タバサがシルフィードの代わりに別の竜を召喚したら、というお話。フェアリーテイルとの微クロスオーバー。
気分転換の単発です。
自分では続きを書く余裕がないので、どなたかに続きを書いてもらいたいところです。
もし、書いても構わないという方がいるならばメッセージにてご連絡ください。

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プロローグ

 

 

 791年――フィオーレ王国。

 

「時間が来たわ。お別れの時よ」

 

 闇ギルド冥府の門(タルタロス)との戦いを終え、魔導士ギルド妖精の尻尾(フェアリーテイル)の面々は助勢に現れた竜から事情を聞かされていた。

 何故今になって現れたのか。何故姿を消していたのか。その目的は何だったのか。

 その全てを話終えた時、竜達に残された時間も終わりを迎えていた。

 自身の育てた子供とその仲間たちに見送られながら、竜達は空へと舞い上がる。

 

『人間たちよ。争い、憎しみあっていた記憶は遠い過去のもの。今、我々はこうして手を取り合うことができた』

『我々ドラゴンの時代は一つの終焉を迎えた』

『これからの未来を作るのは人間の力』

『400年前、人間と竜との間で交わされた盟約――大憲章(マグナ・カルタ)にのっとり』

『我々ドラゴンは人間を見守り続けよう――永遠に』

 

 時間が来た。一筋の光が立ち上ぼり、天に向かって伸びていく。

 同時に、竜達の体が徐々に光の粒子となって消えていく。

 

「――――――――!!」

 

 ああ、愛しき娘が自分を呼んでいる。

 泣き虫は治ってないみたいね。

 でも、大丈夫。

 この先どんな困難が待ち受けていても、あなたたちならきっと乗り越えて行ける。

 一足先に行って、見守っているから。

 だから、さようなら。

 

『愛してるわ、ウェンディ』

 

 私の最愛の娘よ。

 

 

 この日、5体の竜はその世界から姿を消し、天へと召された……筈だった。

 

 

 

 

 舞台は移り、ハルケギニアのトリステイン王国。

 五芒星を型どって建設されたトリステイン魔法学院にて、進級試験でもある使い魔召喚の儀が行われていた。

 召喚の儀は恙無く進み、生徒達は次々に使い魔を召喚していく。

 

「次はどなたが行いますかな?」

 

 残る生徒の数も少なくなってきた頃、教師であるコルベールが未だ召喚を行っていない生徒達に問いかけると、一人の青髪の少女が杖を挙げた。

 

「ではミス・タバサ、お願いしますね。」

 

 タバサと呼ばれたその少女は、コクンと頷くと前に出た。

 タバサは杖を掲げて周りに聞こえるか聞こえないかの小さな声で呪文を唱えた。

 

「我が名はタバサ。五つの力を司るペンタゴン。我の運命に従いし、使い魔を召還せよ」

 

 呪文が唱え終わると、これまで地面すれすれに出ていたゲートが空中に出現した。

 その大きさはこれまでとは比較にならないほど大きく、目測でも直径20メイルは下らない。

 その光景にその場にいた誰もが絶句した。

 これほどの大きさ。一体何が現れるのだろうかと。

 しかし、待てども待てども何も出てこない。

 もしや失敗したのか。

 見かけ倒しじゃないか、と誰かが嘲笑を浮かべたその時、ゲートから眩い光が溢れんばかりに放たれた。

 とても目を開けていられないほどの強い光。やがてそれが収まると、そこには白く美しい巨大な竜が横たわっていた。

 

「こ、これはドラゴン……!! ですが、このサイズのものはお目にかかったことがありませんぞ! それにしても、見たこともない種類ですな!」

 

 生徒が竜を召喚したこと。そして、その竜の大きさと見たことがない種だということで、コルベールの興奮は最高潮に達していた。

 一方のタバサは、自身の使い魔となる竜に近づき、様子を伺っていた。

 コルベールの言う通り、自分の知識にない特徴を持った竜だとわかった。

 風のメイジである自分が呼び出したのなら、風の属性を持っていると推測はできるが、果たして。

 じっと観察していると、呼び出した竜に何ら動きがないことに気づいた。

 理由は不明だが、眠っているようである。どこか悪いところでもあるのだろうか。

 

「ミス・タバサ。今のうちに早くコントラクト・サーヴァントを唱えてしまいなさい」

 

 コルベールの指示にコクンと頷く。確かに、今は契約を済ませる方が先決だ、とタバサは呪文を唱える。

 

「我が名はタバサ。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」

 

 唱え終わると同時に、目の前の竜に口づけをする。

 契約の証であるルーンが刻まれるのに呼応してか、竜は少し身じろぎをした。

 やがて完全に儀式が完了すると、竜の目蓋がゆっくりと開いた。

 

 

 

 

 ここはどこなのだろうか……?

 魂竜の術を解き、寿命を迎えた昇天したはずの自分が、何故こんなところにいるのか。

 自問しても、答えは出ない。おそらく、死の間際に何者かによって呼び寄せられたのだろうと推測できるが、何の目的をもって、どういう手段で呼び出したのかは不明のままだ。

 通常の魔法に対して極めて強力な耐性を持つ自分を呼び寄せ、かつ繋がりを結ぶほどの強力な魔法の存在に、心当たりはなかった。

 まずは見極めなければならない。

 重い目蓋を持ち上げ、自身と契約した目の前の少女に話しかける。

 

「私は天竜のグランディーネ。あなたの名は?」

「!? …………タバサ」

 

 竜が喋った事にか、驚愕の表情を浮かべた少女は、それでも自身の名を告げた。

 

 この時をもって、『雪風』の異名を持つ少女と、異世界の『天竜』の紡ぐ物語が、幕を開けた。

 

 


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