INFINITE STRATOS CODE:7thD   作:赤目先生

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第五話

「それで? IS学園はどんな感じなんだ?」

 

「周りが女ばっかで辛い」

 

「あっはっはっは!」

 

 一緒にゲームをしながら隣で笑うタケハヤ。今日はIS学園も休日ということで、大空孤児院にお邪魔している。やっているゲームは現在絶賛発売中の『IS/VS』だ。モンド・グロッソに出場した機体が『暮桜』を除き、全て登場している。

 

「それよりタケハヤ、アイテルとは最近どうなんだ?」

 

「そりゃもう仲良くやってるぜ。お前の方こそどうなんだよ」

 

「あぁ、心配ないぜ、付き合ってるって公表したからな」

 

「それなら良かった」

 

 実はと言うと、タケハヤとアイテルは去年のクリスマスに付き合い始めたのだ。アイテルは静かな人だが、付き合い始めてからは、タケハヤとイチャイチャするようになってきている。ちなみに、姉のエメルが、妹が姉離れして寂しいと頻繁に言っていたことを覚えている。

 

「ねぇ~タケハヤ~って剣来てたんだ」

 

「おうネコ、邪魔してるぜ」

 

 ドアを開けて部屋に入ってきた人物は、『ネコ』という少女だ。本名は『寧子』と言うのだが、ネコ耳フード付きのパーカーを着ているのと、自身が猫キャラということで、この孤児院ではネコと呼ばれている。

 

「それで? 用があるんだろ?」

 

「そうだった! 今タオとアキラが喧嘩してて、能力も使ってるから止めてよぉ! ダイゴもいないからタケハヤしか頼れないんだよぉ!」

 

 タケハヤも『SKY』のリーダーは大変だな。SKYというのは、この孤児院のS級集団で、主に渋谷を中心に人助けやボランティアなどの活動をしている。

 

 ネコもS級なのでSKYに所属している。ネコの才能は、超感覚S級で『サイキック』と呼ばれている。サイキックは超能力を使い、何もない所から炎や氷、雷を生み出して戦う。先程会話に出てきたダイゴは、運動能力S級であり、『デストロイヤー』と呼ばれている。デストロイヤーは、自身の肉体で殴ったり蹴ったりして戦う。

 

「悪いな剣、今日はもう帰ってくれるか?」

 

「SKYのことはSKYが片付ける、だからな。わかったまた今度遊びに来る」

 

「またね~剣ー」

 

 今日はこれからどうしようか。澪は中学校の頃の友達と遊んでて会えないし、久しぶりに道場に顔でも見せようかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 休み明けのIS学園。教室は転校生の噂と、今度あるクラス対抗戦の話で持ち切りだ。

 

「こんな時期に転校生か……」

 

「そうみたいだよ。確か……中国から来るらしいよ」

 

 と、澪が言う。中国からか、きっと優秀なヤツなんだろうな。IS学園に転校してくるには、入試より難しい試験を合格するのと、国の推薦がないと出来ないことだ。

 

「一夏には頑張ってもらわないとな」

 

「そうだね。デザートフリーパスもかかってるからね」

 

 クラス対抗戦の優勝賞品は、学食のデザートのフリーパスなのだ。これに食い付かない女子はあまりいないだろう。

 

「今のところ、専用機を持ってるのは1組と4組だけだから楽勝だよ」

 

 他のクラスメイトがそう言う。専用機があるから大丈夫だと思うが、鍛錬を怠ってはいけない訳ではない。今日から少し厳しくしていこうかな。

 

「その情報、古いよ」

 

 急に聞こえてきた声の方を見ると、小柄なツインテールの少女がいた。

 

「2組も専用機持ちのクラス代表になったの。そう簡単に優勝させないから」

 

「鈴……? お前か鈴か?」

 

「そう、中国代表候補生『凰 鈴音』よ! 今日は宣戦布告をしに来たってわけ」

 

 どうやら噂の転校生らしい。しかも代表候補生か……これは優勝が難しくなったな。まあそんなことより

 

「凰さん、後方注意」

 

「はあ? 何があるって―――」

 

 バシン! という音が響き、凰さんに向かって織斑先生の鉄槌が下った。

 

「もうすぐSHRが始まる。さっさと自分の教室に戻れ」

 

「ち、千冬さん……」

 

「学校では織斑先生だ。早く戻れ。そして入口の邪魔だ」

 

「す、すいません……」

 

 すごすごと教室を出て行くと思ったら、教室の外に出てから振り向いてきた。

 

「また来るからね! 逃げないでよね、一夏!」

 

「さっさと戻れ」

 

「は、はい!」

 

 言うこと言ってから逃げるように立ち去る凰さん。どうやらさっきの会話を聞く限り、一夏とは中の良い友達か、惚れてるかのどっちかだろう。

 

 その後、一夏と凰さんの関係が気になった箒とセシリアが、授業に集中してなくて織斑先生に頻繁に叩かれていた。気になるのは分かるが、授業はちゃんと受けような。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 所と時間が変わってお昼の食堂。今日は一夏に誘われ、澪と一緒に食堂に来ていた。移動中、箒とセシリアは、授業中に叩かれたのを一夏のせいにしていた。もっと優しくしないと思いは伝わらないと思うんだが。

 

「待ってたわよ一夏!」

 

 お盆にラーメンを乗せているのを持った凰さんがそこにいた。

 

「取りあえずどいてくれ。通行人の邪魔になってるぞ」

 

「う、うるさいわねぇ。わかってるわよ」

 

「一夏、俺たち先に場所取っておくぞ」

 

「おう、ありがとうな」

 

 最近は澪と付き合ってることを公表したから、澪の手作り弁当を食べることができて幸せだ。この前、手間じゃないか? と聞いたら、1人分も2人分も変わらないと言った後に

 

『好きな人のために作れるんだから。嫌じゃないよ』

 

 と笑顔で言ってくれた。健気だなぁ、かわいいなぁ。惚気るのはこのぐらいにして、席を確保してから少し待つと一夏たちが来た。

 

「そういや、一夏ってどこでIS動かしたんだ?」

 

「あー、実は受験会場で道に迷って、とりあえず入った部屋にISがあったから触ったら動いた」

 

「ははっ! なんだそれ。本当に偶然じゃねぇか」

 

 俺は一応、自分から触ったから偶然じゃないけどな。それも一夏は知らないんだっけ。

 

「剣の方はノーデンスでどうやって動かしたんだ?」

 

「…………なんで一夏が知ってんだ」

 

「千冬姉が代表決定戦のときに教えてくれた。後S級だってことも」

 

 あの人は何考えてやがんだ、いや、何も考えてないから教えるのかもな。S級だってことはいいんだよ。でも動かしたことは伏せておくだろ普通よぉ……!

 

「頼むから言いふらしたりしないでくれよ。この場にいるお前らもな」

 

 ちょっと威圧しながら話し掛けると快く頷いてくれた……筈だ。

 

「と言う訳でこの話は終わりだ。俺は天野剣だ。これからよろしくな、凰さん」

 

「え、ええ。こっちこそよろしく頼むわ。私の事は鈴でいいわよ」

 

「わかった」

 

 ここで次は澪を紹介しようと思ったのだが、さっきから鈴の事を睨んでいる箒とセシリアが痺れを切らし、一夏に詰め寄ってきた。

 

「一夏! そろそろどういう関係か話してもらおうか?」

 

「そうですわ! 一夏さん、まさかこの方と付き合っていらっしゃいますの!?」

 

 そういえば惚れてるかどうか、分からず仕舞いだったな。丁度いいからここで聞いてしまうか。

 

「べ、別にあたしと一夏は付き合ってる訳じゃ……」

 

「そうだぞ。ただの幼馴染だ」

 

「……」

 

 鈴が一夏の事をすっごい睨んでるんだけど。睨んでる鈴も気付かない一夏も怖ぇよ。

 

「私以外に幼馴染がいるなど、聞いてないぞ!」

 

「あぁ、箒が引っ越したのが小4だったんだ。その後に鈴が入ってきたんだちょうど時期は、小5の始まりだったからな。で、中2の終わりに中国に帰ったから、会うのは1年ぶりだな」

 

 今ふと思ったんだが、幼馴染ってどこからどこまでが幼馴染なんだろうな。

 

「で、こっちが箒。小学校の頃からの幼馴染で俺が通ってた剣術道場の娘だよ」

 

「初めまして。これからよろしくね」

 

「あぁ、こちらこそ」

 

 挨拶をして握手する光景は仲が良いと思うが、視線がぶつかり合って火花が散ってるぞ。

 

「んんっ! わたくしのことを忘れないでほしいですわ。中国代表候補生、凰鈴音さん?」

 

「……あんた誰?」

 

「なっ!? このイギリス代表候補生、セシリア・オルコットをご存知ないのですの!」

 

「うん、だってあたし他の国に興味無いし」

 

 セシリアが完全になめられて絶句してしまった。自信からも来るんだろうけど、まったく悪気のなさそうな態度だな。

 

「で、あんたはさっきからその子となんでイチャついてるのよ」

 

「んぐ?」

 

 まったく、澪にあ~んされている所を邪魔するとは。命知らずと見た。

 

「なんでって、恋人同士なら普通だろ」

 

「はぁ!? あんたら付き合ってんの!?」

 

「「うん」」

 

 へ~、と言いながら呆けている。そんなに驚くことか?

 

「あ、そろそろ昼休み終わるぞ」

 

『え!?』

 

 時計を見ると次の授業まで残り10分となっていた。俺と澪は既に食べ終えていたので先に退散するとしよう。

 

「俺たち先に行ってるからな」

 

「皆、頑張ってね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 時は放課後。今日は一夏、箒、セシリアと一緒に訓練をしにアリーナに来ている。今回は箒も『打鉄』を装着しての参加だ。セシリアが不満そうだが、今日は俺との訓練だからさっさと始めよう。

 

「それじゃあセシリア、まずはインターセプターをコールなしで展開してみて」

 

「わかりましたわ」

 

 そう言って掌に意識を集中させてるようだが、なかなか展開できない様子だ。30秒ほど待ってからようやく短剣が出てくる。

 

「物凄く遅いな」

 

「言わないでください……自分がよくわかっていますので……」

 

「一回IS解除してくれるか?」

 

「え、ええ」

 

 セシリアにISを解除させる。そしてムラクモの拡張領域から実物のナイフを手渡す。

 

「まずは実物を振って、武器を使う感覚を覚える所からだ。ナイフを握ってる感覚を知れば、自ずと展開速度も速く成る筈だ」

 

「なるほど、理に適ってますわね」

 

「まずは数回、好きに振ってくれ」

 

「わかりましたわ」

 

 セシリアが何度か振るうが、体の軸がぶれてるが、ナイフを振る速度は早い方だな。トレーニングはしているからだろうな。

 

「よし、もういいぞ」

 

「どうでしたでしょうか?」

 

「振る速度は十分だ。もっと速くできると思うから頑張れよ。直す所は体の軸をしっかりさせることかな」

 

 思ったよりいい感想をもらえたからか、嬉しそうな顔をするセシリア。結構筋が良いのを見ると、ただ単に近接武器に慣れてなかっただけみたいだ。

 

「今日からは近接武器に慣れる為に1日1時間はナイフの素振りだな。そのナイフはあげるよ」

 

 そして拡張領域からカバーを取り出して渡す。

 

「ありがとうございます。これから精進いたしますわ」

 

「これからも見るから頑張れよ」

 

「はい!」

 

 次は一夏だが、箒と模擬戦中だな。俺の攻撃を見続けたからか、箒の攻撃を避けられるようになってきている。が、近づく時が一直線だからかなかなか当てられていない。

 

「一夏ー、正面からじゃなくて横とか上からも仕掛けろ。そんなんじゃ当たらないぞ」

 

 模擬戦が一区切りついた所で話し掛ける。二人とも良い勝負をしていたので、大分疲れている。

 

「今日はこのぐらいで解散するか、明日から一夏は機動の練習だな」

 

 労いの言葉を掛けてからアリーナを出る。今日はムラクモを展開しなかったから更衣室に行く必要がないので、真っ直ぐ部屋に戻ろうと思ったが、

 

(誰か知らんが、ついてきてるな)

 

 さっきから何者かがつけてきている。このまま気付いてないふりをして部屋に帰ってもいいが、正体は知りたいな。丁度良いところに曲がり角があるな。

 

 タイミングを合わせて走り出す。後ろの気配も慌てて追いかけてくる。曲がり角で待機し、顔を出したところを目の前ギリギリ目掛けて拳を突きだす。

 

「さっきから何ですか? あなたは」

 

「あら、気付かれてたのね」

 

「そりゃあ、あんな露骨に気配出してたら気付くに決まってますよ」

 

「そこにも気付くなんて、流石はS級ね」

 

 S級を指摘されより一層、警戒を強める。俺がS級だということは教員しか知らないはずだからだ。

 

「そんなに警戒しないでよ。ちょっと挨拶に来ただけだから」

 

「そうですか。ではさっさとどうぞ」

 

「もう、冷たいわね。まぁいいわ」

 

 謎の青い髪の女性は、1歩下がり扇子を開いて続けた。

 

「私はIS学園生徒会長の『更識 楯無』よ。これからよろしくね♪」

 

 開かれた扇子には『学園最強』と書いてあった。

 

「そうですか。俺は天野剣です。じゃあ俺は帰りますね」

 

「えぇ。また会いましょうね」

 

 どうやら本当に挨拶に来ただけみたいだ。取りあえず部屋への道を歩くが、あの人は『また』と言っていた。ああいう何するかわからないアリータイプの人は嫌いじゃないけど苦手なんだよなぁ……まぁ、あんな人がいると、学校生活は楽しくなるとは思うけどな。




今回はいかがでしたでしょうか? SKYはゲームのような不良集団ではなくなっています。原作に比べて、セシリアは近接戦闘が強くなり、一夏は回避能力が向上しています。

感想・ご指摘・その他諸々がありましたら、お気軽にお書き下さい。

ではでは、また次回
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