あ、今回でおしまいです。
――カララン
「漫才コンビの相方を連れてきたよー!」
ちょうどそこにココアが、和服をきた少女を連れて現れた。リゼが突っ込む。
「千夜、仕事中じゃないのか!?」
「ココアちゃんが漫才やるって聞いて、いてもたってもいられなくなっちゃって♪」
千夜と呼ばれた少女は、いかにも大和撫子といった振舞いでそう答えた。言っていることは大和撫子というより小悪魔っぽいが。
「なあ、えっと、そこの……」
「チノです」
「チノちゃんか。えっと、この店では店員さんの漫才をサービスかなんかでやってるのかな?」
「違います。というかそんなサービスやってないです」
じゃあなんで漫才なんかやってるんだろう。俺が首を捻っていると、
「あれ?ヒョウくん?」
俺の存在を認知したのか、ココアは俺に視線を向けてきた。
「知り合い?」
千夜がココアに尋ねる。
「うん。この前学校で話した、バニラアイスのお兄さんだよ」
「ああ、あの300円の!」
「そーそー!あの300のアイスのお兄さんだよー!」
ココアは俺をどういう感じで千夜に紹介してたんだろう。300円のバニラアイスのお兄さん、って一体……
「あれ、ココア。ヒョウと知り合いだったのか?」
リゼがきょとんとしながらココアに尋ねる。
「うん!私たちマブダチなんだ!ね、ヒョウくん?」
そう言って俺と目を合わせるココア。
ジト目で返す俺。
「そ……そのジト目はどういう意味なのかな?」
特に深い意味はございません。
「ココアちゃんココアちゃん」
そんなココアを、千夜が横から突っついた。
「何?千夜ちゃん」
「私達、何しにここに来たんだっけ?」
「あ……」
ココアの目が見開かれる。
「そ、そうだ!私達、漫才しに来たんだった!ごめん千夜ちゃん、忘れてたよー!!」
「いいのよ、思い出してくれれば」
「よーし、じゃあ千夜ちゃん、漫才をやるよー!」
「「おー!!」」
「何この展開!?」
「暑苦しいです」
漫才が行われることになりました。
「私この前家庭科の授業で塩と間違えて砂糖入れちゃったじゃない」
「よくあるねー」
「あれ砂糖じゃなくて粉末石鹸だったみたい」
「あはは、それ面白いー」
あれ、ツッコミは?
しかも実話だったらシャレにならないなそれ。
そんなココアを見て、チノは
「こんなことまでして……ココアさんは本当にしょうがないココアさんです」
ココアに笑みを向けた。
「チ、チノちゃん……やったぁー!チノちゃんの笑顔撮れたよー!」
カメラを持ったままはしゃぎ回るココア。その様子を遠目で見ていた俺とリゼは、
「なあ、ヒョウ。さっきのあれって嘲笑だったよな?」
「まあ、な。どう見ても嘲笑だった」
先程チノが浮かべた見下すような嘲笑を思い浮かべながら話す。どうみても嘲笑以外の何者でもないあの表情を笑顔だと判断するとか、相当強い色眼鏡をかけてるに違いない。
「ま、でも……」
リゼはココアを見据えながら言う。視線の先のココアは、小躍りしながら「チノちゃんが笑った!」と高いテンションで喚いている。
「ココアが笑顔っていうならそうなんだろう。あれに水を指すのも嫌だしな」
肩をすくめて、リゼは言った。俺はシニカルな笑みを浮かべてこう言った。
「ああ。全くの同意件だ」
~次回予告~
ヒョウ「それにしてもリゼ、実際お前チノに何やってたんだ?」
リゼ「くすぐってたんだよ。チノを強引に笑わそうとしたんだ」
ヒョウ「……それでどうしてああなったんだ?」
リゼ「……まさか、私もチノがあんな声出すとは思わなくて」
ヒョウ「……もしかして一番アレなのって、チノなのでは……」
チノ「なんの話をしてるんですか?二人とも」
ヒョウ・リゼ「ゲッ!?」
次回「足挫いたから王様ゲームやろう」
ヒョウ「……」コチョコチョ
チノ「ひゃッ!?あ……ちょ、やめ、やめて、あッ!」
ヒョウ(……なるほどなあ)
リゼ「あ、もしもし警察ですか?ちょっとここにアブナイ人がいるんですが……」
ヒョウ「ちょ、リゼ!?通報しないで!?」