一匙のお姫様物語   作:とりるんぱ

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多分次の次で終わると思う。


掃除に大会も何もあったもんじゃないと思う

恐れおののく俺を余所にココア達は何やら盛り上がっていた。

俺を差し置いて楽しそうに会話するとはいい度胸じゃないか。俺も混ぜろ。

……俺がどんなキャラなのかわからなくなってきたな。

 

「お~い、何の話をしてるんだ~?」

 

「あ、ヒョウくん。今から皆でリゼちゃん家のお掃除大会をやるんだけど、誰がどこを掃除するかを話し合ってたんだ」

 

「へえ。お掃除大会ねえ」

 

「あ、ちなみにヒョウくんの担当は廊下だよー」

 

「……」

 

話に加わってないのに参加を決められて、その上掃除場所まで勝手に決められるっていうのはどういうことだろう。

文句の一つでもつけてやろうかと思ったが面倒くさいので止めた。

代わりに苦い顔をし、溜め息をついていると。

 

「よーし、それじゃあ皆でお掃除大会はじめるよー!」

 

大層朗らかな声でココアが言った。

 

「「おー」」

 

「……何故こんなことに」

 

盛り上がる千夜とシャロの隣で、チノが困り顔でそう呟いた。いやほんと、俺も俺も全く同意見。

 

 

 

 

 

~~~~~~~~~~

 

改めて説明させていただくが、リゼの家は大きい。もし家が細かい条件によって区分分けされているのだとしたら、「豪邸」のカデゴリーに入る程度には大きい。そんなわけだから、部屋は大きいし庭も広い。部屋数も多い。

 

当然廊下も長い。

 

「はあ~、疲れた~~」

 

同じ廊下掃除担当のココアがそんなことを言ってへたりこむ。ちなみに掃除分担だが、俺とココアとチノが廊下掃除。千夜とシャロが庭掃除だ。

 

俺は言った。

 

「疲れたも何も、やろうって言い出したのはお前だろ?」

 

ココアは口を尖らせて返した。

 

「そうだけどさ。こんなに大変だとは思わなくて……」

 

「ココアさん……こんな広い家を掃除しようとして、大変だと思ってなかったんですか?」

 

チノも会話に加わった。

 

「うう。ごめんなさい」

 

「全く、後先考えずに行動して……ココアさんってば」

 

「反省しております……」

 

なんかココアがチノに叱られている。妹に叱られるとか、姉としてそれでいいのかって気がしたが、わざわざ口に出す必要もないだろう。

俺は苦笑しながら二人のやり取りを見つめていた。

 

「本当にココアさんは、しょうがないココアさんです」

 

「ッ!?ごめんね~チノちゃ~~ん!」

 

「……どうして抱きつくんですか」

 

「私の気持ちだよッ!チノちゃんが許してくれるまで私はもふもふし続けるよッ!」

 

「会話が噛み合ってない……」

 

さしずめ今のココアは「チノちゃんがッ!許してくれるまでッ!もふるのをッ!止めないッ!」といったところだろうか。

そうしてもふもふされまくったチノはとうとうココアを許し、数年後には石仮面を被ることになるのだろう。数百年も続く保登家と香風家の因縁の歴史はこうして幕を開ける、かもしれない。

 

「その辺にしておけ、ココア。チノが迷惑がってるだろ」

 

俺はココアを止めた。先程千夜とココアにもふられたときとは違い、今のチノは本当に迷惑そうな顔をしていたからだ。

 

「え!?チノちゃん迷惑だった!?」

 

「……まあ、少しは」

 

「ごめ~ん!チノちゃ~~ん!!」

 

ココアはそう言って、またチノに抱きつこうとする。

 

……あ、これ無限ループ入る奴だ。

 

二度もこのやり取りを止める気は起こらなかったので、俺は廊下掃除を再開した。




そろそろ新しいss書きはじめてもいいかなーと思ってたり。
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