東方守絆然~繋がる絆と一枚の葉~   作:reira

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はじめましての方ははじめまして、知っている人はこれからもよろしくお願いします。レイラとゆー者です。
守絆然を改めて書くことにしました。

今まで書いていた方も、ペースは落ちますが更新していこうと考えています。よろしくお願いします


決断の時

秋の夕暮れ時の静かな公園。その隅では三人の女子中学生が遊んでいた。

 

「よしっ、今日もあのポーズを決めよ!」

 

「えー、今日もまたやるんですか?もう夕方だし、早く帰りません?」

 

「帰りが遅いと怒られちゃいますから…」

 

「一回だけ!ね!」

 

「一回だけなら…」

 

「楽しいですし、僕は賛成です!」

 

「よし!やるよ!」

 

すると三人は陣形を組んで、キメ顔で順に語り始める。

 

「この世の神秘、ナンバービョウ!」キリッ

 

「友達の神秘、ナンバーハン!」キリッ

 

「能力の神秘、ナンバースミレ!」キリッ

 

「「「三人合わせて秘封倶楽部!この世の神秘を手の内に!!!」」」ドヤァ

 

中学生の遊びなんてこんな物である。というか中2病である。

そして可笑しくなってクスクス笑いだす。これがこの三人の何時もの日課だ。

 

「アハハッ!じゃあ、またね~」

 

「では、また明日~」

 

「さよならです~!」

 

これはその三人の内の一人、ナンバーハンこと仲光 絆(ちゅうこう きずな)の物語である。

 

◇○◇○◇○◇○◇○◇○◇○◇○◇○◇○

 

「ただいまです、ゆかりん!」

 

「あら、おかえりなさい。ご飯出来たから食べなさい」

 

ただいまをおかえりなさいと返したのは絆の母親、八雲紫。通称ゆかりんである。といっても、血は繋がっていない。幼かった絆を紫が引き取ったのである。

しばらく前には紫の実の息子がいたというが、今はいない。

 

「わかりましたー!それでは、いただきますです」

 

「ふふっ、どうぞ召し上がれ。じゃあわたしも、いただきます」

 

そして二人は紫がつくったハンバーグを美味しそうに頬張っていた。

しばらくして、紫が唐突に話を切り出す。

 

「絆、そろそろ将来何になりたいか決めたかしら?」

 

「うーん…まだ、です」

 

「いいのよ、決まったら教えてちょうだい。紹介できればしてあげるから。」

 

「はーい。」

 

紫曰く、中2は立派な大人だという。だから絆は、何か仕事をするように紫に言われたのだ。

 

「ご馳走様でした!じゃあ考えて来ます」

 

「ちょっと待って、絆」

 

食べ終えて自分の部屋に戻ろうとした絆を紫が引き留め、絆の目をしっかりとみつめて一言。

 

「好きなことを精一杯頑張った方がいいわよ」

 

「……」

 

迷いを、見透かされている。絆はそう感じた。

更に紫は述べる

 

「自分に出来るのか、なんて考えちゃダメよ。出来るようにするのが仕事なの。問題はやる気よ。好きなことだったらやる気がでるでしょ?」

 

「…ゆかりんには隠し事、出来ませんね」

 

「家族なのだから、当たり前でしょう」

 

悩みがバレバレだったことに絆は苦笑いをすると、紫は当然の事のようにこたえた。その笑顔は、悩みを消し去るような、晴れやかな笑顔で、絆はとても嬉しかった。

それでも、絆は不安があった。

 

「一つだけ、聞いてもいいですか?」

「何かしら?」

 

そして、絆は不安そうに言葉を紡いだ。

 

「お、男の子でも、メイドさんになれますか?」

 

その目は真剣で、それでいて今にも泣き出しそうだった。そう、絆は男の子である。

そんな絆に、紫は述べた。

 

「絆、常識に囚われてはいけないわ。もっと広い目で見渡しなさい」

 

「え…?」

 

戸惑う絆に紫は訪ねる。

 

「男の子が、メイドをしちゃいけないなんて誰が決めたのよ」

 

「…!?」

 

絆は黙って考える。確かに、誰が決めたわけではない。それなら…

 

「出来るわよ、絆ならね」

 

「はい…!」

 

力強く頷いた絆に紫は今後の予定を簡単に述べた。

 

「明日から仕事を初めてもらうから、しっかり支度しておきなさい」

 

「え、もうですか!?」

 

絆は驚く。今話していた夢物語が明日だなんて、考えてもいなかった。

 

「善は急げって言うでしょ。既に話は通してあるわ」

 

「え、でも別れの挨拶とか…」

 

「しておいてね、って言っておいたわよね」

 

「…そ、そうですね」ハァ

 

絆はため息をついた。

絆は本当にそうなるなんて思っていなかったため、いなくなるかもしれないとしか言っていなかったからだ。

しかし、今はもう夜。メールを送るより他ない。

 

「今日は覚悟をきめなさい。あ、お風呂もしっかりはいること。いいわね?」

 

「はーい…」

 

そう言って自分の部屋に戻る絆。絆のいなくなった部屋で紫はボソッと呟く

 

「どっからどうみても女の子、なんて言えないわよね」

 

その言葉は誰にも聞かれることはなかった。

 

 

 

 

 

そして、その日は訪れた。




今回からはゆっくりじっくり更新予定です。(テスト除いて週に一回更新目標)
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