一匙のお姫様物語   作:とりるんぱ

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ちなみに私はコーヒーはブラック派です。ヒョウくんの好みはそれを最大限活かした形となっております。


チノの軽口に、二人揃って反論するところとか。

~☆~

 

 

「お待たせしましたお客様。ご注文のオリジナルブレンドです」

 

「どうも」

 

リゼが、俺が注文したこの店のオリジナルブレンドコーヒーを危なげ無く運んできた。まあ、相当に覇気というか、オーラみたいものを顔に滲ませながら、ではあるけれど。

 

っていうか、一見するとただのウェイターの定型句である今の台詞も相当に怒気を含んでいるような気がするけど気のせいだろうか?

 

 

気のせいだといいなあ、と思いつつ、俺はコーヒーを口に運ぶ。途端、予想しなかったほどの深い味わいが俺の舌を襲った。

 

勿論ブラックであるので苦味はあるが、その苦味がより一層、コーヒーの『深み』を増している。

 

コーヒー独特の香り、そして苦味。一つ間違えれば大事故になってしまうそれを繊細にブレンドすることにより、このコーヒーは極上の『深み』を引き出すことに成功していた。

 

 

「……旨い」

 

素直にそう言った。その発言が聞こえたのだろう、銀髪の少女がぺこりと頭を下げた。

 

……そういえば、さっきあの少女はリゼに……。

 

一旦落ち着こう。俺はもう一口コーヒーを飲んで、ぷはあ、と吐き出した後、

 

「それにしても意外だったな。まさかリゼがそんな趣味をお持ちだったとは」

 

先程から思っていたことをぶつけた。

 

「だから違うって言ってるだろ!」

 

顔を真っ赤にして否定するリゼ。そう必死なところが逆に怪しいと思ったり思わなかったり。

 

「なんだその目は!」

 

さっきより真っ赤になるリゼ。

 

いや、なんだって言われても……ジト目くらいしかしてないよ?俺。

 

「あ、あの……」

 

「ん?」

 

誰かに呼び止められた。何だろうと思いながら後ろを振り向くと、そこには、

 

「お、お二人は知り合いなんですか……?」

 

ぽかんとした表情をしながらもなんとか言葉を紡ぎだしている、銀髪の少女がいた。

 

「別に。ただの私の学校のクラスメイトだよ、こいつは」

 

リゼがそっけなく返す。

 

……そっけなさすぎて、少々ムッとした。

 

「ん、まあそうだな。小、中、高と同じ学校に通ってたり、小学生の頃からの付き合いだったり、クラスでの席が隣同しだったりだったりするけど、別になんてことはないただのクラスメイトだな」

 

リゼの説明を、俺は少々皮肉を入れて補足した。そんな俺にリゼは、

 

「なんだか言葉にトゲを感じるぞ?」

 

笑顔で睨み付けていた。

 

「気のせいじゃないか?」

 

俺も俺で、口元だけで笑みを作りリゼを睨み返す。

 

ぱちり。今にもそんな擬音が聞こえそうなほど火花を散らす俺とリゼ。

そんな俺達を見ていた銀髪の少女は、

 

「成る程。二人は幼馴染みという奴ですか。仲良しさんですね」

 

爆弾を放り込んできた。

 

「「どこが!?」」

 

俺とリゼの声が、綺麗にハモった。




リゼとヒョウくん、なんか険悪な仲になってる感があるなあ……もうちょっと微笑ましい対話をする予定だったんだけど……
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