……死なないでね」スッ…

 

 

ラティス「……ここで死んだらシャレにならねぇな」

 

バル「妖夢に教わりたい事も、まだまだあるしなぁ………」

 

レウス「私は読んでいない本があるな…」

 

ラティス「俺は……何かあったっけ?」

 

バル「」ズルッ

 

ラティス「ああそうだ、アリスと一緒に居なくっちゃあな」

 

レウス「ほう…?」ニヤニヤ

 

ラティス「いや…だってあいつ……一人で暮らして来たらしいし…その……なんだ……」

 

徐々に、彼の顔が赤面していく。恥じらいがあるのだろう。

 

バル「まぁ、良いじゃねぇか。封印出来れば良い話だ」

 

ラティス「……そうだな」

 

レウス「ああ、その通りだ」

 

 

三人が決意を固めた、その時!!!

 

 

 

『グォオオオオオォォォォォォォォォォォ……』バサッ……バサッ……

 

 

 

絶望の運命を背負って、祖龍が舞い降りた。

 

ラティス「来やがったな…」スッ…

 

拳闘士は、静かにその燃えるような闘志を滾らせる。

 

バル「……刀の錆にしてやる…」チャキッ…

 

隻眼の侍は、刀を構えて覚悟を決める。

 

レウス「…この世界に絶望は似合わない」バサッ…

 

王者は、雄々しい翼を広げて迎え討つ。

 

 

 

 

 

ミラルーツ『グォオオオォォォォォォォ…!!!』

 

「「「さぁ……来いッ!!!」」」

 

 

最終決戦……ラティス&バル&レウスvsミラルーツ(暴走状態)

 

 

そして運命は動き出す…!!

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