INFINITE STRATOS CODE:7thD   作:赤目先生

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最近、友人とモンハンばっかやっており、なかなか執筆できてない赤目です。

今回から原作突入ですよ。

それではどうぞ!


Chapter1 始まる日常~It begins everyday~
第一話


ここは、日本にほど近い洋上にある、IS学園。そこにある1年1組は、他のクラスが少しざわついているのと違い、一切の物音も立たっていない。その理由は、この冬見つかった二人の男性操縦者の所為だろう。内1人は、世界最強のIS操縦者である、『織斑 千冬』と同じ姓であることから、身内だということを、薄々感づいてる人もいるだろう

 

一人目の男性操縦者『織斑 一夏』は、身に突き刺さっている視線に耐えきれず、俯いて唸っているが、もう一人の操縦者であり、この話の主人公である、天野剣は目を閉じ、静かに呼吸をして瞑想している。おそらく、そうでもしないと視線に耐えきれないのであろう。ちなみに、二人とも最前列にいるので、嫌でも視線が突き刺さってしまっている

 

「全員揃ってますねー。それじゃあSHR始めますよー」

 

 と、どうやら漸く先生が来てくれたようだ。今までこんな経験は無かったから、現実逃避するしかなかった。

 

「それでは皆さん、一年間よろしくお願いしますね」

「…………」

 

 先生が挨拶をするが、それを返す余裕は俺には無い。今は先生の話を半分聞きながら現実逃避を続けざるを得ない。

 

「じゃ、じゃあ自己紹介をお願いします。えっと、出席番号順で」

 

 この空気に耐えきれず、顔を顰めながら自己紹介を促す先生。俺の出席番号は2番なので、目を開けて『相川 清香』さんの短い自己紹介が終わると先生が俺の名前を呼ぶ。

 

「天野剣です。趣味はスポーツ全般、特技は剣術です。何かと迷惑を掛けるかも知れませんが、これからよろしくお願いします」

 

 よし。自己紹介はこれで良いだろう。そして、自己紹介は次々と進んでいき、もう一人の男子の番になった。

 

「織斑くん。織斑一夏くん!」

「は、はいっ!?」

「あっ、あの、お、大声出しちゃってごめんなさい。お、怒ってる?怒ってるかな?ゴメンね、ゴメンね!でもね、あのね、自己紹介、『あ』から始まって今『お』の織斑くんなんだよね。だからね、ご、ゴメンね?自己紹介してくれるかな?だ、ダメかな?」

 

 生徒相手にそこまでペコペコになくてもいいと思うんだが。織斑も、もう少し気を確かに持ってほしいものだ。

 

「えー……えっと、織斑一夏です」

 

 織斑が礼をして黙り込んでしまう。おいおい、これで終わりか? もうちょっと何かあるだろ。

 

「以上です!」

 

 がたたっ! と思わず女子たちがずっこけてしまう。後ろを向けないから澪の表情は分からないが、多分、苦笑しているだろう。このクラスに知り合い、というより恋人がいてくれて助かった。精神的に楽になるからな。

 

 そんなことを考えていると、パアン! という何か叩いた様な音が隣から聞こえてきた。そちらを向くと、世界最強の織斑千冬が、織斑の頭を叩いていた。

 

「げぇっ! 関羽!?」

「誰が三国志の英雄だ。馬鹿者」

 

 黒スーツにタイトスカートを着た、長身の女性が織斑の頭を拳で、殴っているのがわかった。なるほど、関羽か。どっちかというと呂布の様な―――

 

「危ねっ!!」

「チッ」

 

 なんなんだこの人は!? 俺何もしてないぞ!

 

「何か失礼なことを考えただろう」

「い、いえ。何も考えてないです」

 

 そうか。と言って織斑先生は教壇に向かって行った。あんなの絶対当たりたくないぞ。

 

「諸君、私が織斑千冬だ。君たち新人を一年で使い物になる操縦者に育てるのが私の仕事だ。私の言うことはうことはよく聴き、よく理解しろ。出来ない者には出来るまで指導してやる。私の仕事は弱冠十五歳を十六歳までに鍛えぬくことだ。逆らってもいいが、私の言うことは聞け。いいな」

 

 なんだこの暴君。この人に付いてくる人なんて、この世にいる訳―――

 

「キャーーーーー! 千冬様! 本物の千冬様よ!」

「ずっとファンでした!」

「私、お姉様に憧れてこの学園に来たんです!」

「お姉様の為なら死ねます!」

 

 は、はは、こんなにいたよ。マジかよ、こんなクラスで一年間過ごすのか……まさかこの学園の生徒全員がこんな感じじゃないだろうな。

 

「……毎年、よくもこれだけの馬鹿者が集まるものだ。感心させられる。それとも何か?私のクラスにだけこんな馬鹿共を集中させているのか?」

 

 流石にこんなに騒がれたら誰であろうと呆れるか嫌になるだろうな。

 

「きゃああああああっ!お姉様!もっと叱って!罵って!」

「でも時には優しくして!」

「そしてつけあがらないように躾して~!」

 

 入学から数十分でもう嫌になったんだけど。ここってエリート校だよな? なんでこんなに変態ばっかなんだよ……

 

 

 

 その後は織斑が先生のことを千冬姉と言って殴られたり、そのせいで二人が姉弟だということが分かってまた騒いだりあったが、無事(?)SHRが終わった。IS学園は初日から授業があるらしので、授業の準備だけして待っていると、織斑が話しかけてきた。

 

「なあ、天野剣でいいよな?」

「そうだけど」

「よかった。改めて俺、織斑一夏。一夏って呼んでくれ」

「俺は天野剣だ。俺も剣でいいぜ」

 

 ホッとした様子を見ると、どうやら同じ男子として挨拶に来ただけみたいだ。二人しかいない男同士、仲良くしないとやっていけないだろうからな。

 

「ちょっといいか」

 

 少し雑談をしていると、髪を後ろで纏めて、ポニーテールにしてる女子生徒が話しかけてきた。

 

「箒……?」

「天野、少し借りるぞ」

「おおいいぞ、持ってけ持ってけ」

 

 どうやら一夏の知り合いらしく、話もあるだろうから一夏を渡す。さて、これでこの教室には俺一人な訳だが

 

「ねえねえあまっちー」

「ん? それは俺の事か? 布仏さん」

「そうだよ~これからよろしくね~」

「こちらこそよろしく頼むよ」

 

 袖を引っ張られ、そちらを向くと、眠そうな垂れ目と余っている袖が特徴的な女の子がいた。名前を『布仏 本音』という。布仏さんに先を越された様な顔をしている生徒がたくさんいるのは気のせいだろう。

 

 彼女も挨拶に来ただけらしく、用事が終わったら自分の席に帰って行った。とそこで丁度良くチャイムが鳴り、一夏と篠ノ之さんが帰ってきた。その直後、織斑先生ともう一人の先生が入ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

「ISの基本的な運用は現時点で国家の認証が必要であり、枠内を逸脱したIS運用をした場合は、刑法に罰せられ―――」

 

 緑髪の先生が分かりやすく解説しながら授業を進めていく。でも俺、夏からアリーにISについて教えてもらったから今更なんだよな。復習になるからいいけど。ちなみに、俺がISを動かしたのは一夏が動かした後、ということになっている。面倒事を避ける為に報道を控えたらしい。

 

「織斑くん、何かわからないところはありますか?」

 

 さっきから隣の俺をチラチラ見てきていた一夏だったが、その様子を見かねて先生が近付いてきた。

 

「先生、ほとんどわかりません」

「ぜ、全部ですか……? えっと、この時点で他にわからない人はいますか?」

 

 当然、いないだろうな。参考書に書いてある部分だったと思うが、一夏は読まなかったのか?

 

「織斑、入学前に渡された参考書は読んだのか?」

「……古い電話帳と間違って捨てました」

 

 スパァーーーン!! うわぁ、痛そう。というか出席簿でどうやってこんな音だしてるんだ?

 

「再発行してやる。1週間で全て覚えろ」

「えっ、あの量を1週間では……」

「覚えろと言っている」

「はい……」

 

 あの量を1週間でか、無理だろうなぁ。

 

「天野、同じ男子なんだ。教えてやれ」

「……まあいいですけど」

 

 その後、何事も無く授業が終わり、休み時間に入った。

 

「まさか参考書を捨ててるとは思わなかったな」

「なんか悪いな、教えてもらうことになって」

「いいんだよ。同じ男子なんだ、仲良くしてこうぜ」

 

 そうだな。と爽やかな笑顔で返事を返してくる一夏。

 

「ちょっとよろしくて」

「へ?」

「ん?」

 

 金髪を縦ロールにしているお嬢様口調の、お嬢様風の生徒が話しかけてきた。

 

「まぁ!なんですの、そのお返事。わたくしに話しかけられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度というものがあるのではないかしら?」

 

 なんだ、この手合いの女か。S級のおかげで、女尊男卑がそれほど浸透していないとはいえ、S級よりは存在している。

 

「悪いな、俺君が誰なのか知らないから」

「わたくしを知らない!?セシリア・オルコットを!?イギリスの代表候補性にして、入試主席のこのわたくしを!?」

 

 へえ、この人が入試主席なのか。そういえば澪が僅差で次席だった、とか言ってたな。澪の方が性格も良いし、料理もできるし、良いことずくめだな。

 

「あ、質問いいか?」

「ふん!下々の者の要求に応えるのも貴族の務めですわ。よろしくてよ」

 

 一々こんな態度で接してて疲れないのか? それで満足してるなら別にいいけど。

 

「代表候補生って、なんだ……?」

 

 おおう……そんなことも知らないのかこの一夏は。これから教える立場だと思うと、気が重いぞ。

 

「あのな一夏。字面でわかるだろ。国家代表の候補だよ。言わばエリートだ」

「そう! わたくしはエリートなのですわ!」

 

 一夏の言葉で固まってたオルコットが復帰したと思ったら、調子に乗ってきた。その内、不用意な発言とかしないか心配だな。

 

「本来ならわたくしのように選ばれた人間に声をかけられること自体幸運なのですよ。それ相応の態度は、あるはずでしてよ?」

「そうか、そいつはラッキーだ」

「あなた……馬鹿にしていますの?」

 

 幸運だって言ってきたのは向こうだが、一夏ももうちょっと考えて喋ろよな。あ、そうだ。

 

「幸運だっていうなら、このクラス全員が俺たちより幸運だな」

「どういうことですの?」

 

 思った通りオルコットが突っ掛かってきた。

 

「世界で二人しかいない男性操縦者と同じクラスなんだから、候補生程度と一緒より幸運だろ」

 

 程度、という言葉に怒ったのか、拳を握りしめ震えている。とそこでタイミングばっちりにチャイムが鳴った。

 

「また後で来ますわ! 逃げないでくださいませ!」

 

 できればもう来ないでほしいが、どうせ来るんだろうなぁ……まだ反論の手札は残ってるけど、これを言うとな……

 

「席に着け、これより授業を始める」

 

 どうやら次は織斑先生の授業の様だな。教科書開いて、ノートも出してっと。

 

「ああ、その前に。クラス代表を決める」

 

 クラス代表? なんだそれ。と考えていたら他の生徒が手を挙げて質問した。

 

「クラス代表とは、学級委員長の様なものだ。自薦、他薦は問わない。誰かいないか」

「はい」

 

 おお、勇気ある生徒が手を挙げた。さあ自薦か? 他薦か?

 

「織斑君を推薦します」

 

 よし! 俺じゃない! その言葉を始めとして他の生徒も一夏を推薦していく。これで俺から狙いが逸れてくれれば

 

「わ、私はつるg、天野君を推薦します」

 

 ……へ? 思わず声の聞こえてきた方を見ると、澪がおずおずと手を挙げていた。澪おおおおお! まさか俺を推薦してくるとは! きっと理由は、カッコいい所が見たいとか、そんなものだろうな。ハハハ、はぁ……

 

「織斑と天野以外に誰もいないのか? だったら後は二人で「お待ちください!」

 

 ここでオルコットが割り込んでくるのか。理由は予想が付くが、俺たちが推薦されたのが気に食わないんだろうな。

 

「そんな選出、納得いきませんわ! 男がクラス代表だなんてこのセシリア・オルコットに1年間そのような屈辱を味わえというのですか!」

 

 屈辱って……そこまで言う必要ないだろ。

 

「実力からいえば、わたくしクラス代表になるのは必然ですわ!物珍しさを理由に極東の猿なんかに任せないでください!」

 

 極東の猿って。ISを開発したのは日本人だし、世界最強も日本人なんだが。

 

「大体、文化として後進的な国で暮らさないといけないこと自体、わたくしにとっては耐えがたい苦痛で―――」

「イギリスだって世界一料理が不味いランキング1位じゃねえか」

 

 おお、一夏もなかなか言うな。暫く見てようかな。

 

「あなた! わたくしの祖国を侮辱するつもりですの!!」

「先に侮辱してきたのはそっちだろ!」

 

 おいおい、ガキの喧嘩かよ。もうちょっと賢い喧嘩しろよ。

 

「剣も何か言ってやれよ!」

「いや、俺に振るなよ。まあ敢えて言うなら、オルコットはもっと自分の立場を考えろ」

「どいうことですの?」

 

 こんな奴が代表候補生で大丈夫なのかイギリスは……

 

「まず一つ目、さっきの極東の猿発言だが、ここにいる殆どが日本人で、ISの開発者もブリュンヒルデも日本人だ」

 

 ここでオルコットの顔が青褪めてきた。

 

「次に、文化として後進的って言ったが、最初にISを開発した国が後進的なら、イギリスは何なんだろうな。まだ言葉が出来ていないのかな?」

 

 今度は顔が真っ赤になった。さっきから信号みたいだな、オルコットの顔。

 

「け、決闘ですわ! わたくしが勝ったら奴隷になってもらいますわ!」

「いいぜ。そっちの方が四の五の言うよりわかりやすいからな」

 

 どうしてそうなる。そして一夏、お前も挑発に乗るなよ。

 

「それで、ハンデはどうする?」

「あら、早速お願いかしら?」

「いや、俺がどのくらいハンデを付ければいいのかなって」

 

 クラス全体―――澪を除き―――に爆笑の渦が巻き起こる。

 

「織斑君、それ本気で言ってるの?」

「男が女より強かったのは昔のことだよ?」

「今からでも遅くないよ。ハンデ付けてもらったら?」

 

 それを聞いた織斑がバツの悪そうな顔をしてハンデを断る。

 

「それで? あなたはどうするんですの?」

「俺か? そうだなぁ、ハンデは必要かな」

 

 織斑が驚いた顔をし、オルコットは見下したような顔をした。そして俺は

 

「俺は素手でやるよ」

 

 こう言ったら、またしてもクラスが笑い始めた。オルコットは馬鹿にされたと思い、顔を怒りに染めていた。

 

「あなた馬鹿にしていますの! 素手なんかで来るぐらいなら武器を使いなさい!」

「おっ武器使っていいのか。それならお言葉に甘えて」

 

 まだ何か言いたげなオルコットだったが、織斑先生に遮られ、1週間後にアリーナで試合が行われることになり、授業が再開された。

 

 授業を聞いている中、首に巻いてある紫色のスカーフに手を置き、心の中で呟く

 

 

 久しぶりによろしくな、『ムラクモ』




今回はいかがでしたでしょうか? 剣の専用機の名前だけ出しました。待機状態は、装備するとステータスが上がりそうなスカーフです。

感想・ご指摘・その他諸々がございましたら、お気軽に感想欄にお書き下さい。

それではまた次回!
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