INFINITE STRATOS CODE:7thD 作:赤目先生
それではどうぞ!
天野剣の朝は早い。午前4時に起きて日課のランニングから始まる。往復合わせて10km程のコースを走り、それが終わったら摸擬刀を使った素振りに移る。まずは基本的な型から始まり、次に『技』の鍛錬を行う
天野道場にある巻き藁を、あらかじめいくつか借りてある物に向かって技を繰り出す
「はぁ!」
剣は巻き藁に近付き、少し離れた所で体を捻り、回転させながら刀を振るう。すると、一つの旋風が巻き起こり、巻き藁が四つに千切れる。7ドラでフロワロシードを倒すのにお世話になった人もいるであろう『旋風巻き』だ
最初に使った時は風程度しか出なかったものを、この数年で少しずつ斬れる回数が増え、今では4回まで増えている。その後、なんどか旋風巻きの素振りをし、次の技に移るため、別の巻き藁から離れて、模擬刀を右肩の位置まで持っていき、突きの構えを取る
「でやぁぁ!」
巻き藁目掛け、目にも留まらぬ速さで近づき、上空に跳び上がり、重力に従いながら一気に両断する。7ドラでは、出血効果にお世話になった『力閂オロシ』だ。これもまだ上を目指せるものであり、まだまだ精進が必要だろう。ちなみに、力閂(ちからかんぬき)と読む。wiki見るまで分かりませんでした
次の技の為に摸擬刀を鞘に納め、意識を集中させる。左手の親指で鍔を弾き、一気に抜き放ったかと思うと、今度は鞘に納めた。次の瞬間、巻き藁がバラバラに切断された
「うーん。まだまだだなぁ」
今使ったのは『十六手詰め』だ。居合の状態から一振りで十六回斬っているように見える技だが、巻き藁の状態を見ると、まだ12回しか斬れてないのが分かる。いったいど、どれ程鍛錬すれば16回も斬れるようになるのだろうか。
「それじゃ、朝風呂にでも入ってこようかな」
朝の鍛錬はこのぐらいでいいだろう。なんせ今は夏休みだ。『中学最後の』、という言葉が頭に付くが。前回から時間が飛び過ぎだって? まあ、いいじゃないか。そんなことより今は、風呂だ。それと朝食だ。
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「おはよう、剣ー」
「おはよう、母さん」
今日は久しぶりに家族揃っての朝食だ。本当ならこの時期に帰ってくることはできないが、今日は予定がある。それは……
「今日は澪ちゃんと一緒に会社に来るんでしょ? 那雲博士も待ってるから、早く来なさいよー」
「わかってるよ、10時頃にはそっちに着いてると思うから」
「は~い」
澪と一緒にノーデンス社に社会科見学の様なものに行くのだ。澪は将来は那雲博士と同じ様に、IS研究者になるつもりらしい。那雲博士とは、姓を見れば分かるように、澪の家族であり、祖父にあたる人だ。博士は現在、自衛隊の様々な分野の研究者として働いている。それと、この世界では自衛隊はISDFではなく、自衛隊のままだ。
それで、俺が呼ばれた理由は、何故か知らないが社長が会いたい、ということなので行くことになった。ちなみに、社長が誰なのかは知らない。会社のホームページにも書かれていないのだ。アリーだったらどうしよっかなー、本当にどうしよっかなー……
それはさて置き、今は朝飯を食べてしまおう。いつの間にか食事が置かれていて、父さんもイスに座ってるし。それじゃあ
「「「いただきます」」」
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時刻は午前10時ピッタリ。ノーデンス社前で澪と一緒に迎えの人を待っている所だ。隣にいる澪の服装は、白の半袖の服に、白のミニスカートという夏らしい服だ。
「最初見たときも言ったけど、その服似合ってるな」
「うぅ……あ、ありがとう……」
いやーやっぱり俺の彼女はかわいいなぁ。あ、澪とは去年、恋人同士になりました。それもまたおいおい話しますよ。一番手強かったのが頼朝さんだ。澪の父親である彼が一番の強敵だった……
一人物思いに耽っていると、会社の入り口から社員らしき恰好をした人が、こちらに走ってきた。
「お待たせしました。天野剣さんと那雲澪さんですね?」
「はい」
「そうです」
「私、田口と申します。それでは、どうぞこちらへ」
そう言われて俺たちは田口さんに付いて行き、社内を案内される。暫く歩くと、前の方から那雲博士が見えた。
「おじいちゃん、久しぶり!」
「おお、澪。よく来たな。今日はしっかり見ていきなさい」
家族同士の微笑ましい会話を聞いていると、田口さんに案内される。おそらく社長室に向かっているのだろう。
「ここですか?」
「はい。社長が二人きりで話したいそうですので、私はここまでです。失礼致します」
「わかりました。ありがとうございました」
田口さんにお礼を言うと、今来た道を通って帰って行った。社長室ということを確認してからノックすると
「どうぞー」
「天野剣です。失礼します」
女性の明るい声が聞こえてきた。恐る恐るドアを開いて中に入ると
「やほやほ☆初めましてだね、天野剣クン」
「どうも、初めまして……アリーさん」
ボサボサの赤くて短い髪をした女性が、イスに座ってこちらを見ていた。まさか本当にアリーだったなんて。アリーとは、7ドラⅢに出てくるキャラなのだが、始めは人類を救う為に動いているかと思いきや、実は7体いる真竜の内の1対で、人類の再生の為に主人公たち以外を殺したドラゴンである。
「それでアリーさんは、何で俺に会いたかったんですか?」
そう言うと、アリーは立ち上がり俺に近付いてくる。手が触れる位置まで近付いてきた。
「へぇ、すぐ身構えたね。他人には気づかれないだろうけど、私には意味がないかな」
「よく分かりましたね。まあ、それはいいので質問に答えてください」
「それはね~」
アリーが言葉を区切る。嫌な空気が漂っている、息がしづらい……
「危険な芽は今の内に潰しておこうかな、ってね」
その言葉を皮切りに、無手の状態の右手で殴りかかるが、腕を掴まれ受け流される。その勢いを利用して、左腕で肘鉄を繰り出すが、左手で軽々と受け止められる。今度は肘を支点にして、蹴りを放つが右腕と脇に挟まり、止められてしまう。そして、アリーに軽々と床に叩き付けられ、抑え込まれてしまった。
「んっふっふ~なかなかやるねぇ」
「……そりゃどうも」
「そんな怖い顔しないでよ。ちょっと試しただけだからさ」
「試した?」
俺がそう聞くと、アリーは拘束を解いてくれた。
「そうそう。それに、人類を愛しているアリーが、ここで一人の人間を殺さないといけないのさ」
「そういえばそうだったな」
と、ここまで話したところで、アリーが何か思い出したかのような声を上げた。
「ていうか、どうして君はアリーの事を知っていたのかな~?」
「あぁ、それか。ま、アリーになら話しても大丈夫かな」
それから俺は、俺が転生者であることを話した。対するアリーは、宇宙から2100年の地球に行こうとしたら、時空の狭間みたいな者に吸い込まれて、この世界に来てしまったようだ。さらに、この世界でドラゴンとして活動はしないらしく、人間として暮らしてみる。とのことらしい。
「やっぱり君は予想通り面白い子だねぇ。あ、そうだ。面白いついでに、ISに触ってみる?」
「え? ISって女にしか動かせないんだろ?」
「君の言う神様が、S級にするだけだとは限らないでしょ? 物は試しに動かしてみなよ」
「まあ、空を自由に飛んでみたいっていうのはあるけど。……じゃあ、ちょっとだけ」
そうと決まったらレッツゴー☆ と言って社長室を出て行くアリーを見失わないように追いかける。この時はどうせ動かせないだろうと思っていたけれど、あんなことになるなんて、この時は思いもしなかった―――――
今回はいかがでしたでしょうか? 澪の過去編などはどのタイミングが良いんでしょうかね? 私は早くIS編に入りたかったので今は省いたんですが。
感想・ご指摘・その他諸々がありましたら、ご気軽にお書き下さい。
それではまた次回!