翌朝
私は目を覚ましたら、知らない所にいた。
「変だ、私は昨日は洞窟にいたのに。そういえば、母さんはどこだろう?」
廊下へ出て母さんを呼びながら歩く
「母さまー、母さまー、母さ…ま…そうだった…いないんだよね」
トントントン
どこからか音がする。その方向へ歩いていく。
ガラガラ
ふすまを開けると誰がいる。
「おはよう、ちょっと待ってね、今朝ごはんを作ってるから」
男の人の声だ、誰だろう?けど、優しい声
「でーきた。ルーミア、この皿を机に並べてくれる?」
「えっ、ぅん」
「ありがとう」
そういい、頭を撫でられた。でも、気持ちいい
そして、どこかへ行こうとする。
「あっ」
「大丈夫すぐに戻るからね」
私は頼まれた通りに皿を机に並べ終えると、さっきの男の人が女の人を連れて帰ってきた。
「ルーミアありがとう、それじゃあ、ごはんを食べようかほら、霊夢も起きて」
どうやら、この女の人は霊夢と言うらしい
「ん」
女の人が座ると、男の人は、私のそばに来て座った。
「ルーミア、おいで」
つい、その言葉に従うと、男の人の膝の上に座らされた。
「ずるい、そこは私の場所なのにー!」
「まあまあ、いいじゃないか」
「むー「後で霊夢にもしてあげるか…」わかった!」
食事が終わり、今度は霊夢と言う人を膝に乗せている男の人が話しかけてきた
「改めて、自己紹介するね。俺は博麗 霊奇、ここの神主をしている。で、こっちの膝にいるのは博麗 霊夢、一応巫女をしている。そして、二人とも、退治屋もしてたりする。」
ぎゅー
「一応って何?列記とした巫女ですけど?」
「まあ、巫女だ。後、俺のお姉ちゃん「そして、恋人ね」と言うことだ。何か他に聞きたいことはある?」
「どうして?私は退治されないの?」
「もともと、退治する依頼が来てたけど、害が少ないから退治する気はないよ。」
「だけど、依頼主にはまだ報告はしてないから、一緒に来てくれる?」
「わかった。」
「それじゃあ、行こっか」
霊奇という人に連れられ山を降る途中に色々なことを教えてもらった。
依頼主は同じ妖怪であること
霊夢さんと霊奇さんのこと
依頼主を除く、村の人達は妖怪に対して良い印象を持っていないこと
それどころか同じ人間でも、よそ者には冷たいこと
村で困ったら今から会いに行く慧音という、人に相談すること
その慧音は村で学校の先生をしていること
そんなことを教えてもらっていると村に着いた。
村の人達はジロジロこっちを見てくる。目を合わせると慌てて、目をそらしてくるが、気が悪くなってくる。
「また、来たよ。しかも、誰かわからない奴まで連れてる。さっさと帰ってくれないかね〜」
キッと殺気を込めて睨もうとすると
「やめなさい、こんな奴ら相手にするだけ無駄だ」
「どうして⁉︎」
そう言い霊奇を見ると手を握り締めていた。
(霊奇さんも悔しいんだ、そう思うと、少し気が楽になった)
少し歩くと、他の家より大きな家に着いた
「ここが慧音の家だ。安心して、慧音は怒らせると怖いけど、優しいから。もし、何かあっても俺が守るから」
そう言い私の手をつなぐ。それで、私の手が震えてたことに気付いた。
(私に父さまがいたら、こうしてくれたのかな?なんてね、いないのに何を考えてるのかな)
ガンガン
「慧音ー!依頼の報告に来たぞー!」
「……わかった!今行く!」
少し遅れて、返事が帰ってきた
ガララ
「待たせたな…っと、その子は誰だ?」
「この子が依頼にあった妖怪だ」
「おいおい、冗談はよしてくれ、どう見ても、8人もの男を殺した妖怪には見えないぞ」
「あれ?聞いてなかった?俺の能力について」
「いや、聞いてないはずだが?」
「確か、数年前に阿求が幻想郷縁起に俺のことを書くために数百に及ぶ質問の後、
「最後にあなたの能力は誰かに言ってますか?」と聞いてきたから
「霊夢以外には言ってないよ、だけど、慧音にいうつもり」と言うと
「では、変わりに伝えておきます!」と若干食い気味に言っていたが…」
慧音は首を傾げ
「変だな、阿求が物忘れをしたことは一度もなかったが。まあ、そんなこともあるだろう、差し支えなかったら、今から教えてくれるか?」
「良いですよ。俺の能力は『あらゆるものの時間を戻す程度の能力です』」
「と言うことは、その子の時間を戻したと言うことか?」
「ええ、その通りです」
「なるほど、だから、殺されたと言うのに、今朝、何もなかったかのように戻ってきたのか、ずいぶんとすごい能力だな」
「まあ、便利ですけど、色々と制限がありますよ。
まず、死んだ人は蘇りません。今回はみんな、生きていたから村に帰って来れただけです。しかも、原則、ある程度時間が経つと巻き戻した時間が進み、元に戻ります。だから怪我も一時的に治りますが、いずれ、元に戻ります。
今回は怪我もなく、催眠状態だったので、催眠を解き、その上で時間を巻き戻し、事件の記憶を曖昧にしてます。」
「なるほど、だが2つ質問がある。まず、一つ目に原則、ある程度時間が経つと巻き戻した時間が戻るのはわかった。だが、原則とはなんだ?戻らない場合があるのか?
2つ目に最後の事件の記憶を曖昧にすることは不可能だろう
傷が治らないのと同じく記憶も元に戻るのが普通だろう?」
「一つ目の質問については今回のこの子が当たります。
この頭のリボンを付けている限り、時間を戻す能力は半永久的に続きます。もちろん、リボンを取ってもある程度は大丈夫です。
二つ目の質問については条件があります。その人や物が時間を巻き戻してる間に矛盾があることが条件です。
今回は村人達が閉じ込められていたのでどうやっても移動できない状態でした。だから、俺が助けないと移動できません。しかし、俺の記憶がない場合、自力で脱出したと言う結果が出てきます。
つまり、脱出できないのに、脱出したと矛盾が起きます。この矛盾を解消するには、閉じ込められたと言う事実を無くすしかありません。
そして、この子の記憶があるのは変だとし、夢とするしかありません。
そもそも、妖怪に捕まった時点で生きてることが変ですし。
少しややこしいですが、簡単に言うと、巻き戻された人や物が変だと感じることが条件です。」
「それで、この子はどうするつもりだ?始めに言っておくが私の家は無理だぞ、村のみんなを危険にさらす気はないからな」
「そうですか、それじゃあうちで面倒をみます」
「すまないな」
「あの!「どうした?」私を殺さないのですか?」
「うん?それはこいつが面倒をみるらしいからだが、それに私も好きでこんな依頼をしているわけでもないしな」
「それはともかくとして」
慧音さんが膝を曲げて、笑顔で聞いてきた
「君の名前を教えてくれるかい?」
「えっと、ルーミア…で…す…」
「警戒しなくていい、私はルーミアの味方だからな」
なんとなくだけど、なんで霊奇が困ったら、慧音さんに頼れと言ったかわかった気がする。
「慧音さんはこの村の子ども達の先生もしているんだよ」
「ルーミアも勉強したかったら、いつでも来て良いからな」
「用も済んだし、そろそろ帰らないとお姉ちゃんが騒ぎ出すから帰ります。」
「ああ、気を付けて、帰るんだぞ!」
「ね、大丈夫だったでしょ」
「うん」
神社に帰るやいなや、霊夢さんが霊奇さんに抱き付いてきた。それをまともに受け止めてる霊奇さん
「おかえり!」
「ただいま」
それを見てて、私はここにいて良いのだろうか?邪魔になってないのかな?という気持ちになる。
しばらくして、霊夢さんが話しかけてくる。
「あんた、これからどうするつもり?」
「どうするって」
「つまり、私たちと一緒にすむか、森に帰るかってこと、別に帰りたいって言うなら構わないから」
「……私は…」
「まあ、無理に答えを出せとは言わないわ。あなたをここに連れてくると言ったのは、霊奇だから」
「俺も無理にとは言わない。本当に帰りたいなら、帰った方が良い。」
その日は一言も話さずに終わった。
霊奇の能力説明
対象者にリボンをつけないと、一定時間で効果がなくなるよ。
相手に矛盾を与えると記憶の辻褄合わせ(混乱)が起こるよ。
場合によっては本来負う怪我もなくなるよ。