一匙のお姫様物語   作:とりるんぱ

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次で終わりそう。

ストックはめっさたまってるので後は投稿するだけなんだけど、それが一番めんどくさいっていう。


使用人がメイドさんにジョブチェンジしました

長い長い、超長い廊下の雑巾がけが終わった。意外と雑巾がけは疲れる。しかもこんな長距離なら余計に。

俺が一息つこうと先程シャロ達と話した部屋(足挫いたから王様ゲームやろう――2)まで戻ろうとした、その時。

 

「いやぁーーーーー!」

 

叫び声が聞こえた。

 

「今の声は……シャロか!?」

 

意識せずに言う。声の出は二階。ということは、恐らくリゼの銃のコレクションルームからだろう。

 

気が付くと俺は走り出していた。先程の疲れはどこにいったのやら。そんな疑問が頭の中に浮かんだが、すぐに頭を振って打ち消す。今は何が起こったのか把握することが先決だ。どうでもいいことを考えている余裕などない。

 

等と考えているうちにコレクションルームに辿り着いた。俺は勢いよく扉を開ける。

 

「何があった!?」

 

果たしてそこにいたのは、五人のメイドさんだった。

彼女達はこちらの方を見てぱちくりと瞬きをした。口をあけてる奴もいる。

唐突に訪れた静寂の時間。それを打ち破ったのは、リゼの一言だった。

 

「ヒョウ、いきなりどうしたんだ?」

 

「いやこっちの台詞だよなんだよその格好!?」

 

メイド服を着用したリゼに向かって俺は早口で突っ込んだ。そんな俺に、

 

「ええと、この服装はですね」

 

「シャロちゃんがリゼちゃんがコーヒーをかけちゃって、その着替えよ~」

 

シャロと千夜が説明してくれた。

 

「だからってなんだってその服……」

 

「リゼちゃんのクローゼット勝手に開けるの悪かったから~」

 

ココアが頭を掻きながら答えた。そんなココアにリゼは、

 

「いや……これでいい」

 

と、胸元のリボンを引き締めながら言った。ほう。

 

「……………」

 

「……何だよヒョウ。その笑みは」

 

「リゼのその格好、似合ってるな~って」

 

「!……お前にそう素直に褒められると、なんか気持ち悪いな」

 

「なッ!?どういう意味だー!」

 

折角褒めてあげたのに。心外である。

 

「見てよ千夜ちゃん。二人とも顔が赤くなってるよ」

 

「ヒョウくんもリゼちゃんも青春してるわね~。若いっていいわ~」

 

「千夜、あんた何歳なのよ……」

 

……後、俺の後ろでそんな会話が聞こえてきたが。聞かなかったことにしよう。

 

「ヒョウさんもリゼさんも顔が真っ赤です。二人とも、相当怒っているんでしょうか」

 

「「「…………」」」

 

「な、何で皆さん笑うんですか!」

 

すまんな、チノよ。その発言だけは俺も聞いていたことにするわ。

 

チノの滅茶苦茶微笑ましい発言に、場の空気が柔らかくなっていると、

 

「あ、そうだ!折角皆使用人スタイルになっていることだし、『アレ』をしましょう♪」

 

千夜が笑顔でそう言った。

 

俺の経験から言うと、人に物事を頼むないし提案するときに笑顔になる奴には二種類いる。

一つ目は言いにくいことを言うとき。所謂ばつの悪い笑顔という奴だ。

そして二つ目は無茶振りを振るとき。真顔で言うと断られてしまいそうなことを頼むようなときに使う。この場合、相手に悪印象を抱かせないように緩やかなものであることが多い。

 

さて、千夜はどっちのパターンだろうか。といっても、顔を見れば一目瞭然だ。俺は言った。

 

「……「アレ」ってなんだよ」

 

「それは勿論、「王様ゲーム」よ~」

 

緩やかな笑顔を浮かべて千夜は答えた。

 

「何で「アレ」といったら「王様ゲーム」になるんだ?」

 

「ええ、何言ってるのヒョウくん!「アレ」といったら「王様ゲーム」でしょ!?世界の常識だよ!?」

 

突然話に割り込んできたココアが、「処置なし」といった様相でまくし立ててきた。そんなん知ららんがな。そう思ったが、それを言ってしまうと興奮しているココアに更に燃料を投下してしまう気がする。

代わりにため息を吐いた。すると千夜が王冠を取り出すのが見えた。

 

……こいつ、やる気まんまんだな。そんな俺を尻目に千夜は大きく王冠を掲げて言った。

 

「さあ、皆で「王様ゲーム」やるわよ~」




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